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【聊斎志異】🔗🔉

【聊斎志異】 リョウサイシイ〈書物〉一二巻。清シンの蒲松齢ホショウレイ(1640〜1715)の著。1679年成立。文語体で書かれた怪異小説集。博識と文才をもちながらついに官吏になりえなかった不平不満から、社会の矛盾への憤りをこめて書いたものという。聊斎は作者の書斎名。内容は、ほとんど神仙・狐鬼・精魅セイビ(ものの精、妖怪変化)に関する物語で、とりわけ狐妖と人間とのまじわりを中心に展開する情話が多い。典故を駆使した簡潔な古文で、夢幻の境地をつくりだしており、怪異文学中の白眉である。当時、人々は競ってこの書を伝写したという。日本には、江戸時代に伝えられ、明治以降に流行した。石川鴻斎イシカワコウサイの『花神譚』『夜窓鬼談』をはじめ、小金井きみ子の『革一重』、国木田独歩の『竹青』『王桂菴』『石清虚』『胡四娘』などの翻訳、あるいは本書に取材した作品が多い。

漢字源 ページ 3564 での聊斎志異単語。