複数辞典一括検索+
○川の字に寝るかわのじにねる🔗⭐🔉
○川の字に寝るかわのじにねる
三人が並んで「川」の形に寝る。特に、子を中に両親が両側に寝ることをいう。
⇒かわ【川・河】
かわ‐のり【川海苔】カハ‥
①太平洋側の山間の渓流に生ずる緑藻類。扁平で薄く、下端は水中の岩石に付着。食用。大谷川海苔・日光海苔・多摩川海苔など。
②スイゼンジノリの別称。
かわ‐ばおり【革羽織】カハ‥
①なめしがわで作った羽織。防寒・火事装束に用いた。〈[季]冬〉
②すれっからし。洒落本、竜虎問答「おめへは飛んだ―だねへ」
かわ‐ばかま【革袴】カハ‥
なめしがわで作った袴。
かわ‐はがれ【皮剥がれ】カハ‥
皮を剥がれるもの。獣類などをののしっていう語。狂言、横座「何ぞや己は。生たる牛の―奴が」
かわ‐はぎ【皮剥ぎ】カハ‥
①獣皮をはぐこと。また、それを業とする人。
②カワハギ科の海産の硬骨魚。体長約30センチメートル。体はすこぶる高く、甚だしく側扁、吻は突出。皮が厚いので、剥いで食用。南日本沿岸に普通。ことに肝臓が美味。ハゲ。マルハゲ。
かわ‐はじかみ【川薑】カハ‥
①呉茱萸ごしゅゆの別称。〈倭名類聚鈔20〉
②山椒さんしょうの別称。
かわ‐ばしら【川柱】カハ‥
川の中に残り立つ橋の柱。更級日記「朽ちもせぬこの―残らずは」
かわ‐ばしら【側柱】カハ‥
建物の外側の柱。間仕切りの柱に対していう。
かわ‐ばた【川端】カハ‥
川ぶち。川べ。川のほとり。「―柳」
かわばた【川端】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわばた‐ぎょくしょう【川端玉章】
⇒かわばた‐どうき【川端道喜】
⇒かわばた‐ぼうしゃ【川端茅舎】
⇒かわばた‐やすなり【川端康成】
⇒かわばた‐りゅうし【川端竜子】
かわばた‐ぎょくしょう【川端玉章】カハ‥シヤウ
日本画家。本名、滝之助。京都の人。中島来章に円山派を、高橋由一に洋画法を学ぶ。東京美術学校教授。1909年(明治42)小石川に川端画学校を創立。(1842〜1913)
⇒かわばた【川端】
かわばた‐どうき【川端道喜】カハ‥ダウ‥
戦国・安土桃山時代の京都の商人。もと中村氏。のち渡辺弥七郎。餅・粽ちまきを製造販売。京餅座の権利をもち洛中洛外の餅屋を支配、役銭を徴収した。( 〜1592)
⇒かわばた【川端】
かわばた‐ぼうしゃ【川端茅舎】カハ‥バウ‥
俳人。名は信一。東京生れ。「ホトトギス」同人。兄竜子の影響で画業に志したが、のち病を得て俳句に専念。句集「華厳」「白痴」など。(1897〜1941)
⇒かわばた【川端】
かわばた‐やすなり【川端康成】カハ‥
小説家。大阪市生れ。東大卒。横光利一らと新感覚派運動を展開。やがて独自の美的世界を築く。作「伊豆の踊子」「雪国」「千羽鶴」「山の音」など。自殺。文化勲章・ノーベル賞。(1899〜1972)
川端康成
撮影:石井幸之助
⇒かわばた【川端】
かわばた‐りゅうし【川端竜子】カハ‥
日本画家。本名、昇太郎。茅舎の兄。和歌山市生れ。初め洋画を学び、のち日本画に転じ、1929年会場芸術論を唱えて青竜社を起こす。多くの大作を描いた。文化勲章。(1885〜1966)
川端竜子
撮影:石井幸之助
⇒かわばた【川端】
かわ‐ばち【革鉢】カハ‥
革製の兜の鉢。
かわ‐はば【川幅・河幅】カハ‥
河川の両岸間の距離。
