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【史通】🔗🔉

【史通】 シツウ〈書物〉二〇巻。唐の劉知幾リュウチキ(661〜721)の著。710年ごろ成立。中国で出た最初の歴史理論の書。内篇一〇巻(三六章)では、主として古来からの史書の体裁(『尚書』系統、『春秋』系統、『左氏伝』系統、『国語』系統、『史記』系統、『漢書』系統の六分類)について評論し、「編年体」(『左氏伝』系統)と「断代紀伝体」(『漢書』系統)の二つを、史書のあるべき姿としている。また、外篇一〇巻(一三章)では、歴代の史官の制度の変遷やその成果である史書の内容の長短について、著者独自の見解を展開している。唐・宋ソウ時代の人々には異端者の意見として敬遠されていたらしいが、明ミン末・清シン初以後に徐々にその真価が認められるようになり、清代の歴史理論家章学誠ショウガクセイの『文史通義』とともに、中国における独自の歴史理論書の双璧ソウヘキとされている。

漢字源 ページ 715 での史通単語。