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○事しもあれことしもあれ🔗⭐🔉
○事しもあれことしもあれ
こともあろうに。よりによって。
⇒こと【事】
ことしも‐あれ【事しもあれ】
事もあろうに。ほかのことならともかく。大鏡師輔「―威儀の親王みこをさへせさせ給へりしよ」
⇒こと‐し‐も【事しも】
ことしも‐こそ‐あれ【事しもこそあれ】
「事しもあれ」を強めていう語。源氏物語総角「―、うたてあやしと思せば」
⇒こと‐し‐も【事しも】
こ‐としより【小年寄】
豊臣時代の中老の異称。↔大年寄
こと‐しり【事知り】
①物事をよく知っていること。また、その人。
②男女関係、また花柳界の内情などをよく知っていること。また、その人。通人。わけしり。好色一代女5「―に尋ねしに、彼は都のわけある大尽と聞くに」
⇒ことしり‐がお【事知り顔】
こと‐じり【琴尾・琴後】
琴の末の方。神功紀「琴頭ことがみ―に置きて」↔琴頭ことがみ
ことしり‐がお【事知り顔】‥ガホ
物事をよく知っているような顔付き。物知り顔。
⇒こと‐しり【事知り】
ことじりしゅう【琴後集】‥シフ
村田春海の家集。歌文集。15巻7冊。1810年(文化7)成る。歌集・文集別々の刊行か。刊年不明。きんごしゅう。
こと‐しろ【事代】
神の託宣を伝えること。神功紀「天あめに―虚そらに―」
ことしろぬし‐の‐かみ【事代主神】
日本神話で大国主命の子。国譲りの神に対して国土献上を父に勧め、青柴垣あおふしかきを作り隠退した。託宣の神ともいう。八重やえ言代主神。
ことし‐わたり【今年渡り】
今年海外から渡ってきたばかりであること。また、そのもの。浄瑠璃、栬狩剣本地「―の伽羅ではないが」
⇒こ‐とし【今年】
こと・ず【言出】コトヅ
〔自下二〕
ことばに出して言う。言いだす。万葉集4「―・でしは誰がことなるか」
こと‐ずくな【言少な】
言葉の少ないこと。源氏物語若紫「―に言ひて、をさをさあへしらはず」
こと‐ずくな【事少な】
用事の少ないこと。蜻蛉日記下「すむ所はいよいよ荒れゆくを、―にもありしかば」
ことぜめ【琴責】
浄瑠璃「壇浦兜軍記だんのうらかぶとぐんき」3段目の口「阿古屋琴責」の通称。畠山重忠が堀川御所で阿古屋に箏・三味線・胡弓を弾かせて、阿古屋が景清の行方について偽証していないかどうか詮議する場面。
→文献資料[壇浦兜軍記]
こと‐そ・ぐ【事殺ぐ・事削ぐ】
〔自四〕
事をはぶく。簡略にする。枕草子99「田舎だち、―・ぎて」
こと‐そばえ【事戯え】‥ソバヘ
ざれごとをすること。ふざけること。
こと‐たい【異対】
異なる方の対屋たいのや。宇津保物語蔵開中「東の対かけて宮住み給ふ。―どもに」→対屋
ことたえ‐に【故に】‥タヘ‥
〔副〕
わざと。ことさらに。允恭紀「―高き氏を認とむ」
こと‐た・し【言痛し】
〔形ク〕
(コトイタシの約)人の口がうるさい。こちたし。万葉集14「寝なへのからに―・かりつも」
こと‐だ・つ【言立つ・辞立つ】
〔自下二〕
特に取り立てて言う。ことあげする。誓い言を立てる。万葉集18「大君のへにこそ死なめかへりみはせじと―・て」
こと‐だ・つ【事立つ】
〔自四〕
きわ立つ。特別のことをする。伊勢物語「むつきなれば―・つとておほみき賜ひけり」
こと‐だて【言立て・辞立て】
言明すること。また、そのことば。ことあげ。仁徳紀「貴人うまひとの立つる―」
こと‐たばかり【異議】
異なる策略。他の工夫。宇津保物語藤原君「長雨の降れば、―もえせで」
こと‐だま【言霊】
言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。万葉集13「―のたすくる国ぞ」
⇒ことだま‐の‐さきはう‐くに【言霊の幸ふ国】
ことだま‐の‐さきはう‐くに【言霊の幸ふ国】‥サキハフ‥
言霊の霊妙な働きによって幸福をもたらす国。わが国のことを指す。万葉集5「―と語りつぎ言ひつがひけり」
⇒こと‐だま【言霊】
ことだまのしるべ【言霊指南】
文法書。2編3冊。黒沢翁満著。1852〜56年(嘉永5〜安政3)刊。活用およびテニヲハの呼応・係結び・仮名遣などを説明。本居春庭以来中二段と呼んでいた名称を上二段と改称。
こと‐た・ゆ【言絶ゆ】
〔自下二〕
①言葉では言い表せない。言語に絶する。万葉集4「―・えてかく
怜おもしろく縫へる袋は」
②音信が絶える。蜻蛉日記中「いと憎くて、言ひ返しなどして―・えて」
こと‐た・りる【事足りる】
〔自上一〕
不足しないですむ。十分用がたりる。「電話一本で―・りる」
こと‐た・る【事足る】
〔自四〕
