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○我が物と思えば軽し笠の雪わがものとおもえばかるしかさのゆき🔗⭐🔉
○我が物と思えば軽し笠の雪わがものとおもえばかるしかさのゆき
(其角の句から)自分の物と思えば笠の雪も軽く感じられる。転じて、苦労も自分のためと思えば辛くはない。
⇒わが‐もの【我が物】
わかもの‐やど【若者宿】
(→)若衆宿わかしゅやどに同じ。
⇒わか‐もの【若者】
わかもの‐れん【若者連】
(→)若衆組わかしゅぐみに同じ。
⇒わか‐もの【若者】
わが‐や【我が家】
自分の家、また、家庭。「―の自慢料理」
わかやえがき【和歌八重垣】‥ヤヘ‥
和歌入門書。有賀長伯著。7巻7冊。1700年(元禄13)刊。和歌に関する啓蒙的な作法書、後半は歌語辞典。
わか‐やか【若やか】
①若々しいさま。源氏物語須磨「―に気色あるさぶらひの人なりけり」。「―な声」「―な女性」
②若く世間馴れしないさま。ういういしいさま。源氏物語空蝉「この人の何心なく―なるけはひもあはれなれば」
わか‐やが・す【若やがす】
〔他四〕
若々しく元気に見えるようにする。特に、酒席などを賑やかにする。十二段草子「酒―・せんとぞ興じける」
わか‐やかた【若屋形】
貴人の世嗣の敬称。
わかやぎ‐だ・つ【若やぎ立つ】
〔自四〕
若く見えるようによそおう。若やぐように見せかける。枕草子35「佐理すけまさの宰相なども、みな―・ちて」
わかやぎ‐りゅう【若柳流】‥リウ
日本舞踊の一流派。初世花柳寿輔の門から出た花柳芳松が、1893年(明治26)に若柳吉松(のち寿童)と改名して、一派を創始。
わか‐やく【若役】
①年若い人の勤める役目。
②演劇で、若い人の役。↔老ふけ役
わか‐や・ぐ【若やぐ】
〔自五〕
①若々しく見える。若返る。源氏物語紅葉賀「好ましう―・ぎてもてなしたるうはべこそさてもありけれ」
②酒席などが賑やかになる。
わかやま【若山】
姓氏の一つ。
⇒わかやま‐ぼくすい【若山牧水】
わかやま【和歌山】
①近畿地方南部の県。紀伊国の大部分を管轄。面積4726平方キロメートル。人口103万6千。全9市。
→串本節
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
②和歌山県北西部の市。県庁所在地。紀ノ川河口左岸、紀伊水道に面し、河口付近は金属・化学工場地帯。もと徳川氏55万石の城下町。竹垣城址には城門・城塁・城濠を遺す。紀三井寺・和歌の浦の名所がある。人口37万6千。
⇒わかやま‐だいがく【和歌山大学】
わかやま‐だいがく【和歌山大学】
国立大学法人の一つ。1922年(大正11)創立の和歌山高等商業学校(のち和歌山経専)と和歌山師範・同青年師範を母体として49年設置。2004年法人化。本部は和歌山市。
⇒わかやま【和歌山】
わかやま‐ふみ【若山踏み】
近畿地方で、正月の仕事始めに山に薪の採取に行くことをいう。2日あるいは3日が多い。初山入り。
わかやま‐ぼくすい【若山牧水】
歌人。本名、繁。宮崎県生れ。早大卒。尾上柴舟門下。平易純情な浪漫的作風で、旅と酒の歌が多い。歌誌「創作」を主宰。歌集「海の声」「別離」「路上」など。(1885〜1928)
若山牧水
提供:毎日新聞社
⇒わかやま【若山】
わか‐や・る【若やる】
〔自四〕
若々しく、やわらかである。古事記上「沫雪あわゆきの―・る胸を」
わか‐ゆ【若湯】
正月、その年初めてわかす風呂。初湯。〈[季]新年〉
わか‐ゆ【若鮎】
ワカアユの約。万葉集5「―釣る松浦まつらの川の川波の」
わか・ゆ【若ゆ】
〔自下二〕
若くなる。若がえる。古今和歌集雑「君が八千代を―・えつつみむ」
わか‐ゆえ【若湯坐】‥ユヱ
(「若」は正に対する副の意)古代、高貴な子に湯をつかわせるのに介添かいぞえした女。古事記中「御母みおもを取り、大湯坐―を定めて」
わか‐よ【若代・若世】
(ヨは世帯の意)若主人の代・世帯。また、若主人。色道大鏡「人の子に家督をゆづりて、その親隠居したるあとを―などいふ」
わがよ‐の‐はる【我が世の春】
