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はな【花・華】🔗🔉

はな花・華】 ① ㋐被子植物の生殖器官で、雌しべ(子房)をもつことが特徴である。広義には種子植物の有性生殖にかかわる器官をいう。花は葉の変形である花葉と、茎の変形である花軸から成る。花被(萼と花冠)は形・色とも多様で、合弁花・離弁花があり、全く花被を欠くもの(裸花)もある。雄しべ・雌しべのそろった花を両性花、いずれか一方を欠くものを単性花という。なお、俗にコケなどの生殖器官を花ということもある。万葉集5「青柳梅との―を折りかざし」 花の構造 雌蕊 柱頭 花柱 子房 胚珠 雄蕊 花糸 花弁 花床 花柄 ㋑特に、梅または桜の花。平安後期以降は桜の花。〈[季]春〉。古今和歌集「春やとき―や遅きと聞き分かん」。新古今和歌集「吉野山―や盛りににほふらん」 ㋒仏に供える樒しきみなどの枝葉。 ②1のようであること。また、そういうもの。 ㋐美しいこと。盛りであること。「―の都」「今が人生の―だ」 ㋑時めくこと。栄えること。名誉。栄華物語初花「時の―をかざす心ばへにや」。「相手に―を持たせる」 ㋒うわべだけで真実味のないこと。あだあだしくはかないこと。万葉集8「―に問はむとわが思はなくに」 ㋓世阿弥の能楽論の用語。演技・演奏が観客に感動を呼び起こす魅力。風姿花伝「―と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり」 ③㋐ツユクサの花から採った絵具。栄華物語本雫「頭には―を塗り」 ㋑はなだ色。はないろ。枕草子200「すずしの単ひとえのいみじう綻び絶え―もかへりぬれなどしたる」 ④㋐(「纏頭」とも書く)芸人などに出す当座の祝儀しゅうぎ。 ㋑芸者の揚代あげだいの称。花代。 ⑤いけばな。 ⑥㋐「花合せ」の略。 ㋑花札の略。 ◇一般には「花」を使う。「華」は、きらびやかで美しいもの、すぐれた性質のたとえの場合に多く使われる。 ⇒花が咲く ⇒花と散る ⇒花に嵐 ⇒花に風 ⇒花は折りたし梢は高し ⇒花は桜木、人は武士 ⇒花は根に鳥は故巣に ⇒花も恥じらう ⇒花も実も有る ⇒花より団子 ⇒花を折る ⇒花を持たす ⇒花をやる

はな‐あおい【花葵】‥アフヒ🔗🔉

はな‐あおい花葵‥アフヒ ①アオイ科の一年草。地中海原産で観賞用。高さ約50センチメートル。葉は互生、心臓形、上方の葉は3裂。夏、淡紅色の五弁花を開く。〈[季]夏〉 ②タチアオイの別称。

はな‐あぶ【花虻】🔗🔉

はな‐あぶ花虻】 ハナアブ科の昆虫の総称。また、その一種。体長15ミリメートルほど。ミツバチに類似するが、翅は2枚。冬にも見られ、花蜜を吸う。幼虫は長い尾を持った蛆うじで汚水などにすみ、「おながうじ」と呼ばれる。アブバエ。食蚜蠅しょくがばえ。扁虻ひらたあぶ。 ハナアブ 提供:ネイチャー・プロダクション

はない【花井】‥ヰ🔗🔉

はない花井‥ヰ 姓氏の一つ。 ⇒はない‐たくぞう【花井卓蔵】

はない‐たくぞう【花井卓蔵】‥ヰ‥ザウ🔗🔉

はない‐たくぞう花井卓蔵‥ヰ‥ザウ 弁護士・政治家。広島藩士の子。大逆事件などを弁護。代議士としても活躍し、普通選挙を提唱。(1868〜1931) 花井卓蔵 撮影:石井幸之助 ⇒はない【花井】

はな‐いちもんめ【花一匁】🔗🔉

はな‐いちもんめ花一匁】 子どもの遊び。二組にわかれ、ふしをつけた唱えごとをしながら、じゃんけんで勝った方が相手方の子を取る。

はな‐いばら【花茨】🔗🔉

はな‐いばら花茨】 いばら。野ばらの花。花うばら。〈[季]夏〉。「―古郷の路に似たるかな」(蕪村)

はな‐かげ【花陰】🔗🔉

はな‐かげ花陰】 花の咲いている木の下かげ。はなしたかげ。

○花が咲くはながさく🔗🔉

○花が咲くはながさく ①にぎやかになる。盛んになる。「話に―」 ②努力が実って成功する。花実が咲く。「精進を重ねて人生の―」 ⇒はな【花・華】 はな‐がしら鼻頭】 鼻の先。 はな‐ガス花瓦斯】 明治の頃に行われた、炎が花のようにひらいたガス灯。幻花灯。広津柳浪、女子参政蜃中楼「精巧を極めし子持ランプは壁間の―と映じて白昼ひるをも欺くと云いふべからめれど」 はな‐がすみ花霞】 遠方に群がって咲く桜の花が、一面に白く霞のかかったように見えるさま。 はな‐かずら花鬘‥カヅラ ①花に糸をつらぬいて挿頭かざしにしたもの。万葉集19「今日そわがせこ―せな」 ②薄い金属で天女や花鳥を透かし彫りにした華鬘けまん。仏前を飾る具。持統紀「―を以て殯宮もがりのみやに進たてまつる」 ③山上の花を鬘に見立てていう語。 ④花で飾った鬘。 はな‐かぜ花風】 桜の花の盛りに吹く風。また、花を吹き散らす風。能因本枕草子風は「三月ばかりの夕暮にゆるく吹きたる―」 はな‐かぜ鼻風】 ①(→)鼻嵐はなあらしに同じ。 ②(「鼻風邪」と書く)鼻がつまったり鼻水が出たりする程度の軽いかぜ。〈[季]冬〉 はな‐がた花形】 ①花のかたち。花の模様。 ②「あばた」の異称。 ③年若で人気のあるはなやかな者。時を得て世にもてはやされるもの。「―役者」「社交界の―」 ④(「花型」とも書く)華道で、流儀によった一定の形のこと。かけい。かぎょう。 ⇒はながた‐かぶ【花形株】 ⇒はながた‐ごま【花形独楽】

