
〔古い言い方で〕敬意を表して、頭上高くにささげ持つ。押し頂く。
「賞状を━」

上の者として敬い仕える。
「知事を名誉会長に━」

〔

の意から〕「もらう」の謙譲語。Aからもらうという動作について、Aを高める。頂戴
ちょうだいする。
「A先生からお手紙を━」
「入学祝いを━」
「別途、手数料を━・きます」
「励ましのお言葉を━」
「お小言を━」

その動作がそれを受ける人の恩恵となることを表す。上に尊敬・丁寧の接頭語「お・ご(御)」を伴うことが多い。「賜る」は目上の人から頂くの意で、「頂く」よりは敬意の度合いが高い。

「食べる」「飲む」の謙譲語。また、風呂
ふろに入る意の謙譲語。Aからもらって食べたり飲んだりする動作について、Aを高める。また、Aから風呂をもらって入るという動作について、Aを高める。
「奥様のお料理は十分に━・きました」
「『お風呂がわきました』『では、お先に━・きます』」
◇→
いただきます

「食べる」「飲む」の丁重語。また、風呂に入る意の丁重語。相手(=聞き手・読み手)に対する改まった気持ちや上品な気持ちを表す。
「お夕飯ができましたから、冷めないうちに━・きましょう」
「晴れた日には庭でお茶を━のが習慣です」
「帰宅してすぐにお風呂を━・きました」

高めるべき人物が曖昧
あいまいになり丁重語化したもので、本来は誤り。

利益となるものを苦労もなく手に入れる。
「この勝負はこちらで━・いたぞ」

皮肉な気分を伴うこともある。「人のアイディアをちゃっかり━・いて澄ましている」


補動


《「…て[で]いただく」「お[ご]…いただく」の形で》
謙譲
Aに…てもらうという動作について、Aを高める。
「A先生に推薦文をお書き━」
「いつも懇意にして━・いております」
「早速着手して━・きたい」
「お褒め━・いて恐縮の至りです」
「早速ご手配━・きたく願い上げます」
◇「お[ご]…いただく」の「…」には動詞連用形や漢語サ変動詞語幹が入る。

「…ていただく」「お[ご]…いただく」は、

Aの「…」という動作を、いただく

意で、Aの動作がそれを受ける人の恩恵となることを表す。恩恵を与える側のAを主語にした「先生
が来ていただきました」は誤り。「(私どもは)先生
に来ていただきました」もしくは「先生が来てくださいました」が正しい。

Aの動作である「…」の部分を謙譲語にするのは誤り。「
×
ご拝読いただきありがとうございます→
○
お読み[ご覧]いただき…」 →
「お」のコラム11・
20

《「…(さ)せて━」の形で》→
させていただく
◆→
敬語解説


はかな書きも多い。
頂ける
いただき
関連語
大分類‖受ける‖うける
中分類‖
貰う‖もらう
いただ・ける【頂ける(▽戴ける)】


動下一



自他


「もらえる」の謙譲語。また、「食べられる」「飲める」の丁重語。いただくことができる。
「優秀賞

を/が━・けた」
→
頂く


よいと認めて受け入れることができる。
「その説は━・けないね」


補動


《「…て[で]いただける」「お[ご]…いただける」の形で》
謙譲
Aに…てもらえるという動作について、Aを高める。
「(私は)先生に教えて━・けました」
「小社の製品はどなたにもお使い━・けます」
「〔駅のアナウンスで〕次の電車は(私どもはお客様に)ご乗車━・けません」
◇「お[ご]…いただける」の「…」には動詞連用形や漢語サ変動詞語幹が入る。→
お・
ご

「Aは…いただける」は、「Aは(Bに)…してもらえる」意。「お客様はこのサービスをご利用いただけます」は、「お客様は(別の誰かに)このサービスを利用してもらえる」の意となり、誤り。「(私どもは)お客様
にこのサービスをご利用いただけます」や、「お客様はこのサービスをご利用になれます」が適切。

もらえるかどうか聞く、また、もらいたいとお願いするときは、次の順で丁寧さが増す。「いただけますか」「いただけませんか」「いただけませんでしょうか」

やりもらいのできないものについて「いただけますか」とお願いするのは適切でない。「
×
お名前[電話番号]をいただけますか」
◆「頂く」の可能形。