足りない所なくととのう。不足がない。源氏物語帚木「心は心として―・らず」
こと‐づかり【託かり】
ことづかること。また、そのもの。
⇒ことづかり‐もの【託かり物】
ことづかり‐もの【託かり物】
ことづかったもの。
⇒こと‐づかり【託かり】
こと‐づか・る【言付かる・託かる】
〔他五〕
人からある事を頼まれる。依託される。ことづけられる。「手紙を―・る」
こと‐つ・ぐ【言告ぐ】
〔自下二〕
言いつげる。伝言する。万葉集15「刈薦かりこもの乱れて思ふ―・げやらむ」
ごと‐つ・く
〔自五〕
ごとごとと音を立てる。ごとごとする。
こと‐づけ【言付け・託け】
①ことづけること。伝言。枕草子83「職しきへなん参る、―やある、いつか参るなど宣ふ」。「―を頼む」
②かこつけること。口実。源氏物語真木柱「つきづきしき―ども作りいでて」
⇒ことづけ‐がお【託け顔】
ことづけ‐がお【託け顔】‥ガホ
かこつけるような顔つき。源氏物語真木柱「打絶えておとづれもせず、はしたなかりしに―なるを」
⇒こと‐づけ【言付け・託け】
こと‐づ・ける【言付ける・託ける】
〔他下一〕[文]ことづ・く(下二)
①かこつける。ことよせる。源氏物語帚木「その夜のことに―・けてこそ罷り絶えにしか」
②人に頼んで言いやる。伝言する。夫木和歌抄34「―・けむ人もなければ」
③人に頼んで物を届ける。「みやげを―・ける」
こと‐づたえ【言伝え】‥ヅタヘ
(→)「ことづて」に同じ。
こと‐づ・つ【言伝つ】
〔他下二〕
(古くは清音)ことづける。伝言する。万葉集13「思ほしき―・てむやと家問へば家をも告のらず」
こと‐づて【言伝て】
(古くは清音)
①ことづけること。伝言。古今和歌集恋「人は来れども―もなし」。「―を頼む」
②人から伝え聞くこと。伝聞。平家物語10「風のたよりの―も、たえて久しくなりければ」
⇒ことづて‐じる【言伝汁】
ことづて‐じる【言伝汁】
(「言いやる」を「飯いいやる」にかけていう)とろろ汁。
⇒こと‐づて【言伝て】
こと‐づま【異夫】
ことなる夫。あだしおとこ。
こと‐づま【異妻】
ことなる妻。あだしづま。
こと‐づめ【琴爪】
箏ことを弾く時に指先にはめる具。象牙などで爪の形につくり、革または布地の輪を取り付けて右の親指・人差指・中指にはめる。生田流では角爪、山田流では丸爪を用いる。爪つめ。
こと‐で【言出】
ことばに出すこと。言い出すこと。東遊歌「わがせこが今朝の―は」
こと‐てん【事典】
(「辞典」と区別していう)
⇒じてん(事典)
こと‐と【事跡】
業績。万葉集19「君が―を負ひてし行かむ」
こと‐と【事と】
〔副〕
①特に取りたてて。取りわけて。源氏物語桐壺「取り立ててはかばかしき御後見しなければ、―ある時は、猶よりどころなく心細げなり」
②停滞することなく。すっかり。蜻蛉日記下「―明けはてて」
こと‐ど
離別する時の呪言。神代紀上「絶妻之誓ことど建わたす」
こととい【言問】‥トヒ
(伊勢物語の「いざ言問はむ都鳥」の歌による)東京都墨田区にあった旧地区名。
⇒こととい‐だんご【言問団子】
⇒こととい‐ばし【言問橋】
こと‐どい【言問ひ】‥ドヒ
(コトトイとも)言葉を交わすこと。物をたずねかけること。特に、異性に思いを打ちあけること。万葉集20「今日だにも―せむと」
こととい‐だんご【言問団子】‥トヒ‥
東京都隅田川左岸、言問橋辺で売る名物の団子。米粉の団子に3種の餡を組み合わせたもので江戸末期に創製。
⇒こととい【言問】
こととい‐ばし【言問橋】‥トヒ‥
隅田川の橋。東京都台東区浅草待乳山の下から墨田区隅田公園に至る。1928年竣工。→隅田川(図)
⇒こととい【言問】
こと‐と・う【言問ふ】‥トフ
〔自四〕
(コトドウとも)
①ものを言う。話す。万葉集6「―・はぬ木すら」
②言葉をかける。万葉集9「あが妻に他ひとも―・へ」
③問いかける。質問する。古今和歌集旅「名にしおはばいざ―・はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」
④おとずれる。訪問する。後撰和歌集春「年をへて花のたよりに―・はば」
こと‐とがめ【言咎め】
(→)「ことばとがめ」に同じ。万葉集12「人の見て―せぬ夢いめにだにやまず見えこそ」
こと‐とき【異時】
異なる時。他の時。枕草子99「よし―は知らず、今宵は詠め」
こと‐どころ【異所】
ほかの所。他所。他国。枕草子41「―のものなれど、鸚鵡いとあはれなり」
こと‐と・し【言疾し】
〔形ク〕
もの言いが激しい。うわさがひどい。万葉集11「―・くは中は淀ませ水無河みなしがわ」

広辞苑 ページ 7301 での【○事しもあれ】単語。