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とく【徳】🔗🔉

とく [0] 【徳】 (1)修養によって得た,自らを高め,他を感化する精神的能力。「―を積む」「―を養う」 (2)精神的・道徳的にすぐれた品性・人格。「先生の―を慕う」「―の高い人」 (3)身に備わっている能力。天性。「よく味(アジワイ)を調へ知れる人,大きなる―とすべし/徒然 122」 (4)めぐみ。神仏の慈悲。加護。おかげ。「―を施す」「神の御―をあはれにめでたしと思ふ/源氏(澪標)」 (5)善政。「師(イクサ)をかへして,―を敷くにはしかざりき/徒然 171」 (6)富。財産。裕福。財力。「上達部の筋にて,中らひも物ぎたなき人ならず,―いかめしうなどあれば/源氏(東屋)」 (7)富を得ること。利益。もうけ。得。「時の受領は世に―有る物といへば/落窪 1」

とく=とする🔗🔉

――とする ありがたいと考える。感謝する。「この恩義を一生―する」

とく=は孤(コ)ならず必ず隣(トナリ)あり🔗🔉

――は孤(コ)ならず必ず隣(トナリ)あり 〔論語(里仁)〕 徳のある人は孤立することなく,必ずよき協力者にめぐまれる。

とく=を以(モツ)て怨(ウラ)みに報(ムク)ゆ🔗🔉

――を以(モツ)て怨(ウラ)みに報(ムク)ゆ 〔老子〕 怨みをもつ者に対して報復せずに,かえって恩徳を施すこと。

とく-いく【徳育】🔗🔉

とく-いく [0][2] 【徳育】 道徳意識を養うための教育。道徳教育。体育・知育と並び教育の重要な一側面をなす。

とくいち【徳一】🔗🔉

とくいち 【徳一】 〔「とくいつ」とも。徳溢・得一とも書く〕 平安初期の法相宗の僧。藤原仲麻呂の子という。東大寺に住したが,のち東国に向かい,筑波山に中禅寺を,会津に慧日寺を開創。三乗真実の説を立てて,法華一乗を唱える最澄と三一権実論争を行なった。生没年未詳。

とく-おう【徳王】🔗🔉

とく-おう ―ワウ 【徳王】 (1902-?) 内モンゴルの政治家。日中戦争開始後の1937年,日本軍の援助下に蒙古連盟自治政府を発足させ,39年蒙古連合自治政府をつくり,主席となった。49年モンゴル人民共和国に逃亡し逮捕された。モンゴル名,デムチュクドンロブ。

とくおか【徳岡】🔗🔉

とくおか トクヲカ 【徳岡】 姓氏の一。

とくおか-しんせん【徳岡神泉】🔗🔉

とくおか-しんせん トクヲカ― 【徳岡神泉】 (1896-1972) 日本画家。京都生まれ。京都絵画専門学校卒。本名,時次郎。竹内栖鳳の門下。代表作「鯉」

とくがわ【徳川】🔗🔉

とくがわ トクガハ 【徳川】 姓氏の一。三河国賀茂郡松平郷に拠点を置く松平(マツダイラ)氏が家康の代に改称。清和源氏(新田氏)の裔(スエ)と称するが不詳。分立した諸家のうち,御三家と三卿の嫡流のみが徳川氏を名乗った。 →松平

とくがわ-あきたけ【徳川昭武】🔗🔉

とくがわ-あきたけ トクガハ― 【徳川昭武】 (1853-1910) 幕末期の水戸藩主。1867年パリ万国博覧会に将軍慶喜の名代として渡仏。箱館戦争に功をあげ,のち北海道開拓に着手。

とくがわ-いえさだ【徳川家定】🔗🔉

とくがわ-いえさだ トクガハイヘサダ 【徳川家定】 (1824-1858) 江戸幕府第一三代将軍(1853-1858)。家慶の四男。幼名政之助。ペリー来航による日米和親条約の締結を行う。子がなかったため,将軍継嗣問題を起こして幕末政争の因を作った。

とくがわ-いえさと【徳川家達】🔗🔉

とくがわ-いえさと トクガハイヘサト 【徳川家達】 (1863-1940) 政治家。田安慶頼の三男。幼名亀之助。明治維新後,徳川宗家一六代を継ぐ。1890年(明治23)以後貴族院議員,同議長を歴任。