時流に乗って、何でも思いのままにできる得意の時期。絶頂の時期。「―を謳歌する」
わか‐らか【若らか】
(→)「わかやか」に同じ。大鏡道長「―に愛敬あいぎょうづき」
わからず‐や【分らず屋】
(「没分暁漢」とも当て字)物事の道理のわからない人。また、聞き分けのないこと。夏目漱石、明暗「岡本も余つ程の没分暁漢わからずやね」。「―を言う」
わかり【分り】
わかること。さとること。のみこみ。会得えとく。了解。「―がはやい」
わ‐がり【我許】
自分の居るところ。私のもと。万葉集8「こよひか君が―来まさむ」
わかり‐き・る【分かり切る】
〔自五〕
道理・事情などが十分に明らかになる。すっかり承知する。「駄目なのははじめから―・っている」「―・った事」
わかり‐やす・い【分かり易い】
〔形〕[文]わかりやす・し(ク)
理解するのが簡単である。また、見つけるのがたやすい。「―・い場所にある」
わか・る【分かる・別る・判る・解る】
[一]〔自五〕
①きっぱりと離れる。別々になる。万葉集4「衣手の―・るこよひゆ妹も吾も甚いたく恋ひむな逢ふ由をなみ」。日葡辞書「トウザイニワカル」「エケレジヤノサカラメントスハ、ナナツニワカル」
②事の筋道がはっきりする。了解される。合点がゆく。理解できる。狂言、鍋八撥「これでは理非が―・らぬ」。「よその言葉が―・らない」「文学が―・る」
③明らかになる。判明する。「試験の結果が―・る」「犯人が―・る」
④世情に通じて頑固なことを言わない。「話の―・った人だ」
[二]〔自下二〕
⇒わかれる(下一)
わかれ【別れ・分れ】
①わかれること。はなれること。離別。万葉集15「夢いめのごと道の空路そらじに―する君」
②死にわかれ・生きわかれなど、離れて再び逢えないようになること。源氏物語桐壺「よろしきことにだに、かかる―の悲しからぬはなきわざなるを」
③いとまを告げること。いとまごい。訣別けつべつ。春雨物語「せばき物衣からげまとひて、―を告ぐ」
④わかれ出たもの。えだ。傍系。「藤氏の―」
◇1〜3には「別れ」、4には「分れ」を使うのが普通。
⇒わかれ‐ぎわ【別れ際】
⇒わかれ‐ごと【別れ言】
⇒わかれ‐ざま【別れ方】
⇒わかれ‐じ【別れ路】
⇒わかれ‐しな【別れしな】
⇒わかれ‐じも【別れ霜】
⇒わかれ‐の‐おみき【別れの御酒】
⇒わかれ‐の‐くし【別れの櫛】
⇒わかれ‐の‐そで【別れの袖】
⇒わかれ‐の‐とこ【別れの床】
⇒わかれ‐ばなし【別れ話】
⇒わかれ‐みち【別れ路・別れ道】
⇒わかれ‐め【分れ目】
⇒わかれ‐や【分れ家】
⇒わかれ‐わかれ【別れ別れ】
わかれ‐ぎわ【別れ際】‥ギハ
別れようとする時。別れしな。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐ごと【別れ言】
わかれのことば。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐ざま【別れ方】
人と別れる時。別れ際。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐じ【別れ路】‥ヂ
①人と別れて行く路。わかれのみち。別離の路。古今和歌集旅「―の心細くもおもほゆるかな」
②転じて、人と別れること。わかれ。離別。続千載和歌集恋「―の後をばいかに契るとも」
③死んで後に行くという冥土のみち。栄華物語本雫「―はつひのことぞと思へども後れ先だつほどぞ悲しき」
④本道からわかれ出た道。えだみち。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐しな【別れしな】
(シナは接尾語)別れようとする時。別れぎわ。泉鏡花、古狢「―に、袂たもとから名札を出して、寄越よこさうとして」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐じも【別れ霜】
八十八夜頃の霜。忘れ霜。名残の霜。〈[季]春〉
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐おみき【別れの御酒】