はな‐キャベツ【花キャベツ】🔗🔉

はな‐キャベツ花キャベツ】 カリフラワーの別称。

はな‐ごろも【花衣】🔗🔉

はな‐ごろも花衣】 ①桜襲さくらがさねの衣。 ②はなやかな衣。 ③花見に着る晴れ着。〈[季]春〉 ④桜の花が散りかかった衣服。

はな‐しね【花稲】🔗🔉

はな‐しね花稲】 神に供えるため、米を紙に包み木の枝などに結びつけたもの。

はな‐つ‐づき【花つ月】🔗🔉

はな‐つ‐づき花つ月】 陰暦3月の異称。

はな‐つ‐づま【花つ妻】🔗🔉

はな‐つ‐づま花つ妻(→)「はなづま」に同じ。万葉集14「にこ草の―なれや」

○花と散るはなとちる🔗🔉

○花と散るはなとちる (桜の花が一度に散るように)いさぎよく死ぬ。特に、戦死する。 ⇒はな【花・華】 はな‐とめ花留め(→)「はなくばり」に同じ。 はな‐とり花鳥】 花と鳥。かちょう。〈[季]春〉。源氏物語桐壺「―の色にも音にも」 ⇒はなとり‐の‐つかい【花鳥の使】 はな‐どり花鳥】 ①花に宿る鳥。 ②スズメ目ハナドリ科の小鳥。昆虫・果実などを食する。南アジアからオーストラリア・メラネシアに分布し、約50種。 ③アトリの異称。 ④渡り奉公をする者。浄瑠璃、薩摩歌「一季半季の―も、とかくは御縁次第なり」 はな‐どり鼻取】 田畑を耕す際、牛馬の鼻を取って誘導する役。鋤すき・馬鍬まんがなどの耕具を操る者を後取しんどりというのに対する。指取童させとりわらしはなとり‐の‐つかい花鳥の使‥ツカヒ 恋のなかだち。十訓抄「歌は妹背の中をも和らぐる媒なかだちなるによりて、色めくたぐひ、これを―とす」 ⇒はな‐とり【花鳥】 バナナbanana・甘蕉】 バショウ科の多年草。雌雄異花だが、ふつう単為結果し、種子を作らない。熱帯アジア原産。熱帯各地に広く栽培され、ブラジル・インド・フィリピンなどに多い。果実は熟すと黄色になり、芳香美味。生食用のほか料理用など品種が多い。日本ではフィリピン・エクアドル・コロンビアなどからの輸入が多い。実芭蕉。 バナナ 撮影:関戸 勇 ⇒バナナ‐プラグ【banana plug】 はなな‐づけ花菜漬】 つぼみの菜の花を浅く塩漬にしたもの。京都産がよく知られ、色の美しさ、独特の風味が賞でられる。菜の花漬。〈[季]春〉 はな‐なでしこ花撫子】 襲かさねの色目。表は紫、裏は紅。夏に用いる。 バナナ‐プラグbanana plug】 プラグ1の一種。差し込む部分の中央が膨らんだもの。オーディオ機器のケーブルをスピーカーに繋ぐ時などに用いる。 ⇒バナナ【banana・甘蕉】 はな‐なわ鼻縄‥ナハ (→)鼻綱はなづなに同じ。万葉集16「牛にこそ―はくれ」

○花に嵐はなにあらし🔗🔉

○花に嵐はなにあらし 世の中は障害が多くなかなか都合よくはゆかないということ。「月に叢雲むらくも花に風」とも。浮世草子、新色五巻書「ぞつとするほど嬉しかりしに、―」 ⇒はな【花・華】 はな‐におい花匂‥ニホヒ ①花に美しく映えるさま。万葉集20「秋野には今こそ行かめもののふの男女おとこおみなの―見に」 ②花のいろつや。花のにおい。

○花に風はなにかぜ🔗🔉

○花に風はなにかぜ 「月に叢雲むらくも花に風」の略。→月(成句) ⇒はな【花・華】 はな‐にしき花錦】 花の美しいのを錦に見立てていう語。久安百首「―ちらではよもの山桜」

はな‐の‐あに【花の兄】🔗🔉

はな‐の‐あに花の兄】 (四季の花の中で他の花にさきがけて咲くからいう)梅の雅称。梅暦「時をえがほや―」

はな‐の‐あめ【花の雨】🔗🔉

はな‐の‐あめ花の雨】 桜の花に降る雨。また、桜の咲くころに降る雨。〈[季]春〉

はな‐の‐いろ【花の色】🔗🔉

はな‐の‐いろ花の色】 ①花の色あい。古今和歌集「―はうつりにけりな」 ②花染の色。拾遺和歌集「―に染めし袂の惜しければ」

はな‐の‐うきはし【花の浮橋】🔗🔉

はな‐の‐うきはし花の浮橋】 花が水に散り敷いたのを橋に見立てていう語。

はな‐の‐うてな【花の台】🔗🔉

はな‐の‐うてな花の台】 ①萼がくの異称。 ②(→)「はすのうてな(蓮の台)」に同じ。謡曲、忠度「ただ法の声聞きて、―に座し給へ」

はな‐の‐えん【花の宴】🔗🔉

はな‐の‐えん花の宴】 ①桜・梅・秋草・菊・萩などの花(特に桜)を観ながら催すさかもり。花見の宴。〈[季]春〉。宇津保物語吹上下「かくて八月中の十日のほどにみかど―し給ふ」 ②源氏物語の巻名。 ③源氏香の名。

