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あゆ・く【揺く】🔗⭐🔉
あゆ・く【揺く】
〔自四〕
ゆらゆら動く。あよく。拾遺和歌集物名「星の―・くと見えつるは蛍の空にとぶにぞありける」
あよ・く【揺く】🔗⭐🔉
あよ・く【揺く】
〔自四〕
ゆれる。動く。あゆく。万葉集20「妹が心は―・くなめかも」
いす・る【揺る・強請る】🔗⭐🔉
いす・る【揺る・強請る】
〔他四〕
ユスルの訛。
いり‐ご【揺子】🔗⭐🔉
いり‐ご【揺子】
砕米くだけまいの更に細かいもの。糯米もちごめをまぜて餅や団子を作る。
いろ‐ぬか【揺糠】🔗⭐🔉
いろ‐ぬか【揺糠】
(イロはユリの転)玄米精白の際に生じる砕米くだけまい。揺子ゆりご。いりご。えりご。
たゆた【揺】🔗⭐🔉
たゆた【揺】
気持が揺れて定まらないさま。万葉集7「吾が心ゆたに―に」
ゆさ‐ぶり【揺さ振り】🔗⭐🔉
ゆさ‐ぶり【揺さ振り】
①ゆさぶること。相手を動揺させること。「―をかける」
②ぶらんこのこと。〈色葉字類抄〉
ゆさ‐ぶ・る【揺さ振る】🔗⭐🔉
ゆさ‐ぶ・る【揺さ振る】
〔他五〕
①ゆさゆさと振り動かす。ゆすぶる。「体を―・る」
②動揺させたり混乱を引き起こしたりする。「資金面から―・る」「政局を―・る事件」
ゆさ‐ぶ・れる【揺さ振れる】🔗⭐🔉
ゆさ‐ぶ・れる【揺さ振れる】
〔自下一〕
ゆれ動く。ゆすぶれる。
ゆ・す【揺す】🔗⭐🔉
ゆ・す【揺す】
〔他サ変〕
琴を弾く時、余音を波打たせるため左の手で弦を押し揺する。源氏物語紅葉賀「琴…さしやりて―・し給ふ御手つき」
ゆす‐ぶ・る【揺す振る】🔗⭐🔉
ゆす‐ぶ・る【揺す振る】
〔他五〕
(→)「ゆさぶる」に同じ。
ゆす‐ぶ・れる【揺す振れる】🔗⭐🔉
ゆす‐ぶ・れる【揺す振れる】
〔自下一〕
(→)「ゆさぶれる」に同じ。
ゆす‐ゆす【揺す揺す】🔗⭐🔉
ゆす‐ゆす【揺す揺す】
ゆれ動くさま。ゆさゆさ。古今著聞集9「死にたる牛―とはたらきて」
ゆすり【揺すり】🔗⭐🔉
ゆすり【揺すり】
①ゆすること。ゆり動かすこと。
②(「強請」とも当てる)おどして金品をまき上げること。また、そういう人。浮世草子、好色盛衰記「今時花はやる―といふ仕かけなるに」
③美しく着飾ること。見栄を張ること。
⇒ゆすり‐か【揺り蚊】
⇒ゆすり‐がな【揺り仮名】
⇒ゆすり‐じ【揺り字】
⇒ゆすり‐ば【強請場】
ゆすり‐あ・う【揺り合ふ】‥アフ🔗⭐🔉
ゆすり‐あ・う【揺り合ふ】‥アフ
〔自四〕
大騒ぎしあう。栄華物語楚王夢「僧達皆あたりあたりに加持すれば、例の―・ひたるさまもどよみにたり」
ゆすり‐あ・げる【揺り上げる】🔗⭐🔉
ゆすり‐あ・げる【揺り上げる】
〔他下一〕[文]ゆすりあ・ぐ(下二)
ゆすって上げる。ゆり上げる。
ゆすり‐おこ・す【揺り起こす】🔗⭐🔉
ゆすり‐おこ・す【揺り起こす】
〔他五〕
寝ている人をゆすって目をさまさせる。ゆり起こす。
ゆすり‐か【揺り蚊】🔗⭐🔉
ゆすり‐か【揺り蚊】
ハエ目ユスリカ科の昆虫の総称。蚊に似るが小さく、より軟弱で、静止の時前肢を挙げる。吸血せず、夕刻群れをなして飛ぶ。幼虫は「あかむし」「あかぼうふら」で、釣の餌とする。
⇒ゆすり【揺すり】
ゆすり‐か・ける【揺り掛ける】🔗⭐🔉
ゆすり‐か・ける【揺り掛ける】
〔他下一〕
おどしかける。強請ゆすりをしかける。西鶴織留6「内方様へ知れませぬうちに御分別と旦那へ―・けて」
ゆすり‐がな【揺り仮名】🔗⭐🔉
ゆすり‐がな【揺り仮名】
仮名の踊り字。
⇒ゆすり【揺すり】
ゆすり‐じ【揺り字】🔗⭐🔉
ゆすり‐み・つ【揺り満つ】🔗⭐🔉
ゆすり‐み・つ【揺り満つ】
〔自四〕
全体がざわめきわたる。源氏物語若菜上「ここらの男女、上下―・ちて泣きどよむに」
ゆすり‐よ・る【揺り寄る】🔗⭐🔉
ゆすり‐よ・る【揺り寄る】
〔自四〕
身をゆすりながら他を押し分けて寄り集まる。
ゆす・る【揺する】🔗⭐🔉
ゆす・る【揺する】
[一]〔他五〕
①ゆり動かす。万葉集7「大海の磯もと―・り立つ波の」。「木を―・る」「体を―・る」
②(遊里語)言いがかりをつけたり、おどしたりして相手の心を知ろうとする。色道大鏡「―・る。心正しき人をおどしかけつ口説くぜつしかけつ心をみるかたちなり」
③(「強請る」とも当てる)おどしたり、言いがかりをつけたりして無理に金品を出させる。「有名人を―・る」
④美しく着飾る。見栄をはる。しゃれる。
[二]〔自四〕
①ゆれ動く。ゆらぐ。宇津保物語吹上下「賜はりて何心なく掻き鳴らすに、天地―・りて響く」
②人々が大騒ぎをする。源氏物語須磨「世―・り惜しみ聞え、したには公をそしり恨み奉れど」
ゆす・れる【揺すれる】🔗⭐🔉
