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○金轡をはめるかなぐつわをはめる🔗⭐🔉
○金轡をはめるかなぐつわをはめる
金銭を渡して口止めをする。広津柳浪、河内屋「お吉は予て金轡を嵌めて置く」
⇒かな‐ぐつわ【金轡】
かなぐ‐まわり【金具廻り】‥マハリ
甲冑で、札さねの連結部にあてる胸板・脇板・壺板・冠板などの鉄板をめぐらした部分。
⇒かな‐ぐ【金具】
かなくら‐むし【伽那久羅虫】
仏教で想像上の虫。「大智度論」によると、微細な身であるが、風にあえば大きくなり、いかなる物をも呑みこむという。迦羅求羅虫。
かな‐ぐり【金繰り】
⇒かねぐり
かなぐり‐す・てる
〔他下一〕[文]かなぐりす・つ(下二)
荒々しくはぎ捨てる。乱暴にふりすてる。狂言、文蔵「兜を取つて―・て」。「恥も外聞も―・てる」
かなぐ・る
〔他四〕
荒々しくひきむしる。激しく動作する。竹取物語「さが髪をとりて、―・り落さむ」
かな‐ぐわ【金鍬】‥グハ
刃全体を鉄で作った鍬。風呂なし鍬。→鍬
金鍬
かな‐け【金気・鉄気】
(カネケとも)
①水の中に溶けて含まれる鉄分。
②新しい鍋・釜・鉄瓶などを火にかけた時しみ出る赤黒いしぶ。
③金物の類。
④金銭の運。また、金銭。夏目漱石、坑夫「一厘たりとも―は肌に着いてゐない」
かな‐げこ【金下戸】
全く酒の飲めない人。
かなげんりゅうこう【仮名源流考】‥リウカウ
語学書。大矢透著。証本写真1冊を付す。1911年(明治44)刊。推古期の文献中の万葉仮名の漢字音の源流が中国周代にあることを説いたもの。
かな‐こおり【金氷】‥コホリ
冷たくて氷のような感じのもの。きわめて冷たいこと。「足が―となる」
かな‐こき【金扱】
歯の部分が鉄製の稲扱いねこき。
かな‐こぶし【鉄拳】
かたい拳。てっけん。
かな‐ごよみ【仮名暦】
仮名で書いた暦。漢字書きの本格の暦に対して、女子用。宇治拾遺物語5「若き僧に『―書きてたべ』といひければ」
かな‐さいづち【鉄小槌】
かなづち。
かな‐さいぼう【鉄尖棒・鉄撮棒】‥バウ
周囲に疣いぼのある太い鉄棒。ふりまわして人を倒すのに用いた武器。かなぼう。太平記8「八尺余りの―の八角なるを」
かなさな‐じんじゃ【金鑽神社】
埼玉県児玉郡神川町二宮にある元官幣中社。祭神は天照大神・素戔嗚尊。日本武尊を配祀。背後の御室ヶ岳みむろがたけが神体。
かな‐さび【金錆】
金属に生ずるさび。
かなざわ【金沢】‥ザハ
①横浜市の区の一つ。東京湾に面し、称名寺・金沢文庫など鎌倉時代の史跡がある。
②石川県中部、金沢平野中央の市。県庁所在地。もと加賀(前田氏)百万石の城下町。兼六園・金沢城址などがある。九谷焼・蒔絵・友禅などの伝統工業が盛ん。人口45万5千。
⇒かなざわ‐だいがく【金沢大学】
⇒かなざわ‐はっけい【金沢八景】
⇒かなざわ‐ぶんこ【金沢文庫】
かなざわ【金沢】‥ザハ
姓氏の一つ。
⇒かなざわ‐しょうざぶろう【金沢庄三郎】
かなざわ‐しょうざぶろう【金沢庄三郎】‥ザハシヤウ‥ラウ
国語学者。大阪府生れ。東大卒。国学院大学教授。著「日韓両国語同系論」「広辞林」など。(1872〜1967)
⇒かなざわ【金沢】
かなざわ‐だいがく【金沢大学】‥ザハ‥