はな‐の‐おう【花の王】‥ワウ🔗🔉

はな‐の‐おう花の王‥ワウ 牡丹ぼたんの雅称。

はな‐の‐おとと【花の弟】🔗🔉

はな‐の‐おとと花の弟】 (四季の花の中で最後に咲くからいう)菊の雅称。御室五十首「ももくさの―となりぬればやへやへにのみ見ゆる白菊」

はな‐の‐が【花の賀】🔗🔉

はな‐の‐が花の賀】 春の花の頃に行う賀の祝い。伊勢物語「春宮の女御の御かたの―」

はな‐の‐かい【花の会】‥クワイ🔗🔉

はな‐の‐かい花の会‥クワイ ①花を賞しながら催す茶の会。 ②生花いけばなの会。

はな‐の‐かお【花の顔】‥カホ🔗🔉

はな‐の‐かお花の顔‥カホ ①花のように美しい顔。源氏物語若紫「まだ見ぬ―を見るかな」 ②花の姿。閑院左大将朝光卿集「日たくれば消えやしぬらんうたかたの―をも今朝は見るかな」

はな‐の‐かおばせ【花の顔ばせ】‥カホバセ🔗🔉

はな‐の‐かおばせ花の顔ばせ‥カホバセ 花のように美しい顔。はなのかんばせ。

はな‐の‐かがみ【花の鏡】🔗🔉

はな‐の‐かがみ花の鏡】 池水などに花の影のうつるのを鏡に見立てていう語。古今和歌集「年をへて―となる水は」

はな‐の‐かげ【花の陰】🔗🔉

はな‐の‐かげ花の陰】 花の咲いている木の下かげ。〈[季]春〉。古今和歌集「薪負へる山人の―に休めるが如し」

はな‐の‐かんばせ【花の顔】🔗🔉

はな‐の‐かんばせ花の顔(→)「はなのかおばせ」に同じ。

はな‐の‐き【花の木】🔗🔉

はな‐の‐き花の木】 ①花の咲く木。竹取物語「世の中になき―ども立てり」 ②カエデ科の落葉高木。中部日本に稀に産する。幹の高さ約20メートル。葉は浅く3裂。雌雄異株。春、葉に先だって濃紅色の小花を総状花序に密生、木全体が紅く見える。翼果は紅紫色、紅葉も美麗。樹皮または葉を煎じて洗眼に用いる。はなかえで。 ③シキミの異称。〈物類称呼〉

はな‐の‐くも【花の雲】🔗🔉

はな‐の‐くも花の雲】 咲きつらなっている桜の花を雲にたとえていう語。〈[季]春〉。風雅和歌集「花の雲まに有明の月」

はな‐の‐くんし【花の君子】🔗🔉

はな‐の‐くんし花の君子】 泥の汚れに染まないハスの花を君子にたとえていう語。君子花。→君子4

はな‐の‐こころ【花の心】🔗🔉

はな‐の‐こころ花の心】 ①花に心があるものとしていう語。後撰和歌集「―や何いそぐらむ」 ②花の風情。枕草子23「春の歌―」 ③あだしごころ。うわき。

はな‐の‐ごしょ【花の御所】🔗🔉

はな‐の‐ごしょ花の御所】 足利義満の邸、室町殿の別称。庭園に多くの花を植えたからいう。

はな‐の‐ころも【花の衣】🔗🔉

はな‐の‐ころも花の衣】 ①はなやかな衣。古今和歌集哀傷「皆人は―になりぬなり」 ②花染の衣。拾遺和歌集愚草「―のまづかへるらん」 ③梅の花を鶯の衣に見立てていう語。拾遺和歌集物名「鶯の―もほころびにけり」

はな‐の‐ざ【花の座】🔗🔉

はな‐の‐ざ花の座(→)「花の定座じょうざに同じ。

はな‐の‐さいしょう【花の宰相】‥シヤウ🔗🔉

はな‐の‐さいしょう花の宰相‥シヤウ 芍薬しゃくやくの雅称。

はな‐の‐さかずき【花の杯・花の盃】‥サカヅキ🔗🔉

はな‐の‐さかずき花の杯・花の盃‥サカヅキ ①花見の宴の酒杯。 ②盃の美称。

はな‐の‐さきがけ【花の魁】🔗🔉

はな‐の‐さきがけ花の魁】 他の花に先がけて咲く花。特に、梅の花。

はな‐の‐しずく【花の雫】‥シヅク🔗🔉

はな‐の‐しずく花の雫‥シヅク 花から滴り落ちる露。宇津保物語梅花笠「―にぬれたるに」

はな‐の‐したひも【花の下紐】🔗🔉

はな‐の‐したひも花の下紐】 花のつぼみを下紐にたとえていう語。花の紐。新古今和歌集「ふして思ひおきて詠ながむる春雨に―いかでとくらむ」

はな‐の‐したぶし【花の下臥し】🔗🔉

はな‐の‐したぶし花の下臥し】 花の下陰に寝ること。桜の花の下に寝ること。 ○鼻の下を伸ばすはなのしたをのばす 女にあまい様子をする。女色に迷っている様子にいう。鼻の下を長くする。 ⇒はな‐の‐した【鼻の下】

はな‐の‐しまき【花のしまき】🔗🔉

はな‐の‐しまき花のしまき】 花を吹きまくる風。花を吹き散らす風。夫木和歌抄4「―の波高く見ゆ」

はな‐の‐じょうざ【花の定座】‥ヂヤウ‥🔗🔉

はな‐の‐じょうざ花の定座‥ヂヤウ‥ 俳諧の1巻中、花をよみこむべきところ。百韻では初折・二の折・三の折は裏の13句目、名残の裏の7句目。歌仙では初裏の11句目、名残の裏の5句目。花の座。

はな‐の‐すがた【花の姿】🔗🔉

はな‐の‐すがた花の姿】 ①花のありさま。花の様子。〈[季]春〉。古今和歌集雑体「―ぞ見えかくれする」 ②花のように美しい姿。拾玉集1「―もしぼまざるらむ」

はな‐の‐そで【花の袖】🔗🔉

はな‐の‐そで花の袖】 ①桜色に染めた袖。花染めの袖。 ②美しい袖。特に、花見に着る女の晴着の袖。〈[季]春〉 ③花を衣の袖にたとえていう語。

はな‐の‐たもと【花の袂】🔗🔉

はな‐の‐たもと花の袂】 ①はなやかな衣服。古今和歌集哀傷「みな人は―になりぬなり」 ②花染めの袂。御堂関白集「―もただならぬかな」 ③花を袂に見立てていう語。〈[季]春〉。拾遺和歌集「をみなへし―ぞ露けかりける」

