
〔視覚的にとらえて〕物体が空間を占める量が多く、面積・体積・寸法などが大である。
「彼は体が━」
「隣家の敷地は━(=広い)」
「この服は私には(サイズが)━」
「字を━・く書く」
「夕日は━・く見える」

音の量が多い。
「電話の声が━」
「テレビの音を━・くする」

年が上である。
「━方の兄さん(=長兄)にしかられた」
「若く見えるが伯母には━子供がいる」

「━・くなる」の形で、子供が成長する(成長して大人になる)意にも。「━・くなったら野球選手になりたい」

〔数量的にとらえて〕物事の規模や程度がはなはだしいさま。大である。
「5は3より数が━(=多い)」
「この会社は規模が━」
「金額が━・くて(=高くて)買えない」
「貧富の差が━」
「速度が━(=速い)」
「角度が━(=広い)」

〔数量を感覚的にとらえて〕その程度・可能性・傾向などがはなはだしいさま。特に、問題が軽視できないさま。
「苦労が━・ければ成功の喜びも━」
「山好きになったのは兄の影響が━(=強い)」
「この病気は再発する可能性が━(=高い)」
「放置すると騒ぎが━・くなる」

〔人の態度・性向・発言などについて、慣用句的に〕

度量や包容力がある。
「肝っ玉が━」
「酒を飲むと気が━・くなる」
「人物が━」

大げさである。
「話が━」
「━ことばかり言う」

分をわきまえずに偉そうにするさま。
「態度が━」
「お国のためとは━・く出たもんだ」
◆⇔
小さい

俗語的な語に「で(っ)かい」がある。

「大きな」は連体用法しかなく、「大きい/大きな

木[人・家・会社・町…]」など、具象名詞では入れ替えが自由にきく。抽象度の高い「大きな事件が起こる」「大きな問題を抱える」「大きな成功を収める」「大きな感銘を受ける」では「大きな」が優勢。「小さい/小さな」の場合もほぼこれに同じ。慣用句的な「大きな態度[顔]をする」では、「大きな」のほうが圧倒的に優勢。「大きなお世話だ」のように「大きい」とは言えないものもある。「失敗の公算の

大きい/大きな

企画」のように述語としても働く場合は、「大きい」のほうが標準的。
‐さ
関連語
大分類‖重い‖おもい
中分類‖
重度‖じゅうど
大分類‖物事の性質‖ものごとのせいしつ
中分類‖
大きい‖おおきい
「大きい」「小さい」を修飾する表現
大変[非常に/極めて/けた外れに/けた違いに/とてつもなく/恐ろしく/むやみに/やたらに/めっぽう/すこぶる/べらぼうに/(もの)すごく/ずば抜けて/驚くほど/あきれるほど/びっくりするほど]
大きい/
小さい
目を見張るほど[見上げるほど/はみだすほど/計り知れないほど/抱えきれないほど/おわびしても許されないほど]
大きい
目に見えないほど[頼りないほど/取るに足りないほど/無視できるほど/手で持てるほど/ポケットに入るほど/形がわからないほど/顕微鏡でも見えないほど]
小さい
「大きい」「小さい」の比喩表現
〔大きい〕大男が山[岩]のように行く手を妨げる・象[クマ]のような大きな体でのし歩く・御殿[お城/シャトー]のような大邸宅に住む・山[ピラミッド/万里の長城]のように大きい建造物・海のように大きい心・一時代を画する[歴史に残る/世界を震撼
しんかんさせる/天地を揺るがす]ような大事件
〔小さい〕芥子粒
けしつぶ[粟粒
あわつぶ/豆粒/米粒]のように小さい・遠目には豆粒[アリ/マッチ箱/おもちゃ/模型/箱庭/盆栽]のように小さく見える・生まれたばかりの赤ちゃん[子猫]のように小さい・マッチ箱[ウサギ小屋]のように小さな家に住む・毛穴のように小さな欠点をあげつらう・蚊の鳴くような[消え入りそうな]声で訴える・芥子粒[米粒/豆粒]ほどの思いやりもない・毛穴[針穴/針の目]ほどの信頼も寄せてくれない・親切心はノミのまなこ[ノミの卵/ノミの金玉/蚊のまつげ]ほどもない
おおき‐さ【大きさ】オホキ━


名


空間を占める物体のもつ、長さ・広さ・かさなどの数量的な属性。また、その広がりの程度。
「形ある物にはすべて━がある」
「机の━(=長さ・寸法)を測る」
「土地の━(=広さ・面積)を比べる」
「この冷蔵庫では━(=容積)が足りない」

物事を大きい・小さいの尺度で見た場合の、その程度。
「点Aにかかる力の━(=圧力)を求めよ」
「音の━(=音量)を一定に保つ」
「取引の━に応じて融資する」

物事の数量・程度がはなはだしく大きいこと。
「ピラミッドの━に圧倒される」
「反応の━に驚く」
⇔
小ちいささ