ゆす・れる【揺すれる】
〔自下一〕
ゆれ動く。ゆらぐ。
ゆた‐ゆた【揺揺】🔗⭐🔉
ゆた‐ゆた【揺揺】
物がゆるやかに揺れ動くさま。ゆさゆさ。ゆらゆら。色道大鏡「弦つるを引張らず―とゆるやかにのべて」
ゆぶ‐めか・す【揺めかす】🔗⭐🔉
ゆぶ‐めか・す【揺めかす】
〔他四〕
凝固した牛乳などのような、柔らかい物を振り動かす。だぶつかせる。〈日葡辞書〉
ゆぶ‐め・く【揺めく】🔗⭐🔉
ゆぶ‐め・く【揺めく】
〔自四〕
柔らかい物がゆれ動く。だぶつく。〈日葡辞書〉
ゆぶ・る【揺る】🔗⭐🔉
ゆぶ・る【揺る】
〔他四〕
ゆり動かす。ゆする。ゆさぶる。日葡辞書「ユブリヲトス」「ヒトヲユブリヲコス」
ゆら・う【揺らふ】ユラフ🔗⭐🔉
ゆら・う【揺らふ】ユラフ
〔自他下二〕
1カ所にとまっている。とどまって休む。躊躇ちゅうちょする。ひかえる。また、控えとどめる。休める。支え保つ。平家物語4「後陣はいまだ興福寺の南大門にぞ―・へたり」。源平盛衰記4「暫く神輿を―・へたり」
ゆらか・す【揺らかす】🔗⭐🔉
ゆらか・す【揺らかす】
〔他四〕
玉などを触れ合わせて音を立てさせる。古事記上「み頸珠の玉の緒もゆらに取り―・して」→ゆらぐ1
ゆらぎ【揺らぎ】🔗⭐🔉
ゆらぎ【揺らぎ】
①ゆらぐこと。ゆれ。「心の―」
②〔数〕(fluctuation)統計平均からのずれ。巨視的には一定であっても、微視的には平均値前後でたえず変動している現象。
ゆら・ぐ【揺らぐ】🔗⭐🔉
ゆら・ぐ【揺らぐ】
〔自五〕
(上代は清音)
①玉などが触れあって音を立てる。万葉集20「手に取るからに―・く玉の緒」
②ゆれる。ゆれ動く。「水面に月影が―・ぐ」
③物事の基盤がぐらつく。「保守党の地盤が―・ぐ」「信念が―・ぐ」
ゆら・す【揺らす】🔗⭐🔉
ゆら・す【揺らす】
〔他五〕
ゆり動かす。ゆさぶる。ゆる。永久百首「白浪に―・されてくるより竹の一よもねねば恋しかりけり」
ゆら‐つ・く【揺らつく】🔗⭐🔉
ゆら‐つ・く【揺らつく】
〔自五〕
ゆらゆらとする。ゆれ動く。ふらつく。
ゆら‐めか・す【揺らめかす】🔗⭐🔉
ゆら‐めか・す【揺らめかす】
〔他五〕
(「めかす」は接尾語)ゆらめくようにする。ゆるがす。狂言、枕物狂「ただ一ゆらめかし―・いて遣はされければ」
ゆら‐め・く【揺らめく】🔗⭐🔉
ゆら‐め・く【揺らめく】
〔自五〕
(「めく」は接尾語)
①ゆらゆら動いて音をたてる。
②ゆらゆらと動く。ゆらぐ。落窪物語1「―・きいくうしろで、いといみじくをかしげなり」。「風に―・く焔」
ゆら・ゆ【揺らゆ】🔗⭐🔉
ゆら・ゆ【揺らゆ】
〔自下二〕
1カ所にとどまる。躊躇ちゅうちょする。ひるむ。平治物語「甲の鉢をちやうど突く。突かれて―・ゆる間に」
ゆり【揺り】🔗⭐🔉
ゆり【揺り】
①ゆれること。ゆすぶること。ゆれ。
②巫女みこが死霊の口寄せをする時の具。
③日本音楽で、一つの音を延ばして細かく上げ下げする技法、また、その音。声楽にも器楽にも用いる。略して「ゆ」ともいう。
⇒揺りに上ぐ
ゆり‐あ・げる【揺り上げる】🔗⭐🔉
ゆり‐あ・げる【揺り上げる】
〔他下一〕[文]ゆりあ・ぐ(下二)
ゆり動かして上げる。ゆすって上げる。尾崎紅葉、不言不語「肚の底より―・げて笑はせたまへば」
ゆり‐あまり【揺り余り】🔗⭐🔉
ゆり‐あまり【揺り余り】
余震。ゆりかえし。好色二代男「さる時鹿島の―、この里まで地震きびしく」
ゆり‐あわ・す【揺り合す】‥アハス🔗⭐🔉
ゆり‐あわ・す【揺り合す】‥アハス
〔他下二〕
①二つのものを合わせてゆり動かす。
②揺り動かして、すきまのないようにする。太平記32「七人の者共鎧の射向いむけの袖―・せ」
ゆり‐いす【揺り椅子】🔗⭐🔉
ゆり‐いす【揺り椅子】
座って前後にゆり動かせるよう、脚に弓形の板を張った椅子。ロッキング‐チェア。
ゆり‐うごか・す【揺り動かす】🔗⭐🔉
ゆり‐うごか・す【揺り動かす】
〔他五〕
ゆすって動かす。動揺させる。また、感動させる。「大地を―・す」「心を―・す話」
ゆり‐うご・く【揺り動く】🔗⭐🔉
ゆり‐うご・く【揺り動く】
〔自五〕
ゆれて動く。動揺する。
ゆり‐おこ・す【揺り起こす】🔗⭐🔉
ゆり‐おこ・す【揺り起こす】
〔他五〕
①ゆすって起き立たせる。
②ゆり動かして眠りから覚めさせる。
ゆり‐かえし【揺り返し】‥カヘシ🔗⭐🔉
ゆり‐かえし【揺り返し】‥カヘシ
①ゆり返すこと。
②余震。
ゆり‐かえ・す【揺り返す】‥カヘス🔗⭐🔉
ゆり‐かえ・す【揺り返す】‥カヘス
〔自五〕
ゆれた反動でさらに揺れる。
ゆり‐か・く【揺り掛く】🔗⭐🔉
ゆり‐か・く【揺り掛く】
〔他下二〕
ゆらゆらとさせる。ゆり動かす。御伽草子、鉢かづき「翡翠のかんざし―・けて」
