
挙

式典、特に結婚式を執り行う。挙行する。挙式する。
「式を━」
「華燭
かしょくの典を━」

挙

《「…を━・げて」の形で》構成員のすべてにわたって。
「国を━・げて応援する」
「一家を━・げて渡航する」

挙

〔やや古い言い方で〕子供をつくる。もうける。
「千代治等も長じて恋し子を━・げぬわが旅にしてなせしごとくに

石川啄木

」

揚

食材を熱い油の中に入れて煮る。また、そのようにして揚げ物を作る。
「車エビを━」
「天ぷらを━」

上

神仏に供える。
「お経[祝詞
のりと]を━」
「霊前に線香を━」
「神棚にお神酒
みきを━」

上

「やる」を上品にいう語。軽い謙譲の意を伴うこともある。
「(景品ノ洗い粉ヲ)姉さんに━・げましょう

漱石

」
「君にこの本を━よ」

本来は動作の及ぶ人物を高めて言うべきものとされるが、今はむしろ同等またはそれ以下の人に使う。近年は「金魚にえさを━」「花に水を━」など動植物に対してもいう。より敬意の度合いの高い言い方に「差し上げる」がある。

上

使用人として仕えさせる。奉公に出す。
「娘をお屋敷に━」
⇔
下げる

上

《「名を━」などの形で》名が上がるようにする。有名になるようにする。
「新進作家として名[文名・文声]を━」

上

仕事を終え(て作品を作り上げ)る。
「今日中に仕事を━・げたい」
「御注文の洋服は五日以内に━・げましょう」

上

稽古
けいこ事などで、一つの作品を習い終える。
「半日でソナチネを━」
「一年がかりで初級を━」

上

ある金額(特に、安い金額)の費用で済ませる。まかなう。
「飲食費を一万円で━」
「諸経費をもっと安く━・げよう」

上

《「━・げてしまう」などの形で》放置したままにして、機械の機能などを停止させてしまう。だめにしてしまう。
「車のバッテリーを━・げてしまう」


自



上

満ち潮になって海面が上がる。
「だんだんと潮が━・げてくる」

自らを上げる意でいう。「霜が置く」の類。

《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》

上

謙譲の意を添える。
「厚く御礼を申し━・げます」
「少しも存じ━・げませんでした」

上

その仕事をすっかり終える。
「仕事は夕方までにし━」
「今日中に織り━」
「定年まで三五年間を勤め━」
「染め━・書き━」

上

はっきりと目立つようにことばで示す。
「条文に謳
うたい━」
「賛同者の氏名を読み━」

上

極限まで…する。…し尽くす。
「徹底的に調べ━」
「ぴかぴかに磨き━」
「叙情味たっぷりに歌い━」


補動


《動詞連用形+「て(で)」の形に付いて》「…てやる」を上品にいう語。その動作がそれを受ける人に恩恵を与える意を表す。
「叔母さんに梅川の鰻をとって━の

芥川

」
「少し話し相手になって━から

漱石

」

本来は動作を受ける人を高めて言うべきものとされるが、今はむしろ同等またはそれ以下の人に使い、さらに動植物、無生物にも使う傾向にある。「ポチを末永くかわいがって━・げてね」「CDは大切に扱って━・げてください」

動作主が恩恵を与える立場にあるため、それを受ける人を一段下の者として扱うような感じとともに、恩着せがましさや押しつけがましさを伴うため、目上の人には使いにくいことが多い。
◆

→
あがる
あ・ぐ(下二)
上げ
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
上下‖じょうげ
大分類‖仕事‖しごと
中分類‖
昇進‖しょうしん
大分類‖終わる‖おわる
中分類‖
終了‖しゅうりょう
大分類‖犯罪‖はんざい
中分類‖
検挙‖けんきょ
大分類‖与える‖あたえる
中分類‖
贈る‖おくる
大分類‖料理‖りょうり
中分類‖
炊事‖すいじ
あけ‐わた・す【明け渡す】


他五


家や地位などから立ち退いて、その場を他人に渡す。
「城[土地]を━」
明け渡し
関連語
大分類‖与える‖あたえる
中分類‖
譲る‖ゆずる