死者との別れに棺の前で酒を飲むこと。出立でたちの盃。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐くし【別れの櫛】
斎宮さいぐうが伊勢神宮へ出発する別れの儀式の時、天皇がみずから斎宮の御髪に挿して与えた黄楊つげの櫛。大鏡三条「斎宮の下らせ給ふわかれの御櫛ささせ給ひては」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐そで【別れの袖】
別れを惜しんで涙を拭う袖。新古今和歌集秋「七夕の―に置ける白露」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐とこ【別れの床】
後朝きぬぎぬに起き別れる時の床。千載和歌集恋「しるらめや落つる涙の露ともに―にきえて恋ふとは」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐ばなし【別れ話】
夫婦や親しく交際した者同士の離別についての話。「―をもちかける」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐みち【別れ路・別れ道】
(→)「わかれじ」に同じ。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐め【分れ目】
物事の分かれるところ。さかいめ。わけめ。「勝負の―」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐や【分れ家】
(→)「ぶんけ」に同じ。わかりや。わけや。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わか・れる【分かれる・別れる】
〔自下一〕[文]わか・る(下二)
①混沌としたものがくっきりと区別できるようになる。はっきりと違うものになる。万葉集3「天地の―・れし時ゆ神さびて高くたふとき駿河なる富士の高嶺を」。「勝負が―・れる」「敵味方に―・れる」「意見が―・れる」「判定が―・れる」
②同じ所にいたものが別々になる。離れる。へだたる。万葉集15「妹とありし時はあれども―・れては衣手寒きものにそありける」。源氏物語須磨「いにし年京を―・れし時」。日葡辞書「ヲヤ・ツマ・コナドニワカルル」。「家族が―・れて住む」
③夫婦が離縁する。「性格の不一致で―・れる」
④分岐する。大鏡道長「皇后宮ひとりのみ筋―・れ給へりといへども」。「道が―・れる」
◇「別れる」は、人がわかれる場合に使う。
わかれ‐わかれ【別れ別れ】
互いにはなればなれになること。べつべつ。「親子が―になる」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかわか‐し・い【若若しい】
〔形〕[文]わかわか・し(シク)
①たいそう若く見える。いかにも若い。元気一杯である。源氏物語葵「かく心よりほかに―・しき物思ひをして」。「―・い声」
②ひどく未熟である。たいそう子供じみている。おとなげない。源氏物語夕顔「あな―・しとうち笑ひ給ひて」
わ‐かん【和姦】
男女の合意の上での姦通。↔強姦
わ‐かん【和漢】
①日本と中国。
②和学と漢学。
③和文と漢文。
④和漢聯句の略。
⇒わかんこんこう‐ぶん【和漢混淆文】
⇒わかん‐しょ【和漢書】
⇒わかん‐しんりょう【和漢診療】
⇒わかん‐やく【和漢薬】
⇒わ‐かん‐よう【和漢洋】
⇒わかん‐れんく【和漢聯句】
わ‐かん【倭館・和館】‥クワン
室町初期、朝鮮王朝が日本人の接待・貿易・居留のために設けた客館。三浦さんぽと漢城(ソウル)とに置かれた。日本と朝鮮との通交貿易はここでもっぱら行われ、江戸時代には対馬藩がその独占権を握った。→三浦の乱
わかんこんこう‐ぶん【和漢混淆文】‥カウ‥
国語文体の一種。和文・漢文系統の文語を混用し、その時代の口語をもまじえた文語体。平安後期におこり、中世以後ひろまった。
⇒わ‐かん【和漢】
