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だち【立ち】🔗⭐🔉
だち【立ち】
〔接尾〕
①ある語に添えて出生地または立身した最初の身分を示す。平家物語9「この馬は信濃国井上―にてありければ」
②出発すること。「七つ―」
③車につける牛馬または船の艪などの数に添える語。だて。「八梃―の船」
④名詞に付いて、その作りのさまを示す。「目鼻―」「顔―」
たち‐あ・う【立ち合う・立ち会う】‥アフ🔗⭐🔉
たち‐あ・う【立ち合う・立ち会う】‥アフ
〔自五〕
①双方から行き合う。互いに出合う。万葉集6「川波の―・ふ郷と」
②双方が勝負を争いまたは格闘する。「正々堂々と―・え」
③その場に居合わせる。また、証人としてその場に出る。「臨終に―・う」
④監督または検証などのため、その場に臨む。
◇2は、ふつう「立ち合う」、3・4は、多く「立ち会う」と書く。
たち‐あがり【立ち上り】🔗⭐🔉
たち‐あがり【立ち上り】
①たちあがること。
②動作を起こし始めたところ。でばな。「―を攻める」
たち‐あが・る【立ち上がる】🔗⭐🔉
たち‐あが・る【立ち上がる】
〔自五〕
①坐ったり寝たりしていた姿勢から立つ。身を起こす。まっすぐ立つ。源氏物語葵「大臣おとどはえ―・り給はず」
②(毛などが)さか立つ。枕草子218「うるはし髪持たらん人も、みな―・りぬべき心地すれ」
③苦しい状態から勢いをもり返す。「災害の痛手から―・る」
④行動をおこす。物事を始める。「反対運動に―・る」「新しいプロジェクトが―・る」
⑤相撲で、仕切りから戦いに入る。
⑥電子機器のシステムが起動する。
たち‐あげ【立ち上げ】🔗⭐🔉
たち‐あげ【立ち上げ】
①コンピューターなどを起動させること。
②組織や企画を新しく始めること。
たち‐あ・げる【立ち上げる】🔗⭐🔉
たち‐あ・げる【立ち上げる】
〔他下一〕
①機械を稼働できる状態にする。特にコンピューターにいう。
②組織・企業などを新しく始める。「新事業を―・げる」
たち‐あらわ・れる【立ち現れる・立ち顕れる】‥アラハレル🔗⭐🔉
たち‐あらわ・れる【立ち現れる・立ち顕れる】‥アラハレル
〔自下一〕[文]たちあらは・る(下二)
目の前に、はっきりと姿を現す。
たち‐い【立ち居・起居】‥ヰ🔗⭐🔉
たち‐い【立ち居・起居】‥ヰ
①たつこととすわること。日常の動作。今昔物語集14「老いたる狗いぬ、仏前にありて音こえを高く吼ほえて―に仏を礼拝す」
②立ち現れてとどまること。雨月物語1「千里に雲の―もなく」
⇒たちい‐の‐ひと【立ち居の人】
⇒たちい‐ふるまい【立居振舞】
たち‐い・ず【立ち出づ】‥イヅ🔗⭐🔉
たち‐い・ず【立ち出づ】‥イヅ
〔自下二〕
①立って出て行く。たち去る。源氏物語葵「あからさまに―・で侍るにつけても」
②出て来る。現れ出る。源氏物語行幸「西の対の姫君も―・で給へり」
たち‐いた・る【立ち至る・立ち到る】🔗⭐🔉
たち‐いた・る【立ち至る・立ち到る】
(「たち」は接頭語)〔自五〕
物事が重大・深刻な状況になる。「事ここに―・れば」
たちい‐の‐ひと【立ち居の人】‥ヰ‥🔗⭐🔉
たちい‐の‐ひと【立ち居の人】‥ヰ‥
多くの人。狂言、鱸庖丁「家をも継がうずる程の人が鱸に打身食べうなんどといひて、―に笑はれ給ふな」
⇒たち‐い【立ち居・起居】
たち‐い・る【立ち入る】🔗⭐🔉
たち‐い・る【立ち入る】
〔自五〕
①ある場所にはいる。「校庭に―・ることを禁ず」
②事柄の深いところまではいりこむ。「―・って言えば」
