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はな【花・華】🔗🔉

はな【花・華】 種子植物の有性生殖を行う器官。葉から変形した萼(がく)・花びら・雄しべ・雌しべおよび花軸からなる。この要素の有無により完全花と不完全花に、雄しべ・雌しべの有無により両性花と単性花に分けられる。受精して実を結び、種子を生じる。「―がほころぶ」「―がしぼむ」花をもつ植物。また、美の代表としてこれをいう語。「―を植える」「蝶よ―よと育てる」桜の花。全ての花を代表する意で、平安時代後期に定着した言い方。「―の宵(よい)」「―散らす風の宿りは誰か知る我に教へよ行きて恨みむ」〈古今・春下〉のうち、神仏に供えるもの。枝葉だけの場合もある。「手向(たむ)けの―」造花。また、散華(さんげ)に用いる紙製の蓮の花びら。生け花。また、華道。「お―の師匠」花が咲くこと。また、その時期。多く、桜についていう。「―の便り」「―曇り」見かけをにたとえていう語。「氷の―」「波の―」の特徴になぞらえていう語。華やかできらびやかなもの。「社交界の―」「―の都」中でも特に代表的で華やかなもの。「火事と喧嘩(けんか)は江戸の―」「大会の―ともいうべき種目」《華やかで目立つところから》功名。誉れ。「後輩に―を譲る」最もよい時期。また、盛んな事柄や、その時節。「独身時代が―だった」「今が―の俳優」実質を伴わず、体裁ばかりよいこと。また、そのもの。「―多ければ実少なし」に関わるもの。花札(はなふだ)。「―を引く」心付け。祝儀。「―をはずむ」世阿弥の能楽論で、演技・演奏が観客の感動を呼び起こす状態。また、その魅力。連歌で、花の定座。また、花の句。和歌・連歌・俳諧で、表現技巧や詞の華麗さ。内容の意の実(じつ)に対していう。《他に先がけて咲くところから》梅の花。「今のごと心を常に思へらば先づ咲く―の地(つち)に落ちめやも」〈万・一六五三〉花見。特に、桜の花にいう。「尋ね来て―に暮らせる木の間より待つとしもなき山の端の月」〈新古今・春上〉誠実さのない、あだな人の心のたとえ。「色見えで移ろふものは世の中の人の心の―にぞありける」〈古今・恋五〉露草の花のしぼり汁。また、藍染めで、淡い藍色。はなだいろ。はないろ。「御直衣(なほし)の裏の―なりければ」〈大鏡・伊尹〉華やかなさかりの若い男女。また、美女。転じて、遊女。「―に遊ばば、祇園あたりの色揃へ」〈浄・忠臣蔵〉花籤(はなくじ)」に同じ。

大辞泉 ページ 12176 での単語。