複数辞典一括検索+

そう【惣】🔗🔉

そう】 室町時代、荘園解体期に現れた村人の共同体的結合。村民全体の名によって村の意思を表示し、また行動する場合にいう。惣中。惣村。惣荘。

そう‐いち【惣一・総一】🔗🔉

そう‐いち惣一・総一】 全部の中で一番のもの。第一。浮世草子、俗つれづれ「是―古今のまれもの」

そう‐おきて【惣掟】🔗🔉

そう‐おきて惣掟】 惣が制定した法。惣の運営や共有地の利用法などを定めたもの。

そう‐か【惣嫁・総嫁】🔗🔉

そう‐か惣嫁・総嫁】 上方で、路傍で売淫する最下級の淫売婦。好色一代男3「京大坂にありし―といふ者」

そう‐がた【惣型・総型】🔗🔉

そう‐がた惣型・総型】 鋳型いがたの一種。また、それを用いる最も原始的な鋳金技法。粘土製の鋳型の内面に文様を彫って外型そとがたとし、焼いて乾燥させ鋳造する。銅鐸や大型の鐘などをこの技法で製作。

そう‐けんぎょう【総検校・惣検校】‥ゲウ🔗🔉

そう‐けんぎょう総検校・惣検校‥ゲウ 検校の上に位する者。 ①国衙こくが・荘園の職名。 ②寺務を総括する僧職。 ③当道の最高位にあり、盲官を統括するもの。

そう‐ざい【総菜・惣菜】🔗🔉

そう‐ざい総菜・惣菜】 日々の食事の副食物。飯のおかず。菜の物。誹風柳多留6「―はあらめと禿かむろ口ばしり」

そう‐さく【総作・惣作】🔗🔉

そう‐さく総作・惣作】 江戸時代、耕作者がいなくなった田畑を、村中で耕作し、年貢を納入すること。

そう‐じとう【惣地頭・総地頭】‥ヂ‥🔗🔉

そう‐じとう惣地頭・総地頭‥ヂ‥ ①鎌倉時代、荘園の分割相続によって細分化した数名の小地頭(一分地頭)を支配した者。各地頭の宗家がこれに任命され、御家人役などをつかさどった。惣領地頭。 ②鎌倉初期、鎮西に特有の地頭。現地の土豪を小地頭とし、幕府派遣の上位の地頭を惣地頭と呼んだ。

そう‐じゃ【総社・惣社】(神道)🔗🔉

そう‐じゃ総社・惣社】 参拝の便宜のため、数社の祭神を1カ所に総合して勧請かんじょうした神社。一国の総社のほか、寺院・荘園の総社などがある。また、鎮守または一の宮が総社を兼ねたこともある。

そう‐そん【惣村】🔗🔉

そう‐そん惣村(→)に同じ。

そうだ‐がつお【宗太鰹・惣太鰹】‥ガツヲ🔗🔉

そうだ‐がつお宗太鰹・惣太鰹‥ガツヲ サバ科の海産の硬骨魚。全長約40センチメートル。背部は藍緑色で、流紋状横帯が斜走。南日本・熱帯に分布。ヒラソウダとマルソウダとの2種がある。削り節の原料。めじか。うずわ。

そう‐ちゅう【惣中】🔗🔉

そう‐ちゅう惣中】 (ソウジュウとも)(→)そうに同じ。

そう‐どしより【惣年寄】🔗🔉

そう‐どしより惣年寄】 江戸時代、大坂・岡山などで町奉行の支配を受けて御触れの通達、町年寄・町役人の監督など民政に当たった町人。→町年寄

そう‐なみ【総並・惣並】🔗🔉

そう‐なみ総並・惣並】 ①全般にわたること。全部。史記抄「先づ―の列伝を立て」 ②普通一般の傾向。天草本伊曾保物語「ともかくも―にまかさせられい」

そうはち【宗八・惣八】🔗🔉

そうはち宗八・惣八】 狂言。元漁師の俄坊主が読経に苦労し、還俗したばかりの宗八が奉公先で料理にてこずるが、互いに身の上を語り交代する。俄道心にわかどうしん

そう‐はつ【総髪・惣髪】🔗🔉

そう‐はつ総髪・惣髪】 ①男の髪の結い方。江戸時代の儒者・医師・山伏・浪人・神官などの髪型。額の月代さかやきを剃らず、全体の髪を伸ばし、これを束ねて結ったもの。兀僧がっそう。そうがみ。そうごう。新聞雑誌2(明治4年)「―頭をたたいてみれば、王政復古の音がする」→半髪はんぱつ。 総髪 ②全髪を後ろへなでつけて垂れさげた、男の髪型。

