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しょう‐き【沼気】セウ‥🔗🔉

しょう‐き沼気セウ‥ 沼沢から発生するガス。主成分はメタン。

しょう‐こ【沼湖】セウ‥🔗🔉

しょう‐こ沼湖セウ‥ ぬまとみずうみ。湖沼。

しょう‐たく【沼沢】セウ‥🔗🔉

しょう‐たく沼沢セウ‥ ぬまとさわ。 ⇒しょうたく‐しょくぶつ【沼沢植物】

しょうたく‐しょくぶつ【沼沢植物】セウ‥🔗🔉

しょうたく‐しょくぶつ沼沢植物セウ‥ 水辺の湿地または浅水中に生える植物。狭義には淡水性の抽水植物をいう。多くは多年生で、アシ・スゲ・オモダカ・ハンノキの類。池沼植物。 ⇒しょう‐たく【沼沢】

しょう‐ち【沼地】セウ‥🔗🔉

しょう‐ち沼地セウ‥ 沼の多い土地。ぬまち。

しょう‐ち【沼池】セウ‥🔗🔉

しょう‐ち沼池セウ‥ ぬまといけ。

しょう‐てっこう【沼鉄鉱】セウ‥クワウ🔗🔉

しょう‐てっこう沼鉄鉱セウ‥クワウ 沼沢地、冷泉・鉱泉などに堆積して生ずる多孔性土質の鉄鉱。針鉄鉱・菱鉄鉱などからなる。熊本県阿蘇谷などに産する。

ぬ【沼】🔗🔉

(→)「ぬま」に同じ。他の語に付いて複合語を作る。万葉集2「埴安はにやすの池の堤のこもり―の」

ぬなかわ‐ひめ【沼名河比売】‥カハ‥🔗🔉

ぬなかわ‐ひめ沼名河比売‥カハ‥ 古事記で、高志国こしのくに(新潟県)に住み八千矛神やちほこのかみに求婚された神。→かんがたり

ぬ‐なわ【沼縄・蓴】‥ナハ🔗🔉

ぬ‐なわ沼縄・蓴‥ナハ 〔植〕ジュンサイの別名。〈[季]夏〉。万葉集7「あが心ゆたにたゆたにうき―」 ⇒ぬなわ‐くり【蓴繰】 ⇒沼縄生う ○沼縄生うぬなわおう 春になってヌナワの根茎から新しい芽が生える。〈[季]春〉 ⇒ぬ‐なわ【沼縄・蓴】