とくがわ-いえしげ【徳川家重】🔗🔉

とくがわ-いえしげ トクガハイヘシゲ 【徳川家重】 (1711-1761) 江戸幕府第九代将軍(1745-1760)。吉宗の長男。幼名長福。身体虚弱で酒色に溺れたという。

とくがわ-いえつぐ【徳川家継】🔗🔉

とくがわ-いえつぐ トクガハイヘツグ 【徳川家継】 (1709-1716) 江戸幕府第七代将軍(1713-1716)。家宣の四男。幼名鍋松丸。間部詮房(マナベアキフサ)・新井白石の補佐によって,父の政治を継承。

とくがわ-いえつな【徳川家綱】🔗🔉

とくがわ-いえつな トクガハイヘツナ 【徳川家綱】 (1641-1680) 江戸幕府第四代将軍(1651-1680)。家光の長男。幼名竹千代。保科正之・酒井忠清が補佐した。

とくがわ-いえなり【徳川家斉】🔗🔉

とくがわ-いえなり トクガハイヘナリ 【徳川家斉】 (1773-1841) 江戸幕府第一一代将軍(1787-1837)。一橋治斉の長男。家治の養子。幼名豊千代。田沼意次を排して,松平定信を老中主座とし,学問を奨励,寛政の改革を行わせた。定信失脚後家斉親政になると,幕政はゆるみ,爛熟した化政文化が現出。隠居後も大御所と称して実権を握った。側室四〇人,子女五五人を数えた。

とくがわ-いえのぶ【徳川家宣】🔗🔉

とくがわ-いえのぶ トクガハイヘノブ 【徳川家宣】 (1662-1712) 江戸幕府第六代将軍(1709-1712)。甲府藩主徳川綱重の長男。綱吉の養子。幼名虎松。側用人,間部詮房(マナベアキフサ)を老中とし,新井白石を登用して正徳の治を行なった。

とくがわ-いえはる【徳川家治】🔗🔉

とくがわ-いえはる トクガハイヘハル 【徳川家治】 (1737-1786) 江戸幕府第一〇代将軍(1760-1786)。家重の長男。幼名竹千代。老中田沼意次は積極的な経済政策を行なったが,他方で賄賂が横行した。

とくがわ-いえみつ【徳川家光】🔗🔉

とくがわ-いえみつ トクガハイヘミツ 【徳川家光】 (1604-1651) 江戸幕府第三代将軍(1623-1651)。秀忠の二男。幼名竹千代。諸法度の制定,参勤交代など諸制度を整備,キリシタンを弾圧して鎖国を断行,以後二百年余にわたる幕府の支配体制を確立した。

とくがわ-いえもち【徳川家茂】🔗🔉

とくがわ-いえもち トクガハイヘモチ 【徳川家茂】 (1846-1866) 江戸幕府第一四代将軍(1858-1866)。紀州藩主徳川斉順の長男。幼名菊千代。紀州藩主時代の名は慶福(ヨシトミ)。井伊直弼(ナオスケ)に擁立され,皇女和宮を迎えて公武合体策を推進。第二次長州征伐出陣中大坂城で病死。

とくがわ-いえやす【徳川家康】🔗🔉

とくがわ-いえやす トクガハイヘヤス 【徳川家康】 (1542-1616) 江戸幕府初代将軍(1603-1605)。三河岡崎城主松平広忠の長男。幼名竹千代,のち元信,元康,家康と改めた。はじめ今川義元,のち織田信長と結び東海に勢力を拡大,信長とともに甲斐武田氏を滅ぼす。豊臣秀吉の天下統一後はこれに協力,関八州を与えられ,1590年江戸入府。関ヶ原の戦勝を経て1603年征夷大将軍となり,江戸に開幕。将軍職を譲った後も大御所として実権を握り,大坂冬・夏の陣で豊臣氏を滅ぼし,統一を完成した。

とくがわ-いえよし【徳川家慶】🔗🔉

とくがわ-いえよし トクガハイヘヨシ 【徳川家慶】 (1793-1853) 江戸幕府第一二代将軍(1837-1853)。家斉の二男。幼名敏次郎。はじめ家斉が大御所として実権を握っていたが,その死後水野忠邦を登用して天保の改革を行わせた。1853年ペリー来航直後に病没。

