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ふ【封】🔗🔉

】 (呉音) ①封地ほうち。食封じきふ。封戸ふこ。栄華物語浦々別「国々の御―などめし物すれど」 ②しるし。封印。ふう。日葡辞書「フヲツクル、また、ナス」 →ふう→ほう(封)

ふ‐いん【封印】🔗🔉

ふ‐いん封印⇒ふういん

ふう【封】🔗🔉

ふう】 (慣用音) ①とじふさぐこと。「手紙に―をする」 ②袋などのとじ目をふさぐこと。また、とじ目のしるし。源氏物語橋姫「かの御名の―付きたり」。「―を切る」 ③書状・包物などの封じたものを数える語。 →ふ→ほう(封)

ふう‐いん【封印】🔗🔉

ふう‐いん封印】 封じ目に印を捺すこと。封じ目におしてある印。日本霊異記「蔵を見るに―誤たず」 ⇒ふういん‐きり【封印切】 ⇒ふういん‐つき【封印付】 ⇒ふういんはき‐ざい【封印破棄罪】 ⇒ふういん‐ぼく【封印木】

ふういん‐きり【封印切】🔗🔉

ふういん‐きり封印切】 浄瑠璃「冥途めいどの飛脚」で、忠兵衛が為替かわせの金の封印を切る場面。また、歌舞伎での同じ場面の通称。 →文献資料[冥途の飛脚] ⇒ふう‐いん【封印】

ふういん‐つき【封印付】🔗🔉

ふういん‐つき封印付】 封印のついていること。また、そのもの。特に江戸時代、両替店で封印した通貨の包み。 ⇒ふう‐いん【封印】

ふういんはき‐ざい【封印破棄罪】🔗🔉

ふういんはき‐ざい封印破棄罪】 公務員の施した封印、差押えの標示を損壊しまたはその他の方法でその効力を失わせる罪。 ⇒ふう‐いん【封印】

ふういん‐ぼく【封印木】🔗🔉

ふういん‐ぼく封印木】 ヒカゲノカズラ類の化石シダ植物。巨大な木本で、高さ約30メートルにも達する。幹は直立円柱状、縦の溝がある。幹の表面の六角または菱形の模様は葉の落ちた跡で、封印に似る。石炭紀からペルム紀に繁茂し、石炭のもとになった主要植物の一つ。シギラリア。 ⇒ふう‐いん【封印】

ふう‐かん【封緘】🔗🔉

ふう‐かん封緘】 封をとじること。封。 ⇒ふうかん‐し【封緘紙】 ⇒ふうかん‐はがき【封緘葉書】

ふうかん‐し【封緘紙】🔗🔉

ふうかん‐し封緘紙】 封のとじ目に貼る小さな紙片。シール。 ⇒ふう‐かん【封緘】

ふうかん‐はがき【封緘葉書】🔗🔉

ふうかん‐はがき封緘葉書】 郵便書簡の旧称。 ⇒ふう‐かん【封緘】

ふう‐きり【封切】🔗🔉

ふう‐きり封切】 ①封を切ったばかりのもの。 ②物事のしはじめ。 ③(通俗娯楽本の後ろの方を封じた紙を切って読むことから)江戸時代、新刊本を最初に見ること。また、その本。歌舞伎、小袖曾我薊色縫「さつき本屋の弥三郎が―を持つて来たが」 ④新作映画を初めて上映すること。「―館」

ふう‐きん【封金】🔗🔉

ふう‐きん封金】 封印をした金子。

ふう‐さ【封鎖】🔗🔉

ふう‐さ封鎖】 ①封じこめてとざすこと。とざして出入させないこと。「道路を―する」 ②〔法〕戦時または平時に、相手国の港・海岸への交通を防ぐため、海軍力により船舶の出入を遮断すること。「海上―」 ⇒ふうさ‐しはらい【封鎖支払】 ⇒ふうさ‐たいけい【封鎖体系】 ⇒ふうさ‐よちょきん【封鎖預貯金】