ゆりかけ‐がみ【揺り掛け髪】🔗⭐🔉
ゆりかけ‐がみ【揺り掛け髪】
ゆらゆらとうち掛けられてある頭髪。「十七八の姫小松―の門立ち」(狂言歌謡)
ゆり‐かご【揺り籠・揺籃】🔗⭐🔉
ゆり‐かご【揺り籠・揺籃】
赤ん坊を入れ、ゆり動かすかご。ようらん。
⇒揺り籠から墓場まで
○揺り籠から墓場までゆりかごからはかばまで
(from the cradle to the grave)社会保障制度の充実を形容する言葉で、第二次大戦後イギリス労働党の掲げたスローガン。
⇒ゆり‐かご【揺り籠・揺籃】
○揺り籠から墓場までゆりかごからはかばまで🔗⭐🔉
○揺り籠から墓場までゆりかごからはかばまで
(from the cradle to the grave)社会保障制度の充実を形容する言葉で、第二次大戦後イギリス労働党の掲げたスローガン。
⇒ゆり‐かご【揺り籠・揺籃】
ゆり‐がね【淘金】
土砂にまじっている砂金を淘ゆり分けること。また、そのゆりわけた砂金。
ゆり‐かもめ【百合鴎】
カモメの一種。小形で、体は白色。冬羽は頭部白く、後頸・耳羽は褐色、雨覆いは銀灰色。夏羽では頭部が黒褐色となる。嘴くちばし・脚は暗赤色。ユーラシア大陸北部で繁殖し、秋、日本に渡来。和歌に詠まれた隅田川の「都鳥」はこの鳥という。〈[季]冬〉
ゆりかもめ(冬羽)
ユリカモメ(冬羽)
提供:OPO
→鳴声
提供:NHKサービスセンター
ゆり‐きみまさ【由利公正】
財政家・政治家。前名、三岡みつおか八郎。福井藩士。藩主松平慶永をたすけて藩政を刷新。明治維新の際、参与となり財政をつかさどる。五カ条の誓文の起草に参画。のち民撰議院設立建白に連署。子爵。(1829〜1909)
→資料:『養老律令』
→資料:『五カ条の誓文』[五箇条の誓文]
⇒ゆり【由利】
ゆり‐ご【揺子】
屑米。粗悪な米。えりご。いりご。ゆるご。
ゆり‐さ・げる【揺り下げる】
〔他下一〕[文]ゆりさ・ぐ(下二)
①ゆらりと下げる。ゆらゆらと垂れ下げる。
②ゆすって下げる。
ユリシーズ【Ulysses】
①オデュッセウスのラテン名ウリッセースの英語読み。
②ジョイスの長編小説。1922年刊。ダブリンを舞台に、新聞広告勧誘員ブルーム夫妻と一青年詩人の1日の生活を、意識の流れの手法で描く。
ゆり‐す・う【揺り据う】
〔他下二〕
(ワ行。室町末期、ヤ行にも活用)ゆり動かして下に据える。ゆり動かして落ち着かせる。また、波が静まって船を安定させる。平家物語11「船は揺り上げ―・ゑ漂へば」。幸若舞曲、笈さがし「風も波も静まり船は小浪に―・ゆる」
ゆり‐た【ゆり田】
(→)「じるた(湿田)」に同じ。
ゆ‐りつ【輸率】
〔理〕電流が数種の異なる荷電粒子によって輸送される場合、それぞれ一種の荷電粒子によって運ばれる電流の、全電流に対する比率。


ゆり‐ご【揺子】🔗⭐🔉
ゆり‐ご【揺子】
屑米。粗悪な米。えりご。いりご。ゆるご。
ゆり‐さ・げる【揺り下げる】🔗⭐🔉
ゆり‐さ・げる【揺り下げる】
〔他下一〕[文]ゆりさ・ぐ(下二)
①ゆらりと下げる。ゆらゆらと垂れ下げる。
②ゆすって下げる。
ゆり‐す・う【揺り据う】🔗⭐🔉
ゆり‐す・う【揺り据う】
〔他下二〕
(ワ行。室町末期、ヤ行にも活用)ゆり動かして下に据える。ゆり動かして落ち着かせる。また、波が静まって船を安定させる。平家物語11「船は揺り上げ―・ゑ漂へば」。幸若舞曲、笈さがし「風も波も静まり船は小浪に―・ゆる」
○揺りに上ぐゆりにあぐ🔗⭐🔉
○揺りに上ぐゆりにあぐ
胴上げにする。狂言、狐塚「お前と私としてきやつを揺に上げて、それで腹をいませう」
⇒ゆり【揺り】
ゆり‐ね【百合根】
ユリの鱗茎。オニユリ・ヤマユリ・コオニユリのものは食用とし、蒸し物の具、煮物、菓子などに用いる。
ゆり‐の‐き【百合樹】
モクレン科の落葉高木。北アメリカ原産。葉は平滑で、浅く掌状に4裂。5〜6月頃、直径6センチメートルくらいの帯黄緑色のチューリップに似た花を開く。生長が速く、街路樹・庭木として栽培。材は器具・建築に用いる。葉の形が半纏はんてんに似るのでハンテンボクともいう。
ゆりほんじょう【由利本荘】‥ジヤウ
秋田県南西部の市。市域の中央を子吉川が貫流して日本海にそそぐ。海岸平野地帯では稲作が盛ん。人口9万。
ゆり‐もどし【揺り戻し】
①一度ゆれたものが、もとに戻ること。
②(→)余震に同じ。
③相撲で、(→)「よびもどし」のこと。
ゆ‐りょう【湯量】‥リヤウ
温泉などの、湧き出る湯の量。
ゆ‐りょう【油糧】‥リヤウ
油脂・油脂原料・油かすなどの称。
ゆり‐わ【揺輪】
①頭に物をのせて荷う時、台として頭にいただく輪。
②米と籾もみとを揺り分けるのに用いる浅い桶。箕み。
ゆりわかだいじん【百合若大臣】
