複数辞典一括検索+

一切経音義 イッサイキョウオンギ🔗🔉

【一切経音義】 イッサイキョウオンギ〈書物〉『一切経』に音注と字解をほどこしたもの。二五巻(玄応ゲンノウ撰)。玄応(?〜663)は長安の僧で、645年以降、玄奘ゲンジョウのもとで経典漢訳の校正に任じ、四五八部の経論についての音義(音注と字解)を作った。音注の説明に使われた反切は『切韻』とほぼ同質で、唐初の文語音を表す。一〇〇巻(慧琳エリン撰)。慧琳(737〜820)はカシュガル(疎勒ソロク)の人、不空三蔵のもとで経典漢訳にあたり、788〜810年ごろに音義を作った。体裁は玄応のものと同じだが、分量は多く、また『字林』『玉篇』『三倉』などの逸書や、今の『説文セツモン解字』にはない説文解説を引用している。その反切は『切韻』より簡素化した体系を示し、唐代長安音の韻書である『韻英』などによっている。九世紀の長安音を表す貴重な材料で、日本の漢音、朝鮮漢字音の主部分とよく一致する。『衆経音義』ともいう。

漢字源一切経で始まるの検索結果 1-1