はな‐の‐たより【花の便り】🔗🔉

はな‐の‐たより花の便り】 ①花が咲いたついで。花のおり。拾遺和歌集「問ふ人もあらじと思ひし山里に―に人め見るかな」 ②花が咲いた知らせ。花だより。

はな‐の‐つゆ【花の露】🔗🔉

はな‐の‐つゆ花の露】 ①花の上におく露。 ②薔薇の花を蒸留してつくった芳香ある水。薔薇水。(和訓栞) ③江戸時代、女性用の上等の鬢付油びんつけあぶらの名。のち、化粧水の名にも使われた。好色一代男3「鼈甲のさし櫛、―といふ物もしりて」

はな‐の‐てら【花の寺】🔗🔉

はな‐の‐てら花の寺】 勝持寺しょうじじの俗称。

はな‐の‐とう【花の塔】‥タフ🔗🔉

はな‐の‐とう花の塔‥タフ 京阪地方で、4月8日つつじおよび新花を竿の先につけて家々に立てるもの。〈[季]春〉

はな‐の‐とう【花の頭】🔗🔉

はな‐の‐とう花の頭】 東海・近畿地方の神社で行われる豊年を祈る祭。頭屋から花を出して飾る予祝あるいは年占の行事がある。特に、旧暦4月8日(現在は5月8日)熱田神宮で行われる「花の撓とう」は名高い。

はな‐の‐ときわ【花の常磐】‥トキハ🔗🔉

はな‐の‐ときわ花の常磐‥トキハ 花が永遠に美しく咲いていること。後撰和歌集「―もありとみるべく」

はな‐の‐とざし【花の扃】🔗🔉

はな‐の‐とざし花の扃】 咲きこめた花をとざしにたとえていう語。花に囲まれた家。はなのとぼそ。

はな‐の‐とぼそ【花の枢】🔗🔉

はな‐の‐とぼそ花の枢(→)「はなのとざし」に同じ。

はな‐の‐なみ【花の波】🔗🔉

はな‐の‐なみ花の波】 ①花の散りうかぶ波。 ②花のたくさん咲いているさまを波に見立てていう語。

はな‐の‐はる【花の春】🔗🔉

はな‐の‐はる花の春】 ①花の咲く春。 ②新年の美称。「薦こもを着て誰人たれびといます―」(芭蕉)

はな‐の‐ひも【花の紐】🔗🔉

はな‐の‐ひも花の紐(→)「花の下紐」に同じ。古今和歌集「百草ももくさの―とく秋の野に」

はな‐の‐ふすま【花の衾】🔗🔉

はな‐の‐ふすま花の衾】 花が身に降りかかるのを夜具に見立てていう語。山家集「―を着する春風」

はな‐の‐ふぶき【花の吹雪】🔗🔉

はな‐の‐ふぶき花の吹雪】 花の乱れ散るさまを吹雪に見立てていう語。はなふぶき。

はな‐の‐ふぼ【花の父母】🔗🔉

はな‐の‐ふぼ花の父母】 雨露が草木をうるおし養うのを、父母に見立てていう語。はなのぶも。和漢朗詠集「養ひ得てはおのづから―たり」

はな‐の‐ぼうし【花の帽子】🔗🔉

はな‐の‐ぼうし花の帽子】 花色のかぶりもの。僧尼が用いる。浄瑠璃、五十年忌歌念仏「年忌の手向草―に修行の笠」

はな‐の‐まく【花の幕】🔗🔉

はな‐の‐まく花の幕】 花見の宴に張りまわす幕。花見幕。〈[季]春〉

はな‐の‐まる【花の丸】🔗🔉

はな‐の‐まる花の丸】 丸く図案化した花模様。

はな‐の‐みやこ【花の都】🔗🔉

はな‐の‐みやこ花の都】 都の美称。繁華なみやこ。また、花の盛りの都。源氏物語須磨「―を立ち返り見よ」。後拾遺和歌集「にほふらむ―のさびしくて」

はな‐の‐もと【花の下・花の本】🔗🔉

はな‐の‐もと花の下・花の本】 ①花の咲いている木の下。後撰和歌集「鶯の鳴きつる声にさそはれて―にぞ我は来にける」 ②室町・江戸時代、連歌・俳諧の宗匠の称号。花の下で行われた連歌の権威者が次第に公認され、一時代に一人を限り朝廷から許されるようになった。 ③名誉ある第一人者。甲陽軍鑑6「両大将を弓矢の―に申す」

はな‐の‐やど【花の宿】🔗🔉

はな‐の‐やど花の宿】 花のたくさん咲いている家。花のある宿所。〈[季]春〉。新古今和歌集「思ふどちそこともしらず行き暮れぬ―かせ野辺の鶯」

はな‐の‐ゆき【花の雪】🔗🔉

はな‐の‐ゆき花の雪】 ①白く咲いた花を雪に見立てていう語。 ②香の一つ。質は伽羅きゃら

はな‐の‐よっか【花の四日】🔗🔉

はな‐の‐よっか花の四日】 (岡山県地方で)3月4日のこと。この日に山遊びをする。→花散らし

○花は折りたし梢は高しはなはおりたしこずえはたかし🔗🔉

○花は折りたし梢は高しはなはおりたしこずえはたかし ほしいけれども、手に入れる方法が見つからないこと。世の中はとかくままならないものだというたとえ。 ⇒はな【花・華】

