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せり【芹】🔗🔉

せり【芹】 セリ科の多年草。日本の各地および朝鮮、中国、台湾などの湿地や溝に生える。高さ三〇〜六〇センチメートル。全体に無毛で、一種の芳香がある。茎には稜があり、下部は長く地を這う。根生葉には長い柄があり、基部はやや小さくて互いに重なる。茎葉は有柄で互生し、基部は茎を抱く。葉は二回羽状複葉。各小葉は狭卵形または披針形で、両端は尖り縁に粗い鋸歯がある。夏、葉に対生して長い花茎を伸ばし、先端に径三〜五センチメートルの散形花序をつける。花茎は先端で一〇個ぐらいの小柄に分かれ、それぞれの先端にごく小さな白い五弁花を球状に密集してつける。春の七草の一つで、若い葉と茎を食用にする。漢名、水。しろねぐさ。《季・春》 ●芹摘(つ)む 平安時代の慣用的歌語。思う心を相手に届けようとかなわぬ苦労をする。*枕‐二四五「御簾のもとに集まり出でて、見たてまつるをりはせりつみしなどおぼゆる事こそなけれ」 [補注]昔、宮中の庭掃除の男が、后が芹を召し上がっているのを垣間見て恋におちいり、芹を摘んで御簾のあたりに置いたが、年経ても思いが通らないので、ついにこがれ死にした(俊頼髄脳)など、由来については諸説がある。

日国 ページ 11940 での単語。