とくがわ-きんれいこう【徳川禁令考】🔗🔉

とくがわ-きんれいこう トクガハ―カウ 【徳川禁令考】 江戸幕府の法規集。1878(明治11)〜95年刊。司法省編。基本法を収めた前聚と司法警察関係の法令を収めた後聚に分かれる。

とくがわ-じだい【徳川時代】🔗🔉

とくがわ-じだい トクガハ― 【徳川時代】 ⇒江戸時代(エドジダイ)

とくがわ-じっき【徳川実紀】🔗🔉

とくがわ-じっき トクガハ― 【徳川実紀】 江戸幕府編纂の歴史書。林述斎監修,成島司直(モトナオ)撰修。1809年着手,49年完成。五一六冊。家康から一〇代家治までの各将軍の治績を編年体で詳述。一一代家斉以降の「続徳川実紀」も計画されたが,明治維新のため成書に至らず,史料のみまとめられた。御実紀。

とくがわ-ただなが【徳川忠長】🔗🔉

とくがわ-ただなが トクガハ― 【徳川忠長】 (1606-1633) 江戸初期の大名。幼名国松。通称駿河大納言。将軍秀忠の三男。駿府五五万石の大名だったが,兄の将軍家光と不和になり,改易後上野高崎城で自刃させられた。

とくがわ-つなしげ【徳川綱重】🔗🔉

とくがわ-つなしげ トクガハ― 【徳川綱重】 (1644-1678) 江戸前期の大名。家光の三男。家宣の父。幼名長松麿。通称甲府殿。甲府二五万石領主。五代将軍就任を図ったが,大老酒井忠清に阻まれた。

とくがわ-つなよし【徳川綱吉】🔗🔉

とくがわ-つなよし トクガハ― 【徳川綱吉】 (1646-1709) 江戸幕府第五代将軍(1680-1709)。家光の四男。幼名徳松。母(桂昌院)は本庄氏。上野館林一五万石の領主。四代将軍家綱の養子となり将軍職を継いだ。大老堀田正俊のもとで湯島に聖堂を移築するなど文治主義の政治を展開,その後,側用人柳沢吉保を登用,悪貨乱発・生類憐みの令の制定など悪政を重ねた反面,その治政下に元禄文化の出現を見た。犬公方(イヌクボウ)。

とくがわ-なりあき【徳川斉昭】🔗🔉

とくがわ-なりあき トクガハ― 【徳川斉昭】 (1800-1860) 江戸末期の水戸藩主。治紀の三男。字(アザナ)は子信,号は景山・潜竜閣。諡号,烈公。弘道館の設立,兵制改革などの藩政改革を行い,幕政参与となったが,井伊直弼と対立,安政の大獄で蟄居(チツキヨ)させられた。

とくがわ-のぶやす【徳川信康】🔗🔉

とくがわ-のぶやす トクガハ― 【徳川信康】 (1559-1579) 戦国時代の武将。家康の長男。母は家康の正室築山殿(ツキヤマドノ)。織田信長の娘を娶り,岡崎城主。信長から武田氏通謀の嫌疑をかけられ家康の命により二俣城で自刃。

とくがわ-ばくふ【徳川幕府】🔗🔉

とくがわ-ばくふ トクガハ― [5] 【徳川幕府】 ⇒江戸幕府(エドバクフ)

とくがわ-ばくふけんちようりゃく【徳川幕府県治要略】🔗🔉

とくがわ-ばくふけんちようりゃく トクガハ―エウリヤク 【徳川幕府県治要略】 徳川幕府の地方役人だった安藤博が民政の概略を記したもの。1915年(大正4)刊。

とくがわ-ひでただ【徳川秀忠】🔗🔉

とくがわ-ひでただ トクガハ― 【徳川秀忠】 (1579-1632) 江戸幕府第二代将軍(1605-1623)。家康の三男。幼名長松,のち竹千代。大坂両度の陣に出陣,家康の遺命を守って,諸法度の制定・キリシタン禁圧など幕府草創期の基礎を固めた。