○沼縄生うぬなわおう🔗🔉

○沼縄生うぬなわおう 春になってヌナワの根茎から新しい芽が生える。〈[季]春〉 ⇒ぬ‐なわ【沼縄・蓴】 ぬなわ‐くり蓴繰‥ナハ‥ (→)「ぬなわ」に同じ。古事記「―延へけく知らに」 ⇒ぬ‐なわ【沼縄・蓴】 ぬの】 ①麻・葛かずらなどの植物繊維で織った織物。古くは絹に対していい、近世以後、もめんも含む。万葉集10「たなばたの五百機いおはた立てて織る―の」。源氏物語若菜上「―四千反、…絹四百疋」 ②織物の総称。布地ぬのじ。 ③名詞に冠して、平ら・水平・横・平行などの意を表す語。「―敷」「―竹」「―羽目はめぬの‐いし布石】 布敷ぬのじきにした敷石。布敷石。 ぬの‐かたぎぬ布肩衣】 布で作った肩衣。下層階級の人が着たもの。万葉集5「―ありのことごと着そへども寒き夜すらを」 ぬの‐かわ布皮‥カハ 流れ矢を防ぐために、弓の的まとの後ろに立てる布の幕。 ぬの‐きぬ布衣】 (ヌノギヌとも)布製の衣服。万葉集5「荒たへの―をだに着せがてに」→ぬの(布)1 ぬの‐きれ布切れ】 (ヌノギレとも)布のきれはし。 ぬの‐ぐつ布靴】 布で作った靴。 ぬの‐こ布子】 木綿の綿入れ。古くは麻布の袷あわせまたは綿入れをいう。〈[季]冬〉 ⇒ぬのこ‐おもて【布子表】 ぬのこ‐おもて布子表】 布子の表ぎれ。狂言、法師物狂「―帷子かたびらを誰が織つてくれうぞ」 ⇒ぬの‐こ【布子】 ぬの‐ごし布漉し】 布でこすこと。また、こしたもの。 ぬの‐ざらし布晒し】 ①布をさらすこと。 ②両手に長い布を持って洗いさらす有様を表した舞踊・音楽の総称。さらし。長唄「越後獅子」、清元「六玉川」など。 ぬの‐じ布地‥ヂ 織物の地合。また、織物。きれじ。 ぬの‐じき布敷】 石敷の一種。石や瓦などの目地を建物と平行に並べた敷き方。→四半敷しはんじき⇒ぬのじき‐いし【布敷石】 ぬのじき‐いし布敷石】 布敷にした石。布石。 ⇒ぬの‐じき【布敷】 ぬの‐しとみ布蔀】 布で張った蔀。 ぬの‐じゃく布尺】 布地をはかるのに用いるものさし。くじらじゃく。 ぬの‐じゃしん布写真】 織物の上に焼きつけた写真。 ぬの‐しょうじ布障子‥シヤウ‥ ⇒ぬのそうじ ぬの‐そうじ布障子‥サウ‥ 白い布で張った襖ふすま障子。多く、墨絵を描く。枕草子177「―はらせて住まひたる」 ぬの‐だけ布竹】 竹矢来たけやらいなどに用いる横竹。 ぬの‐ばた布機】 布を織るはた。 ぬの‐はめ布羽目】 横に板を張った羽目。 ぬの‐びき布引】 ①布を晒さらすためにひっぱること。 ②平安時代、朝廷で臨時の相撲すまいの後、または相撲の節会せちえの還饗かえりあるじの時などに、左右の力士に布を引かせて力を競わせた競技。宇津保物語俊蔭「相撲出でて…―などするに」 ③多くの人が引き続いて絶え間のないこと。また、そのさま。太平記23「参詣の貴賤―なりけるが」 ⇒ぬのびき‐だいこん【布引大根】 ぬのびき‐だいこん布引大根】 大根を縦に細くきざんで乾したもの。切干し大根。 ⇒ぬの‐びき【布引】 ぬのびき‐の‐たき布引の滝】 神戸市中央区、布引山中の生田いくた川にある滝。上流に雄滝、下流に雌滝がある。なお、新潟県その他各地に同名の滝がある。 ぬの‐ひたたれ布直垂】 布製の直垂で、大紋だいもんと素襖すおうを指す。大紋は地下じげの諸大夫が用い、素襖は平士・陪臣が用いる。 ぬの‐びょうぶ布屏風‥ビヤウ‥ 布を張って絵などを描いた屏風。絹屏風に対して、田舎向きとされた。枕草子149「―のあたらしき」 ぬの‐ぼり布掘り】 壁・土台などのために、みぞ状に根切ねぎりをすること。→壺掘り→総掘り ぬの‐まき布巻】 ①(→)千巻ちまきに同じ。 ②仕上がった織物を木製の棒または鉄板に巻きつけること。しわを防ぎ、経糸たていとと緯糸よこいとのゆがみを正すためにする。 ぬの‐まるた布丸太】 足代あししろまたは仮板囲いなどの柱などを連結するために、横に取り付けた丸太。 