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せ【瀬】🔗🔉

せ【瀬】 川などの流れが浅く歩いて渡れる所。浅瀬。「―を渡る」(ふち)川の流れの急な所。また、海水の流れ。潮流。「―を下る」「潮―」物事に出あうとき。機会。「身をすててこそ浮かぶ―もあれ」「逢(お)う―」置かれている立場。「立つ―がない」そのような点。ふし。「かへりて面だたしげなるを、うれしき―もまじりて、大臣(おとど)は御涙のいとまなし」〈源・葵〉場所。ところ。「聞かずともここを―にせむ時鳥(ほととぎす)山田の原の杉の群立ち」〈新古今・夏〉

せ‐おと【瀬音】🔗🔉

せ‐おと【瀬音】 浅瀬を流れる川の音。

せ‐がしら【瀬頭】🔗🔉

せ‐がしら【瀬頭】 緩やかな流れから、瀬になりかかって波が立ちはじめる所。瀬尻。

せがわ【瀬川】せがは🔗🔉

せがわ【瀬川】せがは 姓氏の一。

せがわ‐きくのじょう【瀬川菊之丞】せがは‐🔗🔉

せがわ‐きくのじょう【瀬川菊之丞】せがは‐ 歌舞伎俳優。屋号、浜村屋。俳名、路考。(初世)[一六九三〜一七四九]初め京坂、のち江戸でも活躍した女方の名人。初世芳沢あやめとともに女方芸の基礎を築いた。浜村屋路考。(二世)[一七四一〜一七七三]初世の養子。宝暦・明和(一七五一〜一七七二)ごろ、江戸で若女方として人気を博した。王子路考。(三世)[一七五一〜一八一〇]二世の養子。天明・寛政(一七八一〜一八〇一)ごろ、江戸で活躍した名女方。仙女路考。(五世)[一八〇二〜一八三二]三世の孫。文化・文政(一八〇四〜一八三〇)ごろ、江戸で女方として活躍。多門路考。(六世)[一九〇七〜一九七六]瀬川久次郎の養子となり瀬川家を再興。前進座に属し、女方・二枚目から実悪・老け役まで広い芸域をこなした。

せがわ‐じょこう【瀬川如皐】せがはジヨカウ🔗🔉

せがわ‐じょこう【瀬川如皐】せがはジヨカウ一八〇六〜一八八一]江戸末期の歌舞伎作者。三世。江戸の人。五世鶴屋南北の門下で、中村座の立作者となった。作「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」「東山桜荘子(ひがしやまさくらそうし)」など。

せがわ‐ぼうし【瀬川帽子】せがは‐🔗🔉

せがわ‐ぼうし【瀬川帽子】せがは‐ 江戸時代に流行した婦人用の綿帽子の一。享保一九年(一七三四)歌舞伎俳優の初世瀬川菊之丞が、屋敷女中の役でかぶったのが最初といわれる。

せ‐ぎり【瀬切り】🔗🔉

せ‐ぎり【瀬切り】 水の流れをせきとめること。「―をして水車がかけてあって」〈有島・星座〉水が瀬を押しきって流れること。また、その場所。早瀬。「立田川滝の―にはらへつついはひくらすは君が為とぞ」〈古今六帖・一〉

せ‐ぎ・る【瀬切る】🔗🔉

せ‐ぎ・る【瀬切る】 [動ラ五(四)]流れをせきとめる。「埒外に―・られた出迎いの人込(ひとごみ)」〈風葉・青春〉

せ‐ごし【瀬越し】🔗🔉

せ‐ごし【瀬越し】 早瀬を越すこと。浅瀬用の喫水の浅い小船。高瀬舟・茶船などの類。せごしぶね。重大な危機、または危険な時期を乗り越えること。「今ひと時が互ひの―」〈浄・妹背山〉

