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むらさき-の 【紫の】 (枕詞)🔗🔉

むらさき-の 【紫の】 (枕詞) (1)植物のムラサキで染めた色のにおう(=美シクカガヤク)ことから,「にほふ」にかかる。「―にほへる妹を憎くあらば/万葉 21」 (2)ムラサキは染料として名高いことから,地名「名高(ナタカ)」にかかる。「―名高の浦の砂地(マナゴツチ)/万葉 1392」 (3)ムラサキは濃く染まることから,「こ」にかかる。「―粉潟(コガタ)の海に潜(カズ)く鳥/万葉 3870」

むらさき-の-うすよう ―ウスヤウ 【紫の薄様】🔗🔉

むらさき-の-うすよう ―ウスヤウ 【紫の薄様】 (1)襲(カサネ)の色目の名。五つ衣の上を紫にして薄紫・白としだいに淡くするもの。 (2)紫色に染めた薄い紙。

むらさき-の-くも 【紫の雲】🔗🔉

むらさき-の-くも 【紫の雲】 (1)紫色の雲。めでたい雲。「―たなびきたり/古本説話 65」 →紫雲(シウン) (2)皇后の異名。「―のよそなる身なれどもたつときくこそうれしかりけれ/後拾遺(賀)」

むらさき-の-くもじ ―クモヂ 【紫の雲路】🔗🔉

むらさき-の-くもじ ―クモヂ 【紫の雲路】 〔紫の雲がたなびいているというところから〕 極楽の空。「―にさそふ琴の音に/新古今(釈教)」

むらさき-の-そで 【紫の袖】🔗🔉

むらさき-の-そで 【紫の袖】 四位以上の人が着る袍(ホウ)。また,立派な服装。「―をつらねて着たるかな/後拾遺(春上)」

むらさき-の-ちり 【紫の塵】🔗🔉

むらさき-の-ちり 【紫の塵】 〔「紫塵(シジン)の嫩(ワカ)き蕨(ワラビ)は人手を拳(ニギ)る/和漢朗詠(春)」の「紫塵」の訓読みした語〕 ワラビの若い芽。「―ばかりしておのづから所々に萌ゆる早蕨/右京大夫集」

むらさき-の-にわ ―ニハ 【紫の庭】🔗🔉

むらさき-の-にわ ―ニハ 【紫の庭】 〔「紫庭」の訓読み〕 宮中の庭。禁苑(キンエン)。「―玉のうてな千とせ久しかるべきみぎりと/千載(序)」

むらさき-の-ほし 【紫の星】🔗🔉

むらさき-の-ほし 【紫の星】 紫微星(シビセイ)。また,天子のこと。「日の光り重ねて照れば―も二つに色やなるらむ/伊勢集」

大辞林 ページ 155403