ぬの‐め布目】 ①織目の文あや。 ②布の織目のような模様。 ③瓦や陶器などをつくる場合、ぬれた布で押さえるときにその布の織目がついたもの。また、漆器の下地に張った布の織目が表面にあらわれたもの。 ④布目紙の略。〈日葡辞書〉 ⇒ぬのめ‐がみ【布目紙】 ⇒ぬのめ‐がわら【布目瓦】 ⇒ぬのめ‐ぞうがん【布目象眼】 ⇒ぬのめ‐ぬり【布目塗】 ぬのめ‐がみ布目紙】 布目があらわれている紙。羅文紙らもんし⇒ぬの‐め【布目】 ぬのめ‐がわら布目瓦‥ガハラ 瓦をつくるとき、瓦をはずしやすいように型の上に用いた布の目が残ったもの。鎌倉時代以前の瓦に多い。 ⇒ぬの‐め【布目】 ぬのめ‐ぞうがん布目象眼‥ザウ‥ 象眼すべき部分に布目を彫りつけ、その上に薄い金属をかぶせ、打って布目にくい込ませ、地板と離れないようにする技法。 ⇒ぬの‐め【布目】 ぬのめ‐ぬり布目塗】 素地に布・紗を張り、その上に漆をかけて布目の模様をあらわした漆塗り。 ⇒ぬの‐め【布目】 ぬ‐ばかま奴袴】 指貫さしぬきの異称。指貫に用いた「袴奴」の字を顛倒し、誤読したもの。倭名類聚鈔12「奴袴、左師奴枳乃波賀万」 ぬば‐たま射干玉】 ヒオウギの種子。円くて黒い。うばたま。むばたま。 ⇒ぬばたま‐どり【射干玉鳥】 ⇒ぬばたま‐の【射干玉の】 ぬばたま‐どり射干玉鳥】 ホトトギスの異称。 ⇒ぬば‐たま【射干玉】 ぬばたま‐の射干玉の】 〔枕〕 「黒」「夜」「夕」「月」「暗き」「今宵」「夢」「寝」「妹」などにかかる。烏羽玉うばたまの。むばたまの。 ⇒ぬば‐たま【射干玉】 ヌバックnubuck】 牛や羊の表皮をけばだたせ、なめらかな手触りとしたなめし革。 ぬはり‐ぐさ ツクバネソウの異称。〈本草和名〉 ぬ‐ひ奴婢】 (ヌビとも) ①律令制の賤民。奴は男、婢は女で、官奴婢と私奴婢とがあり、五賤の最下位。やつこ。続日本紀1「公私の―民間に亡匿にげかくれ」 ②召使の男女。下男と下女。方丈記「わが身を―とするにはしかず」。「哲学は神学の―」 ③中国で漢代以来、奴隷を指す法律上の名称。賤民の最下位。 ぬ‐び野火】 「のび」の江戸時代の誤読。→ぬ(野)2 ヌビアNubia】 エジプト南部からスーダン北部の地域。紀元前8世紀を中心に繁栄した古代文化地帯。 ぬ‐びる野蒜】 「のびる」の江戸時代の誤読。→ぬ(野)2 ぬ‐べ野辺】 「のべ」の江戸時代の誤読。→ぬ(野)2 ぬ‐べし 完了の助動詞「ぬ」に推量の助動詞「べし」の付いた形。 ①強い確信をもって事態の実現を予測する。きっと…にちがいない。源氏物語桐壺「世のためしにもなりぬべき御もてなし」 ②そうなるのが適当あるいは可能と判断する。…するのがよい。…することができる。徒然草「今の世の人の詠みぬべきことがら」 ぬ‐ぼく奴僕】 やっこ。しもべ。下男。 ぬ‐ほこ瓊矛】 玉で飾った矛。神代紀「天の―」 ぬま】 湖の小さくて浅いもの。ふつう、水深5メートル以下で、泥土が多く、フサモ・クロモなどの沈水植物が繁茂する。ぬ。万葉集14「―二つ通かよは鳥が巣」 ぬま(→)「ぬみ」1に同じ。景行紀「その拠る所並びに―の地なり」 ぬま沼間】 姓氏の一つ。 ⇒ぬま‐もりかず【沼間守一】 ぬま‐え沼江】 泥ぶかい入江。 ぬま‐えび沼蝦】 ヌマエビ科のエビ。淡色で半透明、体長約3センチメートル。額角上縁の歯数は16〜30で、頭胸甲上には2〜3歯ある。湖沼・川にすみ、本州中部以南、南西諸島に多い。釣りの餌に用いる。 ぬま‐がい沼貝‥ガヒ ドブガイの別称。 ぬま‐がえる沼蛙‥ガヘル カエルの一種。体長4〜5センチメートル。背面は暗褐色で、黒色の斑紋が多く、腹面は白色。本州・四国・九州から東南アジアに分布。ヌマアカガエル。 ぬま‐かぜ沼風】 沼の上を吹く風。 ぬま‐がや沼茅・沼萱】 イネ科の多年草。山地の水湿地に自生し、高さ1メートルくらい。8月頃茎の上部に淡緑色の小穂を疎生。スゴリ。