わかんさんさいずえ【和漢三才図会】‥ヅヱ
江戸時代の図入り百科事典。寺島良安著。105巻81冊。明の王圻おうきの「三才図会」にならって、和漢古今にわたる事物を天文・人倫・土地・山水・本草など天・人・地の3部に分け、図・漢名・和名などを挙げて漢文で解説。正徳2年(1712)自序、同3年林鳳岡ほか序。和漢三才図会略。
→文献資料[和漢三才図会]
わ‐かんじき【輪樏】
木・竹・蔓などを輪形に曲げてつくったかんじき。〈[季]冬〉
わかん‐しょ【和漢書】
和書と漢籍とを併せていう語。
⇒わ‐かん【和漢】
わかん‐しんりょう【和漢診療】‥レウ
和漢の医方に現代西洋医学の視点を組み合わせた診療。
⇒わ‐かん【和漢】
わかん‐どおり‥ドホリ
(「王家の系統」の意か)皇室の血統。皇族。源氏物語夢浮橋「なま―などいふべき筋にやありけん」
⇒わかんどおり‐ばら【わかんどほり腹】
わかんどおり‐ばら【わかんどほり腹】‥ドホリ‥
皇族の女の腹に生まれたこと。また、その人。源氏物語少女「―にて、あてなる筋は劣るまじけれど」
⇒わかん‐どおり
わ‐かんむり【ワ冠】
漢字の冠かんむりの一種。「冠」「冥」などの冠の「冖」の称。ひらかんむり。べきかんむり。
わかん‐やく【和漢薬】
西洋医方に対し和漢の医方(漢方)で用いられる薬物。また、日本および東アジア地域に産出する生薬。
⇒わ‐かん【和漢】
わ‐かん‐よう【和漢洋】‥ヤウ
日本と中国と西洋。
⇒わ‐かん【和漢】
わかん‐れんく【和漢聯句】
聯句の一体。五・七・五の17音または七・七の14音の和句と五言の漢句とを連句のようにつらねるもの。狭義には、そのうち発句が和句で始まるもの。五山文学とともに盛行。和漢連歌。↔漢和かんな聯句
⇒わ‐かん【和漢】
わかんろうえいしゅう【和漢朗詠集・倭漢朗詠集】‥ラウ‥シフ
詩歌集。藤原公任撰。2巻。1012年(寛弘9)頃の成立。白楽天・菅原文時らの漢詩文の佳句を588首(多くは七言二句)とり、紀貫之・柿本人麻呂らの和歌216首を添える。春・夏・秋・冬・雑に分類し、朗詠の用に供した。佳句麗藻の集として広く愛読された。
→文献資料[和漢朗詠集]
わき【別き・分き】
①わけること。わかち。差別。区別。神代紀上「昼夜の―も無し」
②分別。思慮。大鏡序「我は子うむ―もしらざりしに」
わき【沸き】
沸くこと。にえること。「風呂の―が早い」
わき【涌き・湧き】
①水のわき出ること。
②(→)「競せり」3に同じ。
わき【脇・腋・掖】
①胸の両側面で、腕のつけ根の下のところ。また、衣服でそれに当たる部分。南海寄帰内法伝平安後期点「腰帯の腋ワキを掩おおひ」。「―に挟む」
②(「傍」とも書く)かたわら。そば。また、正面・裏面に対して、その右または左側。「―に控える」「建物の―から入る」「話が―にそれる」
③二のつぎ。のけもの。好色一代女1「位とる事は―になりて、機嫌をとる事になりぬ」
④主役の次に位し、それを助けるもの。わき役。
㋐帯刀たちはきの一つ。
㋑相撲節すまいのせちで、最手ほてに次ぐ地位。現在の関脇にあたる。ほてわき。
㋒(普通「ワキ」と書く)能で、シテの相手となる役。
㋓三味線音楽などでタテ(首席)に次ぐ役。ワキ唄・ワキ三味線・ワキ鼓など。
⑤脇能わきのうの略。
⑥脇句わきくの略。
⑦脇百姓わきびゃくしょうの略。
⇒脇が甘い
⇒脇を掻く
⇒脇を詰める
⇒脇を塞ぐ
わ‐き【和気】
①のどかな気候。あたたかい陽気。
②なごやかな気色。むつまじい気分。「―がただよう」「―藹藹あいあい」
わ‐ぎ【和議】
①和睦の評議。また、なごやかに評議すること。〈伊呂波字類抄〉
②〔法〕債務者に破産原因があるとき、破産的清算を避けるため債務者が和議条件を提案し、債権者が法定多数決でこれを承認し、裁判所が認可することによって成立する一種の和解またはその手続。破産法に定める強制和議と、和議法に定める和議の2種があったが、いずれも廃止された。→強制和議
わき‐あいあい【和気藹藹】
なごやかな気分がみちみちているさま。「―と話し合う」
わき‐あが・る【沸き上がる】
〔自五〕
