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そぼ・つ【×濡つ】🔗🔉

そぼ・つ【×濡つ】 《古くは「そほつ」「そほづ」》[動タ四]雨や涙などにしっとり濡れる。うるおう。「浅みにや人はおりたつ我がかたは身も―・つまで深きこひぢを」〈源・葵〉雨がしとしと降る。そぼ降る。「あけぬとてかへる道にはこきたれて雨も涙もふり―・ちつつ」〈古今・恋三〉→降り濡(そぼ)[動タ上二]に同じ。「あさ氷とくる間もなき君によりなどて―・つる袂なるらむ」〈拾遺・恋二〉◆現代では「濡れそぼつ」などの形で文章語としてのみ用いられる。また、は、連用形の用例しかないので、活用は上二か四段か判定しがたい。

ぬらし【×濡らし】🔗🔉

ぬらし【×濡らし】 《動詞「ぬらす」の連用形から》色めかしいそぶりをすること。「口ききたるままに、よき加減なる―をしかけ」〈難波物語〉

ぬら・す【×濡らす】🔗🔉

ぬら・す【×濡らす】 [動サ五(四)]ぬれた状態にする。「涙でほおを―・す」やっと暮らしを立てる。「僅に尋中の教師に口は―・しても」〈魯庵・社会百面相〉色めかしいそぶりをする。「威勢でおどし、文で―・し、色かへ品かへ口説きしを」〈浄・女楠〉

ぬ・る【×濡る】🔗🔉

ぬ・る【×濡る】 [動ラ下二]「ぬれる」の文語形。

ぬれ【×濡れ】🔗🔉

ぬれ【×濡れ】 雨などで濡れること。「ずぶ―」「ぐしょ―」色事。情事。変愛。「かなはぬ―に身を浸し」〈浄・薩摩歌〉愛人。情人。いろ。「間夫(まぶ)を―ととなへて」〈洒・浪花色八卦〉

ぬれ‐いろ【×濡れ色】🔗🔉

ぬれ‐いろ【×濡れ色】 水に濡れた色。また、そのようなつややかな色。「黒い髪の陰に―をした大きい目を見ながら」〈秋声・仮装人物〉

ぬれ‐えん【×濡れ縁】🔗🔉

ぬれ‐えん【×濡れ縁】 雨戸の敷居の外側に設けられた雨ざらしの縁側。

ぬれ‐かか・る【×濡れ掛(か)る】🔗🔉

ぬれ‐かか・る【×濡れ掛(か)る】 [動ラ五(四)]ぬれ始める。また、ぬれそうになる。「―・ったところに出迎えが来た」色事をしかける。「母は御堂へ、娘一人、折柄こそと―・る」〈浮・三代男・一〉

ぬれ‐か・く【×濡れ掛く】🔗🔉

ぬれ‐か・く【×濡れ掛く】 [動カ下二]情事をしかける。「―・けて欺して問はんと」〈浄・冥途の飛脚〉

ぬれ‐がみ【×濡れ紙】🔗🔉

ぬれ‐がみ【×濡れ紙】 水に濡れた紙。水に濡らした紙。湿紙。

濡れ紙を剥(は)がすよう🔗🔉

濡れ紙を剥(は)がすよう 物事を静かに取り扱うようすのたとえ。病気が日増しに快方に向かうようすのたとえ。

ぬれ‐がみ【×濡れ髪】🔗🔉

ぬれ‐がみ【×濡れ髪】 濡れてまだ乾かない髪。

ぬれがみ‐ちょうごろう【濡髪長五郎】‐チヤウゴラウ🔗🔉

ぬれがみ‐ちょうごろう【濡髪長五郎】‐チヤウゴラウ 浄瑠璃「双蝶々曲輪日記(ふたつちようちようくるわにつき)の主人公の一人。大坂相撲の人気力士。義理ある人を助けるため侍を殺し、逃亡の果て、生母に一目逢おうと八幡の親里に現れる。

ぬれ‐ぎぬ【×濡れ△衣】🔗🔉

ぬれ‐ぎぬ【×濡れ衣】 濡れた衣服。身に覚えのない罪をいうたとえ。「その疑いは―だ」根拠のないうわさ。無実の浮き名。ぬれごろも。「憎からぬ人ゆゑは、―をだに着まほしがる類もあなればにや」〈源・紅葉賀〉

濡れ衣を着・せる🔗🔉

濡れ衣を着・せる 無実の罪を負わせる。「同僚に―・せる」根拠のない浮き名を立てる。「おほかたは我が―・せずとも朽ちにし袖の名やは隠るる」〈源・夕霧〉

濡れ衣を着る🔗🔉

濡れ衣を着る 無実の罪を負わされる。「仲間をかばって―着る」根拠のない浮き名を立てられる。「名にし負はばあだにぞあるべきたはれ島浪の濡れ衣着るといふなる」〈伊勢・六一〉

ぬれ‐げしき【×濡れ気色】🔗🔉

ぬれ‐げしき【×濡れ気色】 色っぽい風情。なまめかしいそぶり。「ゆふべゆふべの―」〈浮・一代女・五〉

ぬれ‐ごと【×濡れ事】🔗🔉

ぬれ‐ごと【×濡れ事】 歌舞伎で、男女が愛情を交わす場面。また、その演出・演技。色模様よりも濃厚で、特に元禄期(一六八八〜一七〇四)に上方の傾城買(けいせいか)い狂言の中で形成された。情事。色事。

