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しょく‐い【即位】‥ヰ🔗⭐🔉
しょく‐い【即位】‥ヰ
⇒そくい。〈名目抄〉
すなわち【即ち・則ち】スナハチ🔗⭐🔉
すなわち【即ち・則ち】スナハチ
[一]〔名〕
①その時。即座。万葉集8「ほととぎす鳴きし―君が家に行けと追ひしは至りけむかも」。貫之集「春立たむ―ごとに君がため千とせつむべき若菜なりけり」
②そのころ。当時。発心集「思ひ知る人も年月つもり行けば―のやうにやはある」。狭衣物語2「その―、母宮うへよりおり給ひて」
[二]〔副〕
①即座に。ただちに。すぐに。源氏物語若紫「今そなたにもとのたまへり。―僧都参り給へり」。三宝絵詞「くはむとするにいまだ口にいらぬに飯―火となり、すみとなりぬればくふ事あたはず」
②そこで。そうして。古事記上「其の八俣をろち、信まことに言ひしが如来つ。―船毎に己おのもおのもが頭を垂入て」
③(上をうけてさらにその意を再び明らかにする語)いいかえれば。とりもなおさず。古今和歌集序「その外に、近き世にその名聞えたる人は、―僧正遍昭は歌のさまは得たれども誠少なし」。徒然草「一時の懈怠けだい―一生の懈怠となる」。「国権の最高機関、―国会」
④(上の条件句の当然の帰結として下の句へつなぐ)然るときには。そうなるときは。論語古訓「学びて思はざれば―くらし、思ひて学ばざれば―あやふし」
そく【即】🔗⭐🔉
そく【即】
①その場・時に。すぐ。「―行う」
②〔仏〕相反する二物がそのまま同等で差別のないこと。相即。
③すなわち。とりもなおさず。
そく【
・塞・即・則】(漆芸)🔗⭐🔉
そく【
・塞・即・則】
奈良時代に唐から伝来した漆工技法の名称。中国で夾紵きょうちょといい、いま俗に乾漆という。麦漆(生漆と麦粉とを練り合わせた漆糊)で麻布を張り重ねて素地とし、上塗りを施し仕上げたもの。仏像・器物に応用され、平安初期まで行われた。

そく‐い【即位】‥ヰ🔗⭐🔉
そく‐い【即位】‥ヰ
①君主・天皇が位に即つくこと。
②旧制で、天皇践祚せんその後、即位の大礼を行うこと。しょくい。
⇒そくい‐かんじょう【即位灌頂】
⇒そくい‐しき【即位式】
⇒そくい‐の‐れい【即位の礼】
そくい‐かんじょう【即位灌頂】‥ヰクワンヂヤウ🔗⭐🔉
そくい‐かんじょう【即位灌頂】‥ヰクワンヂヤウ
中近世の天皇の即位儀礼における独特の作法。印契いんげいを結んで真言を唱えながら、高御座たかみくらに登る所作を行う。密教の灌頂に倣ったもの。
⇒そく‐い【即位】
そくい‐しき【即位式】‥ヰ‥🔗⭐🔉
そくい‐しき【即位式】‥ヰ‥
天皇践祚せんその後、皇位に即つくことを天下に告げる儀式。古くは践祚と即位との別がなかったが、桓武天皇の時より日を隔てて即位式を行い、「貞観じょうがん儀式」は践祚と即位とを全く区別した。現行では、践祚をも「即位」という。
⇒そく‐い【即位】
そくい‐の‐れい【即位の礼】‥ヰ‥🔗⭐🔉
そくい‐の‐れい【即位の礼】‥ヰ‥
即位式の、現行の皇室典範における称。
⇒そく‐い【即位】
そく‐えい【即詠】🔗⭐🔉
そく‐えい【即詠】
即座の吟詠。即吟。
そく‐おう【即応】🔗⭐🔉
そく‐おう【即応】
①直ちに対応すること。「事態に―して処理する」
②情況によくあてはまること。「時代に―した教育」
そく‐ぎん【即吟】🔗⭐🔉
そく‐ぎん【即吟】
その場ですぐに詩歌を作ること、また吟詠すること。即座の吟詠。また、その詩歌。
そく‐ざ【即座】🔗⭐🔉
そく‐ざ【即座】
すぐその場所。その場。即席。「―の気転」「―に答える」
