
(目的を果たすべく)ある所に向かって進む。
「夏休みは家族で京都

に/へ━」
「デパートへ買い物に━」
「忘れ物を取りに━」
「戦地[戦場]に━」

「〜に行く」は到着点に、「〜へ行く」は方向に注目した言い方。

ある場所を移動する。また、ある状況下にあって(その場所を)移動する。通る。進む。
「夜道[街道・砂漠]を━」
「雁
かりが列をなして空を━」
「青海原を船が━」
「人生の裏街道を━」
「わが道を━」

仕事や学習などのために、繰り返しある所に通う。
「兄は大学に━・っている」
「会社にはいつも電車で━」

繰り返しの動作であることを明示化するときは、「行っている」となることが多い。

そこを離れて、ある組織の一員となる。籍を移す。また、そこに入って拘束された状態に身を置く。
「営業部に━・って手腕を発揮する」
「学部を終えて大学院に━」
「ライバル会社に━」
「本家に養子に━」
「主家に奉公に━」
「詐欺
さぎを働いて刑務所に━」

季節・年月などが過ぎ去る。
「冬が━・き春が来る」
「年の━・った人」
「年端
としはも━・かぬ子供」

死ぬ。逝去
せいきょする。
「ぽっくり━」
「長老ついに━」

「逝く」と書く。「岳父は眠るがごとくに逝
いった」

知らせなどがそこに及ぶ。届く。着く。
「学校から家庭に連絡[通知・報告書]が━」
「追って指示が━手はずになっている」

発信する立場からいう。受信する立場からは「来る」。

ある状態に達する。特に、精神的に安定した状態になる。
「すべてを許すところまではなかなか━・かない」
「底値で売っては損が━(=損をする)」
「満足[合点・納得・得心]が━」

《多く、上に副詞を伴い》物事が(そういう具合に)行われる。進む。運ぶ。
「計画はうまく━だろう」
「思い通りには━・かない」
「にっちもさっちも━・かない」

《「わけには━・かない」の形で》→
いかない

《「で━」「と━」の形で》望ましい結果を想定してそれと決める。
「この手で━・こう」
「忘年会は中華で━」
「来年は優勝と━・こうではないか」

〔俗〕性交時などに快感が絶頂に達する。


補動


《動詞連用形+「て(で)━」の形で》

《実質的意味を半ばとどめた用法》

進み行く途中で、ある動作をする意を表す。道すがら〜したあとで、また、行く。
「人を押しのけて━」
「ちょっと寄って━か」

進み行く動作の(基盤となる)様態を表す。そのような仕方で、行く。
「てくてく歩いて━」
「通勤電車は毎朝座って━」

ある動作が、進み行く動作と並行して行われる意を表す。〜しながら、行く。
「荷物を持って━」
「駅まで送って━・こうか」

話し手から遠ざかる移動動作であることを表す。
「先へ先へと進んで━」
「去って[出て]━」

《形式化した用法》時間的・心理的に遠ざかる気持ちを伴いながら、現在(または、基準となる時点)から未来への事態の展開を表す。
「夜は深々と更けて━」
「日ごとに元気になって━」
「景気は徐々に回復に向かって━だろう」
「毅然
きぜんたる態度で生きて━・こう」
「故郷の町が段々とさびれて━」
「山の端
はに太陽が沈んで━」
「戦争で多くの人が死んで━・った」

時間的・心理的接近の場合は「来る」。「日ごとに元気になってくる」「勇気がわいてくる」
◆



の「逝」を除き、広く「行」を使う。また、「
▽往く」「
▽征く」とも書く。「往」は戻る予定で行く意で、「新幹線で往くが、帰りは飛行機にする」などと、「征」は敵を滅ぼすために外国へ行く意で、「戦地[戦争]に征く」などと、「逝」は死ぬ意のほか、帰らぬものとして過ぎ去る意で、「逝きて帰らぬ青春の日々」などとも書くが、今は一般に「行」を使う。実質的意味の希薄な


以降はかな書きが多い。


は積極的にかなで書かれる。


の「ていく」は、口頭語ではしばしば「てく」となる。→
てく・
てった・
てって

「ゆく」とも。「ゆく」には「いく」にない古風で優雅な響きがあり、「去りゆく」「進みゆく」「更けゆく」「暮れゆく」など、一般に文語的表現で用いられる。また、「ゆく」には促音便形がなく、「学校にゆった」とはならない。近年、口語的で活用のそろった「いく」のほうが優勢。
行ける
行き
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
移動‖いどう
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
往復‖おうふく
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
行く‖いく
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
出発‖しゅっぱつ
大分類‖会う‖あう
中分類‖
訪れる‖おとずれる
大分類‖死‖し
中分類‖
死ぬ‖しぬ
大分類‖進む‖すすむ
中分類‖
進行‖しんこう
いく【幾】


接頭


《名詞(に準じる語)に付いて》数量が不定であることを表す。また、疑問を表す。
「━人かが参加した」
「━十」
「━歳月」

文脈によって、数え切れないほどに数量が大きい意、数えるまでもないほどに小さい意にもなる。「雨の日が幾日
にちも続いた」「幾日もしないうちに元気になった」

《形容詞に付いて》程度が大きいことを表す。
「━久しい」