かわはら【川原】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわはら‐けいが【川原慶賀】
かわ‐はらえ【川祓】カハハラヘ
夏越なごしの祓はらえに、水辺に設けた川社かわやしろで行う祓。麻の葉を切った幣ぬさを川へ流すこともある。〈[季]夏〉
かわはら‐けいが【川原慶賀】カハ‥
江戸後期の画家。通称、登与助。長崎の人。写生画をよくし、シーボルトの日本研究に協力。(1786〜 )
⇒かわはら【川原】
かわ‐ばり【皮針】カハ‥
皮革を縫うのに用いる針。
かわ‐ばり【革貼り・革張り】カハ‥
革ではること。また、そのもの。
かわ‐び【川傍】カハ‥
川のめぐり。川のほとり。かわべ。万葉集20「秋風に靡く―のにこ草の」
かわ‐ひおどし【革緋縅】カハ‥ヲドシ
緋色の染革の縅。あかがわおどし。
かわ‐ひがし【川東・河東】カハ‥
(鴨川の東側にあることから)京都の祇園町・石垣町あたり一帯の歓楽街。川西に対する。守貞漫稿「特に京人は祇園町等を指して―と云ふ」
かわひがし【河東】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわひがし‐へきごとう【河東碧梧桐】
かわひがし‐へきごとう【河東碧梧桐】カハ‥
俳人。名は秉五郎へいごろう。松山市生れ。正岡子規の俳句革新運動を助け、その没後高浜虚子と俳壇の双璧。新傾向の句風を宣揚。句誌「海紅」「碧」「三昧」を創刊。句集「碧梧桐句集」、紀行文集「三千里」など。(1873〜1937)
河東碧梧桐
提供:毎日新聞社
⇒かわひがし【河東】
かわ‐ひき【皮引き】カハ‥
皮をはぐこと。西鶴置土産「鯛を―にして、あしらひなしのなます」
かわ‐びたり【川浸り】カハ‥
川水にひたること。
⇒かわびたり‐の‐ついたち【川浸りの朔日】
⇒かわびたり‐もち【川浸り餅】
かわびたり‐の‐ついたち【川浸りの朔日】カハ‥
旧暦12月1日水神を祭る行事。川水に尻を浸し、あるいは潔斎する。乙子おとごの祝い。師走祭。川入り。川渡り。→川祭。
⇒かわ‐びたり【川浸り】
かわびたり‐もち【川浸り餅】カハ‥
川浸りの朔日ついたちに漁家や船を使う家で搗つく餅。水難を避けるためという。かわわたりもち。乙子おとごの餅。居びたり餅。流れ餅。
⇒かわ‐びたり【川浸り】
かわ‐ひとえ【皮一重】カハ‥ヘ
ただ皮膚一重のわずかな差異。容貌の美醜も、その程度のものであるの意。
かわ‐ひも【革紐】カハ‥
革製のひも。
かわ‐びょうし【革表紙】カハベウ‥
皮革製の本の表紙。
かわ‐びらき【川開き】カハ‥
川の納涼の季節の開始を祝い水難防止を願う行事。江戸時代、陰暦5月28日に隅田川の両国橋の下で花火をあげて行なったのが名高い。〈[季]夏〉
かわ‐ひら‐こカハ‥
蝶の古名。〈新撰字鏡8〉
かわ‐ぶえ【皮笛】カハ‥
(唇の皮で吹く笛の意)口笛。源氏物語紅梅「―ふつつかに馴れたる声して」
かわ‐ぶくろ【革嚢・皮袋】カハ‥
①水などを入れる携帯用の革製のふくろ。
②革で作った金入れや財布。
③猫。正月または海・山などでの忌言葉。
かわ‐ぶし【川伏し】カハ‥
川の中で馬が脚を折って伏すこと。太平記20「乗つたる馬俄に―をして、旗さし水にひたりにけり」
かわ‐ぶしん【川普請】カハ‥
河川の改修工事。〈[季]冬〉
かわ‐ふだ【川札】カハ‥
