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つ・く【付く(▽附く)】🔗⭐🔉
つ・く【付く(▽附く)】

自五
ぴたりとくっついて離れない状態になる。付着する。くっつく。
「シャツに血が━」
「顔に飯粒が━」
「髪にたばこの臭いが━」
「仕事が手に━・かない(=身を入れて仕事をすることができない)」
「こびり━・抱き━・
かみ━」
糊のりなどが物と物とを接着させる能力をもっている。
「この糊はよく━」
「金属にも━接着剤」
「着く」とも書くが、「付く」が一般的。
付着した状態で物が生じる。
「窓ガラスに水滴が━」
「包丁に
さびが━」
「鉄瓶に湯あかが━」
「贅肉ぜいにくが━」
付着して生成する物を主語にしていう言い方。
折られたり押されたりしてしるしが生じる。しるされる。残る。
「新札に折り目が━」
「雪上に足跡が━」
「コップに指紋が━」
「手に傷が━」
「回覧板には閲覧済みのしるしが━・いている」
(本体に付加する形で)ある状態や性質・能力が新たに生じる。また、増強された状態で生じる。
「車にスピードが━」
「動きに勢いが━」
「酒に燗かんが━」
「実力に差が━」
「知恵[精]が━」
「貫禄かんろくが━」
「技術が身に━」
主となるものに添え加わる。特に、付加的に設置される。
「キャラメルにはおまけが━」
「このカメラにはストロボが━・いている」
「資金援助に条件が━」
「話に尾ひれが━」
「夕食に晩酌が━」
「庭まで━・いた貸家」
物事の順調な流れをさまたげるような反論や苦情などが加えられる。
「行司軍配に物言いが━」
「計画にけちが━」
「どこからも文句が━・かないように対策を講じる」
そばを離れずに従い続く。付いてゆく。付き従う。
「先頭にぴたりと━」
「兄に━・いて上京する」
よしとしてそのほうに与くみする。味方する。
「徳川方[体制側]に━」
一緒にいて護衛や監視にあたったり世話をしたりする。付き添う。
「会長に護衛が━」
「人質に見張りが━」
「病気の子供に看護婦が━」
部下として従う。従属する。
「田中部長に━・いて働く」
後ろ盾となってくれる人が出てくる。
「彼には後援会が━・いている」
(頼りになるものとして)それに沿い従う。よる。
「土手道に━・いて川辺に降りる」
「通説に━・けば漢字の輸入は三世紀ごろである」
植物が根を下ろす。根づく。
「挿し木が━」
燃焼現象が起こる。また、灯火がともったりテレビなどに電源が入ったりした状態になる。
「摩擦によって火が━」
「明かりが━」
「テレビが━・いたままになっている」
灯火がともる意では「▽点く」とも。
物事が視覚・聴覚・嗅覚に際だって強く感じられる。
「汚れが目に━」
「時計の音が耳に━・いて離れない」
「わざとらしさが鼻に━」
「人目に━行動は控えよ」
意識・知覚が働く。
「誤りに気が━」
与えられて身に負う。
「芝居で主役級の役が━」
「あだ名[高値]が━」
税金や特別料金が課せられる。かかる。
「何を買っても消費税が━」
「深夜を過ぎると割り増しが━」
ある価に定まる。
「平均すると一本百円に━」
「結局は高く━・いた」
「飛行機にしたほうが安く━」
偶然などが作用して事がうまく運ぶ。運が向く。
「今日は━・いている」
「最後は━・いているほうが勝つ」
意志が固まる。
「決心が━」
ある状態に落ち着く。決着する。
「勝負[一段落・話・けり]が━」
「仕事の目処めどが━・かない」
「両者の対立に決着が━」
「善悪の区別が━」
関係づけられてつながりが生じる。
「先方と連絡が━」
「組織内の横のつながりが━」
曖昧な事柄がそれと知られる。
「見当[想像・見通し・見極め]が━」
ある物事が成立する。また、理屈による説明などが成立する。
「都合が━・けば出席します」
「先方との折り合いが━」
「こう考えると説明が━」
《「…とも…とも━・かない」などの形で》…にも…にも属さない。中間的であいまいである。
「海の物とも山の物とも━・かない代物だ」
「冗談とも真面目まじめとも━・かぬ表情」
《「愚にも━・かない」の形で》ばかばかしくて問題にならない。
「愚にも━・かないことは言うな」
◇愚かの範疇はんちゅうにも属さないほどに愚かだの意から。
《「…に━・き」の形で》→就つく
◆「就く」「着く」「憑く」と同語源。
「附き添う」「附き従う」「附きまとう」など、くっつく意では多く「附」が使われたが、近年はもっぱら「付」を使う。「汚れ[利息]が付く」など実質的意味を表すときは漢字を使うが、そうでない「勢い[気・燗かん]がつく」「目につく」「高くつく」「今日はついている」などではかな書きが一般的。他動詞「付ける」の場合も同様(薬を付ける・ボタンを付ける/勢いをつける・目をつける)。
付ける
付き
関連語
大分類‖付く‖つく
中分類‖付き添い‖つきそい
大分類‖付く‖つく
中分類‖付着‖ふちゃく










































明鏡国語辞典 ページ 4043 での【付く(附く)】単語。