
《多く「…から…まで」の形で》範囲を定める基準点を表す。
「駅前
から商店街までをパレードする」
「三歳
から五歳までの子供」
「この川
から南を規制区域とする」
原因・
根拠を表す。
「不注意
からけがをする」
「顔色
から健康状態を判断する」
原料・
成分を表す。
「果物
から酒を造る」
「台座は青銅
から作る」
「この本は三章
からなる」

「で」に言い換えられることもある。「果物で酒を造る」
順序を表す。
「好きなもの
から食べる」
「子供
から診察する」

受身ややり取りの表現の相手を表す。
「友だち
から頼まれた」
「父
から受け継ぐ」
「人
から聞いた」

「に」に言い換えられることもある。「人に聞いた」

《方向性のある表現を伴って》動作を起こす主体を表す。
「君
から渡しなさい」
「僕
から電話しようか?」

「が」に言い換えられることもある。「君が渡しなさい」

《「…てから」の形で、動詞連用形を受けて》一つの動作の成立時点を次の事態の起点として表す。
「食事を済ませて
から出かける」
「あのとき別れて
から会っていない」

《「から見て」「から言って」「からして」の形で》後に続く判断の
根拠を表す。
「状況
から見て、殺人事件だ」
「あの様子
からして結婚は間近だ」

《しばしば「して」を伴って》最も基本的なものを挙げ、他はまして、と強める。
「先生
から(して)そんな服装では困ります」
→
からして

《数量を表す語に付いて》それ以上であることを表す。程度が多いという含みがある。
「金は百万
からかかる」
「重さは一〇キログラム
からある」
「五万人
からの署名を集めた」

一般に「も」に言い換えられる。「金は百万もかかる」


接助


《活用語の終止形を受けて》

次に続くことの
原因・
理由・
根拠を表す。
「時間がない
から急ごう」
「連絡がない
から心配した」
「疲れた
から一休みしよう」

→
ので

《「…で(も)いい━」「…て(も)いい━」の形で、下に希望・意志・依頼・命令などの表現を伴って》後に続く事柄が成立するための、許容できる(最低限の)根拠を表す。
「死球でいい━塁に出たい」
「高くてもいい━売ってください」

自然のなりゆきで成立する、希望・命令などの根拠を表す「から」を使うのが標準的。説得・説明する気持ちで理由を述べる「ので」を用いるのは標準的でない。「
×
誰でもいいので連れて来い」「
△
一日でいいので、つきあってください」

《「からだ」の形で》先に述べたことの
原因・
理由・
根拠を表す。
「遅れたのは渋滞に巻き込まれた
からだ」
「やっぱりしかられたな。悪ふざけする
からだよ」

《「…からといって」「…からって」「…からとて」の形で、多く下に打ち消しの語を伴って》…という理由で。また、ただそれだけの理由で。
「疲れた
からといって休むわけにはいかない」
「長男だ
からっていばるなよ」

「からって」は口語的、「からとて」は文語的。→
からとて

《「…から(に)は」の形で》…する以上は。→
からには

《文末に用いて》注意・警告・慰めなどの気持ちを表す。
「先生に言いつけてやる
から」
「私もう帰る
から」
「心配しなくていい
から」

《「…んだ━」「…のだ━」の形で、言いさして》相手に反論する気持ちで、言外に示す意見のよってきたる理由を説得的に示す。
「(だって)ことばが通じないんだ━」
「(気持ちはわかるが)こんな時代なのだ━」
がら


名


肉を取り去ったあとの鶏などの骨。だしをとるのに用いる。

品質の劣ったコークス。また、石炭の燃えたあとに残ったコークス状のもの。
◆「殻
から」が濁音化した語。