とくがわ-みつくに【徳川光圀】🔗🔉

とくがわ-みつくに トクガハ― 【徳川光圀】 (1628-1700) 江戸前期の水戸藩主。頼房の三男。幼名千代松。字(アザナ)は子竜,号は梅里(バイリ)。諡号,義公。中納言の唐名黄門により,世に水戸黄門とも。大義名分を重んじて儒学を奨励,彰考館を設けて俊才を招き,「大日本史」を編纂した。希代の名君と賞され「水戸黄門漫遊記」による逸話が広く流布している。

とくがわ-むせい【徳川夢声】🔗🔉

とくがわ-むせい トクガハ― 【徳川夢声】 (1894-1971) 漫談家。島根県生まれ。本名福原駿雄。赤坂葵館・新宿武蔵野館の主任弁士であったが,トーキー後は俳優・声優などに転じ,ラジオの朗読に独特の境地を開拓した。

とくがわ-むねはる【徳川宗春】🔗🔉

とくがわ-むねはる トクガハ― 【徳川宗春】 (1696-1764) 江戸中期の尾張藩主。三代藩主綱誠(ツナナリ)の二〇子。商工業の振興など積極的経済政策を打ち出し,吉宗の享保改革の施策と対立,1739年蟄居(チツキヨ)を命ぜられた。著「温知政要」

とくがわ-よしとみ【徳川慶福】🔗🔉

とくがわ-よしとみ トクガハ― 【徳川慶福】 徳川家茂の紀州藩主時代の名。

とくがわ-よしなお【徳川義直】🔗🔉

とくがわ-よしなお トクガハヨシナホ 【徳川義直】 (1600-1650) 江戸初期の大名。尾張家の祖。家康の九男。学問を好み,儒学を奨励した。

とくがわ-よしのぶ【徳川慶喜】🔗🔉

とくがわ-よしのぶ トクガハ― 【徳川慶喜】 (1837-1913) 江戸幕府第一五代,最後の将軍(1866-1867)。水戸藩主斉昭の七男。幼名七郎麿・昭致。1847年一橋家を継ぐ。62年将軍家茂の後見職として公武合体策を推進。将軍となってのち,フランスの援助を受けて幕政改革をはかったが,挽回はならず大政を奉還し,江戸開城後は水戸で謹慎し,徳川宗家の家督を田安亀之助(徳川家達)に譲り駿府に移った。のち公爵。

とくがわ-よしむね【徳川吉宗】🔗🔉

とくがわ-よしむね トクガハ― 【徳川吉宗】 (1684-1751) 江戸幕府第八代将軍(1716-1745)。紀州藩主徳川光貞の四男。幼名源六・新之助。兄の相次ぐ死により紀州藩主となり,徳川家継のあと,徳川宗家を継いだ。諸事家康への復古を唱え,武芸・学問・殖産興業を奨励(享保の改革),幕府中興の祖とされる。

とくがわ-よりのぶ【徳川頼宣】🔗🔉

とくがわ-よりのぶ トクガハ― 【徳川頼宣】 (1602-1671) 江戸初期の大名。紀州徳川家の祖。家康の一〇男。幼名長福。通称南竜公。知略にすぐれ,詩歌もよくした。

とくがわ-よりふさ【徳川頼房】🔗🔉

とくがわ-よりふさ トクガハ― 【徳川頼房】 (1603-1661) 江戸初期の大名。水戸徳川家の祖。家康の一一男。光圀の父。幼名鶴千代。諡号,威公。学を好み,儒学・神道を学ぶ。

とく-ぎ【徳義】🔗🔉

とく-ぎ [1] 【徳義】 人間としてふみ行うべき道徳上の義務。「―に篤い人」

とくぎ-しん【徳義心】🔗🔉

とくぎ-しん [3] 【徳義心】 徳義を重んずる心。

とく-きょう【徳教】🔗🔉

とく-きょう ―ケウ [0] 【徳教】 ⇒とっきょう(徳教)

とく-ぎょう【徳行】🔗🔉

とく-ぎょう ―ギヤウ [2] 【徳行】 〔仏〕 修行によって得られる優れた状態や能力である徳と,それを実現する方法である行。功徳と行法。

とく-ぎょう【徳業】🔗🔉

とく-ぎょう ―ゲフ [2] 【徳業】 (1)仁徳と功業。 (2)徳をたてる事業。善にすすむ所業。

とくげん【徳元】🔗🔉

とくげん 【徳元】 ⇒斎藤(サイトウ)徳元

とくごう-とうげ【徳本峠】🔗🔉

とくごう-とうげ ―タウゲ 【徳本峠】 長野県安曇(アズミ)村,北アルプス南部の峠。海抜2135メートル。昭和初年まで上高地へ入る登山路として親しまれた。穂高岳の眺望にすぐれる。