そく‐し【即死】🔗⭐🔉
そく‐し【即死】
即時に死ぬこと。事故などで、その場ですぐに死ぬこと。
そく‐じ【即自】🔗⭐🔉
そく‐じ【即自】
〔哲〕(→)アン‐ジッヒ2に同じ。
そく‐じ【即事】🔗⭐🔉
そく‐じ【即事】
即座のことがら。眼前の事。
そく‐じ【即時】🔗⭐🔉
そく‐じ【即時】
すぐその時。即刻。
⇒そくじ‐こうこく【即時抗告】
⇒そくじ‐しゅとく【即時取得】
⇒そくじ‐しんさん【即時浸酸】
⇒そくじ‐ねんきん【即時年金】
⇒そくじ‐ばらい【即時払い】
⇒そくじ‐はん【即時犯】
⇒そくじ‐わたし【即時渡し】
そくじ‐こうこく【即時抗告】‥カウ‥🔗⭐🔉
そくじ‐こうこく【即時抗告】‥カウ‥
民事・刑事の訴訟において、決定に対して一定の期間内(民事訴訟では1週間、刑事訴訟では3日)になすことを要する不服申立て。通常抗告と異なり原則として執行停止の効力がある。
⇒そく‐じ【即時】
そくじ‐しゅとく【即時取得】🔗⭐🔉
そくじ‐しゅとく【即時取得】
〔法〕非権利者との取引によって動産の占有を取得した者に、善意・無過失を要件として、即時に所有権か質権の取得を認める制度。善意取得。
⇒そく‐じ【即時】
そくじ‐しんさん【即時浸酸】🔗⭐🔉
そくじ‐しんさん【即時浸酸】
蚕卵の人工孵化法の一つ。産卵後20時間経過した卵を塩酸に一定時間浸漬しんしして孵化に導く。初秋蚕種の多くはこの方法による。即浸。
⇒そく‐じ【即時】
そく‐じつ【即日】🔗⭐🔉
そく‐じつ【即日】
すぐその日。当日。「―開票」
⇒そくじつ‐ききょう【即日帰郷】
そくじつ‐ききょう【即日帰郷】‥キヤウ🔗⭐🔉
そくじつ‐ききょう【即日帰郷】‥キヤウ
(「帰郷」はキゴウとも)旧日本軍で、入営時の身体検査で軍務不適とされ即日郷里に帰されること。
⇒そく‐じつ【即日】
○俗耳に入り易いぞくじにいりやすい
世間の人々に受け入れられやすい。
⇒ぞく‐じ【俗耳】
そくじ‐ねんきん【即時年金】🔗⭐🔉
そくじ‐ねんきん【即時年金】
年金の支払が契約の年から開始されるもの。
⇒そく‐じ【即時】
そくじ‐ばらい【即時払い】‥バラヒ🔗⭐🔉
そくじ‐ばらい【即時払い】‥バラヒ
支払いの請求があった時、即時に現金の支払いをすること。
⇒そく‐じ【即時】
そくじ‐はん【即時犯】🔗⭐🔉
そくじ‐はん【即時犯】
犯罪が既遂の状態に達すると同時に犯罪自体が終了するもの。一般の犯罪はこれに属する。殺人罪の類。即成犯。↔継続犯。
⇒そく‐じ【即時】
そくじ‐わたし【即時渡し】🔗⭐🔉
そくじ‐わたし【即時渡し】
売買の契約成立と同時に商品を引き渡すこと。
⇒そく‐じ【即時】
そく‐しん【即心】🔗⭐🔉
そく‐しん【即身】🔗⭐🔉
そくしん‐じょうぶつ【即身成仏】‥ジヤウ‥🔗⭐🔉
そくしん‐じょうぶつ【即身成仏】‥ジヤウ‥
人間がこの肉身のままで究極の悟りを開き仏になること。天台宗・真言宗・日蓮宗などで説く。
⇒そく‐しん【即身】
そくしんじょうぶつぎ【即身成仏義】‥ジヤウ‥🔗⭐🔉
そくしんじょうぶつぎ【即身成仏義】‥ジヤウ‥
空海の著。1巻。真言密教教義によって即身成仏の思想を原理・実践・心理の面より説く。
そくしん‐ぜぶつ【即心是仏】🔗⭐🔉
そくしん‐ぜぶつ【即心是仏】
(→)是心是仏に同じ。
⇒そく‐しん【即心】
そくしん‐そくぶつ【即心即仏】🔗⭐🔉
そくしん‐そくぶつ【即心即仏】
(→)是心是仏に同じ。
⇒そく‐しん【即心】
そくしん‐ねんぶつ【即心念仏】🔗⭐🔉
そくしん‐ねんぶつ【即心念仏】
仏心同体の立場から心の中に仏を観ずる念仏。約心念仏。理持念仏。観心念仏。