ススキヨシ。 ぬま‐かわ沼川‥カハ 泥ぶかい川。 ぬま‐しか沼鹿】 ①シカの一種。体長1.8メートルほど。角は大きく、複雑に枝分れする。南米最大の鹿で、ブラジル・パラグアイ・アルゼンチンなどの沼地に生息。アメリカヌマシカ。 ②シカの一種。大形で、角は大きく90センチメートルに達する。インドに分布。バラシンガシカ。インドヌマシカ。 ぬま‐すぎ沼杉】 スギ科の落葉針葉樹。アメリカ南東部産で高さ50メートルに達する。原産地では湿地に生え、周囲の地表に地下から気根を出す。葉は淡緑色線形で羽状につく。材は軽く、鉄道の枕木・桶・屋根板などとするため輸入された。公園などに植える。落羽松らくうしょうぬま‐た沼田】 泥ぶかい田。 ぬまた沼田】 群馬県北東部の市。もと土岐氏3万5000石の城下町。市場町として発達。利根川上流の主要商業都市。人口5万3千。 ぬまたろう沼太郎‥ラウ 〔動〕 ①スッポンの異称。 ②ヒシクイの異称。 ぬま‐ち沼地】 どろ深く、じめじめした土地・地域。 ぬまづ沼津】 ①静岡県東部、駿河湾頭の商工業都市。もと水野氏5万石の城下町。東海道の宿駅。狩野川の河口に位置し、海浜は千本松原の景勝地。人口20万8千。 ②浄瑠璃「伊賀越道中双六」6段目の通称。 →文献資料[伊賀越道中双六(沼津の段)] ⇒ぬまづ‐がき【沼津垣】 ぬまづ‐がき沼津垣】 細い割竹で作った網代あじろ垣。 ⇒ぬまづ【沼津】 ぬま‐とらのお沼虎の尾‥ヲ サクラソウ科の多年草。高さ50センチメートル余。湿地に群落を作る。夏、茎頭に5弁の小白花を多数総状に配列。花序は直立。ぬまはぎ。 ぬまとらのお ぬま‐はぎ沼萩】 〔植〕ヌマトラノオの別称。 ぬま‐もりかず沼間守一】 ジャーナリスト・政治家。江戸生れの幕臣。戊辰戦争で新政府軍と戦う。一時、新政府に仕えたが辞任。のち、嚶鳴社おうめいしゃに拠って民権を鼓吹。改進党の領袖。東京横浜毎日新聞を経営。(1843〜1890) ⇒ぬま【沼間】 ぬま‐よもぎ沼蓬】 ヤマヨモギの異称。 ぬみ】 ①要害。神武紀「賊虜あたの拠る所は皆是―の地なり」 ②たいせつなこと。枢要な点。天武紀「政の―は軍事なり」 ぬみ‐くすね枸杞】 クコの古名。〈本草和名〉 ぬみ‐ぐすり ①シャクヤクの古名。〈本草和名〉 ②クコの古名。〈倭名類聚鈔20ヌミディアNumidia】 アルジェリア北東部にあった古代王国の名。のちローマ帝国の属領となる。 ぬめ】 繻子織しゅすおりの絹布の一種。地薄く表面滑らかで、光沢に富む。天和(1681〜1684)年間、京都の西陣で明みん国製にならって初めて製出、のちに桐生でも製織。→絖本こうほん ぬめ】 ①銭貨の裏面の文字のない方。なめ。(物類称呼) ②敷居または鴨居の溝のないもの。無目むめぬめ‐かわ滑革・‥カハ 牛皮をタンニンで柔らかにした、弾力のある革。種々の革細工に用いる。 ぬめ‐く・る 〔自四〕 なめらかですべる。ぬるぬるとすべる。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「丸太舟を漕ぎ出すごとく―・つて歩み寄り」 ぬめ‐ごま滑胡麻】 〔植〕アマの異称。 ぬめ‐ぬめ滑滑】 なめらかなさま。ぬるぬるしているさま。 ぬめ‐らか滑らか】 なめらか。すべすべ。 ぬめ‐らか・す滑らかす】 〔他四〕 なめらかにする。すべらせる。〈日葡辞書〉 ぬめり滑り】 ①ぬめること。 ②ぬらぬらする液。粘液。 ③泥にまみれること。 ④平々凡々で見所のない句。また、田舎言葉をいう。 ⑤「ぬめりうた」の略。 ⑥のらりくらりと遊蕩すること。うかれ歩くこと。 ⇒ぬめり‐いぐち【滑猪口】 ⇒ぬめり‐うた【滑り唄】 ⇒ぬめり‐おとこ【滑り男】 ⇒ぬめり‐ごち【滑鯒】 ⇒ぬめり‐すじ【滑り筋】 ⇒ぬめり‐づま【滑り妻】 ⇒ぬめり‐どうちゅう【滑り道中】 ⇒ぬめり‐ふう【滑り風】 ⇒ぬめり‐ぶし【滑り節】 ⇒ぬめり‐もの【滑り者】 ぬめり‐あり・く滑り歩く】 〔自四〕 遊びあるく。