複数辞典一括検索+
【楚辞】🔗⭐🔉
【楚辞】
ソジ〈書物〉一七巻。戦国時代末の屈原クツゲン(前343?〜前277?)および、その後継者たちの辞を集めたもの。二世紀に成立。「楚辞」とはもともと楚の地方に発生した、六言または七言を一句とする民謡で、句中に助辞の「兮」の字をはさむことによって独特のリズムを生みだした韻文の一つのジャンルである。屈原は名を平ヘイといい、原は字アザナである。楚国の王族の家に生まれ、楚の懐王の重臣として、内政・外交に活躍したが、のち讒言ザンゲンにあい追放された。「離騒」は、この時の作品で、王に遠ざけられた悲しみや国の前途を憂える情をのべたものである。晩年に、江南の地をさまよい、「懐沙賦カイサノフ」(「九章」所収)をのこし、汨羅ベキラ(湖南省北東部)の淵に身を投じた。『楚辞』は北方文学である『詩経』とともに、中国古代の文学を知るうえの、二大総集である。
漢字源 ページ 2288 での【楚辞】単語。