国立大学法人の一つ。1862年(文久2)設立の加賀藩種痘所を源流とし、旧制の第四高等学校(1887年創立)・金沢医大(1923年設置)・金沢工専・石川師範・同青年師範・金沢高等師範を母体として1949年設置。2004年法人化。金沢市。
⇒かなざわ【金沢】
かなざわ‐はっけい【金沢八景】‥ザハ‥
金沢1にある洲崎晴嵐・瀬戸秋月・小泉夜雨・乙艫おつとも帰帆・称名晩鐘・平潟落雁・野島夕照・内川暮雪の八景で、明の心越禅師の命名。
⇒かなざわ【金沢】
かなざわ‐ぶんこ【金沢文庫】‥ザハ‥
(カネザワブンコとも)鎌倉中期、北条実時が金沢1の称名寺しょうみょうじ境内に基礎を築いた文庫。和漢の貴重書を多数蒐集・保存した。足利学校と並んで中世教育史上の重要な存在で、学校としての活動もしたという。のち蔵書は多く散逸し衰微したが、1930年神奈川県立金沢文庫として再興。称名寺文庫。
⇒かなざわ【金沢】
かな‐し【仮名詩】
五言律・七言律などの漢詩の形式にならい、国語で綴った詩。各務支考かがみしこうの創意。仮名の詩。和詩。
かなし・い【悲しい・哀しい・愛しい】
〔形〕[文]かな・し(シク)
自分の力ではとても及ばないと感じる切なさをいう語。悲哀にも愛憐にも感情の切ないことをいう。
➊《悲・哀》泣きたくなるほどつらい。心がいたんでたえられない。いたましい。万葉集13「沖つ藻に偃こやせる君を今日今日と来むと待つらむ妻し―・しも」。「妻に先立たれて―・い」「―・い調べの曲」
➋《哀・愛》
①身にしみていとしい。かわいくてたまらない。万葉集18「妻子めこ見れば―・しくめぐし」。伊勢物語「ひとり子にさへありければいと―・しうし給ひける」
②興味深くて強く心をひかれる。心にしみておもしろい。万葉集7「神さぶる磐根こごしきみ芳野の水分みくまり山を見れば―・しも」
③(主として連用形を副詞的に使って)
㋐見事だ。あっぱれだ。古今著聞集17「―・しくせられたりとて見あざみけるとなん」
㋑残念だ。しゃくだ。宇治拾遺物語5「きやつに―・しう計られぬるこそとて」
④貧苦である。貧しく、同情される。古本説話集下「年ごろ仏を頼みたてまつりて、此の身いと―・し」。玉塵抄3「天子の倉に物を入れては、―・しい民に施し」
⑤どうしようもなくおそろしい。問はず語り「まめやかに、化物の心地して、あららかに『あな、―・し』といふ」
かなし‐が・る【悲しがる・愛しがる】
〔自他五〕
①悲しく思う。土佐日記「母の―・らるることは」。「別れを―・る」
②いとおしく思う。かわいがる。大鏡公季「御孫の頭中将公成の君を殊の外―・り給ひて」
かな‐しき【鉄敷・金敷】
鍛造や板金作業を行う際、被加工物をのせて作業をする鋳鋼または鋼鉄製の台。鉄床かなとこ。アンビル。
鉄敷
かなしきがんぐ【悲しき玩具】‥グワン‥
歌集。石川啄木作。1912年(明治45)刊。「一握の砂」以後の作194首と歌論を収める。共に短歌の革命を意図した新しい形式と内容を盛ったもの。
→文献資料[悲しき玩具]
かなしけく【悲しけく】
(悲シのク語法)かなしいこと。古事記中「いらけなくそこに思ひ出―ここに思ひ出」
かな‐しばり【金縛り】
①動くことができないようにきびしく縛りつけること。恐怖などで体が動かなくなることにもいう。「―にあう」
②金の力で自由を束縛すること。
⇒かなしばり‐の‐ほう【金縛りの法】
