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すさ・む【荒む・進む・遊む】🔗⭐🔉
すさ・む【荒む・進む・遊む】
[一]〔自五〕
(スサブの転)
①湧いてくる勢いの赴くままになる。はなはだしくなる。心の赴くままに事をする。新後撰和歌集秋「風―・む小野の篠原」
②詩歌などを吟ずる。くちずさむ。十訓抄「堂の内にしのびやかにうち―・むを聞けば」
③心をとめて愛する。日葡辞書「ハナニスサム」
④時折、雨や雪が降る。また、時折、風が吹く。風雅和歌集冬「時雨―・める遠山の松」
⑤雨や風がやむ。日葡辞書「アメフリスサム」
⑥荒れてこまやかさがなくなる。荒廃する。「生活が―・む」「芸が―・む」
[二]〔他四〕
①すさまじく思う。いとい捨てる。住吉物語「多くの月日重なるままに、いよいよ思ひまさりて世の中をも―・み、宮仕へをも忘れて」。日葡辞書「ヒトヲスサム」「ヨヲスサム」
②苦しめ痛めつける。日葡辞書「ミヲスサム」
[三]〔他下二〕
気分の赴くままにする意。
①心にとめて愛する。古今和歌集雑「大あらきの森の下草老いぬれば駒も―・めず刈る人もなし」。源氏物語花宴「帥の宮の北の方、頭中将の―・めぬ四の君などこそよしと聞きしか」
②時折、事をなす。堀河百首夏「ひまもなく降りも―・めぬ五月雨につくまの沼のみ草なみよる」
③いとい捨てる。きらい避ける。源氏物語紅梅「兵部卿の宮に近づき聞えにけり、うべ我をば―・めたりと、気色どり怨じ給へりしこそをかしかりしか」
すす・む【進む】🔗⭐🔉
すす・む【進む】
[一]〔自五〕
おのずと湧いて来る勢いに乗って進行・行動する意。
①前へ出る。前へ行く。進行する。前進する。平家物語4「後陣はこれを聞きつけず我先きにと―・む程に」。新葉和歌集雑「年波の―・み退く事もあらじ流るる月日道し変へずは」。「3歩前へ―・む」
②年かさがまさる。年をとる。年月を経る。今昔物語集5「年、我より少し―・みたるをば兄の如くにし」
③程度がまさる。すぐれる。上達する。進歩する。源氏物語絵合「才学といふもの…いたう―・みぬる人の、命、さいはひと並びぬるは、いとかたきものになむ」。源氏物語帚木「琴のね―・めけむかどかどしさも、すきたる罪おもかるべし」。「文明が―・む」「社会保障の―・んでいる国」
④程度がはなはだしくなる。源氏物語帚木「哀れ―・みぬればやがて尼になりぬかし」。「病状が―・む」「老眼が―・む」
⑤地位・段階があがる。昇進する。風流志道軒伝「北条・梶原に伝つてなきものは、位に―・む事あたはず」。「官位が―・む」「3年に―・む」「大学に―・む」
⑥(涙などが)自然にあふれ出る。こぼれる。平家物語6「これにむかふにいかんが涙なんだ―・まざらん」
⑦心が先へはやる。せく。また、積極的にそうしようとする。万葉集3「家思ふと心―・むな風まもりよくしていませ荒しその路」。宇津保物語忠乞「幼くより行ひの道に心―・みてなむ侍る」。「―・んでいやな仕事を引き受ける」「気が―・まない」
⑧(食欲などが)盛んになる。増進する。ひさご「無理に居すえたる膳も―・まず」(珍碩)。日葡辞書「ショクガススム」
⑨物事がはかどる。進展する。進捗しんちょくする。「工事が予定どおり―・まない」「話が―・む」
⑩仕官する。出仕する。
⑪ある目標へ向かう。「文学方面へ―・む」
⑫時計が標準時間より早くなる。「この時計は1日に2分ずつ―・む」
[二]〔他下二〕
⇒すすめる(下一)
⇒進まぬ顔
⇒進むを知りて退くを知らず
○進むを知りて退くを知らずすすむをしりてしりぞくをしらず🔗⭐🔉
