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【孟子】🔗🔉

【孟子】 モウシ〈書物〉一四編。孟子が諸侯や門人・来訪者たちとかわした議論や対話を門弟たちが整理した書。孟子は名を軻カといい、山東省鄒スウ県の人。孟子は、孔子の唱えた仁のほかに義ということを重視し、仁義礼智は「惻隠・羞悪・辞譲・是非」の心の働きとして人間に固有のものであり、その心を充実させれば、浩然の気となって正義の大道を進むことができるというが、これは単純な観念論である。また「民を重しとなす、君を軽しとなす」といい、人民は君主を追放してもよいとする一方で「心を労する者は人を治め、力を労する者は人に治めらる」とのべて、士〜民の差別を主張する。宋学がおこってのち、孟子の性善良知の論が儒家思想の主流であると認められ、朱子は『大学』『中庸』『論語』『孟子』を基礎的テキストと考えて「四書」と称した。ただし不徳の君主は伐ウつべきだという孟子の主張は体制に反逆するものであるため、日本の江戸中期の国学者も、これを危険思想として批判した。逆に、王陽明のような心性自由を目ざす学派は個人の自覚をうながす『孟子』の勇気を高く評価した。本書は、江戸末期の吉田松陰ら幕末の志士を鼓舞する心のかてとなった。四書の一つ。十三経の一つ

漢字源 ページ 1183 での孟子単語。