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【潜夫論】🔗⭐🔉
【潜夫論】
センプロン〈書物〉一〇巻。後漢の王符オウフの著。桓帝カンテイ(在位147〜67)のころに成立。著者が、当時の政界の腐敗に憤慨して、政治のなすべき根本を論じた書。自己の名のあらわれるのを嫌って、『潜夫論』と称した。その論旨は、商業の発展による社会秩序の変化が、生活水準の向上によるぜいたくな風潮とあいまって、社会全体の破綻をもたらし、特に農業が没落して浮浪の徒が横行している。しかるに、当局者は賢者を採用して道徳による社会の再建を図ろうともせずに、一身の名利を追求するだけで、無用の空論をもてあそんでいる、と弾劾するものである。一般に、王符の論は、時世の弊害を論ずるに急で、思想家としては王充の透徹さにはるかに及ばないといわれるが、後漢の社会相を如実に描写している点では極めて貴重な記録といえよう。
漢字源 ページ 2665 での【潜夫論】単語。