○進むを知りて退くを知らずすすむをしりてしりぞくをしらず
[易経乾卦]進むことばかり考えて、時機を見て退くことを考えない。大局を判断せずに猪突猛進するたとえ。
⇒すす・む【進む】
すすめ
(宮城県の一部で)葬式の際、会葬者に供するために近親者が持ち寄る食物または食料。
すすめ【勧め】
①すすめること。はげますこと。さそうこと。「学問の―」
②勧進かんじん。
すずめ【雀】
①スズメ目ハタオリドリ科の鳥。小形で、頭は赤褐色、のどは黒色。背は赤褐色に黒斑があり、下面は灰白色。人の住む土地にはほとんどどこにも棲み、人家の軒・屋根などに藁などで巣を作る。群集することが多い。ユーラシア大陸に分布、北アメリカ・オーストラリアに移入され野生化している。なお、スズメ目はいわゆる小鳥の大部分を含み、鳥類約9000種の約8分の5、約50科を占める。蜻蛉日記下「屋の上をながむれば、巣くふ―ども」
スズメ
撮影:小宮輝之
②おしゃべりな人。また、ある所によく出入りして事情にくわしい人。「京―」「楽屋―」
③紋所の名。雀の形を模したもの。雲雀くもすずめ・雀の丸・竹に雀・ふくら雀などがある。
⇒すずめ‐いお【雀魚】
⇒すずめ‐いろ【雀色】
⇒すずめいろ‐どき【雀色時】
⇒すずめ‐うり【雀瓜】
⇒すずめ‐おどり【雀踊】
⇒すずめ‐が【雀蛾・天蛾】
⇒すずめ‐がい【雀貝】
⇒すずめ‐がくれ【雀隠れ】
⇒すずめ‐がた【雀形】
⇒すずめ‐がっせん【雀合戦】
⇒すずめ‐ぐち【雀口】
⇒すずめ‐こゆみ【雀小弓】
⇒すずめ‐ずし【雀鮨】
⇒すずめ‐だい【雀鯛】
⇒すずめ‐だか【雀鷂】
⇒すずめ‐のえんどう【雀野豌豆】
⇒すずめ‐の‐おごけ【雀の尾苔・雀の苧小笥】
⇒すずめ‐の‐おどりあし【雀の躍り足】
⇒すずめ‐の‐かたびら【雀の帷子】
⇒すずめ‐の‐こ【雀の子】
⇒すずめ‐の‐す【雀の巣】
⇒すずめ‐の‐たご【雀の田子・雀の甕】
⇒すずめ‐の‐ちゃひき【雀の茶挽】
⇒すずめ‐の‐てっぽう【雀の鉄砲】
⇒すずめ‐の‐なみだ【雀の涙】
⇒すずめ‐の‐ひえ【雀の稗】
⇒すずめ‐の‐まくら【雀の枕】
⇒すずめ‐の‐やり【雀の槍】
⇒すずめ‐ばち【雀蜂・胡蜂】
⇒すずめ‐ふぐ【雀河豚】
⇒すずめ‐やき【雀焼】
⇒すずめ‐ゆみ【雀弓】
⇒雀の巣も構うに溜まる
⇒雀の千声鶴の一声
⇒雀百まで踊りを忘れず
すずめ‐いお【雀魚】‥イヲ
(→)ウミスズメ1に同じ。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐いろ【雀色】
雀の羽のような茶褐色。
⇒すずめ【雀】
すずめいろ‐どき【雀色時】
夕暮。日暮時。たそがれどき。東海道中膝栗毛2「―、やうやう蒲原の宿にいたる」
⇒すずめ【雀】
すずめ‐うり【雀瓜】
ウリ科の蔓性一年草。原野や水辺に自生。全体に軟弱、葉は卵円形で薄く、花は白。果実は小球形で緑色。秋、灰白色に熟す。
スズメウリ
提供:OPO
⇒すずめ【雀】
すずめ‐おどり【雀踊】‥ヲドリ
歌舞伎踊。風流ふりゅう踊の一つで、編笠をかぶり、雀の模様の着物を着、奴やっこの姿で踊るもの。
雀踊
⇒すずめ【雀】
すずめ‐が【雀蛾・天蛾】
スズメガ科のガの総称。体は太く紡錘形、翅は細長く強い。夕方から夜間に活発に飛び、花蜜を吸う。灯火によく飛来する。幼虫はいわゆる芋虫で通常尾角を有する。イモムシチョウ。スズメチョウ。黄別当きべっとう。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐がい【雀貝】‥ガヒ