⇒そく‐しん【即心】
そくしん‐ぶつ【即身仏】🔗⭐🔉
そくしん‐ぶつ【即身仏】
この肉身のままで成仏した人。特に江戸時代、衆生救済のため自ら断食死してミイラ化した行者をいう。
⇒そく‐しん【即身】
そくしん‐ぼだい【即身菩提】🔗⭐🔉
そくしん‐ぼだい【即身菩提】
肉身のままで菩提(悟り)を得ること。即身成仏。
⇒そく‐しん【即身】
そく・する【即する】🔗⭐🔉
そく・する【即する】
〔自サ変〕[文]即す(サ変)
ぴったりとつく。即応する。「実情に―・して行う」
そく‐せい【即世】🔗⭐🔉
そく‐せい【即世】
[左伝成公13年](「即」は終わる意)人の死ぬこと。
そく‐せい【即成】🔗⭐🔉
そく‐せい【即成】
即座にできあがること。
⇒そくせい‐はん【即成犯】
そく‐せい【即製】🔗⭐🔉
そく‐せい【即製】
即座の製作。その場で作ること。
そくせい‐はん【即成犯】🔗⭐🔉
そくせい‐はん【即成犯】
(→)即時犯に同じ。
⇒そく‐せい【即成】
そく‐せき【即席】🔗⭐🔉
そく‐せき【即席】
①その場ですぐにすること。「―の余興」「―で演説する」
②てまのかからないこと。当座のまにあわせ。「―料理」
そく‐せんりょく【即戦力】🔗⭐🔉
そく‐せんりょく【即戦力】
準備の期間を経ず、すぐに戦えるだけの力があること。また、その人。「新人だが―として期待できる」
そく‐だい【即題】🔗⭐🔉
そく‐だい【即題】
その場で題を出されて即座に詩歌や文章を作ること。また、その題。↔兼題
そく‐だく【即諾】🔗⭐🔉
そく‐だく【即諾】
即時に承諾すること。
そく‐だん【即断】🔗⭐🔉
そく‐だん【即断】
即座に決断・断定すること。「―を迫る」
⇒そくだん‐そっけつ【即断即決】
そく‐だん【即談】🔗⭐🔉
そく‐だん【即談】
その場での談合。
そくだん‐そっけつ【即断即決】‥ソク‥🔗⭐🔉
そくだん‐そっけつ【即断即決】‥ソク‥
その場で直ちに判断して決めること。
⇒そく‐だん【即断】
そく‐ち【即知・即智】🔗⭐🔉
そく‐ち【即知・即智】
すぐその場で働くちえ。頓知。機知。
そく‐づめ【即詰め】🔗⭐🔉
そく‐づめ【即詰め】
将棋で、王手の連続で相手の王将を詰めること。そくづみ。→一手いって透き
そく‐てん【即点】🔗⭐🔉
そく‐てん【即点】
発句の判定などで、即座に批点をつけること。
そく‐とう【即答】‥タフ🔗⭐🔉
そく‐とう【即答】‥タフ
即座に答えること。すぐに返答すること。「―を避ける」
そく‐のう【即納】‥ナフ🔗⭐🔉
そく‐のう【即納】‥ナフ
即時に納付すること。
そく‐ばい【即売】🔗⭐🔉
そく‐ばい【即売】
その場で売ること。「展示―会」
そく‐はつ【即発】🔗⭐🔉
そく‐はつ【即発】
即座に爆発すること。「一触―」
そくひ【即非】🔗⭐🔉
そくひ【即非】
明みんの僧。名は如一。福州の人。1657年(明暦3)師の隠元の招きによって来日。隠元・木庵と共に黄檗おうばく三僧と称する。書道にすぐれ、江戸時代の唐様の流行に影響を与えた。(1616〜1671)
そくぶつ‐てき【即物的】🔗⭐🔉
そくぶつ‐てき【即物的】
①事物を実体に即して考えるさま。
②物質的なものを中心に考えるさま。「―人間」
そく‐みょう【即妙】‥メウ🔗⭐🔉
そく‐みょう【即妙】‥メウ
(当意即妙の略)即座の才がはたらくこと。機転がきくこと。「―の答え」
そく‐めつ【即滅】🔗⭐🔉
そく‐めつ【即滅】
即座にほろびること、また、ほろぼすこと。
そく‐や【即夜】🔗⭐🔉
そく‐や【即夜】
すぐその夜。当夜。