③他人の領分にかかわる。また、干渉する。「他人の私生活に―・る」
たち・いる【立ち居る】‥ヰル🔗⭐🔉
たち・いる【立ち居る】‥ヰル
〔自上一〕
①立ったりすわったりする。宇津保物語俊蔭「俊蔭―・ゐ拝む」
②立っている。雲などが、浮かんでいる。伊勢物語「中空に―・ゐる雲のあともなく」
たち‐うごき【立ち動き】🔗⭐🔉
たち‐うごき【立ち動き】
立つことと動くこと。また、立って働くこと。たちはたらき。宇津保物語国譲下「―もし侍らぬを」
たち‐おくれ【立ち後れ・立ち遅れ】🔗⭐🔉
たち‐おくれ【立ち後れ・立ち遅れ】
たちおくれること。
たち‐おく・れる【立ち後れる・立ち遅れる】🔗⭐🔉
たち‐おく・れる【立ち後れる・立ち遅れる】
〔自下一〕[文]たちおく・る(下二)
①遅れて立つ。行動をはじめるのがおくれる。なすべき時機を失う。遅くなる。源氏物語藤裏葉「この花の独り―・れて、夏に咲きかかる程」。「人に―・れる」
②才能や程度が他より劣る。ひけをとる。おくれる。源氏物語帚木「夜昼学問をも遊びをももろともにして、をさをさ―・れず」。「科学技術の導入で―・れる」
③死に遅れる。先立たれる。源氏物語橋姫「うち捨ててつがひ去りにし水鳥のかりのこの世に―・れけむ」
たち‐およぎ【立ち泳ぎ】🔗⭐🔉
たち‐およぎ【立ち泳ぎ】
水泳術の一つ。体を水中に立てて泳ぐこと。立ち游ぎ。
たち‐かえ・る【立ち返る・立ち帰る】‥カヘル🔗⭐🔉
たち‐かえ・る【立ち返る・立ち帰る】‥カヘル
〔自五〕
①すぐにかえる。また、かえる。たちもどる。もどる。源氏物語総角「え―・らで、わななくわななく見給へば」。「根本に―・って再検討する」
②くりかえす。更級日記「親の折より―・りつつ見し東路あずまじ」
③(返事などを)おりかえし、すぐにする。蜻蛉日記下「馬槽むまぶねは立てたるところありて…とものしたれば、―・りて、立てたるところはべなる槽は…」
④(形勢などが)逆転する。徒然草「―・り、つづけて勝つべき時の到れる」
たち‐かか・る【立ち掛かる】🔗⭐🔉
たち‐かか・る【立ち掛かる】
〔自五〕
①まさに立とうとする。
②相手に打ってかかる。立ち向かう。宇治拾遺物語11「―・りておこしたてず頭を又打ちわりてけり」
③よりかかる。もたれかかる。猿蓑「―・り屏風を倒す女子共おなごども」(凡兆)
たち‐かく・す【立ち隠す】🔗⭐🔉
たち‐かく・す【立ち隠す】
〔他五〕
霞・雲などが立ってさえぎり隠す。かくす。古今和歌集春「―・すらむ山の桜を」
たち‐かく・る【立ち隠る】🔗⭐🔉
たち‐かく・る【立ち隠る】
〔自四・下二〕
「かくる」を強めていう語。
たち‐かさ・ぬ【立ち重ぬ】🔗⭐🔉
たち‐かさ・ぬ【立ち重ぬ】
〔他下二〕
幾重にも重ねる。拾遺和歌集神楽歌「生ひ茂れ平野の原のあや杉よ濃き紫に―・ぬべく」
たち‐かわり【立ち代り】‥カハリ🔗⭐🔉
たち‐かわり【立ち代り】‥カハリ
たちかわること。互いにかわりあうこと。交替。
⇒たちかわり‐いれかわり【立ち替り入れ替り】
たちかわり‐いれかわり【立ち替り入れ替り】‥カハリ‥カハリ🔗⭐🔉
たちかわり‐いれかわり【立ち替り入れ替り】‥カハリ‥カハリ
多くの者がかわるがわる現れるさま。「いれかわりたちかわり」とも。
⇒たち‐かわり【立ち代り】
たち‐かわ・る【立ち代る】‥カハル🔗⭐🔉
たち‐かわ・る【立ち代る】‥カハル
〔他四〕
①かわる。うつりかわる。万葉集6「―・り古き都となりぬれば」
②交替する。源氏物語藤裏葉「上はまかでさせ給ふ。―・りて、参り給ふに」
たち‐き・る【立ち切る】🔗⭐🔉