①スズメガイ科の巻貝。貝殻は円錐状で、長径約2センチメートル。表面に茶褐色の粗毛を密生し、内面は白色。日本中部以南の浅海の岩礁上に着生、磯浜に打ち上げられて普通に見られる。磯貝。
②シジミの俗称。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐がくれ【雀隠れ】
草木の葉が、春、ようやく雀が身を隠す程にのびたこと。蜻蛉日記下「木の芽―になりて」
⇒すずめ【雀】
すずめ‐がた【雀形】
つばさを開いた雀の形を円く描いた文様。ふすま・屏風などに用いる。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐がっせん【雀合戦】
多くの雀が大木などに集まって騒ぐこと。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐ぐち【雀口】
軒先瓦の真下。雀が巣をかけるところ。軒先面戸のきさきめんど。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐こゆみ【雀小弓】
雀などを射る程の小さい弓。楊弓の類。平安末期、公家の娯楽に用いられ、のち児童の遊戯用になった。雀弓。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐ずし【雀鮨】
もと江鮒えぶなを開いて腹中にすし飯を詰め、その形を雀のようにふくらませた鮨。難波名物。今は小鯛を用いて、棒ずしや押しずしにする。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐だい【雀鯛】‥ダヒ
スズメダイ科の海産の硬骨魚。全長約10センチメートル。体は紫黒色。南日本の近海、岩礁の多い所にすむ。福岡では食用。広義にはスズメダイ科魚類の総称。
スズメダイ
提供:東京動物園協会
⇒すずめ【雀】
すずめ‐だか【雀鷂】
エッサイの雌。つみ。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐どう‥ダウ
(「鎮め堂」の転訛か)肥前などで、新墓の上におおって置く屋形のこと。
すずめ‐のえんどう【雀野豌豆】‥ヱン‥
マメ科の二年草で路傍や芝生の雑草。茎は蔓状、長さ約70センチメートル、全草に細かい毛を生ずる。羽状複葉の頂端は巻鬚まきひげとなり、小葉は3〜8対。春、長い柄を出し、淡紫色の小花を総状につけ、のちエンドウに似た小形の莢さやを生ずる。牧草とする。→からすのえんどう。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐の‐おごけ【雀の尾苔・雀の苧小笥】‥ヲ‥
〔植〕(→)イヨカズラの別名。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐の‐おどりあし【雀の躍り足】‥ヲドリ‥
筆跡の拙いたとえ。狂言、文荷ふみにない「先づは拙い手ぢや。悉皆―を見る様な」
⇒すずめ【雀】
すずめ‐の‐かたびら【雀の帷子】
路傍や畑地にごく普通のイネ科の雑草。都会地にも多い。一年草または二年草で冬も青く、早春から緑白色の穂を密につける。
⇒すずめ【雀】
すずめ‐の‐こ【雀の子】
雀の雛鳥ひなどり。俳諧では、特に春に孵化したものをいう。〈[季]春〉
⇒すずめ【雀】
すずめ‐の‐す【雀の巣】
春、雀が瓦屋根の下などに、藁わら・枯れ草などで作った巣。〈[季]春〉
⇒すずめ【雀】




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