そっ‐か【即下】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐か【即下】ソク‥
すぐ下。すぐあと。日葡辞書「コトバノソッカニ」
そっ‐きゅう【即急】ソクキフ🔗⭐🔉
そっ‐きゅう【即急】ソクキフ
たいそう急なこと。「―の督促にうろたえる」
そっ‐きょう【即狂】ソクキヤウ🔗⭐🔉
そっ‐きょう【即狂】ソクキヤウ
即座に詠ずる狂歌。
そっ‐きょう【即興】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐きょう【即興】ソク‥
①当座におこる興味。座興。
②その場の興にのって詩歌などを作ること。
⇒そっきょう‐えんそう【即興演奏】
⇒そっきょう‐きょく【即興曲】
⇒そっきょう‐げき【即興劇】
⇒そっきょう‐し【即興詩】
⇒そっきょう‐てき【即興的】
そっきょう‐えんそう【即興演奏】ソク‥🔗⭐🔉
そっきょう‐えんそう【即興演奏】ソク‥
決められた楽譜によらず、演奏者が即席で作曲しながら演奏すること。インプロヴィゼーション。
⇒そっ‐きょう【即興】
そっきょう‐きょく【即興曲】ソク‥🔗⭐🔉
そっきょう‐きょく【即興曲】ソク‥
(impromptu フランス)ピアノ独奏用の自由な形式の小曲。19世紀以降の性格小品。シューベルト・ショパン・シューマンの作品が有名。もとはピアノの名手が即興的に弾いた曲を言った。アンプロンプチュ。
⇒そっ‐きょう【即興】
そっきょう‐げき【即興劇】ソク‥🔗⭐🔉
そっきょう‐げき【即興劇】ソク‥
台本などを用意せず、その場の興にのって演じられる劇。
⇒そっ‐きょう【即興】
そっきょう‐し【即興詩】ソク‥🔗⭐🔉
そっきょう‐し【即興詩】ソク‥
その時その場の感動を即興的に表現した詩。
⇒そっ‐きょう【即興】
そっきょうしじん【即興詩人】ソク‥🔗⭐🔉
そっきょうしじん【即興詩人】ソク‥
(Improvisatoren デンマーク)アンデルセン作の長編小説。1835年刊。イタリアを舞台に、逆境の詩人アントニオの恋愛物語に紀行を織り交ぜた、自伝色の濃い作品。森鴎外の擬古文訳で知られる。
そっきょう‐てき【即興的】ソク‥🔗⭐🔉
そっきょう‐てき【即興的】ソク‥
興にのって即座に行うさま。「舞台で―に演ずる」
⇒そっ‐きょう【即興】
そっ‐きん【即金】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐きん【即金】ソク‥
即時に金銭を支払うこと。また、その金銭。「―で払うから負けてくれ」
そっ‐けつ【即決】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐けつ【即決】ソク‥
即座に決定・解決すること。「即断―」
⇒そっけつ‐さいばん【即決裁判】
そっけつ‐さいばん【即決裁判】ソク‥🔗⭐🔉
そっけつ‐さいばん【即決裁判】ソク‥
裁判官が弁論終結後即時に判決を言い渡すこと。また、交通事件即決裁判手続のように特に簡便で迅速な手続によって刑を科する裁判。
⇒そっ‐けつ【即決】
そっ‐こう【即功】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐こう【即功】ソク‥
(→)即効に同じ。
そっ‐こう【即行】ソクカウ🔗⭐🔉
そっ‐こう【即行】ソクカウ
①すぐに行くこと。
②すぐに行うこと。
そっ‐こう【即効】ソクカウ🔗⭐🔉
そっ‐こう【即効】ソクカウ
薬などのききめが即時に現れること。
⇒そっこう‐やく【即効薬】
