ぎ【魏】 中国の国名。 (１)戦国時代の七雄の一。晋の有力世族魏氏が韓・趙両氏とともに晋の領地を三分して成立（前 403-前 225）。今の山西省南西部から河南省北部を領有。秦に滅ぼされた。 (２)三国の一。後漢末に華北を統一し実権を握って魏王となった曹操（そうそう）の死後，その子曹丕（そうひ）（文帝）が，後漢の献帝に譲位を迫って王朝を建てた（220-265）。都は洛陽。5 代元帝の時，臣下の司馬氏に代わられた。 (３)北朝の一。鮮卑族の拓跋珪（たくばつけい）が華北に建国（386-534）。積極的な中国同化政策を進めたが，その矛盾から反乱が起こり，534 年，東魏（534-550）と西魏（535-557）に分裂した。北魏。後魏。拓跋魏。

ぎぎ【巍巍・魏魏】 （ト/タル） 高く大きいさま。「―たる岩峰」

ぎげん【魏源】 （1794-1857） 中国，清末の学者。字（あざな）は黙深。経世実用の学風を立て，西欧列強の進出に対し強兵を主張。編著「海国図志」「聖武記」など。

ぎし【魏志】 中国，三国時代の魏に関する歴史書「魏書」の通称。

ぎしゅう【魏収】 （506-572） 中国，北斉（ほくせい）の学者。字（あざな）は伯起。北魏（ほくぎ）の史書「魏書」を編纂。

ぎしょ【魏書】 (１)中国の正史の一。北魏に関する史書。北斉の魏収の撰。554 年に完成。帝紀 12 巻，列伝 92 巻，志 10 巻。現行本は宋代に修補されたもの。北魏書。後魏書。 (２)「三国志」の魏に関する部分。魏志。

ぎしわじんでん【魏志倭人伝】 魏書の東夷伝にある倭人に関する記事の称。邪馬台国（やまたいこく）とその女王卑弥呼（ひみこ）について記されており，3 世紀の日本の政情・風俗などを知りうる文献。

ぎしんなんぼくちょうじだい【魏晋南北朝時代】 中国で，後漢が滅んだ 220 年頃から隋が天下を統一した 589 年までの 360 余年間の時代。三国時代，西晋の統一時代，東晋・五胡十六国時代，南北朝時代に細分することもある。

ぎちょう【魏徴】 （580-643） 中国，唐初の政治家。字（あざな）は玄成。太宗の諫臣として有名。南北朝・隋の正史編纂に関与。「述懐」の詩は名高い。

【魏】 〔画　数〕18画 〔区 点〕8218〔ＪＩＳ〕7232〔シフトJIS〕E9B0 〔音 訓〕ギ・たかい 〔熟語一覧〕 →阿魏（あぎ） →魏（ぎ） →巍巍・魏魏（ぎぎ） →魏源（ぎげん） →魏志（ぎし） →魏収（ぎしゅう） →魏書（ぎしょ） →魏志倭人伝（ぎしわじんでん） →魏晋南北朝時代（ぎしんなんぼくちょうじだい） →魏徴（ぎちょう） →北魏（ほくぎ）