○花は桜木、人は武士はなはさくらぎひとはぶし🔗🔉

○花は桜木、人は武士はなはさくらぎひとはぶし 花の中で桜が最もすぐれているように、人の中では武士がすぐれている意。 ⇒はな【花・華】 はな‐ばさみ花鋏】 花や枝を切るのに用いる鋏。 はな‐はしどい花はしどい】 〔植〕リラの別称。 ハナ‐はじめハナ肇】 タレント・俳優。本名、野々山定夫。東京生れ。コミック‐バンド「クレージー‐キャッツ」のリーダーとして活躍。(1930〜1993) はな‐ばしら鼻柱】 ①鼻の左右の孔を分ける隔壁。はなのしょうじ。〈倭名類聚鈔3〉 ②鼻筋。鼻梁。炭俵「初雪の見事や馬の―」(利牛) ③張り合う気持。向う気。はなっぱしら。「―を折る」 はな‐はずかし・い花恥かしい‥ハヅカシイ 〔形〕 花もはじらうほど、ういういしく美しい。「―・い年頃」 はなはだ甚だ】 〔副〕 程度が著しいこと。たいそう。非常に。万葉集7「―も降らぬ雨ゆゑ」。「―迷惑な話」 ⇒はなはだ‐もって【甚だ以て】 はな‐ばたけ花畑】 草花を栽培する畑。→お花畑 はなばたけ‐きょうじょう花畠教場‥ケウヂヤウ 岡山藩の藩校。1641年(寛永18)藩主池田光政の創立。 はなはだし・い甚だしい】 〔形〕[文]はなはだ・し(シク) 普通の程度をこえている。はげしい。蜻蛉日記「かしこまりを―・しう置きたれば」。「非常識も―・い」「―・く不利な条件」 はなはだ‐もって甚だ以て】 「はなはだ」を強めた言い方。 ⇒はなはだ【甚だ】 はな‐ばち花蜂】 ハチの一群で、幼虫の食物として花粉と花蜜を集めるもの。ミツバチもこの類に属する。体に毛が密生し、花粉を集めるのに役立つ。 トラマルハナバチ 提供:ネイチャー・プロダクション はな‐ばちす花蓮】 花の咲いた蓮。古事記「入江のはちす―」 はな‐はな‐あそび鼻鼻遊び】 児童の遊戯の一つ。向き合った二人が互いに鼻頭に指を当てていて、一方が「鼻、鼻、目」といって目を指すと、他方は違った所、口とか耳とかを指し、相手と同じ場所を指したら負けとなる。 はなばなし・い花花しい・華華しい】 〔形〕[文]はなばな・し(シク) はなやかである。はでやかである。みごとである。十訓抄「心ばへもてしづめぬ人は、何事も―・しく、けしからぬなり」。「―・い活躍」 はなばなしきいちぞく華々しき一族】 森本薫の戯曲。1935年発表。50年初演。遊戯的な恋愛感覚を描き、主演の杉村春子のヒット作。 はなばな‐と花花と・華華と】 〔副〕 はなやかに。みごとに。立派に。枕草子35「色合ひの―いみじうにほひあざやかなるに」

はな‐はしどい【花はしどい】🔗🔉

はな‐はしどい花はしどい】 〔植〕リラの別称。

はなばなし・い【花花しい・華華しい】🔗🔉

はなばなし・い花花しい・華華しい】 〔形〕[文]はなばな・し(シク) はなやかである。はでやかである。みごとである。十訓抄「心ばへもてしづめぬ人は、何事も―・しく、けしからぬなり」。「―・い活躍」

はなばな‐と【花花と・華華と】🔗🔉

はなばな‐と花花と・華華と】 〔副〕 はなやかに。みごとに。立派に。枕草子35「色合ひの―いみじうにほひあざやかなるに」 ○花は根に鳥は故巣にはなはねにとりふるすに 木に咲いた花は根もとに落ち散ってそのこやしとなり、空を飛ぶ鳥は巣にかえる。物はみなその本に帰ることのたとえ。 ⇒はな【花・華】

○花は根に鳥は故巣にはなはねにとりふるすに🔗🔉

○花は根に鳥は故巣にはなはねにとりふるすに 木に咲いた花は根もとに落ち散ってそのこやしとなり、空を飛ぶ鳥は巣にかえる。物はみなその本に帰ることのたとえ。 ⇒はな【花・華】 はな‐ばん端番】 ①最初の当番。 ②歌舞伎劇場の出方で、順番に木戸の前に出て客を場内に案内するもの。 はな‐び花火・煙火】 黒色火薬に発色剤をまぜて筒につめ、または玉としたもの。点火して破裂・燃焼させ、光・色・爆音などを楽しむ。通信にも用いた。張筒から空中に放つ打上花火、装置して物の形を見せる仕掛花火、子供の玩具とする線香花火など種類が多い。〈[季]夏〉。御湯殿上日記「一条殿より―参る」 花火 撮影:関戸 勇 花火 提供:NHK ⇒はなび‐せんこう【花火線香】 はな‐びえ花冷え】 桜の咲く頃に寒さがもどって冷え込むこと。〈[季]春〉 はな‐びし花菱】 (唐花菱の略)紋所の名。4弁の唐花を菱形に配したもの。花菱を四つ組み合わせたものを四花菱よつはなびしという。→幸菱さいわいびし。 花菱 ⇒はなびし‐そう【花菱草】 はなびし‐アチャコ花菱アチャコ】 漫才師・俳優。本名、藤木徳郎。福井県生れ。横山エンタツとのコンビで漫才がヒット。ラジオドラマ・映画・舞台でも活躍。(1897〜1974) はな‐ひじき花肘木‥ヒヂ‥ 絵様・刳形くりかたのついた装飾的な肘木。 はなびし‐そう花菱草‥サウ ケシ科の多年草で園芸上は一年草。カリフォルニア原産。高さ約30センチメートル。葉は糸状に細裂して柔らかく、白色を帯びる。初夏、ケシに似た橙黄色の花を開く。花弁は4枚で花菱紋に似る。八重咲の園芸品種もある。観賞用。金英花きんえいか。カリフォルニア‐ポピー。〈[季]夏〉 ハナビシソウ 提供:OPO ⇒はな‐びし【花菱】