せしめ‐うるし【瀬×〆漆】🔗🔉

せしめ‐うるし【瀬×〆漆】 漆の枝から掻(か)き取ったままの漆汁。粘着力が強い。石漆。

せ‐じり【瀬×尻】🔗🔉

せ‐じり【瀬×尻】 瀬の終わるところ。また、瀬の終わりの、淵(ふち)などになろうとするところ。瀬頭。

せ‐ぜ【瀬瀬】🔗🔉

せ‐ぜ【瀬瀬】 《「せせ」とも》多くの瀬。「宇治川の―のしき波しくしくに妹は心に乗りにけるかも」〈万・二四二七〉その時々。折々。「見し人の形代ならば身に添へて恋しき―のなで物にせむ」〈源・東屋〉

せた【瀬田】🔗🔉

せた【瀬田】 (古くは「勢田」とも)滋賀県大津市の地名。琵琶湖南端の、瀬田川への流出口にある。近江八景の一つ「瀬田の夕照」で知られる。

せ‐だえ【瀬絶え】🔗🔉

せ‐だえ【瀬絶え】 瀬を流れる水が絶えること。「すみなれし佐野の中川―してながれかはるは涙なりけり」〈千載・恋四〉

せた‐おり【瀬田折り】‐をり🔗🔉

せた‐おり【瀬田折り】‐をり 着物のすそをからげて帯に挟むこと。せたからげ。あずまからげ。

せた‐からげ【瀬田△絡げ】🔗🔉

せた‐からげ【瀬田絡げ】 瀬田折り

せた‐がわ【瀬田川】‐がは🔗🔉

せた‐がわ【瀬田川】‐がは 滋賀県、琵琶湖南端から流出する川。東岸の瀬田、西岸の石山は東海道の渡河点。京都府で宇治川、下流で淀川となる。

せた‐しじみ【瀬田×蜆】🔗🔉

せた‐しじみ【瀬田×蜆】 シジミの一種。大津市瀬田など琵琶湖とその下流水系に分布。四月ごろが美味。《季 春》

せた‐の‐からはし【瀬田の唐橋】🔗🔉

せた‐の‐からはし【瀬田の唐橋】 滋賀県大津市の瀬田川に架かる旧東海道の橋。「瀬田の夕照」は近江八景の一。瀬田の橋。瀬田の長橋。

せた‐の‐ながはし【瀬田の長橋】🔗🔉

せた‐の‐ながはし【瀬田の長橋】 瀬田の唐橋(からはし)の異称。「槙のいたも苔むすばかりなりにけり幾世へぬらむ―」〈新古今・雑中〉

せ‐つき【瀬付き】🔗🔉

せ‐つき【瀬付き】 《「せづき」とも》魚が瀬に集まること。特に、アユやウグイなどが産卵のため河川の小砂利の瀬に集まること。

せ‐づり【瀬釣(り)】🔗🔉

せ‐づり【瀬釣(り)】 川釣りで、瀬で釣ること。対象魚はアユ・イワナ・ヤマメなど。

せ‐と【瀬戸】🔗🔉

せ‐と【瀬戸】 《「狭門(せと)」の意。「せど」とも》相対した陸地の間の、特に幅の狭い海峡。潮汐(ちようせき)の干満により激しい潮流が生じる。「瀬戸際(せとぎわ)」の略。「死ぬか生きるかの―に乗っかかる時」〈露伴・五重塔〉

せと【瀬戸】🔗🔉

せと【瀬戸】 愛知県中北部の市。良質の陶土を産し、鎌倉時代以来、日本最大の陶磁器産地。人口一二・六万。「瀬戸焼」「瀬戸物」の略。

せと‐うち【瀬戸内】🔗🔉

せと‐うち【瀬戸内】 瀬戸内海およびその沿岸地域の称。

せとうちしき‐きこう【瀬戸内式気候】🔗🔉

せとうちしき‐きこう【瀬戸内式気候】 瀬戸内海沿岸地域に特有の気候。北に中国山地、南に四国山地があるために乾燥した気候となり、一年を通じて晴天が多く、降水量が少ない。夏の夕なぎは顕著。春から夏にかけては霧が発生しやすい。

