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いおう【硫黄】‥ワウ🔗🔉

いおう硫黄‥ワウ (ユワウの転。古くはユノアワ・ユワとも)(sulfur)非金属元素の一種。元素記号S 原子番号16。原子量32.07。黄色の樹脂光沢のあるもろい結晶で、水には溶けない。火を点ずれば青い炎をあげて燃える。遊離して火山地方に多く産し、化合物としては硫化鉄・硫化銀・硫化銅・硫化水銀などの硫化物として産出。火薬・マッチ・ゴムの製造、薬用・漂白用などに使用。〈天正十八年刊本節用集〉 硫黄 撮影:松原 聰 ⇒いおう‐か【硫黄華】 ⇒いおう‐ぎ【硫黄木】 ⇒いおう‐さいきん【硫黄細菌】 ⇒いおう‐さんかぶつ【硫黄酸化物】 ⇒いおう‐せん【硫黄泉】 ⇒いおう‐なんこう【硫黄軟膏】 ⇒いおう‐マッチ【硫黄マッチ】

いおう‐か【硫黄華】‥ワウクワ🔗🔉

いおう‐か硫黄華‥ワウクワ (flower of sulfur)粗製硫黄の蒸気を急に冷却して得られる粉末状の硫黄。天然には硫黄泉の湧出口付近に沈殿・堆積する。硫黄ばな。昇華硫黄。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐ぎ【硫黄木】‥ワウ‥🔗🔉

いおう‐ぎ硫黄木‥ワウ‥ (→)付木つけぎに同じ。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐さいきん【硫黄細菌】‥ワウ‥🔗🔉

いおう‐さいきん硫黄細菌‥ワウ‥ 硫黄または無機硫黄化合物を酸化する細菌。化学的暗反応を行うものと光化学反応を利用するものとがあり、海水・海泥・淡水・汚泥に生息。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐さんかぶつ【硫黄酸化物】‥ワウ‥クワ‥🔗🔉

いおう‐さんかぶつ硫黄酸化物‥ワウ‥クワ‥ 通常の条件で安定に存在するのは二酸化硫黄(亜硫酸ガス)と三酸化硫黄(無水硫酸)。SOと記す。大気汚染物質の一つ。重油や石炭に含まれる硫黄化合物の燃焼などにより生じ、喘息ぜんそくや、酸性雨、湖沼の酸性化の原因になる。ソックス。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐しま【硫黄島】‥ワウ‥🔗🔉

いおう‐しま硫黄島‥ワウ‥ 鹿児島県大隅諸島に属する島。鹿児島湾口南西55キロメートル。霧島火山帯中の火山島。一説にもと鬼界島きかいがしまといい、俊寛の配所といわれる。かつて硫黄を産した。面積11.8平方キロメートル。いおうがしま。

いおう‐せん【硫黄泉】‥ワウ‥🔗🔉

いおう‐せん硫黄泉‥ワウ‥ 温泉水1キログラム中に総硫黄2ミリグラム以上を含む温泉。白濁して卵の腐ったような臭気がある。概して高温で皮膚病に卓効がある。那須温泉・草津温泉・箱根芦ノ湯などはその例。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐とう【硫黄島】‥ワウタウ🔗🔉

いおう‐とう硫黄島‥ワウタウ 硫黄列島中の主島。面積23.2平方キロメートル。現在は自衛隊の基地などがある。いおうじま。

いおう‐なんこう【硫黄軟膏】‥ワウ‥カウ🔗🔉

いおう‐なんこう硫黄軟膏‥ワウ‥カウ 硫黄細末・豚脂・カリ石鹸等を混合して製造した軟膏。疥癬かいせん・慢性湿疹・寄生虫皮膚炎などの皮膚病に用いた。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐マッチ【硫黄マッチ】‥ワウ‥🔗🔉

いおう‐マッチ硫黄マッチ‥ワウ‥ 軸木を硫黄の溶液に浸して製したマッチ。 ⇒いおう【硫黄】

いおう‐れっとう【硫黄列島】‥ワウ‥タウ🔗🔉

いおう‐れっとう硫黄列島‥ワウ‥タウ 小笠原諸島の南、約200キロメートルの所に南北に並ぶ火山列島。北硫黄島・硫黄島・南硫黄島の3島から成り、東京都小笠原村に属する。太平洋戦争の戦跡。かつて硫黄を産した。