幸若舞こうわかまい。剛勇の百合若大臣は蒙古むくり軍を攻め降した帰途、無人の玄海島に置き去られるが、国より鷹の使を得、帰国して悪臣を滅ぼす。のち説経節にも取り入れられ、また近松門左衛門の「百合若大臣野守鏡」などに翻案。
ゆり‐わ・ける【淘り分ける・揺り分ける】
〔他下一〕[文]ゆりわ・く(下二)
①水中でゆり動かして不用の部分を流し去り、必要の部分を残す。
②入用と不用とを選び分ける。淘汰する。
ゆり‐わさび【百合山葵】
アブラナ科の多年草。山地に稀に自生。高さ約10センチメートル。葉は長柄、円形。4月頃、白色の四弁花を総状につける。ワサビと同属で同様の辛味があり、葉柄の基部を香辛料とする。
ゆりん【楡林】
(Yulin)中国陝西省北部の都市。古くから北辺防衛の拠点、また蒙・漢両民族の交易地。エネルギー・重化学工業基地の一つ。人口45万1千(2000)。
ゆる【緩】
ゆるやかなさま。ゆったりしているさま。源氏物語若菜上「琴の緒もいと―に張りて」
ゆる【百合】
(上代東国方言)ゆり。万葉集20「筑波嶺つくはねのさ―の花の夜床ゆとこにも」
ゆ・る【許る・聴る】
〔自上二〕
①許される。放免される。宇治拾遺物語11「法師も―・りにけり」
②免許をうける。認められる。沙石集5「論談決択けつじゃくの道―・りたりけるが」
③心の隔てがなくなる。うちとける。男色大鑑「今は心も―・りて」
ゆ・る【揺る】
[一]〔自五〕
①震い動く。ゆるぐ。ゆれる。動揺する。住吉物語「土打ち―・りたりける」。日葡辞書「ヂガユル」「ナエガユル」
②ためらう。躊躇ちゅうちょする。清少納言集「いらへばそれやなどいひ―・りてとみにもいはねば」
[二]〔他五〕
①振り動かす。ゆすぶる。平家物語2「汐の満ちけるが、そこはかとなき藻くづ共の―・られよりける中に」。山家集「波に宿る月を汀に―・りよせてかがみにかくる住吉の岸」。「風が木の枝を―・る」「馬車に―・られる」
②(「淘る」と書く)水中で、または箕みなどでゆり動かして選び取る。淘汰とうたする。夫木和歌抄14「川波の黄金を―・ると見えつるは岸なる菊の洗ふなりけり」。「米の砂を―・る」
[三]〔自下二〕
⇒ゆれる(下一)
ゆる・い【緩い】
〔形〕[文]ゆる・し(ク)
①ゆるやかで、たるみや隙間がある。締める力が十分でない。栄華物語楚王夢「御髪のいとこちたう多かるをいと―・う結はせ給ひて」。発心集「心―・くして懈怠ならん人」。「靴が―・くてすぐ脱げる」
②勢いが弱い。枕草子197「三月ばかりの夕暮に―・く吹きたるあま風」
③急速でない。ゆっくりしている。のろい。徒然草「速にすべき事を―・くし、―・くすべき事をいそぎて、過にしことのくやしきなり」。「―・い球を投げる」
④寛大である。きびしくない。徒然草「―・くして軟らかなる時は一毛も損ぜず」。「取締りが―・い」
⑤(「―・くないの」の形で、北海道・東北地方で)楽でない。容易ではない。
⑥濃さの度合が小さい。水分を含んで軟らかい。「―・い糊」「便が―・い」
⑦勾配・傾斜・曲線などがなだらかである。「―・い上り坂」「―・いカーブ」
ゆる‐か【緩か】
ゆるやか。ゆるいさま。夫木和歌抄1「真木の戸を明くれば春やいそぐらん袂にさえし風―なり」
ゆる‐かし・い【緩かしい】
〔形〕[文]ゆるか・し(シク)
おだやかである。のんびりしている。浄瑠璃、義経千本桜「かく―・しきお暮しなら」
ゆるがし‐いだ・す【揺がし出す】
〔他四〕
①ゆり動かして外へ出す。
②体をゆすって声などを出す。骨折って歌など詠み出す。枕草子99「女房にも歌詠ませ給ふ。みなけしきばみ―・すに」
ゆるが・す【揺るがす】
〔他五〕
ゆり動かす。ゆすぶる。大きな動揺を与える。枕草子29「待つ人などのある夜、雨のおと、風の吹き―・すも、ふとおどろかる」。「世の中を―・す大事件」
ゆるがせ【忽】
(イルカセの転。室町時代まで清音)心をゆるめるさま。おろそかにするさま。いいかげんなこと。なおざり。疎略。源平盛衰記1「もし静海があたりに意趣あらば、―に云ふ者あるべし」。日葡辞書「ユルカセ」。「一字一句も―にしない」
ゆるぎ
いろりの縁。炉のへり。
ゆるぎ【揺るぎ】
ゆるぐこと。動揺。落窪物語2「打ちたたき、押し引けど、内外につめてければ―だにせず」
⇒ゆるぎ‐の‐いた【揺の板】
⇒ゆるぎ‐の‐いと【揺の糸】
ゆるぎ‐あ・う【揺ぎ合ふ】‥アフ
〔自四〕
互いにゆれ動く。身をゆすりあう。発心集「諸共に―・ひて」
ゆるぎ‐あり・く【揺ぎ歩く】
〔自四〕
身体をゆり動かしながら歩く。枕草子9「いみじう―・きつるものを」
ゆるぎ‐い・ず【揺ぎ出づ】‥イヅ
〔自下二〕
①重々しく身体をゆすって歩く。〈日葡辞書〉