せと‐おおはし【瀬戸大橋】‐おほはし🔗🔉

せと‐おおはし【瀬戸大橋】‐おほはし 本州四国連絡橋の一。岡山県児島と香川県坂出とを結ぶ、鉄道と自動車道路併用の吊り橋。九・四キロメートルの海峡部を、五つの島づたいに六つの橋でつなぐ。昭和六三年(一九八八)完成。

せとおおはし‐せん【瀬戸大橋線】せとおほはし‐🔗🔉

せとおおはし‐せん【瀬戸大橋線】せとおほはし‐ 宇野線茶屋町から予讚線宇多津に至るJR本四備讚(ほんしびさん)線の通称。瀬戸大橋の架橋により、昭和六三年(一九八八)開業。全長三一・〇キロ。

せと‐がらつ【瀬戸唐津】🔗🔉

せと‐がらつ【瀬戸唐津】 唐津焼の一。白色釉(ゆう)の明るい調子や素地(きじ)が瀬戸に近いところからの名。

せと‐ぎわ【瀬戸際】‐ぎは🔗🔉

せと‐ぎわ【瀬戸際】‐ぎは 狭い海峡と外海の境。勝負・成否などの分かれ目。「生きるか死ぬかの―」

せと‐ぐち【瀬戸口】🔗🔉

せと‐ぐち【瀬戸口】 《「せどぐち」とも》海峡の入り口。徳利などに用いる陶器の栓。

せとぐち‐とうきち【瀬戸口藤吉】🔗🔉

せとぐち‐とうきち【瀬戸口藤吉】一八六八〜一九四一]指揮者・作曲家。鹿児島の生まれ。エッケルトらに学び、生涯、海軍軍楽隊発展のために尽くした。作品に「軍艦行進曲」「愛国行進曲」など。

せと‐ぐろ【瀬戸黒】🔗🔉

せと‐ぐろ【瀬戸黒】 《「瀬戸黒茶碗」の略》美濃国で天正(一五七三〜一五九二)ごろに焼かれた黒無地の茶碗。薄作りで筒形のものが多く、高台(こうだい)は低い。天正黒。

せと‐てんもく【瀬戸天目】🔗🔉

せと‐てんもく【瀬戸天目】 中国の建盞(けんさん)に倣って、瀬戸または美濃で焼かれた天目茶碗。

せと‐ないかい【瀬戸内海】🔗🔉

せと‐ないかい【瀬戸内海】 本州・四国・九州に囲まれた海域。西は早鞆(はやとも)瀬戸(関門海峡)、南西は速吸(はやすい)瀬戸(豊予海峡)、南東は鳴門瀬戸などで外海に通じる。淡路島・小豆(しようど)島をはじめ大小二千余の島があり、典型的な多島海風景を示す。古来、畿内と九州・大陸とを結ぶ重要な海上交通路。瀬戸内。内海。

せとないかい‐こくりつこうえん【瀬戸内海国立公園】‐コクリツコウヱン🔗🔉

せとないかい‐こくりつこうえん【瀬戸内海国立公園】‐コクリツコウヱン 瀬戸内海の主要部を占める国立公園。一〇府県にまたがり、源平の古戦場などの史跡に富む。昭和九年(一九三四)指定。