かなしばり‐の‐ほう【金縛りの法】‥ホフ
修験者しゅげんじゃの行ずる法。不動明王の威力によって、金鎖で縛るように、人(あるいは人に害を加えるもの)を身動きできないようにする法。
⇒かな‐しばり【金縛り】
かなしび【悲しび・哀しび】
かなしく思うこと。かなしみ。源氏物語宿木「世の常なき―なれど」
かな‐しぶ【鉄渋】
金属の錆さびが水にまじったもの。
かなし・ぶ【愛しぶ・悲しぶ】
〔他上二・四〕
(奈良時代上二段、平安以後四段に活用)
①切なくてたえられないと思う。万葉集20「今日だにも言問ことどいせむと惜しみつつ―・び坐ませ」
②いとしいと思う。かわいく思う。今昔物語集30「一人の娘ありけり。…父母これを―・び愛して」
③(風景などを)めでてほめる。古今和歌集序「霞をあはれび、露を―・ぶ心」
④心打たれる。感動する。宇津保物語俊蔭「琴の音をこころみて、―・び給ひて」
かなしみ【愛しみ・悲しみ・哀しみ】
(カナシビの転)
①いとおしむこと。情愛。今昔物語集4「祖子おやこの―深き事を知らしめむが為なり」
②《悲・哀》かなしむこと。悲哀。愁嘆。「―にうちひしがれる」「―に沈む」
⇒かなしみ‐の‐せつ【悲しみの節】
かなしみ‐の‐せつ【悲しみの節】
〔宗〕四旬節の異称。
⇒かなしみ【愛しみ・悲しみ・哀しみ】
かなし・む【愛しむ・悲しむ・哀しむ】
〔他五〕
①いとしいと思う。今昔物語集26「月満ちて端正たんじょう美麗なる男子を産めば、父母これを―・み愛して」
②《悲・哀》悲しく思う。宇治拾遺物語10「親ども泣き―・む事限りなし」。「父の死を―・む」
③心打たれる。感動する。今昔物語集9「天の賜へるなりと喜び―・んで」
かな‐じゃくし【金杓子】
金属製の杓子。
かなし‐ら【悲しら】
(ラは接尾語)悲しそうなさま。万葉集4「もの―に思へりしわが子の刀自を」
かな‐じり【仮名尻】
いろは四十七文字の最後につける「京」の字。↔仮名頭かながしら
かな・ず【奏づ】カナヅ
〔自他下二〕
⇒かなでる(下一)
かな‐すき【金鋤・鉄鋤】
鉄製の鋤。古事記下「―も五百箇いおちもがも」
かな‐ぞうし【仮名草子】‥ザウ‥
室町時代の物語・草子の後をうけ、浮世草子の先駆をなす江戸初期の短編小説の一体で、擬古文体の平易な仮名文で書かれた、啓蒙・娯楽・教訓の物語・小説。「恨の介」「伽婢子おとぎぼうこ」の類。→浮世草子
かなた【彼方】
〔代〕
遠くはなれた方。あちらのほう。あなた。むこう。万葉集9「処女墓おとめづかなかにつくりおき壮士墓おとこづかこなた―につくりおける」。「はるか海の―」
⇒かなた‐こなた【彼方此方】
カナダ【Canada・加奈陀】
北アメリカ北部の連邦国家。17〜18世紀に英仏間で争奪戦が行われた後、英国の植民地となる。1867年自治領。1949年完全独立国家。面積997万平方キロメートル。人口3197万(2004)。公用語は英語とフランス語。首都オタワ。
⇒カナダ‐も【カナダ藻】
かな‐タイプ【仮名タイプ】
仮名文字を打つタイプライター。多く片仮名が用いられる。
かな‐たが【金箍】
金属製のたが。
かな‐だくみ【金工】
(→)「金造り」に同じ。
かなた‐こなた【彼方此方】
あちらこちら。
⇒かなた【彼方】
カナダ‐も【カナダ藻】