江戸時代、大井川などで川越しを取り締まった川会所が発行した手形。人足を雇うのに必要な油紙でできた油札と、輦台れんだいに乗るための台札とがあった。
かわ‐ぶち【川縁】カハ‥
川のふち。川ばた。河岸。
かわ‐ぶとん【革蒲団】カハ‥
革製の座蒲団。夏に用いる。
かわ‐ぶね【川船】カハ‥
川や湖で用いる船。
⇒かわぶね‐あらためやく【川船改役】
⇒かわぶね‐ぶぎょう【川船奉行】
かわぶね‐あらためやく【川船改役】カハ‥
江戸幕府の職名。江戸・関八州・駿豆の川船の極印を管理・検査し、徴税をつかさどった。勘定奉行の支配。川船奉行を引きついだもの。川船支配・御舟改墨印衆とも。
⇒かわ‐ぶね【川船】
かわぶね‐ぶぎょう【川船奉行】カハ‥ギヤウ
川船改役の前名。
⇒かわ‐ぶね【川船】
かわ‐ふばこ【革文箱】カハ‥
革製のふばこ。「山茶花や根岸たづぬる―」(抱一)
かわ‐ぶんこ【革文庫】カハ‥
革製の手文庫。
かわ‐へ【肌】カハ‥
(皮辺の意)皮膚。肌はだえ。〈倭名類聚鈔3〉
かわ‐べ【川辺】カハ‥
(古くは清音)川の近辺。川のあたり。
かわ‐べり【川縁】カハ‥
川のへり。川のふち。川岸。
かわ‐へん【革偏】カハ‥
漢字の偏の一つ。「靴」「鞄」などの偏の「革」の称。
かわ‐ぼし【川干し】カハ‥
夏期、水をせき止め、ほとんど水のなくなった川で魚を取ること。〈[季]夏〉
かわ‐ほね【河骨】カハ‥
⇒こうほね
かわ‐ほり【蝙蝠】カハ‥
①コウモリの古い語形。〈[季]夏〉。大和物語「簾もへりは―にくはれてところどころなし」
②「かわほりおうぎ」の略。源氏物語紅葉賀「―のえならず絵書きたるを」
⇒かわほり‐おうぎ【蝙蝠扇】
⇒かわほり‐がさ【蝙蝠傘】
⇒かわほり‐ばおり【蝙蝠羽織】
かわほり‐おうぎ【蝙蝠扇】カハ‥アフギ
(開いた形がコウモリの羽をひろげた形に似るからいう)扇子せんす。
⇒かわ‐ほり【蝙蝠】
かわほり‐がさ【蝙蝠傘】カハ‥
(明治期に用いた語)(→)「こうもりがさ」に同じ。夏目漱石、それから「嫂あによめと縫子の―を提げて一足先へ玄関へ出た」
⇒かわ‐ほり【蝙蝠】
かわほり‐ばおり【蝙蝠羽織】カハ‥
丈が短く、コウモリの翼を広げたような形の羽織。江戸初期に流行。
蝙蝠羽織
⇒かわ‐ほり【蝙蝠】
かわ‐ます【河鱒】カハ‥
アメリカから1901年(明治34)に移入して養殖したマスの一種。赤黄色に紅い斑点があり、ひれの第1条が白い。冷水を好む。
かわまた‐え【川股江】カハ‥
川の流れの分岐する所。かわまた。応神紀「―の菱茎ひしがらの」
かわまた‐ぎぬ【川俣絹】カハ‥
福島県伊達郡川俣町付近から産出する絹織物の総称。
かわ‐まつり【川祭】カハ‥
旧暦6月・12月1日に水神を祭る行事。6月は1日・15日・晦日みそかなど、地方によって異なる。→川浸りの朔日ついたち
かわ‐まどい【皮惑い】カハマドヒ
美人の容色にまようこと。(俚言集覧)
かわ‐みず【川水】カハミヅ
川の水。
かわ‐みどり【川緑】カハ‥
シソ科の多年草。高さ40センチメートル〜1メートル。山地の水辺に多く、全草に悪臭がある。茎は四角、葉は心臓形で鋭尖頭、鈍鋸歯をもつ。夏秋の候、紫色の小唇形花を穂状につける。葉を乾燥したものを食傷・感冒・頭痛などに煎用。漢名、藿香。本草和名「蘓合、和名加波美止利」
かわ‐むかい【川向い】カハムカヒ
(→)「かわむこう」に同じ。
かわ‐むき【皮剥き】カハ‥
①皮をはぐこと。
②薯いもなどの皮をむく具。
かわ‐むこう【川向う】カハムカウ
