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こ‐こ【此処・此所・此・是・玆・斯】🔗⭐🔉
こ‐こ【此処・此所・此・是・玆・斯】
〔代〕
➊話し手が「これ」と指せるような範囲の所。
①話し手の現に今いる所。又、その近く。このところ。この場所。万葉集1「大宮は―ときけども、大殿は―といへども」。日葡辞書「ココカシコ」「ココナヒト」。「―から一時間の距離」
②話し手が話題として直前にとり上げた場所。「東京は大都会である。―に政府がある」
③わが身。自分。竹取物語「―にも心にもあらでかくまかるに、昇らむをだに見おくりたまへ」
④話し手の近くにいる人。源氏物語末摘花「―もかしこも、うちとけぬかぎりの気色けしきばみ心深きかたの御いどましさに」
⑤この世。現世。栄華物語つぼみ花「船の楽どもの舞ひ出でたるなど、大方―の事とは思し召されず」
⑥この国。わが国。土佐日記「彼の国人聞き知るまじくおもほえたれども…―の言葉つたへたる人に言ひ知らせければ」
➋「ここ」として話題に提示する事柄・状態。
①この点。この事。これ。万葉集8「一日一夜もさかりゐて嘆き恋ふらむ―思へば胸こそ痛き」。江戸生艶気樺焼えどうまれうわきのかばやき「二三十程あてもなき刺青をし、痛いのを堪へて、―が命だと喜びけり」
②この状態。局面のこの位置。「事既に―に至る」
③取り立てて良いまたは悪いという点。源氏物語東屋「心に入れて見給へるほかげ、更に―と見ゆる所なく」
➌時の経過の中で、今を中心とした、ある範囲。
①この時。この場合。狂言、鐘の音「―は主と下人のことでござれば」。「―は私におまかせ下さい」
②現在を中心として、それより過去・未来のしばらくの間を限定して指す。「―2、3年お目に掛かりません」「―1、2日が峠です」
⇒此処一番
⇒此処だけの話
⇒此処で逢ったが百年目
⇒此処ばかりに日は照らぬ
⇒此処までお出で甘酒進じょ
⇒此処を先途
⇒此処を踏んだら彼所が上がる
広辞苑 ページ 7037 での【此処】単語。