トチカガミ科の一属の沈水植物の一群、またその一種。北米原産で、外見はクロモに似る。水草として観賞用に栽培。同属のコカナダモ、南米産のオオカナダモは帰化植物で、全国の池沼に分布。折れた茎が発根し繁殖する。
⇒カナダ【Canada・加奈陀】
かな‐だらい【金盥】‥ダラヒ
金属製の盥。かなばん。
かな‐づえ【鉄杖】‥ヅヱ
鉄でつくった杖。
かな‐づかい【仮名遣】‥ヅカヒ
仮名を用いて国語を表記する法。特に、同じ語に2種以上の仮名による表記がある場合、そのいずれによるべきかのきまり。平安中期以前の表記に準拠するものを歴史的仮名遣、発音のままに表記するものを表音式仮名遣という。現代仮名遣は、歴史的仮名遣をもとに現代の発音による区別を加味したもの。→現代仮名遣→表音式仮名遣→歴史的仮名遣
かなづかいおくのやまみち【仮字遣奥山路】‥ヅカヒ‥
語学書。石塚竜麿著。3巻。寛政10年(1798)本居大平序。本居宣長の後をうけて、上代の万葉仮名の用法を調査し、13の仮名が各2類に分かれていて、語によって使用上互いに混ずることのない事実を鮮明にして、上代国語音韻組織研究の基礎をつくる。→上代特殊仮名遣
かな‐つがり【鉄鎖】
(古くはカナヅカリ。「鉄かな連つがり」の意)鉄のくさり。
かな‐つき【金突き】
魚を突く具。銛もりの類。〈日葡辞書〉
かな‐つき【仮名付】
漢字に振仮名のつけてあること。浮世草子、風流曲三味線「―の回春を披ひらきて」
かな‐づくり【金造り】
金や鉄の細工をする人。かなだくみ。新撰六帖5「心ありける―かな」
かな‐づち【金槌・鉄鎚】
①頭を鉄で造った槌。金属製の釘などを打ち込むのに用いる。かなさいづち。
金槌
提供:竹中大工道具館
②(水中に沈むことから)泳ぎができないこと。また、その人。「彼はまったくの―だ」
⇒かなづち‐あたま【金槌頭】
⇒かなづち‐きこん【金槌気根】
⇒かなづち‐ろん【金槌論】
⇒金槌の川流れ
かなづち‐あたま【金槌頭】
金槌の頭のように堅い頭。また、融通がきかず頑固なこと。石頭。
⇒かな‐づち【金槌・鉄鎚】
かなづち‐きこん【金槌気根】
金槌が次第に釘を打ち込むように、根気よく持続して、遂に事をなしとげること。
⇒かな‐づち【金槌・鉄鎚】
かな‐け【金気・鉄気】
(カネケとも)
①水の中に溶けて含まれる鉄分。
②新しい鍋・釜・鉄瓶などを火にかけた時しみ出る赤黒いしぶ。
③金物の類。
④金銭の運。また、金銭。夏目漱石、坑夫「一厘たりとも―は肌に着いてゐない」
かな‐げこ【金下戸】
全く酒の飲めない人。
かなげんりゅうこう【仮名源流考】‥リウカウ
語学書。大矢透著。証本写真1冊を付す。1911年(明治44)刊。推古期の文献中の万葉仮名の漢字音の源流が中国周代にあることを説いたもの。
かな‐こおり【金氷】‥コホリ
冷たくて氷のような感じのもの。きわめて冷たいこと。「足が―となる」
かな‐こき【金扱】
歯の部分が鉄製の稲扱いねこき。
かな‐こぶし【鉄拳】
かたい拳。てっけん。
かな‐ごよみ【仮名暦】
仮名で書いた暦。漢字書きの本格の暦に対して、女子用。宇治拾遺物語5「若き僧に『―書きてたべ』といひければ」
かな‐さいづち【鉄小槌】
かなづち。
かな‐さいぼう【鉄尖棒・鉄撮棒】‥バウ
周囲に疣いぼのある太い鉄棒。ふりまわして人を倒すのに用いた武器。かなぼう。太平記8「八尺余りの―の八角なるを」