はな‐め・く【花めく】🔗🔉

はな‐め・く花めく】 〔自四〕 ①はなやかに見える。花やぐ。為忠百首「―・きつきむ賀茂の御祭」 ②時めく。時節にあって栄える。唐物語「時にあひて―・かせ給ふ后おはしましけり」 ○鼻も動かさずはなもうごかさず 取りすました顔つきの形容。傾城禁短気「―に手のよいぬけ句を仰せらるる」 ⇒はな【鼻】

○花も恥じらうはなもはじらう🔗🔉

○花も恥じらうはなもはじらう (花もひけ目を感ずるの意)若い女性の美しさの形容。「―17歳」 ⇒はな【花・華】

○花も実も有るはなもみもある🔗🔉

○花も実も有るはなもみもある 外観も美しく、内容も充実していること。名実兼備するさま。 ⇒はな【花・華】 はな‐もも花桃】 桃の園芸品種。庭木・切花用として栽植される落葉低木。花弁は八重咲、濃紅色または純白。果実は小形。 ハナモモ 撮影:関戸 勇 はな‐もよい花催い‥モヨヒ 桜の花が咲きそうなけはい。 はな‐もよう花模様‥ヤウ ①花形の模様。 ②美しい模様。 はな‐もり花守】 花を守るもの。花の番人。〈[季]春〉。夫木和歌抄11「あなことごとし―の」 はなもり花森】 姓氏の一つ。 ⇒はなもり‐やすじ【花森安治】 はなもり‐やすじ花森安治‥ヂ ジャーナリスト。神戸市生れ。東大卒。第二次大戦中、大政翼賛会で戦争宣伝に関与。戦後、庶民の生活雑誌「暮しの手帖」を創刊・編集。(1911〜1978) ⇒はなもり【花森】 はな‐や 祭の精進屋または御旅所おたびしょはな‐や花屋】 花を売る店、または人。 ⇒はなや‐の‐やなぎ【花屋の柳】 はな‐やか花やか・華やか】 ①花のように美しいさま。はでで美しいさま。きらびやか。万葉集12「紫の綵色しみのかつらの―に」。源氏物語空蝉「まみ口つきいと愛敬づき―なるかたちなり」。「―な装い」 ②きわだってあざやかなさま。まぎれなく、はっきりとしたさま。枕草子82「なにがしさぶらふと、いと―に言ふ」 ③はなばなしく栄えているさま。勢力などの盛んであるさま。活動のめざましいさま。源氏物語桐壺「世の覚え―なる御方々にも劣らず」。「軍閥―なりしころ」 はなやぎ花柳】 日本舞踊花柳流の芸姓。 ⇒はなやぎ‐じゅすけ【花柳寿輔】 ⇒はなやぎ‐しょうたろう【花柳章太郎】 ⇒はなやぎ‐りゅう【花柳流】 はなやぎ‐じゅすけ花柳寿輔】 日本舞踊の花柳流の家元。初世は江戸の人。4世西川扇蔵に学び、1849年(嘉永2)花柳流を創始。歌舞伎舞踊の振付師として重きをなした。(1821〜1903) ⇒はなやぎ【花柳】 はなやぎ‐しょうたろう花柳章太郎‥シヤウ‥ラウ 新派俳優。本姓、青山。東京日本橋の生れ。喜多村緑郎門下の名女形。1921年(大正10)新劇座、39年新生新派を結成。当り役は「婦系図おんなけいず」のお蔦や「滝の白糸」など。(1894〜1965) ⇒はなやぎ【花柳】 はなやぎ‐りゅう花柳流‥リウ 日本舞踊の一流派。初世花柳寿輔が1849年(嘉永2)に創始。 ⇒はなやぎ【花柳】 はな‐や・ぐ花やぐ・華やぐ】 〔自五〕 ①はなやかになる。はなばなしくなる。はでになる。源氏物語柏木「なほ―・ぎたる所つきて」 ②時めき栄える。大鏡頼忠「時の一の人の御孫にて、えもいはず―・ぎ給ひしに」 はな‐やくしゃ花役者】 人気のある役者。はながたやくしゃ。 はな‐やさい花椰菜(→)カリフラワーに同じ。 はな‐やしき花屋敷】 ①多くの花樹を栽培して人の観覧に供する庭園。 ②(現在「花やしき」)東京都旧浅草公園にある遊園地。森田草平、扉「二人はやがて―の前から観音堂の後ろの広場へ出た」 はな‐やすり花鑢】 ハナヤスリ科の落葉性シダ。原野に自生。短く直立した根茎から卵状長楕円形の1葉を出す。葉上から線状葉を分出し、先端にやすりに似た胞子嚢を穂状につける。近縁種が多い。 はな‐やなぎ花柳】 襲かさねの色目。表は白、裏は青。春に用いる。 はなやにっき花屋日記】 日記。2冊。「芭蕉翁反古文ばしょうおうほごぶみ」(僧文暁編、花屋庵奇淵校、1810年刊)を天保の複刻本で改題したもの。芭蕉の旅行・病中・終焉・葬送に関する門人の手記・物語および書簡を収めるが、実は偽作。 はなや‐の‐やなぎ花屋の柳】 江戸時代、看板として花屋のかどさきに植えた柳。東海道中膝栗毛3「―ぢやアあるめへし、いつまで人のかどに立つても居られめへ」 ⇒はな‐や【花屋】 はな‐やまぶき花山吹】 襲かさねの色目。表は薄朽葉、裏は黄、あるいは中倍なかべに白を入れる。女房の襲には上から下まで山吹色を重ね、単ひとえを青くする。夕山吹。 はな‐ゆ花柚】 ユズの一種。その花・莟つぼみ・皮の切片を酒や汁に入れ、芳香を珍重する。小柚。好色一代男3「たばね牛房ごぼうに―などさげて」 はな‐よてん花四天】 歌舞伎で、所作事の立回りに取巻きに出る捕手とりての役。摺込の色四天いろよてんを着、赤い鉢巻・手甲・脚絆・襷をして花枝や花槍を持つ。 はな‐よめ花嫁】 結婚したばかりのよめ。新婦。にいよめ。↔花婿。 ⇒はなよめ‐ご【花嫁御】 ⇒はなよめ‐ごりょう【花嫁御寮】 はなよめ‐ご花嫁御】 花嫁の尊敬語。 ⇒はな‐よめ【花嫁】 はなよめ‐ごりょう花嫁御寮‥レウ (→)花嫁御に同じ。→御寮 ⇒はな‐よめ【花嫁】