ふうさ‐しはらい【封鎖支払】‥ハラヒ🔗🔉

ふうさ‐しはらい封鎖支払‥ハラヒ 封鎖預貯金をもって封鎖のまま支払に充てること。 ⇒ふう‐さ【封鎖】

ふうさ‐たいけい【封鎖体系】🔗🔉

ふうさ‐たいけい封鎖体系】 〔経〕外国との取引を理論上考慮せずに、一国内の経済を分析した体系。↔開放体系。 ⇒ふう‐さ【封鎖】

ふう‐さつ【封殺】🔗🔉

ふう‐さつ封殺】 ①相手を自由に活動できないようにすること。 ②(→)フォース‐アウトに同じ。

ふうさ‐よちょきん【封鎖預貯金】🔗🔉

ふうさ‐よちょきん封鎖預貯金】 法令により一定の期日をもって凍結され、その払戻しを制限もしくは禁止された預貯金。1946年、金融緊急措置令に基づく第二次大戦後のインフレ収束措置策の一つとして実施。 ⇒ふう‐さ【封鎖】

ふう‐じ【封事】🔗🔉

ふう‐じ封事】 他見をはばかり密封して君主に奉る意見書。意見封事。 ⇒ふうじ‐さだめ【封事定め】

ふうじ‐がみ【封じ紙】🔗🔉

ふうじ‐がみ封じ紙】 巻きたたんだ手紙などを封じるのに用いる紙。錦之裏「げび川さん、―をもつて来てくんな」 ⇒ふうじ【封じ】

ふうじこめ‐せいさく【封じ込め政策】🔗🔉

ふうじこめ‐せいさく封じ込め政策】 (containment policy)資本主義諸国が協力して、共産主義諸国を封じ込め、その勢力の拡大を防止しようとした、第二次世界大戦後のアメリカの冷戦政策。

ふうじ‐こ・める【封じ込める】🔗🔉

ふうじ‐こ・める封じ込める】 〔他下一〕 ①中に入れて閉じこめる。「岩屋に―・める」 ②相手の活動をおさえこむ。「発言を―・める」

ふうじ‐さだめ【封事定め】🔗🔉

ふうじ‐さだめ封事定め】 平安時代、詔して公卿・諸道博士・諸司長官に封事を献じさせ、諸卿がその可否を議定して、採用すべきものはさらに封じて上奏した儀式。 ⇒ふう‐じ【封事】

ふうじ‐て【封じ手】🔗🔉

ふうじ‐て封じ手】 ①囲碁・将棋の対局で、打ちかけ(指しかけ)にする時、最後の着手を紙に書きしるし、再開時まで封じておくこと。主に2日がかりの対局などで行われる。 ②相撲などで、使うことを禁止されているわざ。禁じ手。 ⇒ふうじ【封じ】

ふうじ‐め【封じ目】🔗🔉

ふうじ‐め封じ目】 封を施した所。 ⇒ふうじ【封じ】

ふう‐じめ【封〆】🔗🔉

ふう‐じめ封〆】 封書の封じ目に書く「〆」のしるし。

ふう‐しょ【封書】🔗🔉

ふう‐しょ封書】 封をした手紙。封じた書状。封状。

ふう‐じょう【封状】‥ジヤウ🔗🔉

ふう‐じょう封状‥ジヤウ 封じた手紙。封書。

ふう・じる【封じる】🔗🔉

ふう・じる封じる】 〔他上一〕 (→)「封ずる」に同じ。

ふうじ‐ろう【封じ蝋】‥ラフ🔗🔉

ふうじ‐ろう封じ蝋‥ラフ ⇒ふうろう ⇒ふうじ【封じ】

ふう・ずる【封ずる】🔗🔉

ふう・ずる封ずる】 〔他サ変〕[文]封ず(サ変) ①閉じこめる。特に、陰陽道おんようどうや仏法の加持力によって、物の怪などが自由に動けないようにする。源氏物語若菜下「物の怪に向ひて物語し給はむもかたはらいたければ―・じこめて」 ②封をする。 ③自由に活動できないようにする。歌舞伎、天衣紛上野初花「お宿へのお使ひは―・じてあるとやら」。「口を―・ずる」 →封ほうずる

ふう‐でい【封泥】🔗🔉

ふう‐でい封泥】 文書や器物を入れた袋や箱にかけたひも類を封緘ふうかんするためにつけた粘土塊。官印や私印を押す。中国で戦国時代から唐代頃まで使用し、朝鮮の楽浪からも出土。

ふう‐ど【封土】🔗🔉

ふう‐ど封土】 高塚を築き上げるために盛り上げた土。→ほうど(封土)