そう‐びゃくしょう【惣百姓】‥シヤウ🔗🔉

そう‐びゃくしょう惣百姓‥シヤウ ①室町時代、惣に組織された農民の総称。惣百姓の連署で訴訟などもした。 ②江戸時代、本百姓の称。

そう‐ぶじれい【惣無事令】🔗🔉

そう‐ぶじれい惣無事令】 豊臣秀吉が1585(天正13)、87年に発した戦争停止命令。領土紛争は豊臣政権の裁定により解決し、違反者は武力制裁の対象となるという内容で、島津氏・北条氏討伐の正当性の根拠とされた。

そう‐ぶつ【惣物】🔗🔉

そう‐ぶつ惣物】 盆・暮に奉公人に与える衣類など。仕着せ。そうぶつもの。麁物そぶつ。〈日葡辞書〉。臍が茶「今年の―のふんどしに綿を入れてやりや」

そう‐べつ【総別・惣別】🔗🔉

そう‐べつ総別・惣別】 おおよそ。大体。すべて。平家物語3「―につけて嘆きおぼしめせども」

そうもち‐やま【惣持山】🔗🔉

そうもち‐やま惣持山】 村や組で共有している山林。山林は共有であったものが多く、規則を決めて、薪や炭焼きに利用した。

そう‐りょう【総領・惣領】‥リヤウ🔗🔉

そう‐りょう総領・惣領‥リヤウ ①すべおさめること。 ②家名を継ぐべき子。家督。嫡子。また転じて、長男または長女の称。 ③大宝令前の官で、地方の重要な国におかれ、それぞれ数カ国の政務を監督したもの。すべおさ。すぶるおさ。 ④惣領地頭の略。 ⇒そうりょう‐しき【惣領職】 ⇒そうりょう‐じとう【惣領地頭】 ⇒そうりょう‐すじ【総領筋】 ⇒そうりょう‐せい【惣領制】 ⇒そうりょう‐のき【総領除】 ⇒そうりょう‐ぶん【惣領分】 ⇒そうりょう‐まご【総領孫】 ⇒そうりょう‐むすこ【総領息子】 ⇒そうりょう‐むすめ【総領娘】 ⇒そうりょう‐よめ【総領嫁】 ⇒総領の甚六

そうりょう‐しき【惣領職】‥リヤウ‥🔗🔉

そうりょう‐しき惣領職‥リヤウ‥ 中世後期、惣領の地位・権限・財産などをいう語。 ⇒そう‐りょう【総領・惣領】

そうりょう‐せい【惣領制】‥リヤウ‥🔗🔉

そうりょう‐せい惣領制‥リヤウ‥ 鎌倉時代、分割相続で分立した一族が惣領の統制のもとに結集する在地領主の同族結合形態。室町期にはくずれて漸次嫡子単独相続制に移行した。 ⇒そう‐りょう【総領・惣領】

そうりょう‐ぶん【惣領分】‥リヤウ‥🔗🔉

そうりょう‐ぶん惣領分‥リヤウ‥ 中世の分割相続で、惣領の相続すべきわけまえ。 ⇒そう‐りょう【総領・惣領】

そう‐ろく【惣録・総録】🔗🔉

そう‐ろく惣録・総録】 江戸時代、江戸にあって関八州とその周辺の座頭を支配した、検校の座順の最古参の者。1736年(元文1)設置。執行機関として惣録役所が置かれた。

その‐いち【園市】🔗🔉

その‐いち園市】 (「惣の市」とも。関西方言)巫女みこ

つつ‐くら【惣暗】🔗🔉

つつ‐くら惣暗】 まっくら闇。つつやみ。今昔物語集10「虚空―になりて奇異に恐しげなり」

つつ‐やみ【惣闇】🔗🔉

つつ‐やみ惣闇】 まっくら闇。つつくら。落窪物語1「―にて、笑ふ笑ふ道のあしきをよろぼひおはするほどに」

[漢]惣🔗🔉

 字形 〔心(忄・)部8画/12画/人名/3358・415A〕 〔音〕ソウ(漢) 〔訓〕すべて [意味] ①すべる。すべて。「惣地頭・惣領・惣菜」 ②中世、村民の総意を表す、郷村単位の自治組織。「惣中・惣村」 ▷「」の異体字。日本では「総」の俗字として用いられた。①は現代表記では「総」と書く。

広辞苑で始まるの検索結果 1-32