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よ・い【良い・善い・好い・佳い】🔗🔉

よ・い【良い・善い・好い・佳い】 〔優劣・美醜・吉兆・善悪・正否・適不適などで、喜びや満足をもたらす状態である意。口語の終止形と連体形には、多く「いい」を使う〕 物事がある側面が優れている。 「彼は声が━」 「うちの会社は給料が━」 「品質が━」 「━・く書けている」 良・佳幸運などに恵まれている。 「茶柱とは縁起が━」 「運が━」 「本年が━年でありますように」 良・好物事が好ましい状態である。 「調子[物わかり・天気]が━」 良・好成績や効率などが好ましい。良好だ。 「成績が━」 「本番では━結果を残したい」 良・好人柄・態度、評判などが好ましい。 「気だて[行儀]が━」 「受けが━」 良・好やり方など洗練されていて、(高く)評価できる。 「立ち合い[趣味・手ぎわ]が━」 良・好互いの連絡や関係がうまくいっている。 「乗換列車の接続が━」 「太郎は花子と仲が━」 時期や都合が適合するさま。 「今は星を見るには━季節だ」 「午後のほうが都合が━」 《「…に━」の形で》好ましい結果をもたらすさま。 「早寝早起きは健康に━」 《「AにはBが━」「AはBが━」の形で》目的にかなって適当である。ふさわしい。 「贈り物には花束が━」 「髪は短めが━」 《「━・くなる」の形で》異常な状態が正常に戻る。なおる。 「病気が━・くなる」 「険悪な関係が━・くなる」 道義的に正しい。善である。 「陰口は━・くない」 「人助けは━ことだ」 重要な行事(特に、慶事)を行うのにふさわしい日である。吉日だ。 「本日はお日柄も━・く…」 「この佳き日に…」 《「値段が━」「値が━」の形で》値段が高いことをやや婉曲えんきょくにいう。 「値が━・くて手が出ない」 ことばの意味を高く評価して解釈するさま。 「━意味での野性味がほしい」 「━・く言えば堅実、悪く言えば平凡」 《多く「━・く(は)言わない」「━・く(は)思っていない」の形で》人物やその行動などを高く評価しないさま。 「彼は彼女のことを絶対━・く言わない」 《多く連体形「いい」の形で》 〔反語的に〕悪い、好ましくない、容認できないなどの意。 「挨拶あいさつもしないとは、━性格をしているよ」 「いたずら電話なんて━迷惑だ」 年齢にふさわしい分別がないことを皮肉にいう。 「━年をして何ですか」 「━大人が何を泣く」 《「…(のほう)が━」の形で》それが最適な(または、より適切な)選択である意を表す。 「昼食には僕はウナギが━」 「見るなら喜劇のほうが━」 《「…もう━」の形で》もう必要ないといって、物事の中断や終了を宣言する。…はもう結構だ。 「その話はもう━」 「もめ事はもう━」 「僕はウナギはいいよ(=ごめんだ)」のように、「もう」を言わないですませる言い方もできるが、と意味が紛れやすい。 感動の気持ちをこめて、物事が大いに評価できることをいう。 「今年の新人は━よ」 「やはり故郷は━」 「海は広くて━なあ」のように、理由表現を伴うことも多い。 《「と━」「(ほう)が━」「たら(だら)━」「ば━」の形で》適当の意を表す。願望や提案の気持ちがこもることも多い。 「入門者はまずこれを読むと━」 「悪者は地獄に落ちるが━」 「飲みたいのなら飲めるだけ飲んだら━」 「いやなら辞めれば━」 《「とも━」の形で》「…てもよい」の古風な言い方。→とも 「気が進まぬなら来ずとも━」 《動詞の連用形に付いて、複合形容詞を作る》容易に…できる。…やすい。 「住み━町」 「飲み━薬」 ⇔にく 補形《「て[で]━」「て[で]も━」「た[だ]って━」などの形で》許容・許可の意を表す。…て(も)かまわない。…て(も)差し支えない。 「もう帰って━」 「願いがかなうなら死んでも━」 「しばらく借りても━か」 「昼食はウナギで━」 「この店以外ならどこだって━」 の「僕はウナギがよい」と、の「僕はウナギでよい」とでは、前者は最適の選択を、後者は許容できる範囲での(次善の)選択を表す。「…てよい/…てもよい」では、後者のほうが一歩引く気持ちが強い。このため「…がよい・…でよい・…でもよい」の順で、自分の選択にこだわる気持ちが薄れる。 ◆⇔悪い 様態の助動詞「そうだ」に続くときは、「よさそうだ」のように、語幹のあとに「さ」が入る。 連用形「よく」には、頻度の多さを表す用法や単なる程度副詞的な用法など、終止形にない意味・用法が豊富にあり、それらは独立した副詞として扱う。→よく 「良」は優れる意で使うほか、広く使う。「好」は好ましい意で好まれるが、今は多く「良」でまかなう。は「善」、は「佳」、以降は一般にかな書き。 ‐さ 関連語 大分類‖物事の性質‖ものごとのせいしつ 中分類‖良い‖よい

明鏡国語辞典 ページ 6283 での良い単語。