川を隔てたむこうの岸。対岸。かわむかい。
⇒かわむこう‐の‐かじ【川向うの火事】
かわむこう‐の‐かじ【川向うの火事】カハムカウ‥クワ‥
自分と何の関係もない事件のたとえ。川むかいの火事。対岸の火事。
⇒かわ‐むこう【川向う】
かわ‐むし【川虫】カハ‥
川の石の下などに生息する、カゲロウ・トビケラ・カワゲラなどの幼虫。渓流釣りの餌に使う。
かわ‐むし【皮虫】カハ‥
毛虫。堤中納言物語「―の蝶とはなるなり」
⇒かわむし‐くさ・し【皮虫臭し】
⇒かわむし‐だ・つ【皮虫立つ】
かわむし‐くさ・し【皮虫臭し】カハ‥
〔形ク〕
毛虫くさい。いとわしいことのたとえ。堤中納言物語「―・き世をも見るかな」
⇒かわ‐むし【皮虫】
かわむし‐だ・つ【皮虫立つ】カハ‥
〔自四〕
毛虫のさまをなす。堤中納言物語「からしや、眉はしも―・ちためり」
⇒かわ‐むし【皮虫】
かわ‐むつ【河鯥】カハ‥
コイ科の淡水産の硬骨魚。全長約20センチメートル。オイカワに似るが体側に濃褐色の1縦帯がある。南日本産。ムツ。モツ。アカムツ。
カワムツ
提供:東京動物園協会
かわむら【川村】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわむら‐きよお【川村清雄】
⇒かわむら‐すみよし【川村純義】
⇒かわむら‐たみじ【川村多実二】
かわむら【河村】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわむら‐ずいけん【河村瑞賢】
かわむら‐きよお【川村清雄】カハ‥ヲ
洋画家。江戸生れ。川上冬崖に師事。仏・伊両国に赴く。(1852〜1934)
⇒かわむら【川村】
かわむら‐ずいけん【河村瑞賢】カハ‥
江戸前期の材木商・土木家。瑞軒とも書く。十右衛門・平太夫と称。伊勢の人。地理・土木の術に長じ、安治川・淀川・阿武隈川の治水工事、また東回り・西回り航路を確立。(1618〜1699)
⇒かわむら【河村】
かわむら‐すみよし【川村純義】カハ‥
軍人。薩摩藩士。海軍大将。海軍卿として日本海軍の建設に当たる。幼児期の昭和天皇の養育にも当たった。伯爵。(1836〜1904)
⇒かわむら【川村】
かわむら‐たみじ【川村多実二】カハ‥
生物学者。岡山県生れ。京大教授。河川・湖沼の生態学を創始。著「日本淡水生物学」「鳥の歌の科学」など。(1883〜1964)
⇒かわむら【川村】
かわ‐も【川面】カハ‥
川の水面。かわづら。「―を渡る涼風」
かわ‐も【川藻】カハ‥
川に生える藻。
かわ‐もずく【川水雲】カハモヅク
冷たい清流の底石に着生する淡水紅藻。褐色または緑色で長さ10センチメートルほどの寒天質の体。主軸の節ごとに輪生枝をつけ、数珠状。日本に数種が自生し、食用。
かわもと【川本】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわもと‐こうみん【川本幸民】
かわもと‐こうみん【川本幸民】カハ‥カウ‥
幕末の蘭学者。摂津三田さんだ藩医の子。名は裕。坪井信道に学び、藩医となり、物理・化学に精通。後に薩摩藩校学頭・蕃書調所教授。著「気海観瀾広義」など。(1810〜1871)
⇒かわもと【川本】
かわ‐もり【川守】カハ‥
川の渡しを守る人。渡し守。久安百首「七夕のあまの―心あらば」
かわもり【河盛】カハ‥
姓氏の一つ。