とくじ【徳治】🔗🔉

とくじ トクヂ 【徳治】 年号(1306.12.14-1308.10.9)。嘉元の後,延慶の前。後二条・花園天皇の代。

とくしま【徳島】🔗🔉

とくしま 【徳島】 (1)四国地方東部の県。かつての阿波(アワ)国全域を占める。南は太平洋,東は紀伊水道に面する。中央部を剣山地が占め,北部の讃岐山脈との間を吉野川が東流し,下流域に徳島平野が広がる。県庁所在地,徳島市。 (2)徳島県北東部,吉野川の下流域にある市。県庁所在地。近世,蜂須賀氏の城下町。木工・織物工業が盛ん。八月一二〜一五日に阿波踊りが行われる。

とくしま-せん【徳島線】🔗🔉

とくしま-せん 【徳島線】 JR 四国の鉄道線。徳島県佐古・佃間,67.5キロメートル。吉野川に沿って東西に走る。

とくしま-だいがく【徳島大学】🔗🔉

とくしま-だいがく 【徳島大学】 国立大学の一。1922年(大正11)創立の徳島高等工業(のち工専)を中心に,徳島医専・徳島高校・師範系学校などを統合して49年(昭和24)新制大学となる。本部は徳島市。

とくしま-ぶんりだいがく【徳島文理大学】🔗🔉

とくしま-ぶんりだいがく 【徳島文理大学】 私立大学の一。1966年(昭和41)徳島女子大学として設立,72年現名に改称。本部は徳島市。

とく-じん【徳人】🔗🔉

とく-じん [0] 【徳人】 徳のそなわった人。徳の高い人。 →とくにん(徳人)

とく-せい【徳性】🔗🔉

とく-せい [0] 【徳性】 徳義をわきまえた立派な品性。道徳的意識。道徳心。「―を磨く」

とく-せい【徳政】🔗🔉

とく-せい [0] 【徳政】 〔本来は,善政・仁政の意〕 (1)古代,朝廷の大赦,貧窮者の救済,凶作の際の租税の減免などの仁政をいった語。 (2)鎌倉末期から室町時代,売買・質入れ・貸借などに伴う債権・債務の契約破棄のこと。1297年に御家人の困窮を救済するため発せられた「永仁の徳政令」に始まり,室町時代には,農民や下級武士たちが徳政を要求して一揆を起こし,幕府はしばしば徳政令を発布した。農民たちが実力で債務を破棄したものを私徳政という。

とくせい-いっき【徳政一揆】🔗🔉

とくせい-いっき [5] 【徳政一揆】 室町時代,徳政令の発布を幕府に要求して起きた土一揆。1428年の正長の土一揆に始まり,室町中期に京都およびその周辺で数多く発生し,酒屋・土倉・寺院などの金融業者を襲い,略奪を行なった。

とくせい-れい【徳政令】🔗🔉

とくせい-れい [3] 【徳政令】 鎌倉末期から室町時代,幕府や大名が徳政を行うために発布した法令。

とく-せい【徳星】🔗🔉

とく-せい [0] 【徳星】 (1)瑞祥のしるしとしてあらわれる星。めでたい星。景星。 (2)徳のある人。賢人。 (3)木星の異名。歳星(木星)のある所に福徳があるからいう。

とくそう【得宗・徳宗】🔗🔉

とくそう 【得宗・徳宗】 〔北条義時の法号を徳宗といったことから〕 鎌倉幕府の執権北条氏嫡流の家督のこと。初代北条時政以下九代を総称。

とく-そう【徳操】🔗🔉

とく-そう ―サウ [0] 【徳操】 常に道徳を守る堅い節操。

とく-そう【徳宗】🔗🔉

とく-そう 【徳宗】 (1)(742-805) 中国,唐の第九代皇帝(在位 779-805)。租庸調制にかえて両税法を施行し,中国の税制史上に一大変革をもたらした。一方,節度使の勢力の鎮圧に苦慮した。 (2)清の光緒(コウシヨ)帝の廟号。

