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広辞苑の検索結果 (7)

さ‐て(副詞)🔗🔉

さ‐て [一]〔副〕 ①そのようで。そのままで。万葉集10「梅の花よしこの頃は―もあるがね」 ②これこれで。しかじかで。蜻蛉日記「これ、―なんありしとて、見すれば」 ③そうしてそれから。その外。源氏物語花宴「―の人々は、皆臆しがちに」 [二]〔接続〕 (「扨」「偖」と書く)上を受けて下に移る時の語。また、局面をかえて説き起こす時の語。そうして。それから。ところで。竹取物語「それよりなん、少し嬉しきことをばかひあるとは言ひける。―、かぐや姫、かたちの世に似ずめでたきことを」。「仕事を終え、―帰ろうとすると」

さて‐おき【扨措き・扨置き】🔗🔉

さて‐おき扨措き・扨置き】 (サテオクの連用中止形)さしおいて。別にして。「それは―」

さて‐お・く【扨措く・扨置く】🔗🔉

さて‐お・く扨措く・扨置く】 〔他五〕 そのままにしておく。すておく。新古今和歌集「思ひわび見し面影は―・きて恋せざりけむ折ぞ恋しき」。「何は―・いても」

さて‐また【扨又】🔗🔉

さて‐また扨又】 〔接続〕 そうしてまた。

さて‐も【扨も】🔗🔉

さて‐も扨も】 [一]〔副〕 そういうことで。それでもやはり。そのままで。貫之集「憂けれども生けるは―あるものを死ぬるのみこそ悲しかりけれ」 [二]〔感〕 ほんとにまあ。なんとまあ。源氏物語若紫「―いと愛うつくしかりつるちごかな」。「―遠くまで来たものだ」 [三]〔接続〕 それにしても。それはそうと。ところで。大鏡「かへすがへす嬉しく対面たいめしたるかな。―いくつにかなり給ひぬる」 ⇒さても‐さても ⇒さても‐そののち【扨も其の後】

さても‐そののち【扨も其の後】🔗🔉

さても‐そののち扨も其の後】 かようにしてその後。古浄瑠璃などの書出しに多い。 ⇒さて‐も【扨も】

[漢]扨🔗🔉

 字形 〔手(扌)部3画/6画/5714・592E〕 (国字) 〔訓〕さて [意味] さて。ところで。 ▷「さて」に当てる「扠」の字形の変形したものという。

大辞林の検索結果 (8)

さ-て【扨・扠・偖】🔗🔉

さ-て [1] 【扨・扠・偖】 ■一■ (接続) (1)それまでの話をきりあげ,別な話題に移る意を表す語。ところで。「―,次に討論に入ります」 (2)これまでの話を受けて,次の話に続けていく語。そうして。それから。「―,舟に乗った桃太郎はいよいよ鬼が島に着きました」「渠(カレ)は…地理書とを書箱(ホンバコ)から出して,―静かに昨日の続きの筆を執(ト)り始めた/蒲団(花袋)」 ■二■ (感) (1)感心したり驚いたりしたときに発する語。「―,ここはどこだろう」 →さても (2)次の行動に移ろうとするときに発する語。「―,ぼちぼち行くか」「―,困った」 (3)文末に用いて感動を表す語。…よ。「はて,そなたが待たば,愚僧も待たうは―/狂言・宗論(虎寛本)」 ■三■ (副) (1)その状態で。そのままで。「さらに,―過ぐしてむと思されず/源氏(夕顔)」 (2)(「さての」の形で)そのほかの。それ以外の。「―の人々は,みな臆しがちに鼻じろめる/源氏(花宴)」 →さてこそ →さては →さても

さて=しも🔗🔉

――しも 「さて」を強めた言い方。そのようでもなお。そのような状態でこそ。「あまり物のほど知らぬやうに,―過ぐしはてず/源氏(末摘花)」

さて-お・く【扨措く・扨置く】🔗🔉

さて-お・く [1] 【扨措く・扨置く】 (動カ五[四]) そのままにしておく。さしあたり話題から外しておく。多く「さておき」「さておいて」の形で用いる。「冗談は―・いて,本題にはいろう」「外国のことは―・き,日本では…」

さて-は【扨は】🔗🔉

さて-は [1][0] 【扨は】 ■一■ (接続) (1)いろいろのことをしたあげく。遂には。「歌うやら騒ぐやら―踊り出す者まで出る始末だった」 (2)そういうことなら。しからば。「―心やすし,とて頸をのべてうたせたり/平治(中)」 (3)そのほかは。あるいは。「かの夕顔のしるべせし随身ばかり,―顔むげに知るまじき童一人ばかりぞ/源氏(夕顔)」 ■二■ (感) 思い当たったり,納得したりしたときに発する語。それではきっと。「―,だまされたか」 ■三■ (副) そのままでは。「まさに―過ぐし給ひてむやと/源氏(末摘花)」

さて-また【扨又】🔗🔉

さて-また [1] 【扨又】 (接続) そうしてまた。それからまた。「まづ春はわらび出る,―夏は田をうゑ/狂言・法師が母」

さて-も【扨も】🔗🔉

さて-も [1] 【扨も】 ■一■ (感) 物事に感じ入ったときに発する語。ほんとにまあ。「―見事な桜だ」 ■二■ (副) そのままでいても。「―かひなければまかりぬる/蜻蛉(上)」 ■三■ (接続) 話題を転じるときに用いる。さて。ところで。「返す返すうれしく対面したるかな。―いくつにかなり給ひぬる/大鏡(序)」

さても=さても🔗🔉

――さても (感) 「さても」を強めた言い方。ほんとにまあ。「―うれしう対面したるかな/大鏡(藤氏物語)」

さても=その後(ノチ)🔗🔉

――その後(ノチ) さてそれから後。古浄瑠璃などで冒頭に用いられた慣用句。「―それ天地人の三才を観ずるに/浄瑠璃・花山院后諍」

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