⇒かわもり‐よしぞう【河盛好蔵】
かわもり‐よしぞう【河盛好蔵】カハ‥ザウ
仏文学者・評論家。大阪生れ。京大卒。研究・翻訳のかたわら、健全で明るい人生論を数多く発表。著「文学空談」「エスプリとユーモア」など。文化勲章。(1902〜2000)
⇒かわもり【河盛】
かわ‐や【厠・圊】カハヤ
(川の上に掛けて作った屋の意。また、家の側の屋の意ともいう)大小便をする所。便所。古事記中「朝署あさけに―に入りし時」
⇒かわや‐の‐かみ【厠の神】
かわ‐や【川屋】カハ‥
川に臨む家。川辺の家。
かわ‐や【皮屋】カハ‥
獣皮を種々に加工し、またはその加工品を売る人。
かわ‐やぎ【川柳】カハ‥
川辺に生える柳。かわやなぎ。万葉集10「この―は萌えにけるかも」
かわ‐やしき【川屋敷】カハ‥
川に沿って建てた邸宅。
かわ‐やしろ【川社】カハ‥
夏越なごしの祓はらえなどに神を祭るため、川のほとりに棚を設け、榊さかき・篠竹を立て神饌を供え、神楽を奏した小祠。なつかぐら。〈[季]夏〉
かわ‐やつめ【川八目】カハ‥
ヤツメウナギ科の無顎類の魚。ヤツメウナギといえば本種を指すことが多い。→やつめうなぎ
かわ‐やなぎ【川柳】カハ‥
①川辺に生える柳。かわやぎ。
②(「川楊」とも書く)ヤナギ科の落葉低木。水辺に群生、高さ50センチメートル〜2メートル。葉の下面は白色。雌雄異株。春、葉より先に黄白色の花を穂状につけ、銀色の毛を密生。ねこやなぎ。えのころやなぎ。〈[季]春〉。新撰字鏡7「檉、川夜奈支」
かわやなぎ
③茶の一種。番茶の上等のもの。
かわや‐の‐かみ【厠の神】カハヤ‥
厠を守護する神。埴山姫はにやまひめ・水罔女みずはのめの2神。
⇒かわ‐や【厠・圊】
かわゆ・いカハユイ
〔形〕[文]かはゆ・し(ク)
(一説に、カホハユシの約。顔がほてる気持だの意から、物をまともに見るに耐えない、相手をいたいたしく思うの意に転じた)
①恥かしい。おもはゆい。建礼門院右京大夫集「―・くもおぼえて少々をぞ書きて見せし」
②見るに耐えない。見られたものでない。徒然草「年老い、袈裟かけたる法師の、小童の肩を押へて、聞えぬ事ども言ひつつ、よろめきたる、いと―・し」
③かわいそうである。気の毒だ。今昔物語集26「この児に刀を突き立て、箭を射たて殺さむは、なほ―・し」
④愛すべきである。いとしい。かわいい。狂言、貰聟「そなたの為には孫ではおぢやらぬか、母を尋ぬるが、―・うはおぢやらぬか」。犬筑波「馴れぬれば衣の虫も―・くて」。二葉亭四迷、平凡「何も可愛かわゆい妻子つまこの為だ」
⑤小さくて美しい。かわいい。
かわゆ‐おんせん【川湯温泉】カハ‥ヲン‥
北海道東部、屈斜路くっしゃろ湖の東方にある温泉。泉質は硫黄泉。和歌山県にも同名の温泉がある。
かわ‐ゆか【川床】カハ‥
川に突き出して設けた涼みのための桟敷さじき。京都四条河原のが名高い。ゆかすずみ。
かわゆ‐が・るカハユ‥
〔他四〕
かわゆく思う。かわいがる。
かわゆ‐ごかしカハユ‥
かわいがるように見せかけて自分の利益をはかること。
かわゆ・しカハユシ
〔形ク〕
⇒かわゆい
かわゆ‐ら・しカハユ‥
〔形シク〕
かわゆく見える。かわいらしい。好色一代女6「―・しき風俗して」。森鴎外、青年「小鳥の囀さえずるやうな、可哀かわゆらしい声」
かわ‐よき【川除】カハ‥
(→)「かわよけ」に同じ。平中物語「―にせきとどめたる水上の」
かわ‐よけ【川除】カハ‥