遊蕩してあるく。うかれあるく。 ぬめり‐いぐち滑猪口‥ヰ‥ 担子菌類のきのこ。夏から秋、山野に生ずる。高さ約10センチメートル。表面は赤褐色で甚だしく粘り、裏面は黄色。軸は黄色で暗褐色の斑点が密にある。食用。 ぬめりいぐち ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐い・ず滑り出づ‥イヅ 〔自下二〕 なめらかに出る。しなやかに出る。浄瑠璃、傾城反魂香「おろしあゆみの道中は花の立木の其のままに―・でたるごとくなり」 ぬめり‐うた滑り唄】 ①江戸初期、1660年(万治3)頃、遊里で流行した小歌。遊郭を素見して歩きながら口ずさんだ。ぬめり。 ②歌舞伎の下座音楽の一つ。遊女や御殿女中などの出端ではに用いる囃子。 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐おとこ滑り男‥ヲトコ のらりくらりと遊蕩する男。なまめいた男。うかれおとこ。 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐ごち滑鯒】 ネズッポ科の海産の硬骨魚。体は細長く、平たい。両眼は頭頂にあって互いに接着。灰褐色で小黒点と小白点とが散在。全長約20センチメートル。日本各地の沿岸に産し、雑魚ざことされるが、東京付近ではてんぷらの材料に使う。鱗うろこがないのでこの名がある。 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐こ・む滑り込む】 〔自四〕 するすると入り込む。すべり入る。浄瑠璃、平家女護島「蚊屋引き上げて―・み」 ぬめり‐すじ滑り筋‥スヂ 織物などの、なまめいた縞柄または筋模様。 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐づま滑り妻】 うわきな妻。なまめいた妻。うかれづま。「盛じや花に坐そぞろ浮法師―」(芭蕉) ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐どうちゅう滑り道中‥ダウ‥ 遊郭で、内八文字や外八文字で揚屋に往復する太夫の道中。好色一代男6「ぬき足の―」 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐ふう滑り風】 うかれたそぶり。なまめいた風体。 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐ぶし滑り節】 滑り唄の節。好色一代男4「花の都の―」 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめり‐もの滑り者】 遊蕩する者。うかれ歩く者。遊冶郎。 ⇒ぬめり【滑り】 ぬめ・る滑る】 〔自五〕 ①なめらかですべる。ぬらぬらする。饅頭屋本節用集「忽滑、ヌメル」 ②なまめく。めかす。鷹筑波「よそ目はいかに―・る若僧」 ③うかれる。うかれあるく。恨之介「夢の浮世を―・ろやれ」 ④浄瑠璃作者が文章に縁語を多くつらねる。(嬉遊笑覧) ぬ‐もじぬ文字】 (女房詞)ぬすびと。 ぬ‐もり野守】 「のもり」の江戸時代の誤読。→ぬ(野)2 ぬ‐やま野山】 「のやま」の江戸時代の誤読。→ぬ(野)2 ぬ‐ら野良】 「のら」の江戸時代の誤読。→ぬ(野)2 ぬら‐くら ①なめらかでつかみどころのないさま。「―している生き物」 ②態度があいまいでつかみどころのないさま。ぬらりくらり。「―と答える」 ③なまけてしまりのないさま。のらくら。「毎日を―暮らす」 ⇒ぬらくら‐ぐち【ぬらくら口】 ぬらくら‐ぐちぬらくら口】 なめらかに淀みのない口上。すらすらとしゃべり出す話しぶり。