かなさな‐じんじゃ【金鑽神社】
埼玉県児玉郡神川町二宮にある元官幣中社。祭神は天照大神・素戔嗚尊。日本武尊を配祀。背後の御室ヶ岳みむろがたけが神体。
かな‐さび【金錆】
金属に生ずるさび。
かなざわ【金沢】‥ザハ
①横浜市の区の一つ。東京湾に面し、称名寺・金沢文庫など鎌倉時代の史跡がある。
②石川県中部、金沢平野中央の市。県庁所在地。もと加賀(前田氏)百万石の城下町。兼六園・金沢城址などがある。九谷焼・蒔絵・友禅などの伝統工業が盛ん。人口45万5千。
⇒かなざわ‐だいがく【金沢大学】
⇒かなざわ‐はっけい【金沢八景】
⇒かなざわ‐ぶんこ【金沢文庫】
かなざわ【金沢】‥ザハ
姓氏の一つ。
⇒かなざわ‐しょうざぶろう【金沢庄三郎】
かなざわ‐しょうざぶろう【金沢庄三郎】‥ザハシヤウ‥ラウ
国語学者。大阪府生れ。東大卒。国学院大学教授。著「日韓両国語同系論」「広辞林」など。(1872〜1967)
⇒かなざわ【金沢】
かなざわ‐だいがく【金沢大学】‥ザハ‥
国立大学法人の一つ。1862年(文久2)設立の加賀藩種痘所を源流とし、旧制の第四高等学校(1887年創立)・金沢医大(1923年設置)・金沢工専・石川師範・同青年師範・金沢高等師範を母体として1949年設置。2004年法人化。金沢市。
⇒かなざわ【金沢】
かなざわ‐はっけい【金沢八景】‥ザハ‥
金沢1にある洲崎晴嵐・瀬戸秋月・小泉夜雨・乙艫おつとも帰帆・称名晩鐘・平潟落雁・野島夕照・内川暮雪の八景で、明の心越禅師の命名。
⇒かなざわ【金沢】
かなざわ‐ぶんこ【金沢文庫】‥ザハ‥
(カネザワブンコとも)鎌倉中期、北条実時が金沢1の称名寺しょうみょうじ境内に基礎を築いた文庫。和漢の貴重書を多数蒐集・保存した。足利学校と並んで中世教育史上の重要な存在で、学校としての活動もしたという。のち蔵書は多く散逸し衰微したが、1930年神奈川県立金沢文庫として再興。称名寺文庫。
⇒かなざわ【金沢】
かな‐し【仮名詩】
五言律・七言律などの漢詩の形式にならい、国語で綴った詩。各務支考かがみしこうの創意。仮名の詩。和詩。
かなし・い【悲しい・哀しい・愛しい】
〔形〕[文]かな・し(シク)
自分の力ではとても及ばないと感じる切なさをいう語。悲哀にも愛憐にも感情の切ないことをいう。
➊《悲・哀》泣きたくなるほどつらい。心がいたんでたえられない。いたましい。万葉集13「沖つ藻に偃こやせる君を今日今日と来むと待つらむ妻し―・しも」。「妻に先立たれて―・い」「―・い調べの曲」
➋《哀・愛》
①身にしみていとしい。かわいくてたまらない。万葉集18「妻子めこ見れば―・しくめぐし」。伊勢物語「ひとり子にさへありければいと―・しうし給ひける」
②興味深くて強く心をひかれる。心にしみておもしろい。万葉集7「神さぶる磐根こごしきみ芳野の水分みくまり山を見れば―・しも」
③(主として連用形を副詞的に使って)
㋐見事だ。あっぱれだ。古今著聞集17「―・しくせられたりとて見あざみけるとなん」
㋑残念だ。しゃくだ。宇治拾遺物語5「きやつに―・しう計られぬるこそとて」
④貧苦である。貧しく、同情される。古本説話集下「年ごろ仏を頼みたてまつりて、此の身いと―・し」。玉塵抄3「天子の倉に物を入れては、―・しい民に施し」