治水のために川岸・川中に設けられた施設。堤防・蛇籠じゃかごなど。
かわ‐よど【川淀】カハ‥
川水のよどんだ所。万葉集3「吉野なる夏実の川の―に」
かわより‐だ【川依田】カハ‥
川に沿う田。
かわ‐よろい【革鎧】カハヨロヒ
革製の鎧。
かわら
(擬声語)堅い物の触れる音。古事記中「その衣の中の甲よろいに繋かかりて―と鳴りき」
かわら【瓦】カハラ
(梵語kapālaからか)
①粘土を一定の形に固めて焼いたもの。主に屋根をふくのに用い、また、床敷とする。丸瓦・平瓦・鬼瓦・敷平しきひら瓦など種類が多い。セメント・石綿・金属などを原料としたものもある。蜻蛉日記下「屋やの上をながむれば、すくふ雀ども、―の下を出で入りさへずる」
②比喩的に、価値のないもの。がらくた。
⇒かわら‐いたべい【瓦板塀】
⇒かわら‐うら【瓦占】
⇒かわら‐がき【瓦垣】
⇒かわら‐がま【瓦窯】
⇒かわら‐ぎょう【瓦経】
⇒かわら‐くぎ【瓦釘】
⇒かわら‐ざ【瓦座】
⇒かわら‐ざる【瓦猿】
⇒かわら‐し【瓦師】
⇒かわら‐すずり【瓦硯】
⇒かわら‐せんべい【瓦煎餅】
⇒かわら‐たけ【瓦茸】
⇒かわら‐にんぎょう【瓦人形】
⇒かわら‐の‐まつ【瓦の松】
⇒かわら‐の‐まど【瓦の窓】
⇒かわら‐ばん【瓦版】
⇒かわら‐ひ【瓦樋】
⇒かわら‐びさし【瓦庇】
⇒かわら‐ぶき【瓦葺き】
⇒かわら‐べい【瓦塀】
⇒かわら‐ぼうぶき【瓦棒葺】
⇒かわら‐もち【瓦餅】
⇒かわら‐や【瓦屋】
⇒かわら‐やき【瓦焼】
⇒かわら‐やね【瓦屋根】
⇒瓦となって全からんより玉となって砕けよ
⇒瓦も磨けば玉となる
かわら【骨】カハラ
①ほね、特に頭蓋骨・膝蓋骨。転じて、骸骨。倭名類聚鈔3「顱、和名加之良乃加波良」
②(「
」「航」と書く)和船の船首から船尾まで通す船底材。和船構造の基本材。敷しき。平家物語2「二つ―の三つ棟に造つたる舟に乗り」
③古代、船を数えるのに用いた語。
④亀の甲。
かわら【河原・川原・磧】カハラ
(カハハラの約)
①川辺の、水がなくて砂石の多い所。川沿いの平地。
②京都賀茂川の河原。平家物語10「(重衡は)―までわたされて、かへつて…八条堀川の御堂にすゑたてまつつて」
⇒かわら‐おに【河原鬼】
⇒かわら‐おもて【河原面】
⇒かわら‐かぜ【川原風】
⇒かわら‐かぶきこ【河原歌舞伎子】
⇒かわら‐がよい【河原通い】
⇒かわら‐げ【川原毛】
⇒かわら‐けつめい【河原決明】
⇒かわら‐こじき【河原乞食】
⇒かわら‐さいこ【川原柴胡】
⇒かわら‐すずめ【河原雀】
⇒かわら‐だ【河原田】
⇒かわら‐なでしこ【河原撫子】
⇒かわら‐の‐いん【河原院】
⇒かわら‐の‐さだいじん【河原の左大臣】
⇒かわら‐ばと【河原鳩】
⇒かわら‐ははこ【川原母子】
⇒かわら‐びと【河原人】
⇒かわら‐ひわ【川原鶸】
⇒かわら‐ほおこ【川原母子】
⇒かわら‐まつば【川原松葉】
⇒かわら‐めし【河原飯】
⇒かわら‐もの【河原者】
⇒かわら‐よもぎ【河原艾】
かわら‐いたべい【瓦板塀】カハラ‥
腰を竪瓦たてがわら張りにし、上部を板張りにした塀。
⇒かわら【瓦】
かわら・う【変らふ】カハラフ
〔自四〕
(変ルに接尾語フの付いた語)変わっていく。次々と変わる。万葉集2「鳴く鳥の夜鳴き―・ふこの年ごろを」
かわら‐うら【瓦占】カハラ‥
神前に瓦を投げて吉凶を占う法。表が出れば吉、裏が出れば凶という。
⇒かわら【瓦】
