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0485.09 文末・必ず[文末]🔗⭐🔉
0485.09 文末・必ず[文末]
(1)免(まぬが)れない 免(まぬか)れない 〜は避け難い 避けられない 避けて通られない 争われない 争えない 欠かせない 〜に決まっている 相違ない 目に見えている;
〜己まない 〜欠かさない
[文例]
●といって躊躇すれば、仁者の隼人之助まで犠牲にされるのが必定であった。[井伏鱒二]
●ワイニンゲルなんぞの足跡を踏んで行けば、厭世は免(まぬか)れないね。[森鴎外]
●主食は、殆ど極上の林檎にきまっていた。[井伏鱒二]
●謙作は信行に好意を感じないではいられなかった。[志賀直哉]
●しかし時の勢いは争われない。[井伏鱒二]
(2)ねばならない 〜すべき 可(べ)し 可(べ)くんば有らず;
しないではいられない;
いけない まずい 悪い
[文例]
●是がわたくしの当(まさ)に討究すべき所である。[森鴎外]
●〜ようにと気をつけないわけには行かなかった。[志賀直哉]
●しかる上は、阿弥陀如来様の腕を修理して差しあげなくっては叶わない。[井伏鱒二]
●それだけの湯治客がいるのだから、浴場もよほど大きくなくてはいけない。[三浦哲郎]
(3)〜是非が無い 是非も無い 〜するより外はない 〜する外ない;
仕方ない 方がない 仕様がない 如何(いか)んともし難い;
お仕舞だ 終わりだ 運の尽き;
禁じ得ない 止むを得ない 止むなく 無理はない
[文例]
●出来ない事をするのも勤なれば是非が無い。[森鴎外]
●お前に別れては困るに違いないが、最早是非に及ばない。[森鴎外]
●それには身分を秘するより外はない。[永井荷風]
●こうなれば佐多のいう悪戯で彼をキリキリ舞いさしてやるより、手はない…[志賀直哉]
●なにかというと、誰かの部屋が犠牲になる、それは仕方のないことだ。[三浦哲郎]
●今度の処置は万己むを得なかったことで、…[谷崎潤一郎]
●自分の気持が自発的に其処までは未だ少し行き切らない気もしたが、仕方がなかった。[志賀直哉]
●〜を感ずると共に失望の念を作(な)すことを禁じ得なかった。[森鴎外]
●しかし、果実が熟しておのずから色づく、という自然さが、彼女の化粧に現われてこないのも無理はない。[吉行淳之介]
●そう云ってしまえば話はおしまいである。[井伏鱒二]
0485.10 文末・表現態度[文末]
(1)思い半ばに過ぐ 感慨深いものがある
(2)〜つまらない 〜遣る 〜しまった 〜おく 構わない かなわない 〜くれる;
始まらない 仕様がない 仕方がない 能ではない 市が栄えない 何(なん)にもならない;
からきし どうしようもない
[文例]
●「おれに会ったって、仕方がないだろう。」[吉行淳之介]
●〜した場合はそれでよく、しない場合でも、それでいいのだと思った。それは仕方のない事だ。[志賀直哉]
●「もうあきらめろよ、あんな痩せっぽちの女、つまんないじゃないか」[吉行淳之介]
●然し只そう悔やむばかりが能ではない。[志賀直哉]
●「字引も引かねばならんの。〜字を間違ったら、さっぱりぢやの。」[井伏鱒二]
(3)堪らない たまったもんじゃない 〜たまったものではない 泣いた あれには泣かされた 音を上げる 悲鳴を上げる;
あんまりだ あんまりじゃないか 酷(ひど)い0106.15;
閉口0362.10 御免だ;
痛い 高く付く0565.07;
厄介0059.02 苦労した 苦い思いをした 〜辛い;
荷になる 荷だねえ 荷物になる 負担 お荷物
[文例]
●私はこのごろ、山に登るとき息ぎれがしてかなわない。[井伏鱒二]
●独身でいるのさえ変なのに、お負に三宝に帰依していると来るから、溜まらない。[森鴎外]
●ヒヨコは頭を噛みくだかれていた。〜もう生物を飼うのは御免だと思った。[井伏鱒二]
●なる程酒は御馳走になる。併しお肴が饂飩と来ては閉口する。[森鴎外]