そっこう‐やく【即効薬】ソクカウ‥🔗⭐🔉
そっこう‐やく【即効薬】ソクカウ‥
すぐにききめが現れる薬。比喩的にもいう。「赤字削減の―」
⇒そっ‐こう【即効】
そっ‐こく【即刻】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐こく【即刻】ソク‥
即時。即座。すぐさま。「―退去せよ」
そっ‐こん【即今】ソク‥🔗⭐🔉
そっ‐こん【即今】ソク‥
ただいま。いま。目下。
つかず‐はなれず【即かず離れず】🔗⭐🔉
つかず‐はなれず【即かず離れず】
不即不離ふそくふりの訓読。「―の関係」
つ・く【付く・附く・着く・就く・即く】🔗⭐🔉
つ・く【付く・附く・着く・就く・即く】
[一]〔自五〕
➊二つの物が離れない状態になる。
①ぴったり一緒になる。くっつく。古事記下「たこむらに虻あむかき―・き」。万葉集20「旅と云へど真旅になりぬ家の母もが着せし衣に垢―・きにかり」。「よく―・く糊のり」
②㋐しるしが残る。源氏物語帚木「かかる疵さへ―・きぬれば」
㋑書き入れられる。記される。「帳簿に―・いていない」
㋒そまる。万葉集7「倭やまとの宇陀の真赤土まはにのさ丹―・かば」
③沿う。源氏物語末摘花「蔭に―・きて立ち隠れ給へば」。「塀に―・いて曲がる」
④(目に)とまる。注意をひく。万葉集1「へそがたの林のさきの狭野榛さのはりの衣に着くなす眼に―・くわが背」。「耳に―・く」
➋他のもののあとに従いつづく。
①心を寄せる。従う。味方する。万葉集14「高き嶺に雲のつくのすわれさへに君に―・きなな高嶺と思もひて」。伊勢物語「家刀自まめに思はむといふ人に―・きて人の国へいにけり」。平家物語9「平家にそむいて源氏に―・かんとしけるが」。日葡辞書「ヒトノテニツク」。「彼の言葉に―・く」
②あとに続く。随従する。源氏物語若紫「忍びて引き入りたまふに―・きてすべり入りて」「法花三昧行ふ堂の懺法の声山おろしに―・きて聞えくる」。「兄に―・いて行く」
③つきそう。かしずく。平家物語10「是も八つより―・き奉て、重景にも劣らず不便にし給ひければ」
④従いまなぶ。「先生に―・く」
➌あるものが他のところまで及びいたる。
①到着する。届く。万葉集15「家人は待ち恋ふらむに遠の国未だも―・かず大和をも遠くさかりて」。土佐日記「澪標みおつくしのもとよりいでて難波に―・きて河尻に入る」。「目的地に―・く」「荷物が―・く」
②通じる。「道が―・く」
➍その身にまつわる。
①その身にそなわる。源氏物語葵「物になさけおくれてすぐすぐしき所―・き給へるあまりに」。「身に―・いている物」
②わが物となる。すっかりその物となる。「くせが―・く」
③ぴったりする。よくあう。源氏物語桐壺「大殿の君いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど心にも―・かず覚え給ひて」
➎感覚や力などが働きだす。
①その気になる。心がきまる。源氏物語若紫「かの人の御かはりに明暮の慰みにも見ばやと思ふ心深う―・きぬ」。平家物語2「他人の口よりもれぬさきに、かへり忠して命生かうど思ふ心ぞ―・きにける」。「決心が―・く」
②力や才能が加わる。源氏物語帚木「寝覚の語らひにも身の才―・き朝廷おおやけに仕うまつるべき道々しき事を教へて」。「力が―・く」
③(「点く」とも書く)燃え始める。ともる。万葉集2「冬ごもり春さりくれば野ごとに―・きてある火の風の共むた靡くが如く」。「火が―・く」「電灯が―・く」
④感染して効果を生じる。「種痘が―・く」