②ふるえながら出て来る。宇治拾遺物語1「この翁、恐ろしと思ひながら―・でたれば」
ゆるぎ‐た・つ【揺ぎ立つ】
〔自四〕
①ゆれ動きながら立つ。平家物語(延慶本)「力なげによろよろとして砂に只一所に―・ちたる者あり」
②ゆれ始める。宇治拾遺物語2「空もつつやみになりて、あさましくおそろしげにてこの山―・ちにけり」
ゆるぎ・でる【揺るぎ出る】
〔自下一〕
身体をゆすって出る。
ゆるぎ‐な・い【揺るぎ無い】
〔形〕[文]ゆるぎな・し(ク)
ゆるぐことがない。動揺がない。しっかりしている。閑居友「はや―・く思ひかためてし事なれば」。「―・い態度」
ゆるぎ‐の‐いた【揺の板】
当世具足とうせいぐそくの胴正面にある草摺くさずりの称。まえいた。
⇒ゆるぎ【揺るぎ】
ゆるぎ‐の‐いと【揺の糸】
当世具足の胴につづける草摺の縅おどしの毛引けびきが、特に長く仕立ててあるもの。
⇒ゆるぎ【揺るぎ】
ゆる・く【緩く】
〔自下二〕
ゆるくなる。とける。くつろぐ。類聚名義抄「釈、ユルケタリ」
ゆる・ぐ【揺るぐ】
〔自五〕
①ゆれうごく。ゆらぐ。動揺する。源氏物語関屋「女車多く所狭せう―・ぎ来るに」
②心が動く。気がかわる。源氏物語玉鬘「一筋にまつはれて、今めきたる言の葉に―・ぎ給はぬこそ」。「―・がぬ信念を持つ」
③威張って身体をゆさぶる。大鏡道長「公事より外のこと他分には申させ給はで、―・ぎたる所のおはしまさざりしなり」
ゆる‐け・し【緩けし】
〔形ク〕
(「けし」は接尾語)ゆるい。堀河百首春「朝まだき―・き風のけしきにて」
ゆる‐ご【揺粉】
(飛騨で)屑米。ゆりご。
ゆるさ‐れ【許され】
ゆるされること。免許。赦免。源氏物語明石「まだよに―もなくては」
⇒ゆるされ‐がお【許され顔】
ゆるされ‐がお【許され顔】‥ガホ
許されたような顔つき。また、そのような様子。蜻蛉日記下「庭の草、氷に―なり」
⇒ゆるさ‐れ【許され】
ゆるし【許し・聴し・赦し】
①ゆるすこと。許可。聴許。認可。「父の―を得る」
②罪やあやまちをゆるすこと。赦免。
③茶道・生花・琴曲などの芸道で、師匠から弟子に与える免許。「奥―」
⇒ゆるし‐いろ【許し色・聴し色】
⇒ゆるし‐じょう【赦し状】
⇒ゆるし‐しろ【許し代】
⇒ゆるし‐ないりょく【許し内力】
⇒ゆるし‐の‐いろ【許しの色】
⇒ゆるし‐の‐ひせき【赦しの秘跡】
⇒ゆるし‐ぶみ【赦し文】
⇒ゆるし‐もの【許し物】
ゆる・し【緩し】
〔形ク〕
⇒ゆるい
ゆるし‐いろ【許し色・聴し色】
中古、誰でも着用のできた衣服の色。紅色・紫色の淡いものなどの称。ゆるしのいろ。源氏物語末摘花「―のわりなううはじろみたる」↔禁色きんじき。
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐じょう【赦し状】‥ジヤウ
(→)「ゆるしぶみ」に同じ。狂言、八尾「是は八尾の地蔵よりの―でござる」
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐しろ【許し代】
〔機〕(→)公差4に同じ。
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐ないりょく【許し内力】
〔機〕(→)許容応力に同じ。
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐の‐いろ【許しの色】
(→)「ゆるしいろ」に同じ。
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐の‐ひせき【赦しの秘跡】
カトリック教会で、人が罪を認め、ことばとしるしで表すことによって神のゆるしを得る秘跡。→告解こっかい。
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐ぶみ【赦し文】
罪を許す旨を記した文。赦免状。赦し状。平家物語3「鬼界島の流人共めしかへさるべき事さだめられて、入道相国―下されけり」
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆるし‐もの【許し物】
①罪を許すこと。赦免。古今著聞集2「古きためしのありけるとかやとて、―なん侍りけり」
②芸道で、免許状を得て初めて演ずることを承認される種目。習い物。
⇒ゆるし【許し・聴し・赦し】
ゆる・す【許す・赦す・聴す】
〔他五〕
(ユル(緩)シと同源。固く締められているものをゆるくする意)
①引き締めた力をゆるめる。ゆるやかにする。万葉集11「梓弓引きて―・さずあらませばかかる恋にはあはざらましを」