ゆおう【硫黄】ユワウ🔗🔉

ゆおう硫黄ユワウ (ユアワの約ユワの転) ⇒いおう

りゅう【硫】リウ🔗🔉

りゅうリウ ①非金属元素の一つ。いおう。 ②硫酸の略。

りゅう‐あん【硫安】リウ‥🔗🔉

りゅう‐あん硫安リウ‥ (→)硫酸アンモニウムの俗称。重要な窒素肥料の一つ。

りゅうか‐あえん【硫化亜鉛】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐あえん硫化亜鉛リウクワ‥ 化学式ZnS 硫黄と亜鉛との化合物。白色の固体。亜鉛塩水溶液に硫化水素を通したとき沈殿として得られる。白色顔料として用いる。天然には閃亜鉛鉱、稀にウルツ鉱として産する。両者は結晶構造を異にする。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐カドミウム【硫化カドミウム】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐カドミウム硫化カドミウムリウクワ‥ 化学式CdS 黄色の結晶。光伝導性を持つので写真用露出計に、また黄色の顔料(カドミウム‐イエロー)や蛍光体に用いる。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐ぎん【硫化銀】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐ぎん硫化銀リウクワ‥ 化学式AgS 黒色固体。陶器の着色に用いる。天然には輝銀鉱として産する。銀器が硫黄の蒸気や気体の硫黄化合物に触れて黒変するのは、硫化銀を生じるため。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐すいぎん【硫化水銀】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐すいぎん硫化水銀リウクワ‥ ①硫化水銀(Ⅰ)(硫化第一水銀)。化学式HgS 黒色の固体。不安定。 ②硫化水銀(Ⅱ)(硫化第二水銀)。化学式HgS 黒色と赤色との2種がある。水銀(Ⅱ)塩水溶液に硫化水素を通すと黒色のものが沈殿する。天然には赤色の辰砂しんしゃとして産する。顔料・医薬に用いる。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐すいそ【硫化水素】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐すいそ硫化水素リウクワ‥ 分子式HS 無色で腐敗した鶏卵のような悪臭を持つ可燃性の毒性気体で、水に溶解し、弱い酸性を示す。各金属イオンと反応してそれぞれの特色ある呈色沈殿を生じるので定性分析に用いる。天然には火山ガスや鉱泉中に含まれ、また硫黄を含む有機物の腐敗によって生じる。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐せんりょう【硫化染料】リウクワ‥レウ🔗🔉

りゅうか‐せんりょう硫化染料リウクワ‥レウ (sulfur dye)アミノ‐フェノールのような芳香族化合物を硫黄または硫黄と硫化ナトリウムとで加熱・溶融してつくる染料。水に不溶。硫化ナトリウムで還元すると水に溶け、木綿に直接染着する。これを空気で酸化すると、もとの染料を再生する。合成染料として最も大量に使用される。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐てつ【硫化鉄】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐てつ硫化鉄リウクワ‥ ①硫化鉄(Ⅱ)(硫化第一鉄)。化学式FeS 鉄(Ⅱ)塩の水溶液に硫化水素を通したとき黒色沈殿として得られる。天然には隕石中に含まれ、また磁硫鉄鉱として産する。 ②硫化鉄(Ⅲ)(硫化第二鉄)。化学式FeS 黒色の粉末。 ③二硫化鉄。化学式FeS 黄色の結晶。天然に黄鉄鉱・白鉄鉱として産する。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐どう【硫化銅】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐どう硫化銅リウクワ‥ ①硫化銅(Ⅰ)(硫化第一銅)。化学式CuS 鉄灰色の光沢ある結晶。天然に輝銅鉱として産する。 ②硫化銅(Ⅱ)(硫化第二銅)。化学式CuS 銅(Ⅱ)塩水溶液に硫化水素を通したとき黒褐色の沈殿として得られる。天然に藍銅鉱として産する。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうか‐ぶつ【硫化物】リウクワ‥🔗🔉

りゅうか‐ぶつ硫化物リウクワ‥ (sulfide)硫黄と陽性元素との化合物。金属硫化物は多く鉱物として天然に産する。 ⇒りゅう‐か【硫化】

りゅうき‐こう【硫気孔】リウ‥🔗🔉

りゅうき‐こう硫気孔リウ‥ 火山活動によって、水蒸気・硫化水素などを噴出する噴気孔。

りゅう‐さん【硫酸】リウ‥🔗🔉

りゅう‐さん硫酸リウ‥ (sulfuric acid)無機酸の一つ。分子式HSO 無色・無臭の粘稠な強酸。金・白金を除くほとんどすべての金属を溶解し、水に混ぜると多量の熱を発する。強い吸湿性を持ち、有機物に触れると炭素を遊離させる。硫黄を燃やして二酸化硫黄を製し、鉛室法により、また五酸化バナジウム触媒で酸化して水に溶かす接触法などによって濃厚な硫酸を得る。工業上の用途は広く、塩酸・硝酸の製造、有機化合物の合成、油脂の精製、脱水・乾燥に使用。 ⇒りゅうさん‐あえん【硫酸亜鉛】 ⇒りゅうさん‐アルミニウム【硫酸アルミニウム】 ⇒りゅうさん‐アンモニウム【硫酸アンモニウム】 ⇒りゅうさん‐えん【硫酸塩】 ⇒りゅうさん‐カルシウム【硫酸カルシウム】 ⇒りゅうさん‐し【硫酸紙】 ⇒りゅうさん‐てつ【硫酸鉄】 ⇒りゅうさん‐どう【硫酸銅】 ⇒りゅうさん‐ナトリウム【硫酸ナトリウム】 ⇒りゅうさん‐ニコチン【硫酸ニコチン】 ⇒りゅうさん‐バリウム【硫酸バリウム】 ⇒りゅうさん‐マグネシウム【硫酸マグネシウム】

