
《「と━ものだ」の形で》話し手の判断を断定・強調する。
「成功したのだから苦労のしがいもあったと━ものだ」
「それはあんまりと━ものだ」

《「とは━・え」「と━・って」「と(は)━・っても」「とは━ものの」「とは━・いながら」などの形で》前提を認めたうえで、それに反することが成り立つ意を表す。…だけれども、しかし。…だとしても。…といえども。
「親しい間柄とは━・え、礼儀を忘れてはいけない」
「いやになったからと━・って辞めるわけにもいかない」
「今日中にできると(は)━・っても何の保証もない」
「読んだとは━ものの精読してはいない」
「知らざることとは━・いながら、誠に失礼しました」

接続詞的にも使う。「休みたい。とは━・え、休むわけにはいかない」

《「(そう)かと━・って」の形で、下に否定的な表現を伴って》前提から予想されることが、現実には成り立たない意を表す。しかし、そうはいうものの。さりとて。
「害にはならないが、かと━・って役に立つわけでもない」

《「それと━のも」の形で、多く下に「…から(なの)だ」など理由を表す表現を伴って》前文が成り立つ理由を補足的に説明するのに使う。なぜそうかと言うと。
「料理の腕前は玄人はだしだが、それと━のも食い道楽だからだ」

《「からと━・って」の形で、下に否定的な表現を伴って》理由となるべき根拠が一般に認められるとしても、必ずしも正当な理由とはならない意を表す。…からって。
「入選したからと━・ってそんなに自慢するものではない」
「作曲家だからと━・ってピアノが弾けるとは限らない」
「社長だからと━・ってごり押しは困る」


自五


《擬声語+「(と)━」の形で》人以外の動物が声を出す。鳴く。また、物が音を立てる。鳴る。
「犬がワンワン━・って
えさを求める」
「床がみしみし━」
「雨戸ががたがた━」
「腹がグーグー━」
◆

「言う」の発音は「ユー」であるが、「言います」などでは「イー」となる。現代仮名遣いでは、語幹を「い」にそろえて「いう」と書くことになっている。「ソーユー」「ユワユル」なども正式の仮名遣いとしては「い」(そういう・いわゆる)。


〜

は「言」、



と

はかな書きが一般的。「謂」は主に「謂わゆる」「…の謂
いい」「謂わば」などと、「云」は「田中と云う人」「『真実』と云う語」などと使うが、今はかな書きが一般的。
言える
関連語
大分類‖言う‖いう
中分類‖
言う‖いう
【言い得て妙みょう】
巧みに言い表しているさま。