はな‐やか【花やか・華やか】🔗🔉

はな‐やか花やか・華やか】 ①花のように美しいさま。はでで美しいさま。きらびやか。万葉集12「紫の綵色しみのかつらの―に」。源氏物語空蝉「まみ口つきいと愛敬づき―なるかたちなり」。「―な装い」 ②きわだってあざやかなさま。まぎれなく、はっきりとしたさま。枕草子82「なにがしさぶらふと、いと―に言ふ」 ③はなばなしく栄えているさま。勢力などの盛んであるさま。活動のめざましいさま。源氏物語桐壺「世の覚え―なる御方々にも劣らず」。「軍閥―なりしころ」

はな‐や・ぐ【花やぐ・華やぐ】🔗🔉

はな‐や・ぐ花やぐ・華やぐ】 〔自五〕 ①はなやかになる。はなばなしくなる。はでになる。源氏物語柏木「なほ―・ぎたる所つきて」 ②時めき栄える。大鏡頼忠「時の一の人の御孫にて、えもいはず―・ぎ給ひしに」

はな‐やしき【花屋敷】🔗🔉

はな‐やしき花屋敷】 ①多くの花樹を栽培して人の観覧に供する庭園。 ②(現在「花やしき」)東京都旧浅草公園にある遊園地。森田草平、扉「二人はやがて―の前から観音堂の後ろの広場へ出た」

○花より団子はなよりだんご🔗🔉

○花より団子はなよりだんご ①風流を解さないこと。 ②名よりも実利を尊ぶこと。 ⇒はな【花・華】 ば‐ならし場馴らし】 場所に慣れさせること。また、物事に熟練させること。日葡辞書「バナラシニヲドル」 は‐ならび歯並び】 歯の並びぐあい。歯並み。「―が悪い」 はなり放り】 (「うないはなり」の略)少女の、結ばないで垂らしておく髪。また、その少女。ふりわけがみ。万葉集7「少女らが―の髪をゆふの山」 はなり‐そ離磯】 陸から遠く海上に突きでた磯。はなれそ。万葉集20「むらじが磯の―の」 はな・る離る・放る】 〔自下二〕 ⇒はなれる(下一) はなれ離れ・放れ】 ①はなれること。 ②(「…ばなれ」の形で)離れていくこと。また、大そうかけ離れていること。「乳―」「しろうと―」「浮世―した生活」 ③俳諧で、句中の取合とりあわせ3がしっくりしないこと。 ④(→)「離れ座敷」(→)「離れ家」2の略。 ⇒はなれ‐いお【離れ庵】 ⇒はなれ‐いし【離れ石】 ⇒はなれ‐いわ【離れ岩】 ⇒はなれ‐う【放れ鵜】 ⇒はなれ‐うま【放れ馬】 ⇒はなれ‐きょうげん【離狂言・放狂言】 ⇒はなれ‐こじま【離れ小島】 ⇒はなれ‐ごま【放れ駒】 ⇒はなれ‐ざしき【離れ座敷】 ⇒はなれ‐ざる【離れ猿】 ⇒はなれ‐じま【離れ島】 ⇒はなれ‐す【離れ洲】 ⇒はなれ‐そ【離磯】 ⇒はなれ‐ばなれ【離れ離れ】 ⇒はなれ‐まつ【離れ松】 ⇒はなれ‐もの【離れ物】 ⇒はなれ‐や【離れ家】 ⇒はなれ‐わざ【離れ業・離れ技】 ば‐なれ場馴れ】 経験をつんで、場所・場面に馴れていること。「―した態度」 はなれ‐いお離れ庵‥イホ 人里を離れた所にあるいおり。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐いし離れ石】 孤立した石。庭園などで、他の石と離しておいた石。頼政集「いとはるるわがみぎはには―の」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐いわ離れ岩‥イハ 湖や海中に孤立している岩。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐う放れ鵜】 綱を放れた鵜。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐うま放れ馬】 つないである綱からとけはなれて走る馬。はなれごま。太平記26「―の有けるに打乗て」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐ぎたな・し離れ穢し】 〔形ク〕 ①未練が多くて離れにくい。 ②金離れがわるい。しわい。 はなれ‐きょうげん離狂言・放狂言‥キヤウ‥ 二幕続き・三幕続きなどの続つづき狂言に対して、一番ずつが関連なく演じられる簡単な歌舞伎狂言。初期の歌舞伎に行われ、寛文(1661〜1673)ごろ続狂言に進化した。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐こじま離れ小島】 陸地から遠く離れた小島。はなれおじま。万葉集7「玉の浦の―の夢いめにし見ゆる」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐ごま放れ駒】 ①(→)「はなれうま」に同じ。 ②(「離れ駒」と書く)将棋で、味方の駒と連絡のない駒。浮き駒。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐ざしき離れ座敷】 母屋から離れた座敷。はなれ。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐ざる離れ猿】 群れを離れて単独で行動する猿。独り猿。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐じま離れ島】 陸から遠く離れている島。孤島。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐す離れ洲】 陸から遠く離れている洲。夫木和歌抄26「汐がれのひかたの浦の―に」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐そ離磯⇒はなりそ。万葉集15「―に立てるむろの木」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐ばなれ離れ離れ】 まとまっていたものが、互いのつながりがなく離れること。ちりぢり。ばらばら。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐まつ離れ松】 離れて孤立した松。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐もの離れ物】 ①仲間から分かれ離れたもの。のけもの。 ②普通とは異なったもの。特別のもの。その時の運・不運によるもの。浄瑠璃、平家女護島「産の道は―」 ③鎧よろいの胴と付属の備品の色とが異なること。また、その鎧。 ④離れるべきもの。「合せ物は―」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はなれ‐や離れ家】 ①人里から離れてある家。ひとつや。 ②母屋から離れてある家。はなれ。 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はな・れる離れる・放れる】 〔自下一〕[文]はな・る(下二) (古く四段に活用し万葉集にウナヰハナリ(放髪)・ハナリソ(離磯)などの例がある) ①くっついていたものが解けて分かれる。古事記「大和へに西風にし吹き上げて雲―・れ退き居りとも」 ②遠ざかった位置にある。へだたった所にいる。万葉集15「しましくもひとりありうるものにあれや島のむろの木―・れてあるらむ」。大鏡道長「都―・れたる所なればと優にこそあまりにおよすげたれ」。「大陸から遠く―・れた島」 ③へだたる。距離をおく。遠ざかる。万葉集20「たたみけめ牟良自むらじが磯の離磯はなりその母を―・れて行くが悲しさ」。日葡辞書「スヲハナルル」。「弦を―・れた矢」「二人の気持が―・れる」 ④関係がなくなる。超越する。かけはなれる。源氏物語賢木「後の世の事をのみ思すに、たのもしく、むつかしかりしこと―・れておぼさる」。古今著聞集2「すみやかに凡夫の振舞に―・れたらん事を示し給へ」。「利害を―・れた行為」 ⑤縁が切れる。離縁する。拾遺和歌集雑秋「ものねたみしける男―・れ侍りて後に、菊のうつろひて侍りけるを遣はすとて」。「―・れがたい仲」 ⑥除外した状態になる。源氏物語若菜下「琴の音を―・れては、なに事をか、もの調へ知るしるべとはせむ」 ⑦《放》拘束された状態などから解放される。のがれる。徒然草「官人章兼が牛―・れて庁のうちへ入りて」。「鎖から―・れた犬」 ⑧官職を解かれる。免官になる。仕事をやめる。公忠集「延喜の御時五位蔵人なりけるを、御譲位にあひて―・れけれど、朱雀院御上承平八年十一月にかへりなりて」。「職を―・れた」 ⑨戸格子などが開かれた状態になる。狭衣物語2「格子を探り給へば、―・れたる所もありけり。風の紛れに、おしあげて見給へば」 ば‐な・れる場馴れる】 〔自下一〕 経験をつんで、場所や物事に馴れる。日葡辞書「バナレタヒト」 はなれ‐わざ離れ業・離れ技】 なみよりも一際すぐれたわざ。思い切った大胆なふるまい。奇抜な技芸。「―を演ずる」 ⇒はなれ【離れ・放れ】 はな‐ろうそく花蝋燭‥ラフ‥ 花模様をえがいた絵ろうそく。会津ろうそくの類。 はなわハナハ 山のさしでた所。また、小高い所。重之集「たけくまの―に立てる松だにも」 はなわハナハ 姓氏の一つ。 ⇒はなわ‐ほきいち【塙保己一】 はな‐わ花輪・花環】 生花または造花を輪の形に造り、表彰または慶弔の意をあらわすために捧げるもの。 はな‐わ鼻輪】 牛の鼻にとおす輪。はながい。 はなわ‐ほきいち塙保己一ハナハ‥ 江戸後期の国学者。旧姓、荻野。家号、温故堂。武蔵児玉の人。7歳で失明、15歳の時に江戸に出て雨富検校須賀一すがいち(本姓、塙)に入門。のち賀茂真淵らに国学を学ぶ。優れた記憶力により和漢の学に通暁。検校・総検校となる。幕府保護の下に和学講談所を建て、門下に碩学輩出。「群書類従」を編集、さらに「続群書類従」纂修に着手。編著「武家名目抄」「蛍蠅抄」など。(1746〜1821) ⇒はなわ【塙】 はな‐わらび花蕨・陰地蕨】 ハナヤスリ科の多年生シダで、フユノハナワラビを指すが、ナツノハナワラビ・オオハナワラビなどを含む総称としてもいう。高さ約30センチメートル。地下茎から羽状に裂けた1葉を出す。別に多数の胞子嚢が円錐状をなした1穂を生じ、これを花と見たてた。

