いぶき-ど 【気吹戸】 神が息を吹きかけて罪や穢(ケガレ)を払う出入り口。「―に坐す―主といふ神/祝詞（六月晦大祓）」

いぶき [1] 【伊吹】 （１）滋賀県の町。伊吹山西麓にある。 （２）「伊吹山」の略。 （３）ヒノキ科の常緑高木。本州以西の暖地の海岸に生え，庭木・生け垣として栽培される。葉は普通鱗片(リンペン)状で枝に密生するが，スギ葉状のもの（別名ビャクシン）もある。雌雄異株。四月頃開花。材は鉛筆・床柱・器具材など，用途が広い。園芸変種が多い。イブキビャクシン。カマクライブキ。

いぶき-おろし [4] 【伊吹颪】 冬，伊吹山から吹き下ろす寒風。「おぼつかな―の風先に朝妻舟のあひやしぬらむ/山家（雑）」

いぶき-じゃこうそう ―ジヤカウサウ [0] 【伊吹麝香草】 シソ科の小低木。草本状で茎は地上をはい，高さ3〜15センチメートル。葉は長楕円形。夏，枝先に淡紅色の小花をつける。全体に芳香があり，薬用・香料とする。日本・朝鮮・中国・インドに広く分布。

いぶき-とら-の-お ―ヲ [6] 【伊吹虎尾】 タデ科の多年草。高さ50〜80センチメートル。根茎は塊状。葉は披針形。夏，茎の先に円柱状の花穂をつけ，淡紅色から白色の花が密生する。北半球に広く分布。

いぶき-びゃくしん [4] 【伊吹柏槙】 植物イブキの別名。

いぶき-ぼうふう ―バウ― [4] 【伊吹防風】 セリ科の多年草。茎は稜(リヨウ)があり，高さ90センチメートルほど。地下茎は太い。葉は羽状複葉でニンジンに似る。夏，散形花序に白い小花をつける。近畿地方から北海道に分布。

いぶき-もぐさ [4] 【伊吹艾】 伊吹山中に産するヨモギの葉で製した良質のもぐさ。

いぶき-やま 【伊吹山】 滋賀県と岐阜県の境にある山。伊吹山地の主峰。海抜1377メートル。全山ほとんど石灰岩。薬草や高山植物に富む。((歌枕))「あぢきなや伊吹の山のさしも草おのがおもひに身をこがしつつ/古今六帖 6」