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【孫子】🔗🔉

【孫子】 ソンシ〈書物〉三巻、一三編。春秋時代末期の孫武の著。成立年代不詳。『呉子』と並ぶ、中国の代表的な兵法書。孫武は、呉王の闔閭コウリョ(在位前514〜前496)に仕えた武将。構成は非常に体系的で、計篇に始まる三編で戦略論を、形篇以下の三編で戦術原論を、軍争篇以下の七編で戦術各論を展開している。文章も簡潔で、「彼を知り己を知れば、百戦してあやうからず」「その疾ハヤきこと風のごとく、そのしずかなること林のごとし」などの古今に愛吟せられた名句が多いが、なによりも独創的な兵法書としての価値が大きい。本書とともに『七書』に数えられる『呉子』『司馬法』『尉繚子ウツリョウシ』『李衛公問対』『黄石公三略』『六韜リクトウ』などの兵書はすべて本書の影響をうけたものである。日本には八世紀ころ伝えられ、兵学のバイブルとして重んぜられた。荻生徂徠オギュウソライ・新井白石・佐藤一斎らによる注釈書がある。

漢字源 ページ 1189 での孫子単語。