②気持の張りをゆるめる。警戒心をゆるめる。万葉集4「まそ鏡磨ぎし心を―・してば後に言ふとも験あらめやも」。「心を―・す」「見知らぬ人に気を―・すな」
③差支えないとみとめる。禁を解く。相手の自由にさせる。万葉集8「つかさにも―・し給へり今宵のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ」。伊勢物語「昔おほやけ思して使う給ふ女の、色―・されたるありけり」。宇津保物語藤原君「かくばかりふみ見まほしき山路には―・さぬ関もあらじとぞ思ふ」。「肌を―・す」「盗塁を―・す」「医者から外出が―・される」
④ある物・事に価するものと認める。公に認める。源氏物語東屋「心ばせしめやかに才ありといふ方は人に―・されたれど」。玉塵抄16「天帝の吾を―・して百獣の長となされたぞ」。「自他共に―・す」「横綱を―・す」
⑤願いをきき入れ、してよいとする。承諾する。許可する。推古紀「将軍等いくさのきみたち共に議りて表ふみをたてまつる。天皇すめらみこと―・したまふ」。源氏物語桐壺「まかでなむとし給ふを、暇さらに―・させ給はず」。「入学を―・す」
⑥罪・咎とがを免じる。赦免する。孝徳紀「諸国の流人及び獄の中の囚、一に皆放捨ゆるせ」。源氏物語明石「罪に落ちて宮こを去りし人を三年をだに過さず―・されん事は」。狂言、針立雷「雷殿の療治は終に致しませぬ。御―・されませ」。「―・されて刑務所を出る」
⑦負担や義務を免除する。仁徳紀「課役並に免ゆるされて既に三年に経なりぬ」。「税を―・す」
⑧(しっかりと捕らえたものを)のがす。そらす。逸する。万葉集17「朝猟にいほつ鳥たて暮猟に千鳥踏みたて追ふごとに―・すことなく」。大鏡師輔「宮にかくなむ思ふとあながちに責め申させ給へば、三度知らず顔にて―・し申させ給へり」
⑨ある物事が可能な状況にある。「事情の―・すかぎり参加します」
ユルスナール【Marguerite Yourcenar】
フランスの小説家。アカデミー‐フランセーズ最初の女性会員。作「ハドリアヌス帝の回想」「黒の過程」など。(1903〜1987)
ゆるび【緩び】
(古くは清音)ゆるむこと。ゆるんだもの。ゆるみ。蜻蛉日記中「心―なく」
ゆる・ぶ【緩ぶ・弛ぶ】
(古くユルフと清音)
[一]〔自四〕
①しまりがゆるくなる。ゆるむ。たるむ。万葉集13「みづ垣の久しき時ゆ恋すれば吾が帯―・ふ朝夕あさよい毎に」。源氏物語初音「―・べる緒整へさせ給ひなどす」
②氷などが溶ける。枕草子90「うは氷あはにむすべる紐なればかざす日かげに―・ぶばかりを」
③おおらかで寛大な心になる。ゆとりができる。源氏物語蛍「おぼし沈みつる年頃の名残なき御有様にて心―・び給ふ事多かるに」
④気分にゆるみができる。油断する。万葉集17「心には―・ふことなく須加の山すかなくのみや恋ひ渡りなむ」。源氏物語末摘花「心やすき独寝の床にて―・びにけり」
⑤(寒さなどの)きびしさがやわらぐ。枕草子1「昼になりてぬるく―・びもて行けば」
[二]〔他下二〕
①しまりをゆるくする。たるむようにする。万葉集12「梓弓引きみ―・へみ念ひみて既に心は寄りにしものを」
②きびしさを緩和する。おだやかにする。寛大にする。源氏物語葵「少し―・べ給へや。大将に聞ゆべき事あり」。源氏物語帚木「あまりむげにうち―・べ見放ちたるも心やすくらうたきやうなれど、おのづからかろき方にぞ覚え侍るかし」
ゆる‐ふん【緩褌】
(「ふん」は「ふんどし」の略)
①ふんどしの締め方がゆるいこと。また、締めたふんどしがゆるむこと。
②転じて、気がゆるんでいること。
ゆるま・る【緩まる・弛まる】
〔自五〕
①ゆるくなる。ゆるむ。沼田根元記「笠の緒―・り候」
②やわらぐ。なごむ。寛大になる。日葡辞書「ココロノユルマル」。詞葉新雅「気が―・る。息延ぶ」。「制限が―・る」
ゆるみ【緩み・弛み】
ゆるむこと。ゆるんだ度合。ゆるび。「気の―」
ゆる・む【緩む・弛む】
[一]〔自五〕
(「ゆるぶ」(四)の転)
①しまる力が弱くなる。しまりがゆるくなる。たるむ。日葡辞書「ユルム。即ち、ユルマル」。「―・んだ紐を締め直す」
②緊張がとける。油断する。「気が―・む」
③きびしさが緩和する。寛大になる。「警戒が―・む」「寒さが―・む」
④固まったものが水分を含んだりして軟らかくなる。「地盤が―・む」「便が―・む」
[二]〔他下二〕
⇒ゆるめる(下一)
ゆる・める【緩める・弛める】
〔他下一〕[文]ゆる・む(下二)
(「ゆるぶ」(下二)の転)
①しめつける力を弱くする。ゆるくする。たるませる。狂言、瓜盗人「身どもが綱を引いて、又―・めたによつて、この杖で打つたものであらう」。「手綱を―・める」
②緊張をとく。心をゆったりさせる。日葡辞書「ココロヲユルムル」。「気を―・める」