⑤植えた木や挿木さしきが根をおろす。猿蓑「さし木―・きたる月の朧夜」(凡兆)
⑥(「憑く」と書く)のりうつる。大鏡伊尹「護法―・きたる法師おはします御屏風のつらにひきつけられて」。日葡辞書「テングガヒトニツク」
⑦(「ついている」の形で)運が向いている。
➏定まる。決まる。
①定められ負う。平治物語「その頼信を打ち返して信頼と―・き給ふ右衛門督殿は」。「名が―・く」
②値が定まる。値する。「値段が―・いていない」「高く―・く」
③おさまる。落ちつく。まとまる。「かたが―・く」「話が―・く」
➐ある位置に身をおく。
①帝位にのぼる。即位する。源氏物語薄雲「御位に―・きおはしまししまで」。「皇位に―・く」
②その場所に安定する。座をしめる。源氏物語桐壺「みこたちの御座の末に源氏―・き給へり」。徒然草「出仕して饗膳などに―・く時も」。「床に―・く」
③任務を負う。仕事を始める。「任に―・く」
④こもる。「鳥屋とやに―・く」「塒ねぐらに―・く」
➑(他の語に付けて用いる。多くヅクとなる)その様子になる。なりかかる。平家物語6「入道相国病ひ―・き給ひし日よりして、水をだに喉へ入れたまはず」→づく。
➒(「つきて」「ついて」の形で)
㋐関して。徒然草「古への聖代すべて起請文に―・きて行はるるまつりごとはなきを」。「一身上の事に―・いて」
㋑…ごとに。「一人に―・き、一点限り」
➓(助詞の「に」に接続して)…により。…だから。「定休日に―・き休業します」
[二]〔他下二〕
⇒つける(下一)
◇➌1や➐2には「着」、➐はふつう「就」で、特に➐1には「即」を使う。
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】🔗⭐🔉
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
➊二つの物を離れない状態にする。
①ぴったり一緒にする。くっつける。貼る。竹取物語「この玉の枝に文ぞ―・けたりける」。万葉集20「わぎもこが―・けし紐が緒お絶えにけるかも」。「身頃に袖を―・ける」
②書き入れる。記す。あとを残す。印する。徒然草「人の語りしままに書き―・けはべるなり」。「日誌を―・ける」「足跡を―・ける」
③染める。色をうつす。万葉集17「かきつばた衣にすり―・けますらをのきそひ狩りする月は来にけり」。日葡辞書「イロヲツクル」
④塗る。こすりつける。源氏物語末摘花「鼻に紅を―・けて見給ふに」。日葡辞書「キズニクスリヲツクル」
➋ある物を他の物の後に従わせる。
①服従させる。味方にする。従わせる。孝徳紀「任那みまなの国を以て百済くだらに属つけ賜ふ」
②あとにつづかせる。つづける。無名抄「君が宿にて君と明かさんと―・けたるを」。日葡辞書「レンガ(連歌)ヲツクル」
③尾行する。追跡する。あとを追う。日葡辞書「アトヲツクル、アトヲツケテユク」。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「今まで西口に―・けてゐましたが、爰へはまだ見えぬか」
④つきそわせる。かしずかせる。源氏物語花宴「心も空にて思ひ至らぬくまなき良清、惟光を―・けてうかがはせ給ひければ」。日葡辞書「ヒトニヒトヲツクル」。「付き添いを―・ける」
⑤従って学ばせる。「家庭教師に―・ける」
➌ある物を他の物のところまで及びつかせる。
①届かせる。行きつかせる。及ぼす。到着させる。伊勢物語「あるじ聞き―・けて」。日葡辞書「フネヲツクル」