浄瑠璃、心中宵庚申「―に鰻の油とろりと乗せかくれば」 ⇒ぬら‐くら ぬらし濡らし】 ①ぬらすこと。ぬらしたもの。 ②(「焼く」を水の縁語に言いかえた語)嫉妬しっと。嫉妬ぶかい人。やきもちやき。 ③色気をもたせること。人のよろこぶように色気を持つこと。傾城禁短気「若い息子共へ―の文体」 ぬら・す濡らす】 〔他五〕 ①水などでぬれるようにする。うるおす。万葉集7「吾を―・すな沖つ白浪」。天草本平家物語「守護の武士どももみな鎧の袖を―・いてござる」。「子供がズボンを―・す」 ②相手のよろこぶような言語動作をする。色めかしくもちかける。浄瑠璃、吉野都女楠「威勢でおどし、文で―・し」 ぬらつ・く 〔自四〕 ぬらぬらする。浄瑠璃、平家女護島「裸身に鱧はもが―・き」 ぬら‐ぬら なめらかですべるさま。粘液などに触れたような感じにいう。ぬるぬる。狂言、物真似「(蛇が)元の叢へ―と申してござる」。「油で―した皿」 ぬ‐らむ 完了の助動詞「ぬ」に推量の助動詞「らむ」の付いた形。現在、その事態が実現しているだろうと推量する。…となっているだろう。万葉集15「秋されば置く露霜に堪へずして都の山は色づき―」 ぬらり‐くらり ぬらぬらとしてつかまえどころのないさま。しまりがなく漫然としているさま。また、そのような人。のらりくらり。歌舞伎、お染久松色読販「御惣領の多三郎様は御存じの通りの―」。「―と言いぬける」 ぬらり‐ころり ぬらりくらり。ぬらくら。浄瑠璃、吉野都女楠「唐人分別―のかね平」 ぬらり‐と 〔副〕 ぬらぬらするさま。ぬらりくらりするさま。ぬるりと。 ぬらり‐ひょん滑瓢】 ①(→)「ぬらりくらり」に同じ。浮世草子、好色敗毒散「その形―としてたとへば鯰に目口もないやうなるもの」 ②瓢箪鯰ひょうたんなまずのようにつかまえどころのない化物。 ぬり塗り】 ①塗ること。また、塗った様子・調子。「―がはげる」 ②塗料などを塗った器具類。塗物。また、産地名などを付けて漆器の名をいう語。「輪島―」 ぬり‐あげ塗上げ】 ①塗りあげること。 ②上塗うわぬり。浄瑠璃、女殺油地獄「不孝の―身上の破滅」 ぬり‐あ・げる塗り上げる】 〔他下一〕[文]ぬりあ・ぐ(下二) 完全に塗る。塗りを仕上げる。「壁を―・げる」 ぬり‐あしだ塗足駄】 漆塗りの足駄。 ぬり‐いえ塗家‥イヘ ⇒ぬりや(塗屋) ぬり‐いた塗板】 ①漆塗りの板。文字を記し、何回もぬぐい消して使用する。ぬぐい板。 ②黒板こくばんのこと。 ぬり‐いたごし塗板輿(→)「ぬりごし(塗輿)」に同じ。 ぬり‐え塗柄】 漆塗りの柄。 ぬり‐え塗り絵‥ヱ 児童玩具の一つ。絵模様の輪郭だけを描いた紙で、これに着色して遊ぶ。 ぬり‐えびら塗箙】 方立ほうだての表面を漆塗りにした箙。 ぬり‐おうぎ塗扇‥アフギ 漆塗りの骨の扇。塗骨の扇。 ぬり‐おけ塗桶‥ヲケ ①漆塗りの桶。 ②綿摘み用の器具。真綿を上にのせて引きのばすのに用いる。瓦または木製漆塗りで、形は桶に似る。 塗桶 ぬり‐かえ塗替え‥カヘ ぬりかえること。 ぬり‐か・える塗り替える‥カヘル 〔他下一〕[文]ぬりか・ふ(下二) ①塗ってあるものを改めて塗る。ぬりなおす。「壁を―・える」 ②すっかり変えて新しくする。「勢力地図を―・える」「大会記録を―・える」 ぬり‐かく・す塗り隠す】 〔他五〕 ①文字などの上を塗って見えなくする。源氏物語紅葉賀「赤き紙のうつるばかり色深きに、木高き森のかたを―・したり」 ②うそや失敗など、都合の悪いことを人に知られないようにする。 ぬり‐がさ塗笠】 へぎ板に紙を張って漆塗りにした笠。 ぬり‐かた・める塗り固める】 〔他下一〕[文]ぬりかた・む(下二) 塗ってしっかり固着させる。栄華物語根合「さばかり―・め書きたる絵に」 ぬり‐かべ塗壁】 壁土をぬった壁。 ぬり‐き塗木】 漆塗りの木。 ぬり‐きじ塗素地‥ヂ 塗物の素地。ぬりしたじ。 ぬり‐ぐし塗櫛】 漆塗りの櫛。 