①液体が盛んに煮えたつ。わきかえる。沸騰ふっとうする。
②はげしく起こる。三蔵法師伝永久点「洪濤こうとう洶湧こうようとワキアガリて」。「歓声が―・る」
わき‐あけ【脇明け・腋明け】
①袖から下の両わきを縫わずに仕立てた、襴らんのない袍ほう。わきあけのころも。闕腋けってき。宇津保物語菊宴「楽所の君たち、―・柳襲など着つつ参る」
②幼児または女性の衣服の袖のわきを縫わないところ。
わき‐あて【脇当】
(→)脇引わきびきに同じ。
わき‐い・ず【涌き出づ・湧き出づ】‥イヅ
〔自下二〕
涌き出る。宇津保物語祭使「―・でたる水を見て」
わき‐いた【脇板】
胴丸・腹巻・腹当・具足などの左右の脇にある板。
わき‐うり【脇売】
中世の座や近世の株仲間の営業区域内で、その承認を得ずに行商すること。また、その人。
わき‐え【脇絵】‥ヱ
三幅対の掛物のうち、両脇にかける絵。太平記37「本尊・―・花瓶・香炉・鑵子・盆に至るまで」
わぎえ【我家】‥ヘ
(ワガイヘの約)自分の家。古事記中「はしけやし―の方よ雲居たち来くも」
わき‐おうかん【脇往還】‥ワウクワン
江戸時代、本街道から分かれ、または本街道と連絡する道路。脇街道。「北国―」
わき‐おこし【脇起し】
連歌・俳諧で、一座していない人の句(古今の名句の場合が多い)を発句として、脇句から付合つけあいをはじめること。わきおこり。
わき‐おこ・る【沸き起こる】
〔自五〕
表面に勢いよく現れ出る。「雲が―・る」「拍手が―・る」
わき‐が【腋臭・狐臭】
わきの下から特有の不快なにおいを発する症状ないし体質。においの原因は、アポクリン腺の分泌物に含まれる脂肪酸の分解による。えきしゅう。わきくそ。わきくさ。伊京集「腋臭、ワキガ」
⇒わかやま【若山】
わか‐や・る【若やる】
〔自四〕
若々しく、やわらかである。古事記上「沫雪あわゆきの―・る胸を」
わか‐ゆ【若湯】
正月、その年初めてわかす風呂。初湯。〈[季]新年〉
わか‐ゆ【若鮎】
ワカアユの約。万葉集5「―釣る松浦まつらの川の川波の」
わか・ゆ【若ゆ】
〔自下二〕
若くなる。若がえる。古今和歌集雑「君が八千代を―・えつつみむ」
わか‐ゆえ【若湯坐】‥ユヱ
(「若」は正に対する副の意)古代、高貴な子に湯をつかわせるのに介添かいぞえした女。古事記中「御母みおもを取り、大湯坐―を定めて」
わか‐よ【若代・若世】
(ヨは世帯の意)若主人の代・世帯。また、若主人。色道大鏡「人の子に家督をゆづりて、その親隠居したるあとを―などいふ」
わがよ‐の‐はる【我が世の春】
時流に乗って、何でも思いのままにできる得意の時期。絶頂の時期。「―を謳歌する」
わか‐らか【若らか】
(→)「わかやか」に同じ。大鏡道長「―に愛敬あいぎょうづき」
わからず‐や【分らず屋】
(「没分暁漢」とも当て字)物事の道理のわからない人。また、聞き分けのないこと。夏目漱石、明暗「岡本も余つ程の没分暁漢わからずやね」。「―を言う」
わかり【分り】
わかること。さとること。のみこみ。会得えとく。了解。「―がはやい」
わ‐がり【我許】
自分の居るところ。私のもと。万葉集8「こよひか君が―来まさむ」
わかり‐き・る【分かり切る】
〔自五〕
道理・事情などが十分に明らかになる。すっかり承知する。「駄目なのははじめから―・っている」「―・った事」
わかり‐やす・い【分かり易い】
〔形〕[文]わかりやす・し(ク)
理解するのが簡単である。また、見つけるのがたやすい。「―・い場所にある」
わか・る【分かる・別る・判る・解る】
[一]〔自五〕
①きっぱりと離れる。別々になる。万葉集4「衣手の―・るこよひゆ妹も吾も甚いたく恋ひむな逢ふ由をなみ」。日葡辞書「トウザイニワカル」「エケレジヤノサカラメントスハ、ナナツニワカル」
②事の筋道がはっきりする。了解される。合点がゆく。理解できる。狂言、鍋八撥「これでは理非が―・らぬ」。「よその言葉が―・らない」「文学が―・る」
③明らかになる。判明する。「試験の結果が―・る」「犯人が―・る」
④世情に通じて頑固なことを言わない。「話の―・った人だ」
[二]〔自下二〕
⇒わかれる(下一)
わかれ【別れ・分れ】