たち‐き・る【立ち切る】
〔自四〕
①炭や油などが、燃えつきる。好色一代女3「こよひも又長蝋燭の―・るまで、悋気講りんきこうあれかし」
②(多く否定の形で)立ちつづける。居つづける。また、堪える。やっていく。莫切自根金生木きるなのねからかねのなるき「今はうちにも―・りがたく」
たち‐ぎわ【立ち際・発ち際】‥ギハ🔗⭐🔉
たち‐ぎわ【立ち際・発ち際】‥ギハ
出かけようとするとき。出発するまぎわ。
たち‐く・く【立ち潜く・立ち漏く】🔗⭐🔉
たち‐く・く【立ち潜く・立ち漏く】
〔自四〕
間をくぐる。万葉集8「足引の木の間―・くほととぎす」
たち‐くたび・れる【立ち草臥れる】🔗⭐🔉
たち‐くたび・れる【立ち草臥れる】
〔自下一〕
長時間立っていて疲れる。
たち‐くだ・る【立ち下る】🔗⭐🔉
たち‐くだ・る【立ち下る】
〔自四〕
程度がおとる。源氏物語梅枝「この御箱には―・れるをばまぜ給はず」
たち‐くらみ【立ち暗み】🔗⭐🔉
たち‐くらみ【立ち暗み】
(タチグラミとも)立ち上がる時、または、立っている時に急にめまいがすること。西鶴織留2「―がするとて昼も高枕して物いはず」
たち‐ごし【立ち腰】🔗⭐🔉
たち‐ごし【立ち腰】
相撲で、腰を浮かせて立った姿勢になること。
たち‐こ・む【立ち込む】🔗⭐🔉
たち‐こ・む【立ち込む】
〔自五〕
①人馬・車馬などが一つところに多く入りこむ。混雑する。たてこむ。源氏物語賢木「所なく―・みたりし馬・車うすらぎて」
②釣りをするために、膝上まで水に入る。
たち‐こ・める【立ち籠める・立ち込める】🔗⭐🔉
たち‐こ・める【立ち籠める・立ち込める】
〔自下一〕[文]たちこ・む(下二)
霧や煙などが一面にこもる。栄華物語布引滝「水上は霧―・めて見えねども」。「異臭が―・める」
たち‐こ・ゆ【立ち越ゆ】🔗⭐🔉
たち‐こ・ゆ【立ち越ゆ】
〔自下二〕
①越える。過ぎて行く。
②まさる。すぐれる。
③出かけて行く。往く。謡曲、野宮「―・え一見せばやと存じ候」
④やって来る。来る。狂言、菊の花「これまで―・えたれども」
たち‐さ・う【立ち塞ふ】‥サフ🔗⭐🔉
たち‐さ・う【立ち塞ふ】‥サフ
〔他下二〕
(古くは四段活用)立ってさえぎりとどめる。たちふさぐ。土佐日記「波―・へて入れずもあらなんともよみてましや」
たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】🔗⭐🔉
たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】
〔自下二〕
(タチザカユとも)草木などが茂りさかえる。時を得て繁栄する。万葉集7「吾が時と―・ゆとも草な手折りそ」
たち‐ざけ【立ち酒】🔗⭐🔉
たち‐ざけ【立ち酒】
①出発の際に酒を飲むこと。また、その酒。好色一代男5「そのあけの日は禿かぶろどもが―、さいはひ関送りとて」
②立ったまま酒を飲むこと。また、その酒。浄瑠璃、女殺油地獄「注ぐも受くるも―をお吉見付けて」
③婚宴のあと、嫁の立ちぎわに、主客が立ちながら酒を飲む風習。また、その酒。浄瑠璃、心中重井筒「これを限りの―や、樽屋町にぞ迷ひ行く」
たち‐さもら・う【立ち候ふ】‥サモラフ🔗⭐🔉
たち‐さもら・う【立ち候ふ】‥サモラフ
〔自四〕
伺候する。立って警備に奉仕する。万葉集3「皇祖すめろきの神の御門みかどに外との重へに―・ひ内の重に仕へ奉りて」
たち‐さ・る【立ち去る】🔗⭐🔉
たち‐さ・る【立ち去る】
〔自五〕
立ってその場を去る。立ちのく。
たち‐さわ・ぐ【立ち騒ぐ】🔗⭐🔉