りゅうさん‐あえん【硫酸亜鉛】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐あえん硫酸亜鉛リウ‥ 化学式ZnSO 亜鉛を希硫酸に溶解し、これから結晶させて製造する。この際生じる七水和物は皓礬こうばんという。空気中で風化しやすく、水に溶けて酸性を示す。顔料・医薬・防腐剤・点眼薬などに用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐アルミニウム【硫酸アルミニウム】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐アルミニウム硫酸アルミニウムリウ‥ 化学式Al(SO 普通のものは十八水和物で、無色の針状結晶。水溶液は加水分解して酸性を示す。硫酸カリウムとの複塩が明礬みょうばんである。製紙・製革・染色・浄水・媒染剤・収斂剤など用途が広い。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐アンモニウム【硫酸アンモニウム】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐アンモニウム硫酸アンモニウムリウ‥ 化学式(NHSO 無色透明の結晶。アンモニアを硫酸に吸収させて作る。重要な窒素肥料。硫安りゅうあん⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐えん【硫酸塩】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐えん硫酸塩リウ‥ 硫酸中の水素の一部または全部を金属と置き換えて得た化合物。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐カルシウム【硫酸カルシウム】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐カルシウム硫酸カルシウムリウ‥ 化学式CaSO 天然には二水和物が石膏となって多量に産出。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐し【硫酸紙】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐し硫酸紙リウ‥ 羊皮紙に模して造った紙。木綿または亜硫酸パルプで製した原紙を濃硫酸液に浸し、水洗、乾燥して仕上げる。半透明の耐水・耐脂性の紙で食品包装・造花などに用いる。擬羊皮紙。パーチメント‐ペーパー。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐てつ【硫酸鉄】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐てつ硫酸鉄リウ‥ ①硫酸鉄(Ⅱ)(硫酸第一鉄)。化学式FeSO 七水和物を緑礬りょくばんという。青緑色の結晶。鉄を希硫酸に溶解するか、黄鉄鉱の粉末を水で湿して空気中で自然に酸化させることで得られる。インクの製造、医薬、分析用試薬などに用いる。 ②硫酸鉄(Ⅲ)(硫酸第二鉄)。化学式Fe(SO 無水塩は無色の粉末。硫酸鉄(Ⅱ)を酸化して得られる。鉄明礬みょうばん・紺青こんじょうの製造、媒染剤、医薬に用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐どう【硫酸銅】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐どう硫酸銅リウ‥ 普通には硫酸銅(Ⅱ)(硫酸第二銅)を指す。化学式CuSO 無水塩は白色の粉末。五水和物は青色の結晶で、胆礬たんばんという。酸化銅(Ⅱ)を希硫酸に溶解して得られる。水溶液は青色で、加水分解のため酸性を示す。顔料・媒染剤・殺菌剤・木材防腐剤・医薬などに用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐ナトリウム【硫酸ナトリウム】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐ナトリウム硫酸ナトリウムリウ‥ 化学式NaSO 十水和物を芒硝ぼうしょうまたはグラウバー塩という。無色の結晶。これを熱するときセ氏32.4度で無水塩と水溶液に分解する。ガラス・群青ぐんじょうなどの製造に用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐ニコチン【硫酸ニコチン】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐ニコチン硫酸ニコチンリウ‥ 農薬の一種。20〜40パーセントのニコチンを含有する天然殺虫剤。ニコチンの硫酸塩で、微酸性、暗褐色の液体。特異臭を有する。急性経口毒性(マウス)LD50は50〜60。アブラムシ・ハダニなどの駆除に用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐バリウム【硫酸バリウム】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐バリウム硫酸バリウムリウ‥ 化学式BaSO 白色の結晶。水に難溶。天然には重晶石として産出。白色顔料・塗料用、また、X線吸収能が大きいので消化器官のX線造影剤に用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうさん‐マグネシウム【硫酸マグネシウム】リウ‥🔗🔉

りゅうさん‐マグネシウム硫酸マグネシウムリウ‥ 化学式MgSO 七水和物は瀉痢塩しゃりえんという。白色の斜方晶系結晶で、水に溶けやすく苦味をもち、海水・鉱泉中に含有。緩下剤とし、また染色その他工業用として用いる。 ⇒りゅう‐さん【硫酸】

りゅうどう‐こう【硫銅鉱】リウ‥クワウ🔗🔉

りゅうどう‐こう硫銅鉱リウ‥クワウ (→)輝銅鉱に同じ。

りゅうひ‐てっこう【硫砒鉄鉱】リウ‥クワウ🔗🔉

りゅうひ‐てっこう硫砒鉄鉱リウ‥クワウ 鉄とヒ素とを含む硫化鉱物。単斜晶系、菱形柱状。金属光沢をもち銀白色。ヒ素の原料鉱石。 硫砒鉄鉱 撮影:松原 聰

[漢]硫🔗🔉

 字形  筆順 〔石部7画/12画/常用/4618・4E32〕 〔音〕リュウ〈リウ〉(漢) [意味] 鉱物の名。いおう。ゆおう。湯の花。「硫気・硫酸・硫化物」 [解字] 形声。「石」+音符「」(=ながれ出る)。火山から流れ出る鉱物の意。

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