ぬり‐ぐすり塗り薬】 皮膚に塗りつける薬剤。塗布剤。軟膏。 ぬり‐げた塗下駄】 漆塗りの下駄。 ぬり‐こく・る塗りこくる】 〔他五〕 やたらに塗る。塗りたくる。 ぬり‐ごし塗輿】 漆塗りの輿。公方くぼう・門跡・長老などの乗用で、略儀用。塗板輿。 ぬり‐こばや塗小早】 装飾や船足を速めるなどのために彩色した小舟。 ぬりこ‐ぼし柳宿】 〔天〕二十八宿の一つ。海蛇座うみへびざの北端。柳りゅうぬり‐こみ塗込み】 ①俳優が化粧をする時に、顔だけでなく、手足や胸・腹までも白粉おしろいで濃く塗ること。 ②ごまかすことの隠語。 ぬり‐こ・む塗り込む】 [一]〔他五〕 ①中に入り込むように繰り返し塗る。すきまなく塗る。「軟膏なんこうを―・む」 ②(→)「ぬりこめる」に同じ。 [二]〔他下二〕 ⇒ぬりこめる(下一) ぬり‐ごめ塗籠】 ①寝殿造りの母屋もやの一部を仕切って、周囲を厚く壁で塗りこめた閉鎖的な部屋。寝室・納戸として用いた。竹取物語「おうな、―の内にかぐや姫をいだかへてをり」 ②塗籠籐ぬりごめどうの略。 ⇒ぬりごめ‐たぎょう【塗籠他行】 ⇒ぬりごめ‐どう【塗籠籐】 ぬりごめ‐たぎょう塗籠他行‥ギヤウ 塗籠にこもって、外出して不在だと偽ること。 ⇒ぬり‐ごめ【塗籠】 ぬりごめ‐どう塗籠籐】 重籐しげどうの上を漆で塗ったもの。また、その弓。ぬりごめ。 ⇒ぬり‐ごめ【塗籠】 ぬり‐こ・める塗り籠める・塗り込める】 〔他下一〕[文]ぬりこ・む(下二) 内に物を入れて上から塗り固める。 ぬり‐し塗師(→)「ぬし」に同じ。 ぬり‐した塗下】 塗下地の略。 ぬり‐したじ塗下地‥ヂ 漆塗り・漆喰しっくい塗りなどの下地。ぬりきじ。 ぬり‐だい塗台】 進物をのせる漆塗りの台。西鶴織留1「―に小鮹魚するめ一連」 ぬり‐だいく塗大工】 壁を塗る職人。かべぬり。左官。 ぬり‐たく・る塗りたくる】 〔他五〕 やたらに塗る。めちゃくちゃに塗る。塗りまくる。「白粉おしろいを―・る」 ぬり‐たて塗り立て】 ①塗ったばかりであること。「ペンキ―」 ②塗ったままで仕上げを施さないこと。 ⇒ぬりたて‐うるし【塗立漆】 ⇒ぬりたて‐もの【塗立物】 ぬりたて‐うるし塗立漆(→)花漆はなうるしに同じ。 ⇒ぬり‐たて【塗り立て】 ぬりたて‐もの塗立物】 仕上げを施さない塗物。 ⇒ぬり‐たて【塗り立て】 ぬり‐た・てる塗り立てる】 〔他下一〕[文]ぬりた・つ(下二) ①十分に塗る。綺麗に塗って飾る。「店内を―・てる」 ②厚化粧をする。「顔を―・てる」 ぬり‐だる塗樽】 朱または黒の漆塗りの酒樽。贈答用・祝儀用に使われた。 ぬり‐たれ塗垂】 土蔵から庇ひさしを作り出して塗屋ぬりやにした家の造り。 ぬり‐ちご塗稚児】 釉うわぐすりで塗り上げた稚児ちご人形。 ぬり‐づくえ塗机】 漆を塗った机。 ぬり‐つ・ける塗り付ける】 〔他下一〕[文]ぬりつ・く(下二) ①塗ってつける。「髪に油を―・ける」 ②自分の罪や責任を他人になすりつける。転嫁する。古今著聞集16「誰に―・けんとて、かく程に人を出だしぬかんとするぞ」。日葡辞書「ヒトニアヤマリヲヌリツクル」 ぬり‐つぶ・す塗り潰す】 〔他五〕 下地したじが見えないほどに塗る。隙間なく全面に塗る。「黒く―・す」「選挙一色に―・された紙面」 ぬり‐つぼがさ塗壺笠】 漆塗りの壺笠。閑吟集「あら美しの―や」 ぬり‐づる塗弦】 漆塗りの弓弦ゆみづるぬり‐て】 頭に長い柄のある大きな鈴。たく。ぬて。顕宗紀「縄の端に―を懸けて」 ぬりで白膠木】 ヌルデの別称。ぬで。〈崇峻紀訓注〉 ぬり‐どう塗籐】 漆塗りの弓の籐とうぬり‐なお・す塗り直す‥ナホス 〔他五〕 改めて塗る。ぬりかえる。 ぬり‐の塗箆】 漆塗りの矢箆やのぬり‐はき塗り掃き】 塗ることと掃くこと。塗ったり掃いたりすること。 ぬり‐ばし塗箸】 ①漆などを塗った箸。 ②ハコネシダの異称。 ⇒塗箸で素麺を食う

