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かも (終助)🔗⭐🔉
かも (終助)
〔係助詞「か」に係助詞「も」の付いたものの文末用法から,一語の助詞となったもの。主として上代に用いられ,中古以降はおおむね「かな」となる〕
(1)体言,用言の連体形または已然形,シク活用形容詞の終止形などに接続する。(ア)詠嘆の気持ちを込めて,疑問の意を表す。「暁(アカトキ)の家恋しきに浦廻(ウラミ)より楫の音するは海人をとめ―/万葉 3641」「今さらに妹に逢はめやと思へ―ここだく吾が胸いぶせくあるらむ/万葉 611」「玉匣(タマクシゲ)あけば君が名立ちぬべみ夜深く来しを人見けむ―/古今(恋三)」(イ)詠嘆の気持ちを強く表す。「人ごとに折りかざしつつ遊べどもいやめづらしき梅の花―/万葉 828」「うつせみの世は常なしと知るものを秋風寒み偲(シノ)びつる―/万葉 465」「悔(クヤ)し―かく知らませばあをによし国内(クヌチ)ことごと見せましものを/万葉 797」
(2)助動詞「む」「けむ」などの已然形に接続して,反語の意を表す。「大船を舳(ヘ)ゆも艫(トモ)ゆも堅めてし許曾(コソ)の里人顕(アラワ)さめ―/万葉 3559」「歌のさまを知り,ことの心を得たらむ人は,…古(イニシエ)を仰ぎて今を恋ひざらめ―/古今(仮名序)」
(3)打ち消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」に付いて,願望の意を表す。「吉野川行く瀬の早みしましくも淀むことなくありこせぬ―/万葉 119」
→かも(連語)
大辞林 ページ 141490 での【終助】単語。