⑤どうしようもなくおそろしい。問はず語り「まめやかに、化物の心地して、あららかに『あな、―・し』といふ」
かなし‐が・る【悲しがる・愛しがる】
〔自他五〕
①悲しく思う。土佐日記「母の―・らるることは」。「別れを―・る」
②いとおしく思う。かわいがる。大鏡公季「御孫の頭中将公成の君を殊の外―・り給ひて」
かな‐しき【鉄敷・金敷】
鍛造や板金作業を行う際、被加工物をのせて作業をする鋳鋼または鋼鉄製の台。鉄床かなとこ。アンビル。
鉄敷
かなしきがんぐ【悲しき玩具】‥グワン‥
歌集。石川啄木作。1912年(明治45)刊。「一握の砂」以後の作194首と歌論を収める。共に短歌の革命を意図した新しい形式と内容を盛ったもの。
→文献資料[悲しき玩具]
かなしけく【悲しけく】
(悲シのク語法)かなしいこと。古事記中「いらけなくそこに思ひ出―ここに思ひ出」
かな‐しばり【金縛り】
①動くことができないようにきびしく縛りつけること。恐怖などで体が動かなくなることにもいう。「―にあう」
②金の力で自由を束縛すること。
⇒かなしばり‐の‐ほう【金縛りの法】
かなしばり‐の‐ほう【金縛りの法】‥ホフ
修験者しゅげんじゃの行ずる法。不動明王の威力によって、金鎖で縛るように、人(あるいは人に害を加えるもの)を身動きできないようにする法。
⇒かな‐しばり【金縛り】
かなしび【悲しび・哀しび】
かなしく思うこと。かなしみ。源氏物語宿木「世の常なき―なれど」
かな‐しぶ【鉄渋】
金属の錆さびが水にまじったもの。
かなし・ぶ【愛しぶ・悲しぶ】
〔他上二・四〕
(奈良時代上二段、平安以後四段に活用)
①切なくてたえられないと思う。万葉集20「今日だにも言問ことどいせむと惜しみつつ―・び坐ませ」
②いとしいと思う。かわいく思う。今昔物語集30「一人の娘ありけり。…父母これを―・び愛して」
③(風景などを)めでてほめる。古今和歌集序「霞をあはれび、露を―・ぶ心」
④心打たれる。感動する。宇津保物語俊蔭「琴の音をこころみて、―・び給ひて」
かなしみ【愛しみ・悲しみ・哀しみ】
(カナシビの転)
①いとおしむこと。情愛。今昔物語集4「祖子おやこの―深き事を知らしめむが為なり」
②《悲・哀》かなしむこと。悲哀。愁嘆。「―にうちひしがれる」「―に沈む」
⇒かなしみ‐の‐せつ【悲しみの節】
かなしみ‐の‐せつ【悲しみの節】
〔宗〕四旬節の異称。
⇒かなしみ【愛しみ・悲しみ・哀しみ】
かなし・む【愛しむ・悲しむ・哀しむ】
〔他五〕
①いとしいと思う。今昔物語集26「月満ちて端正たんじょう美麗なる男子を産めば、父母これを―・み愛して」
②《悲・哀》悲しく思う。宇治拾遺物語10「親ども泣き―・む事限りなし」。「父の死を―・む」
③心打たれる。感動する。今昔物語集9「天の賜へるなりと喜び―・んで」
かな‐じゃくし【金杓子】
金属製の杓子。
かなし‐ら【悲しら】
(ラは接尾語)悲しそうなさま。万葉集4「もの―に思へりしわが子の刀自を」
かな‐じり【仮名尻】
いろは四十七文字の最後につける「京」の字。↔仮名頭かながしら
かな・ず【奏づ】カナヅ
〔自他下二〕
⇒かなでる(下一)
かな‐すき【金鋤・鉄鋤】
鉄製の鋤。古事記下「―も五百箇いおちもがも」
かな‐ぞうし【仮名草子】‥ザウ‥