たち‐さわ・ぐ【立ち騒ぐ】
〔自五〕
(古くは清音)
①立ってさわぐ。
②さわぐ。さわぎたてる。→たちとよむ。
③風や波などが立って大きな音をたてる。
たち‐さわ・る【立ち障る】‥サハル🔗⭐🔉
たち‐さわ・る【立ち障る】‥サハル
〔自四〕
干渉する。かかわりあう。
たち‐し・く【立ち重く】🔗⭐🔉
たち‐し・く【立ち重く】
〔自四〕
重なり立つ。万葉集18「寄する白波いや増しに―・き寄せ来く」
たち‐しょうべん【立ち小便】‥セウ‥🔗⭐🔉
たち‐しょうべん【立ち小便】‥セウ‥
道端など便所以外の場所で、立ったまま小便をすること。
たち‐すがた【立ち姿】🔗⭐🔉
たち‐すがた【立ち姿】
①立っている姿。
②舞の姿。狂言、笠の下「何にても―が見たうござる」
たち‐せき【立ち席】🔗⭐🔉
たち‐せき【立ち席】
劇場などで、立ち見用の席。座席指定の列車などで立ったまま利用する場合にもいう。
たち‐そ・う【立ち添う】‥ソフ🔗⭐🔉
たち‐そ・う【立ち添う】‥ソフ
〔自五〕
よりそう。つきそう。あとを追うようにつづく。加わる。源氏物語夕顔「程もなく又―・ひぬべきが、くちをしくもあるべきかな」
たち‐そ・む【立ち初む】🔗⭐🔉
たち‐そ・む【立ち初む】
〔自下二〕
うわさなどが立ちはじめる。源氏物語行幸「―・めにし名のとり返さるるものにもあらず」
たち‐ちが・う【立ち違ふ】‥チガフ🔗⭐🔉
たち‐ちが・う【立ち違ふ】‥チガフ
〔自四〕
入れかわり立ちかわりする。狭衣物語4「法師・僧もあけくれ―・ひつつ」
たち‐つ・ぐ【立ち継ぐ】🔗⭐🔉
たち‐つ・ぐ【立ち継ぐ】
〔他四〕
後をつぐ。後をついで立つ。源氏物語匂宮「かのみかげに―・ぎ給ふべき人」
たち‐つく・す【立ち尽くす】🔗⭐🔉
たち‐つく・す【立ち尽くす】
〔自五〕
いつまでも立っている。じっと立ったままでいる。立ち通す。「呆然と―・す」
たち‐つづ・く【立ち続く】🔗⭐🔉
たち‐つづ・く【立ち続く】
[一]〔自五〕
①立って続く。立ち連なる。
②後に続く。連なる。
[二]〔自下二〕
⇒たちつづける(下一)
たち‐つづ・ける【立ち続ける】🔗⭐🔉
たち‐つづ・ける【立ち続ける】
〔自下一〕[文]たちつづ・く(下二)
①立ったまま時を過ごす。
②次々と立つ。立ちつらなる。奥の細道「人家地をあらそひて、かまどの煙―・けたり」
たち‐づめ【立ち詰め】🔗⭐🔉
たち‐づめ【立ち詰め】
ずっと立ったままでいること。立ち通し。「一日―で疲れた」
たち‐どおし【立ち通し】‥ドホシ🔗⭐🔉
たち‐どおし【立ち通し】‥ドホシ
最後まで立ったままでいること。長時間立ち続けること。立ち詰め。
たち‐とお・す【立ち通す】‥トホス🔗⭐🔉
たち‐とお・す【立ち通す】‥トホス
〔自五〕
最後まで立ったままでいる。立ち続ける。
たち‐どころ【立ち所】🔗⭐🔉
たち‐どころ【立ち所】
立っている所。また、人の育った所。長く居た所。平治物語「六波羅の門前には馬車の―もなくせきあひたるに」
⇒たちどころ‐に【立ち所に】
たちどころ‐に【立ち所に】🔗⭐🔉
たちどころ‐に【立ち所に】
〔副〕
すぐさま。ただちに。たちまち。即座に。三蔵法師伝承徳点「立タチトコロニ試に即ち成す」。「―解決する」
⇒たち‐どころ【立ち所】
たち‐どま・る【立ち止まる】🔗⭐🔉
たち‐どま・る【立ち止まる】
〔自五〕
歩行をやめて立つ。歩みをとめる。
たち‐とよ・む【立ち動む】🔗⭐🔉
たち‐とよ・む【立ち動む】
〔自四〕
どよむ。さわぐ。万葉集3「浅野の雉きぎし明けぬとし立動たちとよむらし」(「立動」を「たちさわく」と訓む説もある)
