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【王右丞集】🔗🔉

【王右丞集】 オウユウジョウシュウ〈書物〉一〇巻。盛唐の王維オウイ(?〜761)の詩文集。王維の死後、弟の王縉オウシンが編集したもの。王維の作品は、開元年間(713〜41)の詩だけでも千余首にのぼるといわれるが、安禄山アンロクザンの乱で、ほとんど散逸した。王縉は親戚・知人の間に捜し求めたが、四〇〇余首しか集められなかったという。763年、代宗の求めに応じて献上された。右丞は王維が最後につとめた官職の名で、尚書ショウショ右丞(内閣書記官長)の略。字アザナの摩詰マキツをとって『王摩詰集』とも呼ぶ。現存する王維の詩は四七九首、散文は七二編である。王維は若くして詩名が高く、音楽家・画家の才能にも恵まれた。長安の貴族たちは競ってかれの琵琶ビワを招いたというし、かれの別荘を水墨で描いた絵は有名である。かれの作品は「詩中に画あり、画中に詩あり」と蘇軾ソショクに評せられ、一般にひろく愛読された。「鹿柴ロクサイ」「竹里館」などの詩は『唐詩選』に収められて、いまに至るまで愛唱されている。

漢字源 ページ 2852 での王右丞集単語。