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ゆう‐げん【幽玄】(イウ‥)🔗⭐🔉
ゆう‐げん【幽玄】(イウ‥)
(形動)(「幽」は、かすか・ほのか、また、奥深い意。「玄」は、深遠な道理の意。物事の奥にひそんでいる、容易に知り難い微妙で神秘的な境地をいう)
1 物事のおもむきが深く、人知でははかり知ることができない境地であること。奥深く深遠ではかり知れないこと。古く中国では、幽冥の国をさし、のちには老子・荘子などが説いた哲理や仏教のさとりの境地が深遠、微妙であることをさしていった。*中右記‐永長元年五月三日「左少弁不期而来会、語渉倭漢、興入幽玄」
2 ほのかではっきりしないこと。よくわからないこと。未知であるさま。*百錬抄‐治承四年九月二二日「承平天慶之例幽玄之間」
3 あじわいが深いこと。情趣に富んで、おもむきがあること。*古事談‐六「天性無骨者候之間、幽玄之所をえ舞候はぬなり」
4 上品でやさしいこと。優雅でやさしく、上品な美しさを備えていること。*愚管抄‐四「内裏の御ことは幽玄にてやさやさとのみ思ひならへる人の云なるべし」
5 日本の文学論・歌論の理念の一つ。1の深遠ではかり知れない意を転用したもので、特に、中古から中世にかけて、詩歌や連歌などの表現に求められた美的理念を表す語。「もののあわれ」の理念を発展させたもので、はじめは、詩歌の余情のあり方の一つとして考えられ、神秘的な奥深さを言外に感じさせるような静寂な美しさをさしたもの。その後、一つの芸術理念として、また、和歌の批評用語として種々の解釈を生み、優艶を基調とした、情趣の象徴的な美しさを意味したり、「艶」や「優美」「あわれ」などの種々の美を調和させた美しさをさすと考えられたりした。また、艶を去った、静寂で枯淡な美しさをさすとする考えもあり、能楽などを経て、芭蕉の理念である「さび」へと展開した。
ゆうげん‐たい【幽玄体】(イウゲン‥)🔗⭐🔉
ゆうげん‐たい【幽玄体】(イウゲン‥)
歌論で、幽玄のおもむきを備えた和歌に対して用いられた語。言外に奥深い情趣・余情のある歌体。後には、優雅で柔和な美しさをもった歌体もいう。幽玄様。
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