かわら‐おに【河原鬼】カハラ‥
江戸時代、京都四条河原の歌舞伎若衆の異称。客の相手となって金品をまきあげたからいう。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐おもて【河原面】カハラ‥
河原の方面。また、河原に面すること。太平記9「六波羅の館たちを中にこめて、―七八町に堀を深く掘つて」
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわ‐らか【清爽】カハラカ
(一説に、歴史的仮名遣カワラカ)こざっぱり。さわやか。源氏物語若菜上「尼姿いと―に、あてなるさまして」
かわら‐がき【瓦垣】カハラ‥
(→)瓦塀かわらべいに同じ。
⇒かわら【瓦】
かわら‐かぜ【川原風】カハラ‥
川原から吹いてくる風。また、川原を吹き渡る風。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐かぶきこ【河原歌舞伎子】カハラ‥
歌舞伎役者。また、その若衆。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐がま【瓦窯】カハラ‥
瓦を燻焼くすべやきにするかまど。土を饅頭形に積み、中を空虚にし、前に孔をあけたもの。瓦屋。
⇒かわら【瓦】
かわら‐がよい【河原通い】カハラガヨヒ
江戸時代、京都四条河原へ芝居見や若衆買に通うこと。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐ぎょう【瓦経】カハラギヤウ
経文を陰刻して素焼にした平瓦。埋経の一種。図像・曼荼羅を描いたものもある。平安後期に多く製作された。がぎょう。きょうがわら。
⇒かわら【瓦】
かわら・ぐ【乾らぐ】
[一]〔自四〕
乾いてつやがなくなる。男色大鑑「前髪の風に―・ぎ」
[二]〔他下二〕
かわかす。水分・湿気をなくする。〈日葡辞書〉
かわら‐くぎ【瓦釘】カハラ‥
瓦が屋根から滑り落ちるのを防ぐために瓦尻に打つ銅釘。
⇒かわら【瓦】
かわら‐け【土器】カハラ‥
(瓦笥の意)
①釉うわぐすりをかけずに焼いた素焼の器。枕草子132「聡明そうめとて、上にも宮にも、あやしきもののかたなど、―に盛りてまゐらす」
②素焼の盃。転じて、酒宴。宇津保物語俊蔭「御―はじまり、相撲いでて」
⇒かわらけ‐いろ【土器色】
⇒かわらけ‐ごえ【土器声】
⇒かわらけ‐し【土器師】
⇒かわらけ‐づくり【土器作り】
⇒かわらけ‐な【土器菜】
⇒かわらけ‐なげ【土器投げ】
⇒かわらけ‐もの【土器物】
⇒かわらけ‐やき【土器焼】
かわら‐げ【川原毛】カハラ‥
馬の毛色の名。薄茶色の馬。瓦毛。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわらけ‐いろ【土器色】カハラ‥
土器のような黄のくろずんだ色。
Munsell color system: 2YR5.5/6
⇒かわら‐け【土器】
かわらけ‐ごえ【土器声】カハラ‥ゴヱ
土器のようにつやけがなくがらがらした声。
⇒かわら‐け【土器】
かわらけ‐し【土器師】カハラ‥
土器を作ることを職業とする人。
⇒かわら‐け【土器】
かわらけ‐づくり【土器作り】カハラ‥
(→)土器師に同じ。
⇒かわら‐け【土器】
かわら‐けつめい【河原決明】カハラ‥