ぬま【沼】🔗🔉

ぬま】 湖の小さくて浅いもの。ふつう、水深5メートル以下で、泥土が多く、フサモ・クロモなどの沈水植物が繁茂する。ぬ。万葉集14「―二つ通かよは鳥が巣」

ぬま【沼間】🔗🔉

ぬま沼間】 姓氏の一つ。 ⇒ぬま‐もりかず【沼間守一】

ぬま‐え【沼江】🔗🔉

ぬま‐え沼江】 泥ぶかい入江。

ぬま‐えび【沼蝦】🔗🔉

ぬま‐えび沼蝦】 ヌマエビ科のエビ。淡色で半透明、体長約3センチメートル。額角上縁の歯数は16〜30で、頭胸甲上には2〜3歯ある。湖沼・川にすみ、本州中部以南、南西諸島に多い。釣りの餌に用いる。

ぬま‐がい【沼貝】‥ガヒ🔗🔉

ぬま‐がい沼貝‥ガヒ ドブガイの別称。

ぬま‐がえる【沼蛙】‥ガヘル🔗🔉

ぬま‐がえる沼蛙‥ガヘル カエルの一種。体長4〜5センチメートル。背面は暗褐色で、黒色の斑紋が多く、腹面は白色。本州・四国・九州から東南アジアに分布。ヌマアカガエル。

ぬま‐かぜ【沼風】🔗🔉

ぬま‐かぜ沼風】 沼の上を吹く風。

ぬま‐がや【沼茅・沼萱】🔗🔉

ぬま‐がや沼茅・沼萱】 イネ科の多年草。山地の水湿地に自生し、高さ1メートルくらい。8月頃茎の上部に淡緑色の小穂を疎生。スゴリ。ススキヨシ。

ぬま‐かわ【沼川】‥カハ🔗🔉

ぬま‐かわ沼川‥カハ 泥ぶかい川。

ぬま‐しか【沼鹿】🔗🔉

ぬま‐しか沼鹿】 ①シカの一種。体長1.8メートルほど。角は大きく、複雑に枝分れする。南米最大の鹿で、ブラジル・パラグアイ・アルゼンチンなどの沼地に生息。アメリカヌマシカ。 ②シカの一種。大形で、角は大きく90センチメートルに達する。インドに分布。バラシンガシカ。インドヌマシカ。

ぬま‐すぎ【沼杉】🔗🔉

ぬま‐すぎ沼杉】 スギ科の落葉針葉樹。アメリカ南東部産で高さ50メートルに達する。原産地では湿地に生え、周囲の地表に地下から気根を出す。葉は淡緑色線形で羽状につく。材は軽く、鉄道の枕木・桶・屋根板などとするため輸入された。公園などに植える。落羽松らくうしょう

ぬま‐た【沼田】🔗🔉

ぬま‐た沼田】 泥ぶかい田。

ぬまた【沼田】(地名)🔗🔉

ぬまた沼田】 群馬県北東部の市。もと土岐氏3万5000石の城下町。市場町として発達。利根川上流の主要商業都市。人口5万3千。

ぬまたろう【沼太郎】‥ラウ🔗🔉

ぬまたろう沼太郎‥ラウ 〔動〕 ①スッポンの異称。 ②ヒシクイの異称。

ぬま‐ち【沼地】🔗🔉

ぬま‐ち沼地】 どろ深く、じめじめした土地・地域。

ぬまづ【沼津】🔗🔉

ぬまづ沼津】 ①静岡県東部、駿河湾頭の商工業都市。もと水野氏5万石の城下町。東海道の宿駅。狩野川の河口に位置し、海浜は千本松原の景勝地。人口20万8千。 ②浄瑠璃「伊賀越道中双六」6段目の通称。 →文献資料[伊賀越道中双六(沼津の段)] ⇒ぬまづ‐がき【沼津垣】

ぬまづ‐がき【沼津垣】🔗🔉

ぬまづ‐がき沼津垣】 細い割竹で作った網代あじろ垣。 ⇒ぬまづ【沼津】

ぬま‐とらのお【沼虎の尾】‥ヲ🔗🔉

ぬま‐とらのお沼虎の尾‥ヲ サクラソウ科の多年草。高さ50センチメートル余。湿地に群落を作る。夏、茎頭に5弁の小白花を多数総状に配列。花序は直立。ぬまはぎ。 ぬまとらのお

ぬま‐はぎ【沼萩】🔗🔉

ぬま‐はぎ沼萩】 〔植〕ヌマトラノオの別称。

ぬま‐もりかず【沼間守一】🔗🔉

ぬま‐もりかず沼間守一】 ジャーナリスト・政治家。江戸生れの幕臣。戊辰戦争で新政府軍と戦う。一時、新政府に仕えたが辞任。のち、嚶鳴社おうめいしゃに拠って民権を鼓吹。改進党の領袖。東京横浜毎日新聞を経営。(1843〜1890) ⇒ぬま【沼間】

ぬま‐よもぎ【沼蓬】🔗🔉

ぬま‐よもぎ沼蓬】 ヤマヨモギの異称。

[漢]沼🔗🔉

 字形  筆順 〔水(氵・氺)部5画/8画/常用/3034・3E42〕 〔音〕ショウ〈セウ〉(呉)(漢) 〔訓〕ぬま [意味] ぬま。水をたたえたどろ深い所。「湖沼・池沼・沼沢・沼気」 [解字] 形声。「水」+音符「召」(=まがる)。水辺が曲線をなすぬま。

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