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お・く【置く・措く・擱く】🔗⭐🔉
お・く【置く・措く・擱く】
[一]〔他五〕
あるがままその位置にとどめる意。
➊すでに存在する事物をそのままにする。
①手を触れずにいる。手を加えることをしない。万葉集1「黄葉もみちをば取りてそしのふ青きをば―・きてそ嘆く」
②そのままの状態で残す。保存する。土佐日記「便りあらばやらんとて―・かれぬめり」
③《措》さしおく。除く。万葉集5「我を―・きて人はあらじと」。源氏物語匂宮「春宮をばさるやむごとなきものに―・きて奉り給ひて」。「感激―・く能わず」「何を―・いてもやらねばならない」
④見捨てる。ほったらかす。万葉集20「泣く子らを―・きてそ来ぬや母おもなしにして」。万葉集1「天そらにみつ大和を―・きて」。伊勢物語「女をば草むらの中に―・きて逃げにけり」
⑤途中でやめる。中止する。中断する。狂言、悪太郎「重ねて意見は―・いてもらひませう」。「箸を―・く」「筆を―・く」
⑥(「…ねば―・かぬ」の形で)必ずそのことをやり通す決意を表す。「…しないでは済まさない」の意。浄瑠璃、心中二枚絵草紙「どうでもかうでも聞かにや―・かぬ」
➋ある位置を占めさせる。
①人や物などをある所にとどめる。人をある位置にいさせる。古事記中「をとめの床の辺に我が―・きし剣の大刀」。万葉集18「針袋取り上げ前に―・きかへさへば」。宇津保物語吹上上「この節会に佩き給ふ御佩刀みはかしを質しちに―・かむ」。伊勢物語「男の形見とて―・きたるものどもを見て」。「机の上に本を―・く」「社会福祉に重きを―・く」「困難な状況に―・かれる」「支配下に―・く」「下宿人を―・く」
②埋葬する。葬る。万葉集2「引出ひきでの山に妹を―・きて」
③設ける。設置する。万葉集3「あらかじめ妹を留めむ関も―・かましを」。大鏡後一条「太政大臣はこの帝の御代にたはやすく―・かせたまはざりけり」。「市内に図書館を―・く」「専門委員会を―・く」
④蒔絵まきえや箔を作りつける。細工をほどこす。大鏡伊尹「箱の漆つき、蒔絵のさま、くち―・かれたりしやうなど」。「ふすまに金箔を―・く」
⑤(主に「心―・く」の形で使われ、不信・疑い・遠慮などの気持をそこにとどめる意)心を隔てる。警戒する。気がねする。伊勢物語「心―・くべきこともおぼえぬを」。源氏物語帚木「すきたわめらむ女に心―・かせ給へ」。徒然草「朝夕へだてなくなれたる人のともある時我に心―・きひきつくろへるさまに」
⑥(算木などを置き並べて)占い・計算をする。万葉集13「行きし君何時来まさむと卜うら―・きていはひ渡るに」。ひさご「そろばん―・けば物知りといふ」
⑦(時間・距離などを介在させる意)へだてる。万葉集15「ほととぎす間しまし―・け」。平家物語11「扇のかなめぎは一寸ばかり―・いて、ひいふつとぞ射切つたる」。「時を―・かずに」「3軒―・いた隣」
➌(動詞の連用形、または、それに助詞「て」の付いた形に続けて)用意・放置の意をそえる。話し言葉では、「ておく」は「とく」となることもある。
①あらかじめ、ある動作をする。前もって…する。万葉集11「あしひきの山桜戸を開け―・きてわが待つ君を」。徒然草「草を揉みてつけぬれば則ち癒ゆとなむ、見知りて―・くべし」。「耳に入れて―・く」
②そのままにする。そのまま受け入れる。浮世床初「山王さまはおれが贔屓ひいきだから、おれが宗旨にして―・かア」。「一応聞いて―・く」「言わせて―・けばつけあがる」「ほっといてくれ」
[二]〔自五〕
《置》露や霜などが地上におりる。万葉集4「ひさかたの天あまの露霜―・きにけり」。日葡辞書「ツユ、また、シモガヲク」
◇広く一般には「置」。➊3・6には「措」、5には「擱」を使うことが多い。
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