③きびしさを緩和する。寛大にする。和英語林集成初版「ツミヲユルメル」。「取締りを―・める」
④速度・勢い・固さなどの度合を弱くする。「スピードを―・める」「固い糊を水で―・める」
ゆる‐やか【緩やか】
①ゆるいさま。ゆとりのあるさま。「―な袖付け」
②傾斜が急でないさま。なだらか。「―なのぼり坂」
③動きなどがゆっくりしているさま。「―な社会の変化」
④きびしくないさま。寛大なさま。「規律が―だ」
ゆる‐ゆる【揺揺】
揺れ動くさま。ゆらゆら。発心集「此の家―とゆるぎて、つひに柱の根抜けぬ」
ゆる‐ゆる【緩る緩る】
①いそがないさま。徐々。枕草子32「網代ははしらせたる。…―と久しくゆくはいとわろし」。「列が―と進む」
②くつろいださま。のびのび。らくらく。源氏物語行幸「桜の下襲したがさねいと長う尻引きて―と殊更びたる御もてなし」。日葡辞書「ユルユルトゴザレ」
③柔らかになるさま。ゆるくなるさま。沙石集8「かの堅かりける物―となりて、あとかたなくとけて失せにけり」。「ズボンが―になる」
④穏やかなさま。ゆったり。日葡辞書「ココロノユルユルトシタヒトヂャ」
ゆる‐らか【緩らか】
①ゆるいさま。ゆとりのあるさま。ゆるやか。ゆるるか。源氏物語若紫「髪―にいと長く」
②ゆっくりしたさま。源氏物語賢木「―にうち誦したるを」
ゆるり【地炉】
(→)「いろり」に同じ。〈天正十八年刊本節用集〉
ゆるり‐と【緩りと】
〔副〕
①いそがずに。ゆるゆる。ゆっくり。狂言、萩大名「とてものことに―居て見よう、床机をくれい」
②くつろいで。おちついて。日葡辞書「ユルリトゴザレ」。「ご―お過ごし下さい」
ゆる‐るか【緩るか】
(→)「ゆるらか」に同じ。
ゆれ【揺れ】
揺れること。不安定なこと。また、その程度。ゆり。「船体の―」「ことばの―」
ゆれ‐うご・く【揺れ動く】
〔自五〕
一つに定まらず、行きつ戻りつする。「気持ちが―・く」
ユレダス【UrEDAS】
(Urgent Earthquake Detection and Alarm System)早期地震検知警報システム。検知した地震の初動を解析し、被害が予想される地域に警報を出して被害を最小限に抑える。新幹線などで実用化。
ゆれ‐も【揺藻】
藍藻らんそうの一種。円盤状の細胞が糸状で一列の群体をなす。藍緑色で溝・沼・田・温泉などに生え、左右に揺れ動く。アイミドロ。
ゆれも
ゆ・れる【揺れる】
〔自下一〕[文]ゆ・る(下二)
①(ある点を中心に)前後・左右・上下などに動く。ふれ動く。動揺する。「大地が―・れる」「船が―・れる」
②不安定な状態になる。「心が―・れる」「採点基準が―・れる」
ゆわ・う【結はふ】ユハフ
[一]〔他四〕
(ユフに接尾語フが付いた語)むすぶ。ゆう。しばる。ゆわえる。白氏文集天永点「面しりえでに縛ユハハれて」
[二]〔他下二〕
⇒ゆわえる(下一)
ゆわえ‐つ・ける【結わえ付ける】ユハヘ‥
〔他下一〕[文]ゆはへつ・く(下二)
むすびつける。ゆわいつける。
ゆわ・える【結わえる】ユハヘル
〔他下一〕[文]ゆは・ふ(下二)
(ひもなどを)むすぶ。しばる。ゆう。〈書言字考節用集〉
ゆ‐わかし【湯沸し】
湯を沸かすのに用いる容器。また、湯を沸かすための装置。
ゆわ・く【結わく】ユハク
〔他五〕
ゆわえる。

ゆり‐もどし【揺り戻し】🔗⭐🔉
ゆり‐もどし【揺り戻し】
①一度ゆれたものが、もとに戻ること。
②(→)余震に同じ。
③相撲で、(→)「よびもどし」のこと。
ゆり‐わ・ける【淘り分ける・揺り分ける】🔗⭐🔉
ゆり‐わ・ける【淘り分ける・揺り分ける】
〔他下一〕[文]ゆりわ・く(下二)
①水中でゆり動かして不用の部分を流し去り、必要の部分を残す。
②入用と不用とを選び分ける。淘汰する。
ゆ・る【揺る】🔗⭐🔉
ゆ・る【揺る】
[一]〔自五〕
①震い動く。ゆるぐ。ゆれる。動揺する。住吉物語「土打ち―・りたりける」。日葡辞書「ヂガユル」「ナエガユル」
②ためらう。躊躇ちゅうちょする。清少納言集「いらへばそれやなどいひ―・りてとみにもいはねば」
[二]〔他五〕
①振り動かす。ゆすぶる。平家物語2「汐の満ちけるが、そこはかとなき藻くづ共の―・られよりける中に」。山家集「波に宿る月を汀に―・りよせてかがみにかくる住吉の岸」。「風が木の枝を―・る」「馬車に―・られる」
②(「淘る」と書く)水中で、または箕みなどでゆり動かして選び取る。淘汰とうたする。夫木和歌抄14「川波の黄金を―・ると見えつるは岸なる菊の洗ふなりけり」。「米の砂を―・る」
[三]〔自下二〕
⇒ゆれる(下一)
ゆるがし‐いだ・す【揺がし出す】🔗⭐🔉
ゆるがし‐いだ・す【揺がし出す】