①わかれること。はなれること。離別。万葉集15「夢いめのごと道の空路そらじに―する君」
②死にわかれ・生きわかれなど、離れて再び逢えないようになること。源氏物語桐壺「よろしきことにだに、かかる―の悲しからぬはなきわざなるを」
③いとまを告げること。いとまごい。訣別けつべつ。春雨物語「せばき物衣からげまとひて、―を告ぐ」
④わかれ出たもの。えだ。傍系。「藤氏の―」
◇1〜3には「別れ」、4には「分れ」を使うのが普通。
⇒わかれ‐ぎわ【別れ際】
⇒わかれ‐ごと【別れ言】
⇒わかれ‐ざま【別れ方】
⇒わかれ‐じ【別れ路】
⇒わかれ‐しな【別れしな】
⇒わかれ‐じも【別れ霜】
⇒わかれ‐の‐おみき【別れの御酒】
⇒わかれ‐の‐くし【別れの櫛】
⇒わかれ‐の‐そで【別れの袖】
⇒わかれ‐の‐とこ【別れの床】
⇒わかれ‐ばなし【別れ話】
⇒わかれ‐みち【別れ路・別れ道】
⇒わかれ‐め【分れ目】
⇒わかれ‐や【分れ家】
⇒わかれ‐わかれ【別れ別れ】
わかれ‐ぎわ【別れ際】‥ギハ
別れようとする時。別れしな。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐ごと【別れ言】
わかれのことば。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐ざま【別れ方】
人と別れる時。別れ際。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐じ【別れ路】‥ヂ
①人と別れて行く路。わかれのみち。別離の路。古今和歌集旅「―の心細くもおもほゆるかな」
②転じて、人と別れること。わかれ。離別。続千載和歌集恋「―の後をばいかに契るとも」
③死んで後に行くという冥土のみち。栄華物語本雫「―はつひのことぞと思へども後れ先だつほどぞ悲しき」
④本道からわかれ出た道。えだみち。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐しな【別れしな】
(シナは接尾語)別れようとする時。別れぎわ。泉鏡花、古狢「―に、袂たもとから名札を出して、寄越よこさうとして」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐じも【別れ霜】
八十八夜頃の霜。忘れ霜。名残の霜。〈[季]春〉
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐おみき【別れの御酒】
死者との別れに棺の前で酒を飲むこと。出立でたちの盃。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐くし【別れの櫛】
斎宮さいぐうが伊勢神宮へ出発する別れの儀式の時、天皇がみずから斎宮の御髪に挿して与えた黄楊つげの櫛。大鏡三条「斎宮の下らせ給ふわかれの御櫛ささせ給ひては」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐そで【別れの袖】
別れを惜しんで涙を拭う袖。新古今和歌集秋「七夕の―に置ける白露」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐の‐とこ【別れの床】
後朝きぬぎぬに起き別れる時の床。千載和歌集恋「しるらめや落つる涙の露ともに―にきえて恋ふとは」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐ばなし【別れ話】
夫婦や親しく交際した者同士の離別についての話。「―をもちかける」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐みち【別れ路・別れ道】
(→)「わかれじ」に同じ。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐め【分れ目】
物事の分かれるところ。さかいめ。わけめ。「勝負の―」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかれ‐や【分れ家】
