
受身ややり取りの表現の相手を表す。
「友だち
から頼まれた」
「父
から受け継ぐ」
「人
から聞いた」

「に」に言い換えられることもある。「人に聞いた」

《方向性のある表現を伴って》動作を起こす主体を表す。
「君
から渡しなさい」
「僕
から電話しようか?」

「が」に言い換えられることもある。「君が渡しなさい」

《「…てから」の形で、動詞連用形を受けて》一つの動作の成立時点を次の事態の起点として表す。
「食事を済ませて
から出かける」
「あのとき別れて
から会っていない」

《「から見て」「から言って」「からして」の形で》後に続く判断の
根拠を表す。
「状況
から見て、殺人事件だ」
「あの様子
からして結婚は間近だ」

《しばしば「して」を伴って》最も基本的なものを挙げ、他はまして、と強める。
「先生
から(して)そんな服装では困ります」
→
からして

《数量を表す語に付いて》それ以上であることを表す。程度が多いという含みがある。
「金は百万
からかかる」
「重さは一〇キログラム
からある」
「五万人
からの署名を集めた」

一般に「も」に言い換えられる。「金は百万もかかる」


接助


《活用語の終止形を受けて》

次に続くことの
原因・
理由・
根拠を表す。
「時間がない
から急ごう」
「連絡がない
から心配した」
「疲れた
から一休みしよう」

→
ので

《「…で(も)いい━」「…て(も)いい━」の形で、下に希望・意志・依頼・命令などの表現を伴って》後に続く事柄が成立するための、許容できる(最低限の)根拠を表す。
「死球でいい━塁に出たい」
「高くてもいい━売ってください」

自然のなりゆきで成立する、希望・命令などの根拠を表す「から」を使うのが標準的。説得・説明する気持ちで理由を述べる「ので」を用いるのは標準的でない。「
×
誰でもいいので連れて来い」「
△
一日でいいので、つきあってください」

《「からだ」の形で》先に述べたことの
原因・
理由・
根拠を表す。
「遅れたのは渋滞に巻き込まれた
からだ」
「やっぱりしかられたな。悪ふざけする
からだよ」

《「…からといって」「…からって」「…からとて」の形で、多く下に打ち消しの語を伴って》…という理由で。また、ただそれだけの理由で。
「疲れた
からといって休むわけにはいかない」
「長男だ
からっていばるなよ」

「からって」は口語的、「からとて」は文語的。→
からとて

《「…から(に)は」の形で》…する以上は。→
からには

《文末に用いて》注意・警告・慰めなどの気持ちを表す。
「先生に言いつけてやる
から」
「私もう帰る
から」
「心配しなくていい
から」

《「…んだ━」「…のだ━」の形で、言いさして》相手に反論する気持ちで、言外に示す意見のよってきたる理由を説得的に示す。
「(だって)ことばが通じないんだ━」
「(気持ちはわかるが)こんな時代なのだ━」
がら


名


肉を取り去ったあとの鶏などの骨。だしをとるのに用いる。

品質の劣ったコークス。また、石炭の燃えたあとに残ったコークス状のもの。
◆「殻
から」が濁音化した語。