②増し加える。添える。源氏物語末摘花「すこし今めきたるけを―・けばやとぞ、乱れたる心には心もとなく思ひゐたる」。日本永代蔵5「近代の縁組は相生・形にも構はず、―・けておこす金性の娘を好む事世の習ひとはなりぬ」。「割増金を―・ける」「はずみを―・ける」
③設ける。「道を―・ける」「書斎に電話を―・ける」
➍身にまといつける。
①身にまとう。着る。万葉集3「しらぬひ筑紫の綿は身に―・けて未だは着ねど」。「首飾りを―・ける」
②わがものとする。「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」
➎感覚や力を働かす。
①心をむける。万葉集19「うつせみの常なき見れば世の中に心―・けずて思ふ日そ多き」。日葡辞書「キ・ココロヲツクル」「メヲツクル」
②燃えうつらせる。発火させる。伊勢物語「この野はぬす人あなりとて火―・けむとす」。日葡辞書「イエニヒヲツクル」
③ともす。器具のスイッチを入れる。源氏物語末摘花「大となぶら消えにけるをともし―・くる人もなし」。「電灯を―・ける」
➏他にあつらえる。
①ことづける。伊勢物語「修業者あひたり、京にその人の御もとにとてふみかきて―・く」。今昔物語集19「己れが兄弟にて侍る僧に―・けて言はしめ侍るなり」
②負わせる。源氏物語野分「そのほかはつゆ難―・くべうもあらず」。「なんくせを―・ける」
③呼ぶ。命名する。源氏物語桐壺「光君といふ名は高麗人のめで聞えて―・け奉りける」。日葡辞書「ナヲツクル」
④定める。「値段を―・ける」「見込みを―・ける」
⑤決着に至らせる。まとめる。「片を―・ける」「話を―・ける」
➐ある位置におかせる。
①即位させる。平家物語8「抑、臣等が慮りを以て選びて位に―・け奉らん事、用捨私有るに似たり」。「王位に―・ける」
②すわらせる。「席に―・ける」
③位置を占めさせる。「上座に―・ける」
④役を与える。「局長の地位に―・ける」
➑(他の動詞に付いて)常に…する。なれる。源氏物語桐壺「亡せ給ひにし御息所の御かたちに似給へる人を三代の宮仕につたはりぬるにえ見奉り―・けぬに」。日葡辞書「ワザヲシツクル」「フネニノリツケタヒト」。「使い―・ける」
➒他の動詞に付いて、勢いのはげしい意を表し、あるいは語調を強める。「叱り―・ける」
➓(主に「…につけて」の形で)応じる。関する。よる。ことよせる。古今和歌集序「心に思ふことを見るもの聞くものに―・けていひいだせるなり」。源氏物語桐壺「朝夕の宮仕に―・けても人の心をうごかし」。「雨風に―・けて子を思う」「それに―・けても金の欲しさよ」「よいに―・け悪いに―・け」
◇到着・着席・着用などの場合に「着」、就任・就労などでは「就」、即位には「即」を使う。
[漢]即🔗⭐🔉
即 字形
筆順
〔卩(
)部5画/7画/常用/3408・4228〕
[
] 字形
〔卩(
)部7画/9画〕
〔音〕ソク(呉)
〔訓〕つく・すなわち
[意味]
①ぴったりとつく。「実情に即して支給する」「即位・即応・相即・即物的・不即不離」
②すなわち。
㋐その場でただちに。すぐに。「即金・即答・即決・即売・即死」
㋑そっくりそのまま。とりもなおさず。「色即是空・即身成仏」
③仮定の助字。もし。もしも。万一。「即来、沛公恐不得有=もし来らば、沛公はいこう恐らくは有たもつことを得ざらん」〔漢書〕
[解字]
本字は[
]。会意。「皀」(=食物を盛った食卓)+「卩」(=ひざまずく)。人がひざまずいて食卓のそばにくっつく意。







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