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ばかり🔗🔉

ばかり 副助 《数量を表す語に付いて》おおよその程度を表す。…ほど。…くらい。 「かれこれ一時間ばかりも待たされた」 「それは十日ばかり前のことだった」 範囲を限定する意を表す。…だけ。 《体言の直後に付いて》(集団が)単一のものに限られている意を表す。全部が…だ。…しかない。 「子供ばかりのグループ」 「主役が退場して脇役ばかりになる」 「脇役ばかりになる」は、脇役しかいない集団になる(=)とも、脇役になることしかない(=)とも解釈できるが、「脇役にばかりなる」は、後者の解釈だけで、前者には解釈できない。 《体言の直後や、体言+格助詞、動詞+「て」などに付いて》その事柄の及ぶ範囲が一つに偏っていることを表す。 「ずうたいばかりが大きい」 「妹の家ばかりに行く」 「文句(を)ばかり言う」 「家にばかり閉じこもっている」 「あの子とばかり仲よくする」 「遊んでばかりいる」 《「…ばかりだ」の形で活用語の連体形を受けて》物事が偏って生じる意を表す。…だけだ。特に、物事がよくない方向にだけ進展する意を表す。…一方だ。 「文句を言うばかりで、動こうとしない」 「ご迷惑をかけるばかりで恐縮です」 「状況は悪化するばかりだ」 「ばかり」の入る位置は、焦点のあたる部分のすぐ後に入ることが多く、「兄とばかり遊んでいる」だと、相手の限定に、「兄と遊んでばかりいる」だと、状況の限定に、「兄と遊んでいるばかりだ」のように文末に来ると、のように事柄全体の限定になりやすい。ただし、「掃除もせずに兄とばかり遊んでいる」「兄と遊んでいるばかりで、姉とは遊ばない」のように、文脈に支えられて他の位置に現れることもある。 《「…ばかりだ」「…ばかりの」などの形で、動詞や動詞型活用の助動詞の連体形、もしくはその未然形+「ん」に付いて》 物事がすぐにも起こりそうな段階にある意を表す。 「あとは出発するばかりだ」 「開演するばかりになって、中止せよとの連絡がきた」 「今にも降り出さんばかりの天気だ」 程度がはなはだしい意を表す。…ほど(の・に)。 「花と見紛うばかりの美しさ」 「目を覆わんばかりの惨状だ」 「机の上にとりどりの薬の箱があふれるばかりに並んでいる」 の「…んばかりだ」の「ん」は、本来打ち消しの「ぬ」に由来し、「…ぬばかりだ(=…しないだけで…したかと思うほどの)」の意。後に推量の「む」と混同され、…しそうなくらいだ、と解釈されるようにもなった。 《「…ばかりだ」「…ばかりの」などの形で、動詞や動詞型活用の助動詞の連用形+「た」に付いて》物事が生じた直後である意を表す。 「今着いたばかりだ」 「耕されたばかりの畑」 《「…ばかりに」の形で、活用語の連体形に付いて》そのことだけが原因で、の意を表す。 「知らせたばかりによけいに心配をかけた」 「手を貸したばかりにかえって混乱した」 「優しかったばかりに、人一倍苦労もした」 《「…ばかりか…まで[も・さえ]」の形で、名詞や活用語の連体形に付いて》それだけでなく、さらにの意を表す。…どころか…まで[も・さえ]。 「いびきばかりか寝言まで聞こえる」 「あの店は味が悪いばかりか、接客態度もなっていない」 「うそを言うばかりか盗みさえする」 《「…とばかりに」の形で、発話や思考の内容を受けて》まさにそう思っているかのように、の意を表す。 「死ねとばかりに突き飛ばした」 「今が盛りとばかりに咲き誇る」 「我がものとばかりに抱え込んだ」 「ここぞとばかりに責め立てる」 ◆「はかる」の連用形名詞「はかり」から。俗語的な言い方に「ばかし」「ばっかし」「ばっかり」がある。 許り」とも当てる。

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