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【近思録】🔗⭐🔉
【近思録】
キンシロク〈書物〉一四巻。南宋ナンソウの朱熹シュキ(1130〜1200)・呂祖謙リョソケン(1137〜81)の共編。1176年に刊行。北宋の代表的儒学者である周濂渓シュウレンケイ・程明道テイメイドウ・程伊川テイイセン・張横渠チョウオウキョの著作の中から、初学者向けのことばを選び出した「性理学」入門書。宋代に新しくおこった「性理学」(「宋学」「道学」ともいう)は、それまでの訓詁クンコ学的な学風とは違って、はるかに形而上学的な色彩が強かったため、初学者にはその論旨や要点がわかりにくかった。朱子は「性理学」の大成者でもあったが、前述した先輩たちの著作の難解さを初学者に手ほどきしようとして、呂祖謙とともにはかり、わかりやすく修養にもなることば六二二条を選び出して、道体・論学・致知などの問題別にした一四編を作った。題名の「近思」とは『論語』の字句「切に問い近く思う」に基づいている。以来、宋学を学ぶ者にとっては、『四書章句集注』とともに必読の書となり、日本でも江戸時代以後盛んに読まれた。
漢字源 ページ 4396 での【近思録】単語。