(→)「ぶんけ」に同じ。わかりや。わけや。
⇒わかれ【別れ・分れ】
わか・れる【分かれる・別れる】
〔自下一〕[文]わか・る(下二)
①混沌としたものがくっきりと区別できるようになる。はっきりと違うものになる。万葉集3「天地の―・れし時ゆ神さびて高くたふとき駿河なる富士の高嶺を」。「勝負が―・れる」「敵味方に―・れる」「意見が―・れる」「判定が―・れる」
②同じ所にいたものが別々になる。離れる。へだたる。万葉集15「妹とありし時はあれども―・れては衣手寒きものにそありける」。源氏物語須磨「いにし年京を―・れし時」。日葡辞書「ヲヤ・ツマ・コナドニワカルル」。「家族が―・れて住む」
③夫婦が離縁する。「性格の不一致で―・れる」
④分岐する。大鏡道長「皇后宮ひとりのみ筋―・れ給へりといへども」。「道が―・れる」
◇「別れる」は、人がわかれる場合に使う。
わかれ‐わかれ【別れ別れ】
互いにはなればなれになること。べつべつ。「親子が―になる」
⇒わかれ【別れ・分れ】
わかわか‐し・い【若若しい】
〔形〕[文]わかわか・し(シク)
①たいそう若く見える。いかにも若い。元気一杯である。源氏物語葵「かく心よりほかに―・しき物思ひをして」。「―・い声」
②ひどく未熟である。たいそう子供じみている。おとなげない。源氏物語夕顔「あな―・しとうち笑ひ給ひて」
わ‐かん【和姦】
男女の合意の上での姦通。↔強姦
わ‐かん【和漢】
①日本と中国。
②和学と漢学。
③和文と漢文。
④和漢聯句の略。
⇒わかんこんこう‐ぶん【和漢混淆文】
⇒わかん‐しょ【和漢書】
⇒わかん‐しんりょう【和漢診療】
⇒わかん‐やく【和漢薬】
⇒わ‐かん‐よう【和漢洋】
⇒わかん‐れんく【和漢聯句】
わ‐かん【倭館・和館】‥クワン
室町初期、朝鮮王朝が日本人の接待・貿易・居留のために設けた客館。三浦さんぽと漢城(ソウル)とに置かれた。日本と朝鮮との通交貿易はここでもっぱら行われ、江戸時代には対馬藩がその独占権を握った。→三浦の乱
わかんこんこう‐ぶん【和漢混淆文】‥カウ‥
国語文体の一種。和文・漢文系統の文語を混用し、その時代の口語をもまじえた文語体。平安後期におこり、中世以後ひろまった。
⇒わ‐かん【和漢】
わかんさんさいずえ【和漢三才図会】‥ヅヱ
江戸時代の図入り百科事典。寺島良安著。105巻81冊。明の王圻おうきの「三才図会」にならって、和漢古今にわたる事物を天文・人倫・土地・山水・本草など天・人・地の3部に分け、図・漢名・和名などを挙げて漢文で解説。正徳2年(1712)自序、同3年林鳳岡ほか序。和漢三才図会略。
→文献資料[和漢三才図会]
わ‐かんじき【輪樏】
木・竹・蔓などを輪形に曲げてつくったかんじき。〈[季]冬〉
わかん‐しょ【和漢書】
和書と漢籍とを併せていう語。
⇒わ‐かん【和漢】
わかん‐しんりょう【和漢診療】‥レウ
和漢の医方に現代西洋医学の視点を組み合わせた診療。
⇒わ‐かん【和漢】
わかん‐どおり‥ドホリ
(「王家の系統」の意か)皇室の血統。皇族。源氏物語夢浮橋「なま―などいふべき筋にやありけん」
⇒わかんどおり‐ばら【わかんどほり腹】
わかんどおり‐ばら【わかんどほり腹】‥ドホリ‥
皇族の女の腹に生まれたこと。また、その人。源氏物語少女「―にて、あてなる筋は劣るまじけれど」
⇒わかん‐どおり
わ‐かんむり【ワ冠】
漢字の冠かんむりの一種。「冠」「冥」などの冠の「冖」の称。ひらかんむり。べきかんむり。
わかん‐やく【和漢薬】
西洋医方に対し和漢の医方(漢方)で用いられる薬物。また、日本および東アジア地域に産出する生薬。
⇒わ‐かん【和漢】
わ‐かん‐よう【和漢洋】‥ヤウ
日本と中国と西洋。
⇒わ‐かん【和漢】
わかん‐れんく【和漢聯句】
聯句の一体。五・七・五の17音または七・七の14音の和句と五言の漢句とを連句のようにつらねるもの。狭義には、そのうち発句が和句で始まるもの。五山文学とともに盛行。和漢連歌。↔漢和かんな聯句
⇒わ‐かん【和漢】
