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あ・く【明く・開く・空く】🔗⭐🔉
あ・く【明く・開く・空く】
[一]〔自五〕
①そこを塞いでいた物が除かれ、通り抜けができるようになる。竹取物語「立て籠めたる所の戸、即ちただ―・きに―・きぬ」。日葡辞書「ハレモノノクチガアイタ」。「門が―・く」「箱の蓋が―・く」
②そこにあったものが無くなり、空白部ができる。また、からになる。
㋐間にへだたりやすきまができる。竹取物語「―・ける隙もなく守らす」。日葡辞書「イエ、イレモノナドガアク」。「1着と2着との間が1メートル―・く」「―・いている部屋」「グラスが―・く」
㋑官職・地位に就いていた人がやめ、そこに人がいない状態になる。欠員ができる。大鏡師尹「小一条院式部卿にておはしまししが、東宮にたち給ひて―・くところに」。「社長の椅子が―・く」
㋒収入・支出にへだたりができ、欠損になる。懐硯ふところすずり「節季の帳まへたびごとに、…次第ましの不足、積れば大きに―・くところありて」
㋓(日常の行為・勤めなどに関して)禁制・束縛などが解かれる。解除になる。源氏物語松風「今日は六日の御物忌―・く日にて」。梅津政景日記「女房四人年季―・き候ひて」。「喪が―・く」
㋔する事がない状態になる。ひまになる。日葡辞書「ヒマガアク」。「手が―・く」
③(幕開きなどの意から)物事が始まる。また、営業が始まる。「芝居が―・く」「店は11時に―・く」
④(らちがあくの意)物事がうまくゆく。否定形でのみ用いる。好色二代男「八つの鐘がなれども―・かず」。「そりゃ―・かん」
[二]〔他四〕
あける。ロドリーゲス大文典「目を―・くも塞ぐもこちのままである」
[三]〔自下二〕
⇒あける(自下一)。
[四]〔他下二〕
⇒あける(他下一)
◇はっきりする意で「明」、ひらく意では「開」、からになる意には「空」を使うことが多い。
⇒あいた口が塞がらぬ
⇒あいた口へ餅
ひら・く【開く】🔗⭐🔉
ひら・く【開く】
[一]〔自五〕
①閉じているものがあけ放たれる。「門が―・く」「店が―・く」
②つぼみがほころびる。咲く。源氏物語若紫「優曇華うどんげの花…時ありてひとたび―・くなる」。日葡辞書「ハナガヒラク」
③幸運になる。よくなる。人情本、春色英対暖語「お前さんの運が―・くのが遅ければ遅いやうに」
④滞りがとれて晴れ晴れする。「胸が―・く」
⑤(戦陣や慶事などでいう)退散する。閉会・解散する。保元物語「今は叶はせ給ふべからず、急ぎ何方へも御―・き候べしと申せば」。誹風柳多留8「本性をたがへず―・きますといふ」。浄瑠璃、八百屋お七「難儀がかかりや師弟ともこの寺を―・く分」
⑥身をかわしてよける。太平記26「追つ立て追つ立て攻められて…七千余騎の兵ども、―・き靡いて引きけるが」。義経記2「一太刀にと思ひて、もつて―・いてむずとうつ」
⑦間隔があく。差がつく。「先頭との間が―・く」
⑧ひろがる。「扇状に―・いた隊形」「鉢の―・いた頭」
[二]〔他五〕
①閉じているものをあける。万葉集20「久方の天の門―・き高千穂の岳に天降りし」。日葡辞書「モンヲヒラク」「マナコヲヒラク」「クラヲヒラク」。「胸襟きょうきんを―・く」
②はじめる。おこす。催す。懐風藻「重震秋声を―・く」。「店を―・く」「国会を―・く」
③滞っているものを除く。疎通させる。応神紀「新羅を撃ちて其の道路みちを披ひらけ」。「血路を―・く」
④明らかにする。解きあかす。太平記1「玄を談じ、理を―・く」。日葡辞書「フシン(不審)ヲヒラク」
⑤よい方に向ける。栄えさせる。平治物語「朝に仕へて楽しみを春花の前に―・き」。日葡辞書「リウン(利運)ヲヒラク」
⑥(「眉を―・く」などの形で)心を晴れ晴れした状態にする。日葡辞書「キエッ(喜悦)ノマユヲヒラク」。「愁眉しゅうびを―・く」
⑦(中身を)ひろげる。のべる。平家物語5「院宣を三度拝して―・かれたり」。日葡辞書「ワウギ(扇)ヲヒラク」。「体たいを―・く」
⑧初めて使う。日葡辞書「ダウグヲヒラク」
⑨開板する。出版する。玉塵抄9「板木に―・いた本にも字の悪い事多いぞ」
⑩(「拓く」とも書く)開墾する。開発する。周易抄「始めて田を―・くを新墾あらきはりと云ふぞ」。「荒れ地を―・く」
⑪(「鉢を―・く」の形で)托鉢する。喜捨を求める。日葡辞書「ハチヲヒラク」
⑫「割る」「砕く」などの忌詞いみことば。→かがみびらき。
⑬〔数〕乗根を求める。「2を平方に―・く」
[三]〔自下二〕
⇒ひらける(下一)
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