たち‐なお・る【立ち直る】‥ナホル🔗⭐🔉
たち‐なお・る【立ち直る】‥ナホル
〔自五〕
①倒れかけたものがもとのようにしっかりと立つ。
②もとの良い状態にもどる。なおる。平家物語10「世も―・らば六代にたぶべし」。「失意から―・る」「景気が―・る」
③姿勢をまっすぐに立つ。源平盛衰記6「入道―・つて大の音こえを以て」
④場所を移る。〈日葡辞書〉
たち‐ながら【立ちながら】🔗⭐🔉
たち‐ながら【立ちながら】
(物忌のため、あるいは穢れに触れないために)立ったままで。転じて、ちょっとの間。源氏物語夕顔「頭中将ばかりを、―こなたに入り給へとのたまひて」
たち‐なげ・く【立ち嘆く】🔗⭐🔉
たち‐なげ・く【立ち嘆く】
〔自四〕
立ってため息をつく。万葉集4「なら山の小松が下に―・くかも」
たち‐なや・む【立ち悩む】🔗⭐🔉
たち‐なや・む【立ち悩む】
〔自四〕
立とうとしても苦しくて立てない。また、立っていることに苦しむ。
たち‐なら・す【立ち均す】🔗⭐🔉
たち‐なら・す【立ち均す】
〔他四〕
地面をふみつけて平らにならす。また、その場所に常に行き来する。しばしばおとずれる。万葉集9「かづしかの真間ままの井を見れば―・し水汲ましけむ手児奈てごなし思ほゆ」
たち‐なら・す【立ち馴らす】🔗⭐🔉
たち‐なら・す【立ち馴らす】
〔他四〕
馴れ親しむようにする。源氏物語賢木「などて今まで―・さざりつらむ」
たち‐な・る【立ち馴る】🔗⭐🔉
たち‐な・る【立ち馴る】
〔自下二〕
なれる。なれしたしむ。源氏物語匂宮「一つ院の内にあけくれ―・れ給へば」
たち‐の・く【立ち退く】🔗⭐🔉
たち‐の・く【立ち退く】
〔自五〕
居所を立ち去る。他所へ移る。その場所をあける。蜻蛉日記中「あふ、―・きて、などいふめれば」。「区画整理で―・く」
たち‐のぼ・る【立ち上る】🔗⭐🔉
たち‐のぼ・る【立ち上る】
〔自五〕
煙などが、高くあがる。高く上へあがる。
たち‐はし・る【立ち走る】🔗⭐🔉
たち‐はし・る【立ち走る】
〔自四〕
立って走る。また、走りまわる。万葉集9「―・り叫び袖振り」
たち‐はだか・る【立ちはだかる】🔗⭐🔉
たち‐はだか・る【立ちはだかる】
〔自五〕
立ちふさがって邪魔をする。手足を広げて立ってさえぎる。「行く手に―・る難関」
たち‐はたら・く【立ち働く】🔗⭐🔉
たち‐はたら・く【立ち働く】
〔自五〕
動きまわって働く。いろいろとよく働く。「こまめに―・く」
たち‐び【立ち日】🔗⭐🔉
たち‐び【立ち日】
(「立ち」は旅立つ意とも、出現する意ともいう)命日めいにち。歌舞伎、三人吉三廓初買「今日を―に七七日なななぬか」
たち‐びな【立ち雛】🔗⭐🔉
たち‐びな【立ち雛】
「ひな(雛)2」参照。〈[季]春〉
たち‐ふさが・る【立ち塞がる】🔗⭐🔉
たち‐ふさが・る【立ち塞がる】
〔自五〕
前に立ってさえぎり止める。立ちはだかる。
たち‐ふたが・る【立ち塞がる】🔗⭐🔉
たち‐ふたが・る【立ち塞がる】
〔自四〕
(→)「たちふさがる」に同じ。宇治拾遺物語2「通さじと―・る男にくきやつなり」
たち‐まさ・る【立ち増さる・立ち勝る】🔗⭐🔉
たち‐まさ・る【立ち増さる・立ち勝る】
(「たち」は接頭語)〔自五〕
①いっそうはなはだしくなる。また、いっそう多く立つ。亭子院歌合「山桜咲きぬる時は常よりも峰の白雲―・りけり」
②他のものよりもまさる。すぐれる。源氏物語帚木「同じ頃まかり通ひし所は、人も―・り」
たち‐まじ・る【立ち交じる】🔗⭐🔉
たち‐まじ・る【立ち交じる】