●「虫ですよ。あの尻の光っている奴が、こうやって尻を振っていたんですよ、堪ったもんぢゃあない」…[志賀直哉]
●造影剤といえば、右脚の血管撮影のときは、泣かされた。[三浦哲郎]
●村の危急に際し、裸でぶらぶら歩きまわっていると思われてはつまらない。[井伏鱒二]
(4)〜に値する 〜に値しない
[文例]
●こんなに早く大阪まで伝わったとは一驚に値する。[井伏鱒二]
●(その動機)を考えて見れば、少しも同情に値しない。[森鴎外]
(5)〜堪(た)えない 堪(た)えたるものがある 忍びない 堪え難い0562.05
[文例]
●其言頗(そのことすこぶる)傾聴するに堪えたるものがある。[森鴎外]
●謙作は信行に好意を感じないではいられなかった。[志賀直哉]
●事実を堙滅(いんめつ)せしむるには忍びない。[森鴎外]
(6)非の打ち所がない 文句ない 申し分ない;
完全0046.05
[文例]
●眺望も申しぶんがない。[井伏鱒二]
●所が相阿弥の物になると、どの一つを見てもそういう難のうちようがない。[志賀直哉]
(7)有り難い 嬉しい 心強い;
結構だ 十分だ 旨い話だ こんな旨い話はない
(8)悪い0047.01;
感じの悪い よろしくない 戴けない・頂けない 感心しない 気持の悪い;
〜いけません 貰う 〜どうかと思う 良しとしない 潔しとしない 不満0350.02 心苦しい0362.03;
残念だ;
よしてくれ 措いてくれ 嫌0719.01 うんざりだ うんざりする 御免だ 〜やがる;
悪いことをした0654.06 まずかった
[文例]
●「駄目ですよ。〜明日取りにいらして出来てないと悪い事よ」[志賀直哉]
●自分達と余り年の異はない事が悪い。[志賀直哉]
(9)〜だから忌々しい 情け無い 馬鹿馬鹿しい 呆れる 世話は無い 話にならない 馬鹿を見る 損した;
驚く すさまじい 素晴らしい
[文例]
●給仕は横柄だし、食えた物じゃないが、大枚を叩いた手前、つい箸をつけるのだから情無い。
●〜したのだから凄い。[井伏鱒二]
●見まいとしながら、ちらりと見てしまったことは是非もない。[井伏鱒二]
(10)救われない 往生できない 困る
[文例]
●然しこれだけはお前も信じてくれないと俺も浮ばれないよ。[志賀直哉]
●産卵する力のある魚は産卵しなくては死にきれまい。[井伏鱒二]
(11)〜下さい 〜欲しい 〜有難い 〜助かる
[文例]
●お幾は気楽に歩いて貰った。[志賀直哉]
●「何かもう一つ竹を取って頂きます」[志賀直哉]
(12)〜せずに済む 〜するのは助かる
[文例]
●「はねを上げてついていくことだけは助かったかな。」[永井荷風]
●遂に身体は噛まれる事なく済んだ。[志賀直哉]
●「一人の方が金がかからなくて結構だ」[志賀直哉]
(13)目立つ0017.01
[文例]
●なんとなく人の目に立つ。[森鴎外]
●その姿勢や態度が目を駭(おどろ)かすのである。[森鴎外]
●殊にそのうちでも、五郎三郎の兄弟鶏が嶄然として光っている。[井伏鱒二]
(14)〜みる 〜みた
[文例]
●「そうして貰えると、有難いな」と、佐々は言ってみた。[吉行淳之介]
●(人に侮辱され)「よくあることだ」と、私は呟いて、笑いを浮かべてみた。[吉行淳之介]
●巻煙草をふかしながら大波のように其板を揺ぶって見せたりした。[志賀直哉]
●「あら、気になるの」「いいや。なんとなく聞いてみてるんだ。」[吉行淳之介]
(15)構わない 平気;
してくれても構わない してくれるのは構わない
[文例]
●思慮ある男には疑懼を懐かしむる程の障礙物が前途に横わっていても、女はそれを屑(もののくづ)ともしない。[森鴎外]
●しかし、苛立つと同時に、私には多寡をくくる気持があった。[吉行淳之介]
●〜が、そういうことはこの際どうでもいい。[吉行淳之介]
●行きたければ独りで勝手に行くがいいのである。[井伏鱒二]
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