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て🔗⭐🔉
て
〔完了の助動詞「つ」の連用形からでたものといわれる。ガ・ナ・バ・マ行五段活用の動詞に付く場合には「で」となる。形容詞型活用の語の後では「って」の形をとることもある〕
■一■ (接助)
動詞型および形容詞型の活用語の連用形に接続する。前後の句を単に接続するのが本来の用法である。
(1)動作・作用・状態が継続し,または引き続いて起こる意を表す。…てそれから。「冬がすぎ―,春がくる」「顔をあげ―じっと見つめる」「薬を飲んで寝る」
(2)原因・理由などを表す。ので。「人にすすめられ―,本を読む」「金が欲しく―,盗みをした」「直接会っ―,渡す」
(3)方法・手段を表す。「無理をし―,学校に行く」「塩を入れ―,味を調える」
(4)並列・添加・対比などを表す。「つよく―,やさしく―,ほんとにすてきよ」「重要にし―,かつ緊急を要する議案」
(5)(「…て…て」の形で)強意を表す。「買っ―買っ―買いまくる」
(6)逆接的に用いる。…のに。「よく知ってい―,知らせてくれないとはいじわるな人だ」「手は,生先き見え―,まだ,よくも続けたまはぬ程なり/源氏(橋姫)」
(7)〔「について」「において」「に関して」などの形をとって〕
事態・状況や関連する物事などを示す。「本案件につい―,質疑はありませんか」「予想に反し―,大敗した」
(8)あとに補助動詞が続く形で,動作・作用の様態をさまざまに表現するのに用いる。「見上げ―いる」「書い―しまう」「行っ―みる」「し―やる」「読んであげる」「木を切っ―くる」
(9)動作・作用の内容を表す。…していると。「間遠に聞きならひ給へる御耳にさしあてたるやうに鳴き乱るるを,なかなかさまかへ―おぼさるるも/源氏(夕顔)」
(10)「ては」「ても」の形で条件句を作る。
→ては
→ても(接助)
■二■ (終助)
〔■一■の用法から派生したもの〕
(1)接続のしかたは{■一■}と同じ。多く,女性が用いる。(ア)話し手の判断を主張したり,念を押したりする気持ちを表す。「てよ」の形をとる。「とてもよくっ―よ」「よくお似合いになっ―よ」(イ)質問を表す。上昇のイントネーションを伴う。「あなた,よく聞こえ―」(ウ)命令・依頼を表す。「てよ」「てね」の形をとることもある。「はやく起き―」「遊びにいらし―」
(2)動詞・助動詞の終止形に接続する。近世以降の用法。みずからうなずく気持ちで軽く添える。「油断がならぬ―」「おれが行くこともあるまい―」「女の子は意地の悪いものでございます―/滑稽本・浮世風呂 2」
大辞林 ページ 149877。