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【礼記】🔗⭐🔉
【礼記】
ライキ〈書物〉五〇編。戦国時代・秦シン・漢初にわたり、孔子学派から分かれた諸家の、文化風習についての論を集めた書。いつごろ成立したかは不明。漢の戴徳タイトクの編した『大戴礼』と戴聖の編した『小戴礼』があり、たんに『礼記』という場合は『小戴礼』をさす。内容は広範囲でたとえば「礼運」篇では、太古に平等自由な大同の世があり、それがくずれて道徳法制によって人を規制する小康の世となり、戦乱の世となるという文明論を展開する。また「月令ガツリョウ」篇は天子の四季の行事が自然の動きと符合すべきことをのべ、漢代の「天人合一」の思想を導いている。また『大学』『中庸』は、おそらく孔子の門人の子思学派の系統を引くもので、「中」とか「誠」とかいう心性修養の論を導入している。のち宋学者がこの二編をとり出して『論語』『孟子モウシ』と合わせ、「四書」と称して儒学の基礎書とみなした。日本では養老令の大学寮の定めによって、『礼記』は大経の一つとして課せられている。五経の一つ。十三経の一つ。
漢字源 ページ 3139 での【礼記】単語。