室町時代の物語・草子の後をうけ、浮世草子の先駆をなす江戸初期の短編小説の一体で、擬古文体の平易な仮名文で書かれた、啓蒙・娯楽・教訓の物語・小説。「恨の介」「伽婢子おとぎぼうこ」の類。→浮世草子
かなた【彼方】
〔代〕
遠くはなれた方。あちらのほう。あなた。むこう。万葉集9「処女墓おとめづかなかにつくりおき壮士墓おとこづかこなた―につくりおける」。「はるか海の―」
⇒かなた‐こなた【彼方此方】
カナダ【Canada・加奈陀】
北アメリカ北部の連邦国家。17〜18世紀に英仏間で争奪戦が行われた後、英国の植民地となる。1867年自治領。1949年完全独立国家。面積997万平方キロメートル。人口3197万(2004)。公用語は英語とフランス語。首都オタワ。
⇒カナダ‐も【カナダ藻】
かな‐タイプ【仮名タイプ】
仮名文字を打つタイプライター。多く片仮名が用いられる。
かな‐たが【金箍】
金属製のたが。
かな‐だくみ【金工】
(→)「金造り」に同じ。
かなた‐こなた【彼方此方】
あちらこちら。
⇒かなた【彼方】
カナダ‐も【カナダ藻】
トチカガミ科の一属の沈水植物の一群、またその一種。北米原産で、外見はクロモに似る。水草として観賞用に栽培。同属のコカナダモ、南米産のオオカナダモは帰化植物で、全国の池沼に分布。折れた茎が発根し繁殖する。
⇒カナダ【Canada・加奈陀】
かな‐だらい【金盥】‥ダラヒ
金属製の盥。かなばん。
かな‐づえ【鉄杖】‥ヅヱ
鉄でつくった杖。
かな‐づかい【仮名遣】‥ヅカヒ
仮名を用いて国語を表記する法。特に、同じ語に2種以上の仮名による表記がある場合、そのいずれによるべきかのきまり。平安中期以前の表記に準拠するものを歴史的仮名遣、発音のままに表記するものを表音式仮名遣という。現代仮名遣は、歴史的仮名遣をもとに現代の発音による区別を加味したもの。→現代仮名遣→表音式仮名遣→歴史的仮名遣
かなづかいおくのやまみち【仮字遣奥山路】‥ヅカヒ‥
語学書。石塚竜麿著。3巻。寛政10年(1798)本居大平序。本居宣長の後をうけて、上代の万葉仮名の用法を調査し、13の仮名が各2類に分かれていて、語によって使用上互いに混ずることのない事実を鮮明にして、上代国語音韻組織研究の基礎をつくる。→上代特殊仮名遣
かな‐つがり【鉄鎖】
(古くはカナヅカリ。「鉄かな連つがり」の意)鉄のくさり。
かな‐つき【金突き】
魚を突く具。銛もりの類。〈日葡辞書〉
かな‐つき【仮名付】
漢字に振仮名のつけてあること。浮世草子、風流曲三味線「―の回春を披ひらきて」
かな‐づくり【金造り】
金や鉄の細工をする人。かなだくみ。新撰六帖5「心ありける―かな」
かな‐づち【金槌・鉄鎚】
①頭を鉄で造った槌。金属製の釘などを打ち込むのに用いる。かなさいづち。
金槌
提供:竹中大工道具館
②(水中に沈むことから)泳ぎができないこと。また、その人。「彼はまったくの―だ」
⇒かなづち‐あたま【金槌頭】
⇒かなづち‐きこん【金槌気根】
⇒かなづち‐ろん【金槌論】
⇒金槌の川流れ
かなづち‐あたま【金槌頭】
金槌の頭のように堅い頭。また、融通がきかず頑固なこと。石頭。
⇒かな‐づち【金槌・鉄鎚】
かなづち‐きこん【金槌気根】
金槌が次第に釘を打ち込むように、根気よく持続して、遂に事をなしとげること。
⇒かな‐づち【金槌・鉄鎚】
広辞苑 ページ 3972 での【○金轡をはめる】単語。