ふう‐とう【封套】‥タウ🔗🔉

ふう‐とう封套‥タウ (→)封筒に同じ。

ふう‐とう【封筒】🔗🔉

ふう‐とう封筒】 ①状箱じょうばこ。 ②手紙・文書などを封入する方形の袋。状袋じょうぶくろ

ふう‐にゅう【封入】‥ニフ🔗🔉

ふう‐にゅう封入‥ニフ 入れて封じること。封じこむこと。「ガスを―した電球」

ふう‐はん【封判】🔗🔉

ふう‐はん封判(→)封印に同じ。

ふう‐ひ【封皮】🔗🔉

ふう‐ひ封皮】 封じたうわかわ。また、封筒。

ふう‐むすび【封結び】🔗🔉

ふう‐むすび封結び】 緒の結び方の名。手箱の緒などを結ぶもの。

ふう‐めん【封面】🔗🔉

ふう‐めん封面】 漢籍において、表紙の次の面または表紙見返しにある、書名・著者名・刊行者名などが印刷された部分。

ふう‐ろう【封蝋】‥ラフ🔗🔉

ふう‐ろう封蝋‥ラフ 松脂まつやににシェラック・テレビン油・マグネシアなどを混合し、顔料で着色したもの。瓶びんなどの密封や封緘ふうかんなどに用いる。封じ蝋。

ふ‐こ【封戸】🔗🔉

ふ‐こ封戸】 (フゴとも)古代、食封じきふの対象となった戸。大宝令で完成し、皇族や高官などの位階・官職・勲功に応じて支給した。その戸からの租の半分と庸・調の全部を被給者の収入とする。位封・職封しきふ・功封の別があった。

ふ‐そ【封租】🔗🔉

ふ‐そ封租】 律令制で、封戸ふこから納める田租。

ふん・ず【封ず】🔗🔉

ふん・ず封ず】 〔他サ変〕 (フウズの転)封をする。枕草子160「思ふ人の文を得て、かたく―・じたるそくひなどあくるほど」

ほう【封】🔗🔉

ほう】 領土。領地を与えて諸侯・大名とすること。→ふ→ふう(封)

ほう‐いき【封域】‥ヰキ🔗🔉

ほう‐いき封域‥ヰキ ①土をもりあげて境としたもの。 ②大名の領地の境。 ③領分の内。

ほう‐きょう【封疆・封境】‥キヤウ🔗🔉

ほう‐きょう封疆・封境‥キヤウ 封土のさかい。領土のさかい。

ほう‐けん【封建】🔗🔉

ほう‐けん封建】 ①[左伝僖公24年「周の懿徳有りしも、猶兄弟に如く莫しと曰う、故に之を封建す」](封土を分けて諸侯を建てる意)天子が公領以外の土地を諸侯に分け与え、領有統治させること。 ②封建制度の略。 ⇒ほうけん‐じだい【封建時代】 ⇒ほうけん‐しゃかい【封建社会】 ⇒ほうけん‐せいど【封建制度】 ⇒ほうけん‐ちだい【封建地代】 ⇒ほうけん‐てき【封建的】

ほうけん‐じだい【封建時代】🔗🔉

ほうけん‐じだい封建時代】 封建制度が国家・社会のしくみの基準である時代。普通、日本では鎌倉時代から明治維新まで、ヨーロッパでは6世紀頃から15世紀末頃まで。また、漠然と中世全体を指す場合もある。 ⇒ほう‐けん【封建】

ほうけん‐しゃかい【封建社会】‥クワイ🔗🔉

ほうけん‐しゃかい封建社会‥クワイ 古代の氏族・奴隷制社会と近代の資本主義社会との中間に存し、封建制度を基底とする社会。 ⇒ほう‐けん【封建】

ほうけん‐せいど【封建制度】🔗🔉

ほうけん‐せいど封建制度】 ①天子の下に、多くの諸侯が土地を領有し、諸侯が各自領内の政治の全権を握る国家組織。中国周代に行われた。↔郡県制度。 ②(feudalism)封建社会の政治制度。領主が家臣に封土を給与し、代りに軍役の義務を課する主従関係を中核とする。ヨーロッパでは、カロリング朝初期に国家制度となり、11〜13世紀が最盛期。国王・貴族・家臣・教会などの領主と、その支配下に入った農奴とを基本的階級とする。日本では、荘園制に胚胎はいたいし、鎌倉幕府の創立と共に発展、江戸時代には内容を変えたが外形は完備した。→恩貸地おんたいち→農奴⇒ほう‐けん【封建】

