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まい・る【参る】マヰル🔗⭐🔉
まい・る【参る】マヰル

動五

自
《多く「━・ります」の形で》「行く」「来る」の丁重語。相手(=聞き手・読み手)に対する改まった気持ちを表す。
「三時にお宅に━・ります」
「〔花子の親に向かって〕花子さんの結婚式には母が━・ります」
「当地に━・って三日になります」
「向こうから人が━・りますので、道を聞いてみましょう」
「〔ホームで〕先生、お下がりください、電車が━・りました」
「日本チームに絶好の機会が━・りました」
「伺う」が、訪問したり行ったりする先の人物を高める敬語であるのに対し、「参る」は丁重な物言いをして相手(=聞き手・読み手)に改まった気持ちを表す敬語。たとえば佐藤氏に向かって「田中氏のお宅に
伺います/参ります」という場合、「伺う」は訪問する先の田中氏を高め、「参る」は聞き手である佐藤氏に対する丁重さを表す。
「伺う」は必ず高める人物がいる場合に使うが、「参る」は高める人物がいない場合にも使える。「明日出張で大阪へ
×伺います/○参ります」「〔取引先の社長に向かって〕先日、うちの会長の別荘に
×伺いまして…/○参りまして…」
「参る」を尊敬語のように使って他人の動作についていうのは誤り。「×
先生は祝宴には参られますか」「×
ご面会の方が受付に参っていらっしゃいます」
〔武士のことばで、多く命令形で〕「行く」「来る」の尊大語。目上の人が目下の人の行為を低めていう。
「その方は一足先へ━・れ
芥川
」
「近う━・れ」
〔主に武士のことばで〕「行く」「来る」の荘重語。重々しくもったいをつけていう。
「御坊たち、うちそろってよく━・られた
柴田錬三郎
」
「殿は、いずれへ━・られまする
司馬遼太郎
」
「もそっと近う━・られよ」
「わしには一向に合点が━・らぬぞ」
◇この用法では尊敬を表す「参られる」の形もよく使う。
神仏、先祖の墓などにもうでる。参拝する。参詣さんけいする。
「出雲大社[先祖の墓]に━」
丁重語意識がなくなり、「参られる」「お参りになる」など、尊敬語化も自由に行われる。
負ける。降参する。
「『どうだ、━・ったか』『うん、━・った、━・った』」
「見事なお手並み、━・りました」
閉口・困惑する。よわる。こまる。
「この混雑には━なあ」
困難な状況で心や体が弱る。へたばる。
「こう忙しくては体[神経]が━」
〔やや古い言い方で〕死ぬ。
「そのような時には永く苦しませずに首をねじって━・らせてやるのだ
倉田百三
」
異性に心を奪われる。
「彼は彼女にすっかり━・っている」

他
《終止形を記号的に使って》目上の人にこの手紙を差し上げますの意で、手紙の脇付わきづけにする語。男女ともに使う。
「母上様━」
◇もと、差し上げる、…して差し上げるの意で、その動作の及ぶ相手を敬ったことから。

補動
《動詞連用形+「て[で]」に付いて》
「…て行く」「…て来る」の丁重語。相手(=聞き手・読み手)に対する改まった気持ちを表す。
「〔知人への手紙で〕日増しに寒くなって━・ります」
「これまで種々の職業を体験して━・りました」
「先日は信州まで行って━・りました」
「〔課長に対して〕私が部長のご都合を伺って━・りましょう」
〔武士のことばで、多く命令形で〕「…て行く」「…て来る」の尊大語。
「一度こちらへ連れて━・れ」
〔主に武士のことばで〕「…て行く」「…て来る」の荘重語。
「京の宗牧と申される方が訪ねて━・られました
司馬遼太郎
」
◆「参まい入る(=貴所に参入する)」の転。


〜
、
はかな書きも多い。
参れる
参り
→敬語解説
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖行く‖いく


























































明鏡国語辞典 ページ 5755 での【参る】単語。