わかんろうえいしゅう【和漢朗詠集・倭漢朗詠集】‥ラウ‥シフ
詩歌集。藤原公任撰。2巻。1012年(寛弘9)頃の成立。白楽天・菅原文時らの漢詩文の佳句を588首(多くは七言二句)とり、紀貫之・柿本人麻呂らの和歌216首を添える。春・夏・秋・冬・雑に分類し、朗詠の用に供した。佳句麗藻の集として広く愛読された。
→文献資料[和漢朗詠集]
わき【別き・分き】
①わけること。わかち。差別。区別。神代紀上「昼夜の―も無し」
②分別。思慮。大鏡序「我は子うむ―もしらざりしに」
わき【沸き】
沸くこと。にえること。「風呂の―が早い」
わき【涌き・湧き】
①水のわき出ること。
②(→)「競せり」3に同じ。
わき【脇・腋・掖】
①胸の両側面で、腕のつけ根の下のところ。また、衣服でそれに当たる部分。南海寄帰内法伝平安後期点「腰帯の腋ワキを掩おおひ」。「―に挟む」
②(「傍」とも書く)かたわら。そば。また、正面・裏面に対して、その右または左側。「―に控える」「建物の―から入る」「話が―にそれる」
③二のつぎ。のけもの。好色一代女1「位とる事は―になりて、機嫌をとる事になりぬ」
④主役の次に位し、それを助けるもの。わき役。
㋐帯刀たちはきの一つ。
㋑相撲節すまいのせちで、最手ほてに次ぐ地位。現在の関脇にあたる。ほてわき。
㋒(普通「ワキ」と書く)能で、シテの相手となる役。
㋓三味線音楽などでタテ(首席)に次ぐ役。ワキ唄・ワキ三味線・ワキ鼓など。
⑤脇能わきのうの略。
⑥脇句わきくの略。
⑦脇百姓わきびゃくしょうの略。
⇒脇が甘い
⇒脇を掻く
⇒脇を詰める
⇒脇を塞ぐ
わ‐き【和気】
①のどかな気候。あたたかい陽気。
②なごやかな気色。むつまじい気分。「―がただよう」「―藹藹あいあい」
わ‐ぎ【和議】
①和睦の評議。また、なごやかに評議すること。〈伊呂波字類抄〉
②〔法〕債務者に破産原因があるとき、破産的清算を避けるため債務者が和議条件を提案し、債権者が法定多数決でこれを承認し、裁判所が認可することによって成立する一種の和解またはその手続。破産法に定める強制和議と、和議法に定める和議の2種があったが、いずれも廃止された。→強制和議
わき‐あいあい【和気藹藹】
なごやかな気分がみちみちているさま。「―と話し合う」
わき‐あが・る【沸き上がる】
〔自五〕
①液体が盛んに煮えたつ。わきかえる。沸騰ふっとうする。
②はげしく起こる。三蔵法師伝永久点「洪濤こうとう洶湧こうようとワキアガリて」。「歓声が―・る」
わき‐あけ【脇明け・腋明け】
①袖から下の両わきを縫わずに仕立てた、襴らんのない袍ほう。わきあけのころも。闕腋けってき。宇津保物語菊宴「楽所の君たち、―・柳襲など着つつ参る」
②幼児または女性の衣服の袖のわきを縫わないところ。
わき‐あて【脇当】
(→)脇引わきびきに同じ。
わき‐い・ず【涌き出づ・湧き出づ】‥イヅ
〔自下二〕
涌き出る。宇津保物語祭使「―・でたる水を見て」
わき‐いた【脇板】
胴丸・腹巻・腹当・具足などの左右の脇にある板。
わき‐うり【脇売】
中世の座や近世の株仲間の営業区域内で、その承認を得ずに行商すること。また、その人。
わき‐え【脇絵】‥ヱ
三幅対の掛物のうち、両脇にかける絵。太平記37「本尊・―・花瓶・香炉・鑵子・盆に至るまで」
わぎえ【我家】‥ヘ
(ワガイヘの約)自分の家。古事記中「はしけやし―の方よ雲居たち来くも」
わき‐おうかん【脇往還】‥ワウクワン
江戸時代、本街道から分かれ、または本街道と連絡する道路。脇街道。「北国―」
わき‐おこし【脇起し】
連歌・俳諧で、一座していない人の句(古今の名句の場合が多い)を発句として、脇句から付合つけあいをはじめること。わきおこり。
わき‐おこ・る【沸き起こる】
〔自五〕
表面に勢いよく現れ出る。「雲が―・る」「拍手が―・る」
わき‐が【腋臭・狐臭】
わきの下から特有の不快なにおいを発する症状ないし体質。においの原因は、アポクリン腺の分泌物に含まれる脂肪酸の分解による。えきしゅう。わきくそ。わきくさ。伊京集「腋臭、ワキガ」
広辞苑に「我が物と思えば軽し笠の雪」で始まるの検索結果 1-1。