ほうけん‐ちだい【封建地代】🔗🔉

ほうけん‐ちだい封建地代】 封建社会で、領主が経済外的強制によって農奴から取り上げる地代。労働地代・生産物地代・貨幣地代の三形態がある。 ⇒ほう‐けん【封建】

ほうけん‐てき【封建的】🔗🔉

ほうけん‐てき封建的】 封建制度に特有の性格を持っているさま。俗には、専制的で目下の者の言い分を聞こうとしないさまなどにいう。 ⇒ほう‐けん【封建】

ほう‐こ【封戸】🔗🔉

ほう‐こ封戸⇒ふこ

ほう‐こう【封侯】🔗🔉

ほう‐こう封侯】 諸侯に封ずること。 ⇒ほうこう‐ふくろく【封侯福禄】

ほうこう‐ふくろく【封侯福禄】🔗🔉

ほうこう‐ふくろく封侯福禄】 (画題)侯に封ぜられ福禄を得る意を寓し、字音の通ずる蜂・猴さる・蝠こうもり・鹿ろくの4種の動物を描いたもの。 ⇒ほう‐こう【封侯】

ほう‐こく【封国】🔗🔉

ほう‐こく封国】 諸侯の封ぜられた国。

ほう‐さく【封冊】🔗🔉

ほう‐さく封冊】 王侯に封ずる旨をしるした天子の詔書。→冊

ほう‐じ【封事】🔗🔉

ほう‐じ封事⇒ふうじ

ほうし‐ちょうだ【封豕長蛇】‥チヤウ‥🔗🔉

ほうし‐ちょうだ封豕長蛇‥チヤウ‥ [左伝定公4年「呉封豕長蛇と為り、以て上国を荐食せんしょくす」]大きな猪と長い蛇の意で、貪欲・強悪なもののたとえ。

ほう‐しゃく【封爵】🔗🔉

ほう‐しゃく封爵】 諸侯に封じ官爵を授けること。

ほう・じる【封じる】🔗🔉

ほう・じる封じる】 〔他上一〕 (→)「封ずる」に同じ。

ほう‐じん【封人】🔗🔉

ほう‐じん封人】 国境をまもる人。奥の細道「―の家を見かけて舎やどりを求む」

ほう・ずる【封ずる】🔗🔉

ほう・ずる封ずる】 〔他サ変〕[文]封ず(サ変) ①土を高く盛る。また、土を盛って境とする。 ②領地を与えてその支配者にとり立てる。太平記4「万戸侯に―・ぜんとし給ひしかども」 ③封ふうをする。とじる。ふうじる。

ほう‐ぜん【封禅】🔗🔉

ほう‐ぜん封禅】 中国古代に天子が行なった祭祀。封は泰山の山頂に土壇をつくって天を祭ること、禅は泰山の麓の小丘(梁父山)で地をはらい山川を祀ること。前219年の始皇帝、前110年の前漢の武帝のそれが著名。史記に封禅書がある。

ほう‐だい【封内】🔗🔉

ほう‐だい封内】 領分の中。国内。

ほう‐ち【封地】🔗🔉

ほう‐ち封地】 大名などが封ぜられた土地。諸侯の領地。

ほう‐ど【封土】🔗🔉

ほう‐ど封土】 ①祭壇に盛った土。 ②大名の領地。→封建制度

ほう‐へい【封閉】🔗🔉

ほう‐へい封閉】 ふうじとじること。封鎖。太平記28「宮室を―して以て項王の来り給はん事を待つ」

ほう‐ゆう【封邑】‥イフ🔗🔉

ほう‐ゆう封邑‥イフ 封ぜられた領地。

[漢]封🔗🔉

 字形  筆順 〔寸部6画/9画/常用/4185・4975〕 〔音〕ホウ(漢) フウ(慣) フ(呉) [意味] [一]ホウ ①領地を与えて諸侯とする。大名・諸侯の与えられた領土。「藩主に封ずる」「封建制度・封冊・素封家・食封じきふ」 ②盛り土(をする)。「蟻封(ぎほう=ありづか)・封禅ほうぜん」 [二]フウ ①閉じる。閉じこめる。ふさぐ。自由に動けないようにする。「出口を封ずる」「活動を封ずる」「封鎖・封入・密封」 ②とじめをふさいだもの。とじめのしるし。「封をする」「封印・封書・金一封」 [解字] 会意。「土」+「土」+「寸」(=手)。手で土を集めて盛り上げる意。転じて、寄せ集める、ぴたりと合わせる意を生じた。 [下ツキ 移封・開封・完封・金一封・厳封・冊封・食封・素封家・同封・分封・別封・密封・陸封 [難読] 封度ポンド

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