〔自五〕
その群れに加わる。仲間に入りまじる。
たち‐まわ・る【立ち回る】‥マハル🔗⭐🔉
たち‐まわ・る【立ち回る】‥マハル
〔自五〕
①あちらこちらを歩き回る。たちめぐる。
②人々の間に立って、世話をする。また、人々の間をうまく行き来して、自分が有利になるようにする。「如才なく―・る」
③ある場所へ行く。また、犯人などが逃走中に立ち寄る。
④芝居で、乱闘を演ずる。
たち‐み【立ち身】🔗⭐🔉
たち‐み【立ち身】
①立って身構えること。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「三ぶはすつくり―になり」
②芝居や踊りで、立っている体。立った姿。歌舞伎、東海道四谷怪談「お岩の―へ手をかけて揺すると」
たち‐みず【立ち水】‥ミヅ🔗⭐🔉
たち‐みず【立ち水】‥ミヅ
流れている水。一説に、湧き出る水。筑波問答「あはれ、いさぎよき水の流れかな。水には―、伏水といふことのあるなり」。兼載雑談「―とはわき出づる水なり。ふし水とは流るる水なり」
たち・みる【立ち見る】🔗⭐🔉
たち・みる【立ち見る】
〔他上一〕
立って見る。
たち‐むか・う【立ち向かう】‥ムカフ🔗⭐🔉
たち‐むか・う【立ち向かう】‥ムカフ
〔自五〕
①立って向かう。むかう。万葉集1「―・ひ射る円方まとかたは」
②てむかいする。対抗する。敵対する。万葉集2「まつろはず―・ひしも露霜の消けなば消ぬべく」。「強敵に―・う」
③困難に対して、避けることなく対処する。「難局に―・う」
たち‐めぐ・る【立ち回る】🔗⭐🔉
たち‐めぐ・る【立ち回る】
〔自四〕
めぐりあるく。たちまわる。源氏物語蜻蛉「―・りしとのゐ人どもも見とがめず」
たち‐やすら・う【立ち休らふ】‥ヤスラフ🔗⭐🔉
たち‐やすら・う【立ち休らふ】‥ヤスラフ
〔自四〕
立ちどまる。たたずむ。古今和歌集雑体「庭に出でて―・へば」
たち‐ゆ・く【立ち行く】🔗⭐🔉
たち‐ゆ・く【立ち行く】
〔自五〕
①立って行く。出発する。万葉集12「あしひきの片山雉きぎし―・かむ君に後れてうつしけめやも」
②時が過ぎて行く。経過する。浄瑠璃、曾我五人兄弟「―・く年も長月や」
③暮しのみちが立つ。事業などが成り立ってゆく。「暮しが―・かない」
たち‐よそ・う【立ち装ふ】‥ヨソフ🔗⭐🔉
たち‐よそ・う【立ち装ふ】‥ヨソフ
〔自四〕
装う。まわりをかざる。万葉集2「山吹の―・ひたる山清水」
たち‐よ・る【立ち寄る】🔗⭐🔉
たち‐よ・る【立ち寄る】
〔自五〕
①ちかよる。側に寄る。寄る。竹取物語「年をへて浪―・らぬ住の江の」
②道の途中で訪問する。他へ行くついでにおとずれる。源氏物語蓬生「帰りざまに―・り給ひて」
たち‐わた・る【立ち渡る】🔗⭐🔉
たち‐わた・る【立ち渡る】
〔自四〕
①雲や霧などが一面に立ちおおう。古事記中「狭井川さいがわよ雲―・り」
②一方から現れてずっと移動する。万葉集10「雁が音ねの聞ゆる空ゆ月―・る」
③人・車などが、あたり一帯に立ち並ぶ。源氏物語葵「ひまもなう―・りたるに」
たちん‐ぼう【立ちん坊】‥バウ🔗⭐🔉
たちん‐ぼう【立ちん坊】‥バウ
①立ち続けていること。また、その人。たちんぼ。「終点まで―だった」
②明治・大正初期、坂の下などに立っていて車を待ちうけ、車のあと押しなどをして、金をもらった者。鮟鱇あんこう。徳冨蘆花、みみずのたはこと「両国橋の上で…如何にも汚ない風をした―に会ふた」
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