〔他四〕
①ゆり動かして外へ出す。
②体をゆすって声などを出す。骨折って歌など詠み出す。枕草子99「女房にも歌詠ませ給ふ。みなけしきばみ―・すに」
ゆるが・す【揺るがす】🔗⭐🔉
ゆるが・す【揺るがす】
〔他五〕
ゆり動かす。ゆすぶる。大きな動揺を与える。枕草子29「待つ人などのある夜、雨のおと、風の吹き―・すも、ふとおどろかる」。「世の中を―・す大事件」
ゆるぎ【揺るぎ】🔗⭐🔉
ゆるぎ【揺るぎ】
ゆるぐこと。動揺。落窪物語2「打ちたたき、押し引けど、内外につめてければ―だにせず」
⇒ゆるぎ‐の‐いた【揺の板】
⇒ゆるぎ‐の‐いと【揺の糸】
ゆるぎ‐あ・う【揺ぎ合ふ】‥アフ🔗⭐🔉
ゆるぎ‐あ・う【揺ぎ合ふ】‥アフ
〔自四〕
互いにゆれ動く。身をゆすりあう。発心集「諸共に―・ひて」
ゆるぎ‐あり・く【揺ぎ歩く】🔗⭐🔉
ゆるぎ‐あり・く【揺ぎ歩く】
〔自四〕
身体をゆり動かしながら歩く。枕草子9「いみじう―・きつるものを」
ゆるぎ‐い・ず【揺ぎ出づ】‥イヅ🔗⭐🔉
ゆるぎ‐い・ず【揺ぎ出づ】‥イヅ
〔自下二〕
①重々しく身体をゆすって歩く。〈日葡辞書〉
②ふるえながら出て来る。宇治拾遺物語1「この翁、恐ろしと思ひながら―・でたれば」
ゆるぎ‐た・つ【揺ぎ立つ】🔗⭐🔉
ゆるぎ‐た・つ【揺ぎ立つ】
〔自四〕
①ゆれ動きながら立つ。平家物語(延慶本)「力なげによろよろとして砂に只一所に―・ちたる者あり」
②ゆれ始める。宇治拾遺物語2「空もつつやみになりて、あさましくおそろしげにてこの山―・ちにけり」
ゆるぎ・でる【揺るぎ出る】🔗⭐🔉
ゆるぎ・でる【揺るぎ出る】
〔自下一〕
身体をゆすって出る。
ゆるぎ‐な・い【揺るぎ無い】🔗⭐🔉
ゆるぎ‐な・い【揺るぎ無い】
〔形〕[文]ゆるぎな・し(ク)
ゆるぐことがない。動揺がない。しっかりしている。閑居友「はや―・く思ひかためてし事なれば」。「―・い態度」
ゆるぎ‐の‐いた【揺の板】🔗⭐🔉
ゆるぎ‐の‐いた【揺の板】
当世具足とうせいぐそくの胴正面にある草摺くさずりの称。まえいた。
⇒ゆるぎ【揺るぎ】
ゆるぎ‐の‐いと【揺の糸】🔗⭐🔉
ゆるぎ‐の‐いと【揺の糸】
当世具足の胴につづける草摺の縅おどしの毛引けびきが、特に長く仕立ててあるもの。
⇒ゆるぎ【揺るぎ】
ゆる・ぐ【揺るぐ】🔗⭐🔉
ゆる・ぐ【揺るぐ】
〔自五〕
①ゆれうごく。ゆらぐ。動揺する。源氏物語関屋「女車多く所狭せう―・ぎ来るに」
②心が動く。気がかわる。源氏物語玉鬘「一筋にまつはれて、今めきたる言の葉に―・ぎ給はぬこそ」。「―・がぬ信念を持つ」
③威張って身体をゆさぶる。大鏡道長「公事より外のこと他分には申させ給はで、―・ぎたる所のおはしまさざりしなり」
ゆる‐ゆる【揺揺】🔗⭐🔉
ゆる‐ゆる【揺揺】
揺れ動くさま。ゆらゆら。発心集「此の家―とゆるぎて、つひに柱の根抜けぬ」
ゆれ【揺れ】🔗⭐🔉
ゆれ【揺れ】
揺れること。不安定なこと。また、その程度。ゆり。「船体の―」「ことばの―」
ゆれ‐うご・く【揺れ動く】🔗⭐🔉
ゆれ‐うご・く【揺れ動く】
〔自五〕
一つに定まらず、行きつ戻りつする。「気持ちが―・く」
ゆ・れる【揺れる】🔗⭐🔉
ゆ・れる【揺れる】
〔自下一〕[文]ゆ・る(下二)
①(ある点を中心に)前後・左右・上下などに動く。ふれ動く。動揺する。「大地が―・れる」「船が―・れる」
②不安定な状態になる。「心が―・れる」「採点基準が―・れる」
よう‐えい【揺曳】エウ‥🔗⭐🔉
よう‐えい【揺曳】エウ‥
ゆらゆらとなびくこと。また、あとあとまで長く、その気分や痕跡などが残ること。
よう‐こう【揺光】エウクワウ🔗⭐🔉
よう‐こう【揺光】エウクワウ
〔天〕北斗七星の柄杓ひしゃく形の柄の先端にある星。破軍星。アルカイド。ベネトナシュ。
よう‐よう【揺揺】エウエウ🔗⭐🔉
よう‐よう【揺揺】エウエウ
①ゆらゆらと動くさま。太平記37「翠花―として東に帰れば」
②心配でおちつかないさま。
よ・る【揺る】🔗⭐🔉
よ・る【揺る】
〔自四〕
ゆれる。武烈紀「下とよみ地ないが―・り来ば」
[漢]揺🔗⭐🔉
揺 字形
筆順
〔手(扌)部9画/12画/常用/4541・4D49〕
[搖] 字形
〔手(扌)部10画/13画/5774・596A〕
〔音〕ヨウ〈エウ〉(呉)(漢)
〔訓〕ゆれる・ゆる・ゆらぐ・ゆるぐ・ゆする・ゆさぶる・ゆすぶる
[意味]
手でゆりうごかす。うごく。ゆれる。「揺籃ようらん・動揺・揺曳ようえい」
[解字]
形声。「手」+音符「
」(=ゆらゆらと動く)。手で上下または左右にゆり動かす意。
[難読]
揺蕩うたゆたう




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