とくだ【徳田】🔗🔉

とくだ 【徳田】 姓氏の一。

とくだ-きゅういち【徳田球一】🔗🔉

とくだ-きゅういち ―キウイチ 【徳田球一】 (1894-1953) 政治家。沖縄県生まれ。日大卒。苦学して弁護士となり社会運動に参加。日本共産党創立に参画。三・一五事件で検挙され獄中18年。戦後,党を再建,書記長となったが,マッカーサーの指令で追放,地下活動に入り,北京で客死。

とくだ-しゅうせい【徳田秋声】🔗🔉

とくだ-しゅうせい ―シウセイ 【徳田秋声】 (1871-1943) 小説家。金沢生まれ。本名,末雄。硯友社系の小説家として出発,のち人生派的な自然主義の傾向を強めた。地道な散文精神と庶民的作風から,生まれながらの自然主義者と称された。著「新世帯」「足迹」「黴」「爛」「あらくれ」「仮装人物」「縮図」

とく-たく【徳沢】🔗🔉

とく-たく [0] 【徳沢】 恵み。恩沢。おかげ。「他国のおよばぬ―に潤ふ民の仕合せにて/西洋道中膝栗毛(魯文)」

とく-だわら【徳俵】🔗🔉

とく-だわら ―ダハラ [3] 【徳俵】 相撲の土俵の四方中央に,俵の幅だけ外側にずらせて置いてある俵。

とく-ち【徳治】🔗🔉

とく-ち [1] 【徳治】 有徳の君主が道徳を基本として国を治めること。

とくち-しゅぎ【徳治主義】🔗🔉

とくち-しゅぎ [4] 【徳治主義】 法律によって政治を行う法治主義に対し,道徳により民を治める政治をめざす考え方。儒家の基本的な思想。

とく-でん【得田・徳田】🔗🔉

とく-でん 【得田・徳田】 平安末期から中世,年貢を取ることができる田。定田から損田を除いたもの。

とく-とみ【徳富】🔗🔉

とく-とみ 【徳富】 姓氏の一。

とくとみ-そほう【徳富蘇峰】🔗🔉

とくとみ-そほう 【徳富蘇峰】 (1863-1957) 評論家。熊本県生まれ。本名,猪一郎。蘆花の兄。民友社を創立し「国民之友」「国民新聞」を刊行。進歩的平民主義に立つ時論家として知られたが,日清戦争前後より国権主義に転じた。第二次大戦中は大日本言論報国会会長となる。戦後,公職追放。著「近世日本国民史」「蘇峰自伝」など多数。

とくとみ-ろか【徳富蘆花】🔗🔉

とくとみ-ろか ―ロクワ 【徳富蘆花】 (1868-1927) 小説家。熊本県生まれ。本名,健次郎。兄蘇峰の民友社社員を経て,「不如帰(ホトトギス)」により文壇に独自の地位を確立。トルストイの影響を受け,キリスト教的人道主義の立場に立ち,粕谷(東京世田谷区)で半農生活に入り,「生活即芸術」の文学をめざした。作品に「自然と人生」「思出の記」「みみずのたはこと」など。本人は姓に「冨」の字を用いた。

とくなが【徳永】🔗🔉

とくなが 【徳永】 姓氏の一。

とくなが-すなお【徳永直】🔗🔉

とくなが-すなお ―スナホ 【徳永直】 (1899-1958) 小説家。熊本県生まれ。博文館印刷所(共同印刷の前身)労働争議の体験をもとに「太陽のない街」を雑誌「戦旗」に書き,労働者出身のプロレタリア作家として認められる。「ナップ」に参加。戦後は民主主義文学の代表作家として活躍。代表作「はたらく一家」「妻よねむれ」

とくなが-ゆき【徳永恕】🔗🔉

とくなが-ゆき 【徳永恕】 (1887-1973) 保育事業家。東京生まれ。日本初の母子保護施設を設立。戦争被害者や孤児の救済・保護活動に尽力。

とく-にち【徳日】🔗🔉

とく-にち 【徳日】 衰日(スイニチ)の忌み詞。陰陽家(オンヨウカ)で,万事に忌みつつしむべしとする日。

とく-にん【徳人】🔗🔉

とく-にん 【徳人】 (1)金持ち。富豪。「田を多く作りて,器量の―にてあるに/今昔 28」 (2)「とくじん(徳人)」に同じ。

とく-の-しま【徳之島】🔗🔉

とく-の-しま 【徳之島】 鹿児島県奄美諸島の一島。面積248平方キロメートル。サトウキビや大島紬(ツムギ)を産する。アマミノクロウサギが生息。闘牛の盛んなことで知られる。