○花を折るはなをおる🔗🔉

○花を折るはなをおる (花のついた枝を折ってかざす意から)容姿をはなやかにする。転じて、容姿が美しい。 ⇒はな【花・華】

○花を持たすはなをもたす🔗🔉

○花を持たすはなをもたす 相手を立てる。相手に名誉や栄光をゆずる。 ⇒はな【花・華】

○花をやるはなをやる🔗🔉

○花をやるはなをやる 華美を極める。贅沢を尽くす。派手に振る舞う。 ⇒はな【花・華】 は‐に】 質の緻密な黄赤色の粘土。昔はこれで瓦・陶器を作り、また、衣に摺りつけて模様を表した。ねばつち。あかつち。へな。万葉集7「大和の宇陀のま―のさ丹着かば」 はに羽仁】 姓氏の一つ。 ⇒はに‐ごろう【羽仁五郎】 ⇒はに‐もとこ【羽仁もと子】

[漢]花🔗🔉

 字形  筆順 〔艹部4画/7画/教育/1854・3256〕 [] 字形 〔艹部4画/7画〕 〔音〕〈クヮ〉(漢) ケ(呉) 〔訓〕はな [意味] ①草木の、はな。「花弁・花壇・花鳥風月・桜花・造花・落花生」 ②はなのように美しいもの。「花押かおう・詞花・花柳界」 [解字] 形声。「艹」+音符「化」(=姿をかえる)。植物の、つぼみから開いて散るまで姿を変える部分の意。「華」は別字であるが、通じ用いる。は異体字。 [下ツキ 隠花植物・桜花・開花・槿花・金盞花・金鳳花・供花・献花・顕花植物・牽牛花・国花・山茶花さざんか・残花・紙花・詞花・死花・沈丁花・生花・造花・葱花輦・丹花・虫媒花・百花繚乱・風媒花・鳳仙花・茉莉花・名花・綿花・妖花・落花狼藉・梨花・六花・立花・弄花・女郎花おみなえし

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