せと‐びき【瀬戸引き】🔗🔉

せと‐びき【瀬戸引き】 鉄製の器具の表面を琺瑯質(ほうろうしつ)でおおうこと。また、その製品。琺瑯引き。

せと‐もの【瀬戸物】🔗🔉

せと‐もの【瀬戸物】 瀬戸焼陶磁器の通称。主に畿内以東の地域で用いられる。→唐津物

せともの‐がい【瀬戸物貝】‐がひ🔗🔉

せともの‐がい【瀬戸物貝】‐がひ ハナゴウナ科の巻き貝。貝殻は細長い円錐形で、殻高約三センチ。殻表は白く光沢がある。本州中部以南の暖海に分布。

せと‐やき【瀬戸焼】🔗🔉

せと‐やき【瀬戸焼】 愛知県瀬戸市およびその付近で作られる焼き物の総称。鎌倉時代、加藤景正(かとうかげまさ)が、宋から施釉陶器の技法を伝えたのが創始とされる。室町末期ごろまでのものは古瀬戸とよばれ、主に唐物(からもの)を模した茶入で知られる。桃山時代から江戸初期にかけては、茶の湯の隆盛に伴って瀬戸黒・志野・織部・黄瀬戸などの茶器が多く焼かれたほか、日用雑器も作られるようになった。磁器の製造は、文化年間(一八〇四〜一八一八)加藤民吉父子が肥前有田から染め付け磁器の製法を伝えたのに始まる。瀬戸物。瀬戸。

せ‐どり【瀬取り】🔗🔉

せ‐どり【瀬取り】 親船の積み荷を小船に移し、陸揚げすること。また、その小船。

せ‐ぶし【瀬伏し】🔗🔉

せ‐ぶし【瀬伏し】 岩などが川の瀬に隠れて見えないこと。また、魚が川の瀬にひそんでいること。「―の石も高うして」〈盛衰記・三五〉

せ‐ぶみ【瀬踏み】🔗🔉

せ‐ぶみ【瀬踏み】 [名]スル川を渡るときに、足を踏み入れるなどして、あらかじめ水の深さを測ること。物事を始める前に試してみること。「取引先の意向を―しておく」

せ‐ぼし【瀬△乾し】🔗🔉

せ‐ぼし【瀬乾し】 川の流れをせきとめて川の一部の水を涸(か)らし、魚を捕ること。堰乾(せきぼ)し。《季 夏》

せ‐まくら【瀬×枕】🔗🔉

せ‐まくら【瀬×枕】 川の早瀬の水が石などに激しく当たって盛り上がり、枕のように見える所。「―大きに滝鳴って、さかまく水も早かりけり」〈平家・九〉《瀬に枕する意》船中に寝ること。「舟子の―、しのび女ある所ぞかし」〈浮・一代男・三〉

せ‐まつり【瀬祭(り)】🔗🔉

せ‐まつり【瀬祭(り)】 磯祭り

せみ‐の‐おがわ【瀬見の小川】‐をがは🔗🔉

せみ‐の‐おがわ【瀬見の小川】‐をがは 京都市左京区下鴨の東部を流れる川。賀茂御祖(みおや)神社糺森(ただすのもり)の南で賀茂川に入る。蝉の小川。《歌枕》「石川や―のきよければ月も流れを尋ねてぞすむ」〈新古今・神祇〉

せ‐むし【瀬虫】🔗🔉

せ‐むし【瀬虫】 イサゴムシの別名。

せ‐もの【瀬物】🔗🔉

せ‐もの【瀬物】 浅瀬を生息場所としている水産生物。メバル・イサキなど。

せや【瀬谷】🔗🔉

せや【瀬谷】 横浜市の区名。昭和四四年(一九六九)戸塚区から分区。

せやま‐りゅう【瀬山流】‐リウ🔗🔉

せやま‐りゅう【瀬山流】‐リウ 日本舞踊の流派の一。安永・天明(一七七二〜一七八九)ごろ、大坂で瀬山七左衛門が創始。

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[音]ライ [訓]せ [部首]水 [総画数]19 [コード]区点    3205      JIS   4025      S‐JIS 90A3 [分類]常用漢字 [難読語] →いわ‐せ【岩瀬・石瀬】おいらせ‐がわ【奥入瀬川】くせ【曲瀬】せや【瀬谷】はせ【初瀬】はつせ【初瀬・泊瀬】はやとも‐の‐せと【早鞆瀬戸】みなせ【水無瀬】ろせ‐うるし【蝋瀬漆】わたらせ‐がわ【渡良瀬川】

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