ぬれごと‐し【×濡れ事師】🔗🔉

ぬれごと‐し【×濡れ事師】 歌舞伎で、濡れ事を得意とする役者。色事師。情事に巧みな人。色事師。

ぬれ‐ごろも【×濡れ衣】🔗🔉

ぬれ‐ごろも【×濡れ衣】 ぬれぎぬ」に同じ。「のがるとも誰か着ざらむ―天(あめ)の下にし住まむ限りは」〈大和・四四〉根も葉もないうわさ。ぬれぎぬ。「―は、なほ、え干させ給はじ」〈源・夕霧〉

ぬれ‐しょぼた・れる【×濡れしょぼたれる】🔗🔉

ぬれ‐しょぼた・れる【×濡れしょぼたれる】 [動ラ下一]濡れてぐしょぐしょになる。ひどく濡れる。「大雨が降出したもんだから、道灌さまも―・れて」〈魯文・安愚楽鍋〉

ぬれ‐そぼ・つ【×濡れそぼつ】🔗🔉

ぬれ‐そぼ・つ【×濡れそぼつ】 [動タ五(四)]濡れてびしょびしょになる。「春雨に―・ちながら歩く」

ぬれ‐て【×濡れ手】🔗🔉

ぬれ‐て【×濡れ手】 水に濡れた手。

濡れ手で粟(あわ)🔗🔉

濡れ手で粟(あわ) 濡れた手で粟をつかめば粟粒がたくさんついてくるように、ほねをおらずに多くの利益を得ること。やすやすと金もうけをすること。

ぬれ‐とお・る【×濡れ△透る】‐とほる🔗🔉

ぬれ‐とお・る【×濡れ透る】‐とほる [動ラ五(四)]雨や水などが中までしみとおる。「下着まで―・る」

ぬれ‐に【×濡れ荷】🔗🔉

ぬれ‐に【×濡れ荷】 船積みまたは運送のときに水に濡れた貨物。

ぬれ‐ねずみ【×濡れ×鼠】🔗🔉

ぬれ‐ねずみ【×濡れ×鼠】 水に濡れた鼠のように、衣服を着たまま全身がずぶ濡れになること。「夕立で―になる」

ぬれ‐ば【×濡れ場】🔗🔉

ぬれ‐ば【×濡れ場】 歌舞伎で、男女の情事の場面。また、その演出。初期歌舞伎の濡れ事が発展したもの。濡れ幕。情事の場面。ラブシーン。

ぬれば‐いろ【×濡れ羽色】🔗🔉

ぬれば‐いろ【×濡れ羽色】 水に濡れた烏(からす)の羽のように、しっとりとつやのある黒色。「髪は烏の―」

ぬれ‐ばなし【×濡れ話】🔗🔉

ぬれ‐ばなし【×濡れ話】 色事の話。いろばなし。

ぬれ‐ば・む【×濡ればむ】🔗🔉

ぬれ‐ば・む【×濡ればむ】 [動マ四]濡れたように見える。「鼻の先は赤みて、穴のめぐりいたく―・みたるは」〈今昔・二六・一七〉

ぬれ‐ぶみ【×濡れ文】🔗🔉

ぬれ‐ぶみ【×濡れ文】 恋文。いろぶみ。つやぶみ。「久米様への―が法印様の御手に入り」〈浄・万年草〉

ぬれ‐ぼうず【×濡れ坊主】‐バウズ🔗🔉

ぬれ‐ぼうず【×濡れ坊主】‐バウズ 好色な僧。「この庵の―、所こそあれ、仏壇に女寝させて」〈浄・蝉丸〉

ぬれ‐ぼとけ【×濡れ仏】🔗🔉

ぬれ‐ぼとけ【×濡れ仏】 屋外に安置した仏像。露仏。

ぬれ‐まく【×濡れ幕】🔗🔉

ぬれ‐まく【×濡れ幕】濡れ場」に同じ。

ぬれ‐もの【×濡れ物】🔗🔉

ぬれ‐もの【×濡れ物】 火事の際に水をかぶった物。まだよく乾いていない洗濯物。

ぬれ‐もの【×濡れ者】🔗🔉

ぬれ‐もの【×濡れ者】 色事に通じた人。好色者。また、男心をそそる美人。「かの玄宗皇帝の鼻毛をのばされし楊貴妃といふ―は」〈浮・旅日記〉

ぬれ‐ゆき【×濡れ雪】🔗🔉

ぬれ‐ゆき【×濡れ雪】 水分の多い雪。

ぬ・れる【×濡れる】🔗🔉

ぬ・れる【×濡れる】 [動ラ下一]ぬ・る[ラ下二]表面に水などがつく。また、水がかかったり水につかったりしてしみ込む。「雨に―・れる」「―・れた瞳」男女が情を通じる。情事を行う。「しっぽり―・れる」 [類語]湿(しめ)る・湿(しと)る・潤う・潤む・濡(そぼ)つ・濡れそぼつ・そぼ濡れる・しょぼ濡れる・しょぼたれる・潮(しお)垂れる

濡れぬ先こそ露をも厭(いと)え🔗🔉

濡れぬ先こそ露をも厭(いと)え 濡れる前は露をさえ厭うが、いったん濡れてしまうと、いくら濡れてもかまわなくなる。一度過ちを犯すと、もっとひどい過ちを平気で犯すようになることのたとえ。

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[音]ジュ [訓]ぬ‐れる [部首]水 [総画数]17 [コード]区点    3908      JIS   4728      S‐JIS 9447

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