とく-ふう【徳風】🔗🔉

とく-ふう [0] 【徳風】 仁徳の感化の及ぶさまを風にたとえていった語。

とく-ぼう【徳望】🔗🔉

とく-ぼう ―バウ [0] 【徳望】 徳が高く人望があること。多くの人からその人格が慕われること。「―がある」「―が厚い」

とくぼう-か【徳望家】🔗🔉

とくぼう-か ―バウ― [0] 【徳望家】 徳が高く,多くの人望を得ている人。

とく-もく【徳目】🔗🔉

とく-もく [0] 【徳目】 徳を細目に分類して列挙した名称,またその細目の一。仁・義・忠・孝など,昔から道徳の基本とされるもの。

とくやま【徳山】🔗🔉

とくやま 【徳山】 山口県南部,周防灘に面する市。近世,長州藩の支藩毛利氏の城下町,山陽道の宿場町。湾岸に石油化学コンビナートが発達。

とくやま-いし【徳山石】🔗🔉

とくやま-いし [4] 【徳山石】 徳山市の黒髪島から産する石材名。島全体が黒雲母花崗岩(クロウンモカコウガン)からなる。土木・墓石用。徳山御影(ミカゲ)。黒髪石。黒髪御影(ミカゲ)。

とくやま-だいがく【徳山大学】🔗🔉

とくやま-だいがく 【徳山大学】 私立大学の一。1971年(昭和46)設立。本部は徳山市。

とく-よう【徳用・得用】🔗🔉

とく-よう [0] 【徳用・得用】 (名・形動)[文]ナリ (1)値段の安い割に量が多くて役に立つ・こと(さま)。割安。多く「お徳用」の形で用いる。「―マッチ」「お―な品です」 (2)利得。得分。「是れを手代の―にして/浮世草子・新永代蔵」 (3)有得で応用の才能のあること。「汝は坐道場の―を備へたり/盛衰記 1」 (4)功徳の力。「此経の―にて/謡曲・海士」

とく-わか【徳若】🔗🔉

とく-わか 【徳若】 (名・形動ナリ) 〔「常若(トコワカ)」の転〕 いつまでも若々しい・こと(さま)。「今年より蔵代官をゆづりえて殿も―民も―/狂言・松楪」

とくわか=に御万歳(ゴマンザイ)🔗🔉

――に御万歳(ゴマンザイ) いつも若々しく,長寿を保つようにという意味の祝いの言葉。「ぽんとなる鼓,―/浄瑠璃・大経師(下)」

とこ-まんざい【徳万歳】🔗🔉

とこ-まんざい 【徳万歳】 〔「徳若に御万歳」の略〕 子供などがくしゃみをしたときのまじないの語。

とっ-か【徳化】🔗🔉

とっ-か トククワ [0] 【徳化】 (名)スル 徳によって教化すること。徳に感化されてよくなること。「師によって―される」

とっ-き【徳器】🔗🔉

とっ-き トク― [1] 【徳器】 (1)身に備わっている徳行と器量。 (2)道徳を守る性質。

とっ-きょう【徳教】🔗🔉

とっ-きょう トクケウ [0] 【徳教】 道徳によって,人をよい道に勧め導くおしえ。善教。

とっ-こう【徳行】🔗🔉

とっ-こう トクカウ [0] 【徳行】 道徳にかなった行為。正しいおこない。「―の士」「―に秀でた人」

とく【徳の高い】(和英)🔗🔉

とく【徳の高い】 virtuous;→英和 of virtue.

とくいく【徳育】(和英)🔗🔉

とくいく【徳育】 moral education.

とくぎ【徳義】(和英)🔗🔉

とくぎ【徳義】 morality.→英和 〜上の moral.→英和 〜を重んじる have a sense of honor.〜心がある(ない) have (lack) moral sense.

とくせい【徳性】(和英)🔗🔉

とくせい【徳性】 moral character.

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