マメ科の一年草。河原に多い。高さ約50センチメートル。羽状葉で、小葉は15〜25対、夏から秋に1〜2個の黄色の小花を開き、莢さやを生じる。全草を茶の代用とし、また利尿薬にも用いる。合歓ねむ茶。豆茶。浜茶。弘法茶。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわらけ‐な【土器菜】カハラ‥
〔植〕タビラコの別称。
⇒かわら‐け【土器】
かわらけ‐なげ【土器投げ】カハラ‥
高所から土器2を投げて、その風にひるがえるさまを興じ楽しむ遊戯。
⇒かわら‐け【土器】
かわらけ‐もの【土器物】カハラ‥
大きな土器に盛った酒の肴。はちのもの。とりすえ。
⇒かわら‐け【土器】
かわらけ‐やき【土器焼】カハラ‥
つちやき。すやき。
⇒かわら‐け【土器】
かわら‐こじき【河原乞食】カハラ‥
(京都の四条河原で興行したからいう)歌舞伎役者を卑しめていう語。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐ざ【瓦座】カハラ‥
軒の敷平しきひら瓦をうけるため、野地あるいは茅負かやおいにのせた細長い材木。
⇒かわら【瓦】
かわら‐さいこ【川原柴胡】カハラ‥
バラ科の多年草。砂地に生える。根は肥大、茎は高さ約30センチメートル、毛がある。葉は羽状複葉で、裏面に白毛が密生。夏、黄色5弁の小花を開く。ウラカゼグサ。漢名、委陵菜。〈書言字考節用集〉
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわらさき【河原崎】カハラ‥
姓氏の一つ。
⇒かわらさき‐ちょうじゅうろう【河原崎長十郎】
かわらさき‐ちょうじゅうろう【河原崎長十郎】カハラ‥チヤウジフラウ
(2世)俳優。東京生れ。歌舞伎俳優出身。劇団「前進座」を創設して演劇革新運動を行う。舞台では「勧進帳」「鳴神」「屈原」、映画「箱根風雲録」などに主演。(1902〜1981)
河原崎長十郎
撮影:田村 茂
⇒かわらさき【河原崎】
かわら‐ざる【瓦猿】カハラ‥
土焼の猿の像。「変わらざる」の意にとって無事平安を祝うものとされた。
⇒かわら【瓦】
かわら‐し【瓦師】カハラ‥
①瓦を焼く職人。
②瓦屋根をふく職人。
⇒かわら【瓦】
かわら‐すずめ【河原雀】カハラ‥
セキレイの別称。物類称呼「鶺鴒せきれい…播摩にて、―と云」
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐すずり【瓦硯】カハラ‥
瓦製の硯。がけん。
⇒かわら【瓦】
かわら‐せんべい【瓦煎餅】カハラ‥
小麦粉・砂糖・卵などを材料に屋根瓦の形に焼いた煎餅。
⇒かわら【瓦】
かわら‐だ【河原田】カハラ‥
河原を開墾して田とした所。
⇒かわら【河原・川原・磧】
かわら‐たけ【瓦茸】カハラ‥
担子菌類のきのこ。おもに広葉樹の枯木に屋根瓦状に重なりあって発生、木材の白ぐされの原因となる。傘はうすく、上面には黒褐色の環紋があり下面は灰色。制癌剤の原料にもなる。
かわらたけ
⇒かわら【瓦】
かわら‐でら【川原寺】カハラ‥
奈良県高市郡明日香村川原にある真言宗の寺。白鳳時代の創建で、大安寺・飛鳥寺・本薬師寺と共に飛鳥京・藤原京期の四大寺の一つであった。現在の建物は江戸時代の再建。弘福寺ぐふくじ。









広辞苑 ページ 4340 での【○川の字に寝る】単語。